「あ、あぁ……姉ちゃん、随分と手馴れているな」
「うふ。まあ、こういうバイトもしないと生活出来ない苦学生だから」
間接照明がぼんやりとした闇を生み出す狭い空間内で、二人の男女が身を寄せ合っている。
片や三十を過ぎているであろう男で、もう一人は金髪巨乳の巫女装束。
馬鹿だ。
馬鹿は嫣然とした笑みを浮かべて竿を上下に擦りながら、男の耳元で囁きかける。
「でも、おじさんも大変じゃない? 武蔵がこんな状況だと大変でしょう?」
「ああ、わかるか?」
「――Jud. 昨日なんか新作エロゲの握手会イベントに並んだものの、おじさんの順番になって相手の声優さんが、『衛生的に無理』っていって握手拒絶したわねえ」
「えっ、なんでそれを?」
「ばっかおっさん、俺が後ろに並んでたからに決まってんじゃねえか!」
「うわあ――!! 馬鹿がモーホーに走ったあ――!!」