点蔵はいつになく、我を忘れたような熱っぽい目でメアリに触れてきた。
指で、唇で、余すところなく愛撫される。
始めは壊れ物を扱うようだったのに、やがて怖いくらいに激しくなった。
メアリも感情が昂ぶっているせいか、普段以上に敏感に点蔵に反応した。皮膚の薄皮一枚の下に、何か電流でも流れているかのように、触られる度にびくびくと反応してしまう。
「……っ、あ、点蔵様…っ」
こらえきれずに名を呼ぶが、応えはない。
かわりに、彼が身の奥深くまで侵入してきた。肉の壁をこじ開けるように進んできた彼自身を、潤んだメアリの中はたやすく迎え入れる。
「ぁ、あ、」
(熱い……いつもより、大きいような…?)
大きく息をついた彼が、動きを抑えて我慢しているのが分かる。
(……気遣いなど、いりませんのに)
こんな時でも、理性を保とうとする彼を好ましく思い、同時に、自分の前では捨てて欲しいと思う。彼の唯一の存在でありたかった。
だから、その為の言葉を口にした。
「点蔵様…お好きに、ご自由に、してください…っ」
額に汗を浮かべた彼の精悍な顔が、劣情にゆがむ。
「メアリ殿……っ」
彼に伸ばした指が、絡め取られ、シーツに押しつけられた。
そのまま、点蔵が激しく腰を前後させる。
「んっ、あ、あ…っ!」
(あぁ…いつもより、激しいです…点蔵様……。気持ちいいですか?)
(おくに、届いて…っ)
「点蔵様……っ」
(もう出そうみたい……)
(お腹の中で、大きくなってます、点蔵様)
(あつくて、かたくて、きもちいい……)
「んん、ふぁ、てんぞ、さまぁ……っ!!!!」
(あ、あ、点蔵様のが、中で、びくんびくんって…っ、出てる…っ! 熱い…熱いので中がいっぱい…!)
(点蔵様…気持ちよさそうです…良かった…)
「はぁ……、てんぞう、さま?」
胴震いした彼の長い射精が終わって、すぐにまた、中をぐちゅぐちゅと音を立ててこすり上げられる。
収まらない熱を伝えるかのように点蔵が口づけてきて、メアリは彼を抱き寄せるように手を伸ばした。
唇を合わせながら、彼が突き上げる速さは緩むことなく、メアリは必死で彼の舌を追った。
「ん、ふぅ…っ、んちゅ、ぅん…っ」
舌をこすり上げ、甘噛みし、吸い、それはあたかも彼の性器をしゃぶる時のようだった。
その行為に熱中していると、彼の指が胸に触れてきた。絞り上げるように強烈に握られて、痛みさえも快感に繋がる。
思わず離れた唇から嬌声が上がった。
「あぁ……、点蔵様……っ!」
その声を合図としたように、点蔵はメアリの膝裏に手をつき、太股を大きく開かせると、膝頭がシーツに付くほどに押しつけた。
自然と腰が上がり、彼と繋がった部分がメアリからもよく見えてしまう。
(点蔵様の、あんなに太いのが……私の中に……っ)
激しい水音を立てて出入りするそれを、無意識に締め付けてしまった。
「んぁ、あああ、てんぞぅ、さまぁ!」
(点蔵様の、熱くて、堅くて……っ)
(奥まで、奥まで届いてます…、ああ、点蔵様……!)
(どうしよう、気持ちいい、気持ちいいです……っ)
「点蔵様…ってんぞーさまぁ…! 私、私もう……! イッちゃいます…っ!」
「イって下され、メアリ殿……!」
「あ、あ、あ、ああああああ!!!」
(あぁ、イっちゃいました……っ)
(あ、点蔵様も一緒に……)
(どくどくって、いっぱい…中に下さいました……)
(点蔵様も、気持ちよさそう……)
(嬉しい……)
全身を震わせて達したメアリは、絶頂の余韻に浸ったまま、幸せそうに意識を手放した。
(終わり)