「はぁ」  
新庄は小さくため息をついた  
ここは佐山と新庄が暮らしている寮の部屋で天井の蛍光灯が光を放っている  
時刻は夜と深夜の境目、と言ったところ  
新庄は先にこの部屋に戻ってきているのだ  
そして新庄はつぶやく  
「…このごろ全然確かめてもらってない」  
まぁ仕方のないことである  
全竜交渉の事後処理に終われ自由な時間はほとんどない  
自分の時間ができても佐山は全竜交渉の中心人物だったために仕事の量がはんぱなく違うので時間が空かない  
「はぁ」  
二度目のため息をつく  
このごろ新庄の中の佐山分が不足してきている  
もちろん佐山はいま全竜交渉の処理に時間をとられている為この寮にはいない  
「はぁ」  
三度目のため息をつく  
そして  
「よし」  
新庄は不足分を補うために何かを決心してつぶやく  
 
 
 
「ふぅ…くっ…はっ…」  
先ほどと同じ部屋。しかし様子が少し違った  
一つは部屋の蛍光灯がついていないこと  
一つはベッドに誰かが全裸で横たわっていること  
最後の一つは部屋に甘い声が響いていること  
?  
 
「んっ!…はっ…ふぅ」  
新庄は貪欲に快楽を求める  
その左手は乳房の先端を摘み逆の手は秘所を撫でる  
「んんっ…佐山くんがぁ…いけないんだぁ」  
新庄は自分のしていることを佐山がしてくれないことに責任転嫁し行為を続ける  
秘所はすでに洪水で少し指を動かすだけで淫猥な音を立てる  
肉芽を指で摩擦しながら同時に指を中に沈めてかき回す  
そしてその度に新庄の肢体が跳ねる  
「くっ…あぁ…ふあ」  
声はさらに甘いものになっていき限界が近づいてくる  
「佐山くんっ、佐山くんっ」  
しだいに声の間隔が短くなり  
そしてついに我慢ができなくなり…  
その時だった  
「やぁ新庄君! まさかそんなに我慢しているとは思っていなかったよ!」  
何の突拍子もなく突然部屋に佐山が飛び込んできた  
 
「うわぁーー!」  
ワンテンポ遅れて新庄は叫びながら慌てて自分の体を布団で隠す  
そしてふと疑問に思ったことを佐山に問う  
「さっ、佐山君。きっ、今日は全竜交渉の処理で今日中には  
帰れないって言ってなかったっけ?」  
その問いに佐山は答える  
「ふむ愚問だね新庄君。新庄君の可愛い喘ぎ声を盗聴してたら  
我慢できなくなったから急いで終わらしてきただけだが何か問題でも?」  
「おおありだよっ! 盗聴ってどういうこと!?」  
「おや知らないのかね?そこのコンセントの中に入っているのだが。  
 ちなみに盗撮もしているよ?今回のは永久保存版だね新庄君?」  
 
「うわーーーー!」  
新庄は二度目の叫び声をあげる  
今やっていたことを見られて聞かれてたと思い、恥ずかしいという気持ちで  
心の中まで真っ赤になる  
そんな新庄を見て心の中で色々思いつつ佐山は声をかける  
「さて新庄君、今から君の事を確かめたいのだがいいかね?」  
「ふぇ?」  
「新庄君はすっきりできてないようだし。ちょっと今、私は自分をおさえられないようだ」  
佐山も不足していたのだ。心に新庄が  
その状況であんなことやこんなことを耳にして目にしたのだ  
自分が抑えられなくて当然である  
「…佐山君、顔がニヤけてるのに気付いてる?」  
「そういう新庄君こそ顔がニヤけているのだが」  
本当かなぁ   
そう新庄は思い  
まぁいいか  
とも思った  
そしていま自分が一番してほしいことを口にした  
 
 
終わり  
 
 

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