「そういえば、あなたと話すのは初めてになるんですね、私は」
しゃべりかけるのは巫女装束に身を包んだ一人の美少女。
「ふむ、たしかに君とは話したことはないが……君の名は?」
その問いかけに答え、話す
「十拳、です」
「たしか、君は剣だったと思ったのだが」
「あ、それはですね」
数ヵ月前
某開発部
『おい、見ろよこれ』
『なんだよ……概念核擬人化だと!?』
『ああ、凄く夢が溢れると思わないか!!』
『たしかにな、早速とりかかるぞ!!』
『あのなぁ、予算がないぞ』
『わしが出すでガポァ!!』
『お見苦しいとこをお見せし、誠に申し訳ありません』
『いや、いいさ……これで予算も大丈夫だな、やるぞお前らぁぁぁぁぁぁあ!!』
『『『『『おおぅ!!』』』』』
「と、言うわけです」
「ふむ…後できっちりとしばいておくべきか、あの老人は」
彼女は、くすりと笑いつつ、
「そんなことはしなくていいと思いますよ?私は感謝していますから、人の体になれたことを」
聞き、しかし佐山は顎に手を当てながら、
「なに、一発くれてやらないとUCAT内に更なる変態部署が
増設されることになるからね、 もう遅いようだが」佐山は右を向き、
「?」
釣られて右を見る、
そこに居たのは
「あ、やばいばれた」
「おお!困惑してる表情も可愛いぞ!!」
「く〜巫女萌える」
「巫女は日本が産み出した宝だ……制服もいいがな!」
「わはは、いいぞその表情」
「写真はこれぐらい取れば充分じゃろ」
総勢30名ほどの――大城一夫含む――変態、もとい、UCAT職員だった。
「……えーっと、あれはいったい?」
「なに、君が気にすることはない、まぁ見ていたまえ」
佐山の言葉が終わった途端、いきなり床に穴が開く
……変態全員を飲み込むように開いた穴は、きちんと全員の足下を消した。
そして、全員思い思いの悲鳴を上げて暗闇に飲まれていった。
そして、何事もなかったように床がしまる。
この様子を見た彼女は、非常に混乱した表情をしつつ
「……困惑したら、いけないところでしょうか」
佐山に問う。
「別にそれが常人の反応だ、気にすることはない」
「そう……ですか」