・―――擬人化ヒャッホウ!  
 
「また馬鹿な概念がだだ漏れてしまったものだね…」  
 
呟く佐山の視界  
みどり(源氏名)湯の浴槽は絶賛満員御礼  
 
「さやま」  
「さやま」  
「さやま」  
「さやま!」  
 
進み出た佐山を迎えるように取り囲むのは、皆一様に一糸まとわぬ幼女たちであった  
四等身の体。ここは変わらぬ緑色の毛並みは長くかかとまであり、歩くたびに引きずっている  
小動物のような黒目の大きな瞳を輝かせてこちらを見上げる幼女の頭を撫でると、そこから僅かに手のひらの熱が奪われた  
 
「ふむ、様子を見に来たはいいが……これではしばらく男子禁制にせざるを得ないね」  
 
「ごめいわく おかけします?」  
 
柔らかな声とともに浴槽から立ち上がる湯気を割って、成熟した女性のシルエットが姿を現した  
穏和な瞳は黒目がちで、ちょうど目の前にいる幼女たちを成長させたような容姿をしている  
 
「ムキチ…くん。かね」  
 
「はい そうです みなさん ごあいさつは?」  
 
「さやま」  
「こんにちは」  
「こんにちは」  
「こんにちはー」  
 
幼女たちが一斉に唱和した  
 
 

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