「さっ、佐山君……?」
「「「「「「「どうしたのかね、新庄君」」」」」」」
「あのさっ、これは目の錯覚なのかな」
「「「「「「「何がかね、新庄君」」」」」」」
「いや、えっと……。佐山君が七人いるの」
「「「「「「「それは素晴らしい事だね」」」」」」」
「うんうん。とうとう佐山菌が脳内に入ったのかも」
七人の佐山をよく見てみる。
いつも一番近くで見ているつもりだが、それでも見た目には違いが分からない。
「「「「「「「そんなに見つめられると照れてしまうのだがね」」」」」」」
きっちり、寸分の違いもなくハモる声。
「気にすることはない」
「これは素晴らしい事だ」
「考えてみてほしい」
「原因はわからないが」
「とにかく今までの七倍」
「愛することが出来るということだ」
「ビバ概念」
「「「「「「「どうかね、新庄君」」」」」」」
七人がかりの言葉だと、本当に洗脳されそうで困る
なにせ佐山君の声がエコー付で全周囲スピーカー状態なのだから
「佐山君なの?」
「もちろん、それは私だ」
「こっちも、佐山君なの?」
「あぁ、それも私だ」
「……みんな、佐山君なの?」
「「「「「「「」そうだとも、新庄君」」」」」」」
駄目だ。どれも本物に見えてきた。
本当に概念で、七人の佐山君になってしまったのだろうか
「そんなに心配なら」
「確認してみよう」
「新庄君と」
「私にしか出来ない」
「確認方法」
「それでなら」
「きっと間違えることもないと思うのだがね」
「「「「「「「どうだろうか、新庄君」」」」」」」
「えっと、それは……えぇっ!?」
押し寄せてくる佐山君達。あっ、そんな!ちょっ、そこは洒落になんないってばっ!
(この後は省略されました。後は妄想の世界でお楽しみください)