放課後になると馬鹿があらわれた。  
「よお、エロ介。今日はちょっといいことを教えてやらない」  
馬鹿が馬鹿面で馬鹿馬鹿しい馬鹿を言うから標準的対応として三連打撃で沈める。  
  記憶が過去でできている以上過去と記憶は等号で結ばれる。  
馬鹿が記動力を発動。  
馬鹿が瞬時に殴られた記憶を忘れる、記憶と過去は=だから殴られた記憶がないのなら殴られたなどという過去も存在しない。  
「この便利鳥頭め…。で、どうした悪友。今日はどんな与太話を仕入れてきた?」  
「いや、放花魔騒動で総長連合が呼び出されて、そん時副長から聞いたんだがな?」  
あぁ、例のロングコートの男が夜道でいきなり大量の花を浴びせかけてくるって事件か。春は変な奴が増えるなぁ。  
「お前もだよ! おや?俺、今何を受信した?何やらひどく馬鹿馬鹿しかった気が」  
人の内心に勝手に返事しておいて馬鹿馬鹿しいとはなんだ。  
腹が立ったから打撃、打撃。  
  記憶が過去でできている以上過去と記憶は等号で結ばれる。  
記動力で即座に回復する、殴りがいのないやつだ。  
「それで、副長の言うには、夜に口笛を吹くと泥棒が来るらしいぞ?」  
「…それで、実際にやってみたら泥だらけの棍を持った副長が来たとか言うなよ?」  
額に「なぜそれを!」という文字が浮かび上がる悪友。  
「ははは、まさか。そんな単純な」  
とりあえず馬鹿は殴って黙らせた。  
 
 
夜の闇の中を桜とみずがめ座が散歩している。  
秋の星座はこの時期は暇なんだろうか。  
ベッドに座り、部屋の電気を消し何をするでもなく窓から外を眺める。  
デジタル時計の数字が変わる、どうやら明日になったようだ。  
流行りの歌を口笛で吹き、つらつらと思考を回す。友人関係、好きな女、進路、最近変な事件が増えてきたこと、etc.etc.  
「呼んだ?」  
唐突な声。  
窓が消えた。  
いや、消えたんじゃなく隠れただけか。急に眼の前に何か来たらそりゃ隠れるなー、と思いつつ見上げる。声は上から降ってきた。  
目の前の何かは人影だったらしい。怪盗、と全身でアピールする黒装束。  
「聞いたでしょ?夜に口笛を吹くと」  
馬鹿から聞いた話を思い出す。あー、泥棒か…。とりあえず余計なことを教えくさった馬鹿は明日一番に殴り飛ばそう。  
「えーと、どちらの泥棒さんかな?たいていの来客は間に合ってんだけど」  
「ん。ストレートに甘くと遠まわしに辛く、どっちがいい?」  
「遠まわしに優しく聞きたいなぁ」  
「じゃ、遠まわしに言うけど。あなたの童貞いただきにまいりました。by怪盗」  
それ遠まわし言わないよなぁって  
「はい?」  
 
暖かくて気持ちのいい季節な春になると、脳も温められていい感じにトロケるせいで変な奴が増える。俺の部屋にも  
「変な奴というか…」  
「む。変な奴とは失礼な!筆おろしのお姉さんに会える機会なんて一生に一度あるかないかなんだから、もっと喜べば?」  
そりゃ、一生に二度も三度も筆おろしは出来んだろう。というか自分で喜べとかいいますか。いやいやそれ以前に、だ。  
「どうして俺は動けないのかな?というかベッドの上で押し倒されるのは趣味じゃないんだが…」  
シャツのボタンを外している金の髪に向かって声をかける。というかさすが筆おろし、手際いいなぁ。というか俺今貞操の危機ー。  
「んー?動けないのは手取り足取り教えてあげたいお姉さんの趣味?」  
うわ最悪だこの人。人じゃないけど。というか  
「俺、一応好きな女がいるんだが…」  
ボタンを外し終わりシャツをはだけさせた筆おろしが上目づかいに見上げてくる、うわぁ俺理性にダメージ80くらいー。  
「だーめ。お姉さんは怪盗なんだから嫌がったってあなたの童貞はもらうわ」  
マスク越しの蒼い瞳を潤ませ、言う  
「ふふ、まぁその好きな娘との前の練習だとでも思えば?あら、けっこう腹筋あるね。お姉さん好みだわぁ。おいしそっ」  
豊かな胸を押しつけるようにして俺の腹筋に舌を這わせてくる。  
胸板を通って首筋まで、波打つ金の髪からは甘いにおいがした。  
「どう?気持ちいい?」  
さらに上って耳を甘噛みすると、今度は下っていく。正中線をなぞるように進みへそに、円を描くようにしてへその周りをなめる。  
「ん、んふっ」  
甘い声を上げながらだんだんと円を小さくしていく、そしてついにはへそにいたる。  
「ぐっ」  
俺理性に200のダメージ、というかこれ堪えるには圧倒的に経験値足りてない感じだなぁ。  
「あ、やっと声出してくれた。もっともっとかわいい声を聞かせて」  
へそを重点的に腹をなめながら、胸を股間へと押し付け揉むように揺り動かす。  
俺の理性を打ち崩すように男性器が起立していく。うわ、なんかいつも以上のサイズ…って違うだろ俺!沈まれわが息子ー!!  
「んっ、硬くなってきた。じゃそろそろお披露目と行こうかしら〜?」  
豊乳の柔らかな感触が遠ざかる、と、布を裂くような鈍い音をたてジッパーが下される。次ぐかすかな金属音でチャックが外れた。  
「御開帳〜」  
ズボンとパンツが一気に下される。  
硬く勃起した俺の息子が勢いよく飛び出した。  
 

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