まめちしき
「日本語OSでバックスラッシュが出ない理由を知っているかね?月詠部長」
「MSKKに月詠在りと言われたものとしてそんなことを聞かれたくはないさね。鹿島、ほれ」
「そんなことより奈津さんの…わかりましたよ。かつて世界にはZ3があり、ENIACがあり、Crayが
ありました。しかしこれらの時代には計算機序は機器ごとに組み込まれ、相互運用性は皆無
でした。そんな中、ある汎用計算機向けの統合OSとしてMulticsプロジェクトが始まります。
しかしプロジェクトは難航、数年後には破棄されてしまいます。あ、8号さんですね。こちらへ」
「ちょっと鹿島、そっちは焼却炉…お熱いことさね。後はワムナビにでも頼むとするさ」
「Multicsの」「ゲームの」「えみゅの」「まちがい」「移直のために」「UNIXが」「イ乍られました」
「UNlXは」「つかれた」「だれか」「かわって」
「…Sf君、君には挟まり癖でもあるのかね。ロッカーに挟まっているように見えるが」
「至様の追跡行動に付随した反応と判断します。そのような機能の記載はカタログには無いものと判断します」
「…私が続けてもかまわないのだがね、どこまで話したか…おや、ここにUCATダミー文書が一つあるね」
こうしてUNIXは『大分裂の時代』を迎えます。一方そのころ、一人の青年、B・ゲイツがマイクロソフトを設立。
UnixライクなOSとしてMS-DOSを開発し販売。現在二強の一方を担うDOS系列が生まれます。
MS-DOSはUNIX系機構の"/mnt/hda2/home/user/bin/"といったスラッシュ区切りの対極として\を
ディレクトリ区切りに使用。C:\ >の表示で親しまれ様々な個人用計算機で広く利用されます。
日本語翻訳を以て輸入もされ、各種改造を施されたMS-DOSはDOS/Vと呼ばれました。
「こうしてその時に導入された日本語文字配列は\を\で置き換えていました。これが今も残るその爪痕です」
「補足を有難う、飛場少年。一つ良いことを教えよう。―すぐに後ろを向きたまえ」
「へ? なにも…か、かか風見先輩ー!?カカト落としは…白ッ!」
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