葵家、トーリ私室。
「愚弟、言う前に開けたけど入るわよってまた暗い部屋にスピーカーONでエロゲ?フフフいい加減遠慮という言葉を知りなさい、姉ちゃん引いちゃうわ。素敵……!」
「姉ちゃんまたいい空気吸引し過ぎな上に、今さらだけど鏡見ろよって言っていいか?」
「言うだけならね。後ツンデレ攻略ならエロゲのお嬢様よりネイトを先にしたら?」
「いや、ホライゾン攻略の参考にしようかと――うわ武将討たれた…!」
「あら敵将見た目アサマチね。フフフ人間関係って面倒…!」
「ラ・マン討ち取りゲー"鳴かぬなら〜戦国バッサリ編〜"って難易度シビアな上にゲームオーバーねえから、負けたら勝手にヒロイン決まるしオートセーブだしでプレイヤー泣かせなんだよなぁ。で、今さらだけど姉ちゃん何か用?」
「しかもリアルタイムストラテジー?ラスボス敵将がオバサンでステイタス最強だと負けた瞬間リセット必至ね…!――ええ、やり直し出来ない方に話戻すけど、愚弟あんた最近テンション低いわね」
「いやぁ姉ちゃんなら判っちゃうか。このブラコンって言ってみていいかな姉ちゃん!」
「なあにシスコン愚弟?嫌ね相思相愛じゃないフフフ。――まあアレね、言わないじゃない最近――オッパイって」
「俺の元気メーターイコールオッパイゲージか。確かにオッパイ足らないなぁオッパイ。仕方ないから語尾オッパイでいいかなオッパイ…!」
「無理し過ぎな感じが素敵よオッパイ。――まあそんな愚弟に少し盛り上がる話を持ってきてあげたわ。どうせホライゾンも君主手続き云々で明日までガッコ来れないんだし、フフフ楽しむなら今の内ね…!」
「姉ちゃん、姉ちゃん、あんまりハイ過ぎると今の俺じゃ付いていけねえよ。もうちょい難易度下げてくれよ」
「賢姉は優しいからヘルぐらいで許してあげる。――試練って素敵…!とりあえず愚弟、これ見なさい」
「あ?ええと、『いさにさどれりけん』?いさ、いさにさ・どれりけん…ダメだボケらんねぇ―!」
「ククク自分の字にも容赦ない読み違いね、グレイト。正しくは『いちにちどれいけん』ね」
「あれ?『いちにちどれいけん』?『一日奴隷券』?……あれぇ―?!」
「"ち"が"さ"で"い"を"り"に書き間違えたんでしょう」
「姉ちゃん、姉ちゃん、論点違うってかいつの間に!二度ネタだけど大人って汚ねぇ―!」
「フフフ大人の女は賢いしズルいわよ。そうでなくちゃ生きられないし騙せないじゃない。――でもね愚弟、これは正真正銘アンタが作ったもの。ついさっき見つけたわ、そう――押し入れの奥の布団の下で」
「うわ総合的に見て姉ちゃん汚ねぇ!酷えよ覚えてねぇけど!いつの間に俺を操った?!」
「フフフ無知って愚か…!アンタ自主的に書いたわよ、この賢姉の目の前で」
「あれぇ…?そだっけ…?」
「そうよフフフ、嘘って大事…!」
「うわやべぇ、オッパイゲージが足らねぇ!元乳玉ももめもめ波も出せねぇ!」
「真偽には敢えてツッコまないのね、エクセレント!」
「頭いいけどバカだな姉ちゃん!いいかぁ?――オッパイの前には全部些末事なんだよ!すなわちオッパイイコール真理…!」
「ナイスよ愚弟、アンタ自ら論点ズラしてくれたお陰で言えるわ――明日使うからコレ。いいわねそれじゃおやすみなさいククク…!」
「あ、あれぇ―?!」