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作品名:親指からロマンス  
作者:椿いづみ  
掲載誌:白泉社・花とゆめ  
主人公:東宮千愛(とうぐう ちあき)  
マッサージ研究会の一員。マッサージ命の女子高生。姉と折り合いが悪い。  
相手役:森泉陽介(もりいずみ ようすけ)  
校内きってのタラシのモテ男。  
最低限の知識:マッサージ命の千愛は、物凄く背中が「凝って」  
いる陽介の背中に一目惚れ。彼女に興味なかった陽介だったが、  
ひょんなことから、表向きだけの付き合いを始める。  
その後紆余曲折あって、現在ほのぼのな恋愛を展開中。  
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俺の彼女・東宮千愛は、将来マッサージ師を目指すマッサージ  
研究会の一員だ。  
その数多い会員の中でも、彼女はダントツに上手い。  
自覚無しの彼女曰く「超凝り症男」の自分でも、彼女はうまいと  
思う。  
普段は余り自己主張しない、どっちかというとおとなしい部類に  
入る千愛だが、いざマッサージとなると、そんな弱気な彼女は  
どこへいってしまったのかと思ってしまうぐらい、かっこいい。  
そういう凛々しくてかっこいい千愛もいいが、でも俺は、普段の  
ちょっとひっそりした彼女の方が、凄くかわいくて仕方が無い。  
 
「陽介、くん」  
夕暮れの教室でうたた寝していた俺は、彼女の声で起こされた。  
「待っててくれてありがと。遅くなってごめんね」  
「ん、・・・ああ」  
だるそうに目を開けた俺は、無意識に首を回していたらしい。  
−−−−−−と。  
千愛の目が急に輝いた。彼女は元々俺の凝っている背中に目が  
行って、俺に声を掛けた女だ。  
「したい、のか?」  
俺は上目遣いでひっそり聞いてやった。  
すると彼女の頬が、窓から当たる夕焼け以上に赤くなる。  
元々女ったらしの俺には、そんな芸当は朝飯前だ。  
千愛は慌てて否定する。  
「や。違います。マッサージしたいなんて、そんな、」  
「俺は、マッサージ、なんて言ってないぜ」  
彼女は半べそであうあうと言葉に詰まった。  
 
すげえかわいいな。  
ま、いじめるのも何なので。  
「いいぜ、千愛」  
その瞬間、彼女の顔がぱーっと花咲く。  
そんなに俺の凝った背中『の方』がいいのか?とちょっと思わな  
いでもない。  
「その代わり、あとでお前に頼みたいことがあるんだ。きいて  
くれるか?」  
「うん、わかった。きくね!」  
満面の笑みで、彼女はうなずいた。  
ほやほやした嬉しそうな顔が紅潮して、たとえようも無いほど  
かわいい。  
その笑みを、俺はちょっと崩そうとしている。  
心の中で「悪ぃな」を謝ると、千愛の言うとおり、机に寝そべった。  
俺の筋肉と関節が、千愛の指先で華麗に鳴る。  
さっきも言ったが、俺は無自覚の凝り性らしく、普段はあまり  
凝りを意識しない。しかし彼女の指先でこうして奏でられれば、  
やはり凝りが解れてゆくのだろう。体が楽になる。  
「へへ。陽介くん、やっぱり凝ってるね!」  
頬を染め、嬉しそうに彼女が言う。  
「そうか?」  
千愛は小柄で−−−−−当然手も小さい。  
あまり力があるようには思えないのに、その指先は信じられない  
程のパワーを秘めている。  
熱心にマッサージするその顔は、とても凛々しくて綺麗だ。  
だが、悔しいがそれは俺だけのものではない。  
仕方ねえ。そんなコイツに惚れてるんだ。  
流石に上手いな。体が楽になってきた。  
「はい、おわり! お疲れ様でした!」  
 
感謝と労わりと満足感溢れたその笑顔も俺のものではな、・・・・  
心の奥底が軋んだ。  
だが俺はそれを隠して笑う。  
「サンキューな」  
「いえいえどういたしまして」  
きらきらした笑顔で頭を下げる。  
机の上にそのまま座っている俺と、千愛の高さが同じぐらいだ。  
俺は彼女の右手を取った。  
「さっき言ってた、頼み事、今してもいいか?」  
「あ、約束ですね。いいですよ」  
俺に手を取られて、ちょっと恥ずかしそうにしているその笑みを、  
これから奪うつもりだ。  
「少しの間、・・・そうだなそんな時間はかからない。30分も  
かからないと思う。その間、今立っているそのまま、そこに  
立っていてくれないか?」  
彼女はきょとんと小首をかしげた。  
「えと、ここに立っているだけ、でいいの?」  
「そう。それだけ」  
「えーと。了解です」  
俺は悪い笑みを浮かべて、ぐいっと掴んでいた手で彼女を  
引き寄せた。  
千愛は小さな悲鳴と共にバランスを崩して、腕の中に倒れこんで  
きた。  
「声、あげてもいいからな」  
囁くなり、俺はキスをした。  
千愛の体が、硬直しているのがわかる。  
それに構わず、俺はより求めた。  
逃げないように、うなじを固定する。  
 
息苦しくなったのか、喘がれた唇の中に俺は舌を入れた。  
「、はっ。・・・・ん、」  
そそる息遣い。  
彼女の歯茎を舐め、欲を引き出す。  
猶も暫く舌で愛撫した後で、彼女から離れた。  
これ以上も無いぐらい頬は紅潮しており、目の周りに朧な欲情が  
刷かれている。  
喘ぐ息の下で、千愛はそっと言った。  
「よ・・・う、す・・けく、」  
すげえかわいい。  
もっともっと見たくなる。  
俺は軽く抱いたまま、右手で彼女の背中をすっと下降させた。  
そのまま更に下りる。  
「あ。・・・よ、陽介、君」  
はっとした千愛が、声を荒げる。  
「や、ダメ!」  
俺は聞こえないフリして、するりとスカートの中に手を差し  
入れた。  
あ、あ、と震える声がする。  
「お願い、や、やめてっ  ああんっ」  
その声はパンティーをなぞったせいだ。  
「やだ!」  
逃れようとする彼女を左手で捕まえる。  
「ここに立つって約束は?」  
彼女の動きが止まった。  
「そう、少しの間。30分ぐらいここに立つって約束。まだ  
10分も経ってないよな」  
 
そう言いながら、無論彼女の尻を撫で回している。  
羞恥に染まった赤い顔が、心なし淫らだ。  
「お願い・・・・・」  
「何を?」  
俺はとことん意地悪だった。  
「もう少し、ここに立ってろよ。立てそうになければ、俺に  
掴まればいい」  
チュとキスをして、千愛の言葉を封印した。  
俺の手がパンティーの中に入り込んだ。彼女の体が揺れる。  
「あ・・・・・・ぃゃ・・・・ぃやーーーーー」  
あまり濡れていない千愛のソコに、俺は指を這わせた。  
当然芯はまだ固いままだが、構わず、撫で回す。  
彼女の喘ぐ息が、俺をぞくぞくさせる。  
「よ、・・介・・く、・・・・おねが、ぃ」  
「何を?」  
俺は千愛の耳に囁く。  
「・・・・・・テ」  
わかっていても俺は意地悪する。  
「聞こえないな」  
言いながら、耳を舌でなぞる。無論右手は、彼女のアソコを  
弄んでいる。  
ちょっと入れてみようか。  
人差指のほんの先を、水気が多くなってきた千愛の中に入れた。  
「ひゃっ、ぃやー」  
そのまま撫で回すと、彼女の体がガクガクとなった。  
「かわいいぜ、千愛」  
「ヤ! よぅすけ、くん。抜い・・・・て、」  
「お前がかわいいから、なし」  
千愛のソコは、俺の指の根元まで濡らすぐらいに溢れてきた。  
嫌がっていた彼女の吐息に、艶が混じってきたのがわかる。  
くちゃり。  
 
千愛の顔がこれまで以上に真っ赤になった。  
「いい音立てたな、千愛の、」  
俺は逃げる彼女の唇を、キスでふさいだ。  
人差指だけだが、先程よりも潜っている。  
俺は開き始めたソコをかき回し、小さな突起に触れた。  
「あっ、あああぁっ・・・・ぃやーーーー」  
千愛は生まれて初めて、こういう快感を感じたんだろう・・・。  
断続的に喘ぎ声が上がる  
思わず舌なめずりした。  
俺は右手の動きを、強くした。  
アソコが立てるくちゅりくちゅりとした音と千愛の喘ぎ声が、  
暮れ切った教室に広がる。  
「よ、・・・すけ、・・ク、・・たす、け・・・」  
「イっていいぜ、千愛」  
彼女は一層高い声を上げて、いった。  
千愛は荒い息をして俺に倒れこんできた。  
左手で抱いてやる。  
右手は・・・・・彼女のパンティーから抜いて、俺は  
濡れた指先を舐めた。  
ん、甘ぇな−−−−。  
「すげえかわいかったぜ、千愛」  
頭を抱き千愛に囁くと、彼女は「陽介くん、ひどい」と  
小声で言った。  
「酷い?」  
すると千愛はばっと俺から離れた。  
「陽介くん、いじわるだ。帰る」  
 
 
俺は少し肩を竦めた。  
「すっかり遅くなっちまったな」  
あかりを付けていなかった教室は、外灯の光で辛うじてシル  
エットを確認できる程度だ。  
俺はかばんを持つと、先にいる千愛を追った。  
彼女は教室の入り口で、俺を待ってる。  
そういう気遣いも俺が惚れているトコロだったりする。  
「なあ」  
「なに?」  
「俺のマッサージ、よかっただろ?」  
すると彼女は暗がりでもわかるほど、頬を染めて言った。  
「し、知らないっ! 陽介君のバカ!」  
俺を置き去りにして、行ってしまった。  
それでも俺は、千愛が昇降口で待っているのを知っている。  
今日はちょっと先に進んじまったが、もう少し我慢しなくちゃな。  
かわいい千愛を失うことだけは、何があっても出来ねえから。  
千愛はやっぱり昇降口で待っていた。  
はにかむようないつもの笑顔だ。  
その姿を見て、俺は自分の我慢がいつまで出来るのか、さっぱり  
自信がなくなってしまったのだった。  
 
 
 
 
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