「小娘! お前がむやみに突っ込んでいくから撤退するはめになったのだ!」  
「犬ッコロがあんなところに突っ立ってるからでしょ! 何度も邪魔だって言ってたじゃない!」  
 ケガを負ってへたりこんでいるジュジュに、立ったまま見下ろしているガルムが怒鳴る。  
 痛みに耐えながらも強気に怒鳴り返すジュジュ。  
「なんだと? お前がその程度の怪我で済んだのは……」  
「なにが、この程度、よ。あんたが邪魔するからこんなことになったんでしょ! わかってんの!?」  
 彼らの攻撃がジュジュに向けられた時、ガルムが彼女の前に立ったから、歩くことが可能な程度に怪我は軽減されたわけだが、ジュジュには、顔を見ればいがみあう相手が自分をかばう、などとはとうてい考えられなかった。だから、ガルムの言おうとしたことを無理やり遮った。  
 かばってくれたかもしれない相手に怒鳴り返せば、彼の怒りを増幅させるだけであり、結局またいつもの怒鳴り合いになるのだろう。  
 だが、ガルムはジュジュの横にしゃがみこんだ。ジュジュの首にある傷を舐める。人間とは違うその舌がざらりと触れる。  
「な、なによ! 犬ッコロに舐められても気持ち悪いだけなんだから!」  
「小娘の首を舐めたところでなんとも思わん」  
「こっちは気持ち悪いって言ってんの!」  
「俺は確かに犬ッコロだろう。だが、俺はオスでお前はメスだ」  
「なにがオスとメスよ。犬ッコロと一緒にしないで!」  
「言い方を変えてやろう。俺はでかい犬でお前はただの小娘だ」  
 
 ガルムは捕らえていた子供も怯えるほど顔が怖い。狼のようなその目で睨まれれば、強気が少しだけ弱くなろうとしてしまう。  
「戦うっての? いいわよ。怪我してるからって侮らないでよ、犬ッコロ!」  
 ジュジュはなんとか立ち上がり、レクスの刃をガルムへと向けた。  
「ただの小娘だ、と言ってやったはずだ!」  
 ジュジュのレクスよりも早くガルムのタックルがきまる。  
 なんとか立ち上がっていただけのジュジュはあっさりと倒れこんだ。意識は失っていない。ただ、立ち上がれない。  
「怪我さえしてなかったら、あんたなんて……」  
 ジュジュを見下ろすガルムの目は勝者のそれではない。  
 かがみこんだガルムはジュジュの傷口を舐め始めた。強気ではねのけたいところだが、気持ち悪い、と呟くことしかできない。  
「脱がせるが暴れるなよ、小娘」  
「やめてよ……なにしてんのよ……」  
「犬ッコロだからな。小娘の裸なんぞなんとも思わん」  
 手を上げることも、逃げることもジュジュにはできない。フィールたちとの戦いで予想以上に体力が消耗されているうえに、ガルムの一撃を受けたのだから。  
 黙々とガルムは傷口を舐めていく。やがて、その舌はジュジュの胸の先をとらえた。  
「ちょ、ちょっと、犬ッコロだからって……発情しないでよ。小娘なんでしょ」  
「俺はオスでお前はメスだ」  
「犬ッコロと一緒にしないで」  
「反応がなければ……やめる」  
「そういう問題じゃない」  
 その『犬ッコロ』はジュジュが思った以上に舌使いがうまい。胸の先を舐められているだけなのに、じわじわと体の奥から、痛みとは違った熱が這い上がってくる。  
「小娘だが、やはりメスだな。意外とたやすい」  
 ジュジュの胸に口をつけるかのような距離でガルムが喋るので、敏感な先に触れるか触れないかというところを何度も舌が通る。  
 
「うるさいわよ、犬ッコロ。どうしたいわけ?」  
「そうだな。単刀直入に言おう。小娘のここに興味がある」  
 毛に覆われたガルムの指が、ジュジュの秘所に触れる。少し触れただけなのに、ジュジュの体は本人の予想以上にびくりと大きく震えた。  
「……毛が濡れた」  
 ガルムの指が目の前に差し出される。毛は濡れてしっとりとなっていた。  
「うるさい」  
「まだ認めんのか。……仕方がない」  
 ガルムの指が強引にジュジュの秘所へと挿し入れられる。様子を見るためか少しだけ動かし、いきなり激しくかきまわし始めた。  
 だが、不思議と痛くはない。ただただ、彼の指にこたえるかのように下半身がびくびくと何度も過敏に震えるだけだ。  
「ちょ……犬ッコ……ロ」  
 息も絶え絶えにジュジュが制止させるために声を絞り出す。  
「いい反応だな、小娘」  
 ガルムの指の激しさはゆるまることなく、さらにジュジュを翻弄させようとする。  
 しかも、指だけではなく、舌が胸の先をぺろぺろと舐め始めた。  
 秘所と胸を攻められれば、さすがのジュジュも声を出すだけで精一杯だ。言葉にならない声を出し、抑えきれない疼きが下半身を震えさせる。  
 
 ガルムが胸を舐める音と、増え始めた水音がしばらく辺りに響いていた。  
 ジュジュの秘所からガルムが指を抜くと、そこは名残押しそうな音を立てた。  
「やって……くれ、た……わね……犬ッコロ」  
「安心しろ。これで最後だ」  
 ジュジュの秘所に先ほどの指とは比較にならない大きさのものが挿し入れられた。少しの痛みをともなったが、やがてなじむようにジュジュのそこはガルムのものを飲み込んでいく。  
 二人の息遣いと、ときおり漏れ出るジュジュの声。  
 ガルムの体に腕を回そうと思ったが、それをすると完全に屈してしまうような気がして、彼の服をつかむことでなんとか耐えた。  
 ガルムの腰の動きに合わせてジュジュの体が揺すられる。  
 やがて、さらなる激しさを最後に二人は互いに果てた。  
 
 
 事を終え、服を着ながらジュジュは強気に言う。  
「たまに、なら……はけ口になってあげてもいいわよ」  
「小娘に面倒を見てもらわねばならぬほど不自由はしていない」  
「犬ッコロのくせに我慢?」  
「犬ッコロが嫌ならヴィティスにでも相手してもらうんだな」  
「バカだからわかんないのね、犬ッコロには!」  
「小娘こそ、素直になればいいものを……」  
「なんですって!?」  
 

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