「レオン、アルミラが見張りに来るから交代するといいよ」  
 鋭い目で周りを見回しているレオンに、同じく見張りに立っていたフィールが声をかける。  
「俺はまだ大丈夫だ。ボウズこそさっさと寝ろ。誰かさんが疲れるせいで足止め食らいたくねぇからな」  
 以前フィールはテオロギアの暑さにばててしまったことがある。そのことをレオンは言っているのだが、怒っていないのは彼の表情を見ていれば明らかだ。  
「それ言われるときついな……」  
 フィールは苦笑いしながら立ち上がる。  
「だったら、さっさとアルミラと交代だろ」  
「わかったよ」  
 フィールは諦めたように笑いながら奥へと去っていき、入れ違うようにアルミラがこちらに来る。  
「少年を戻らせたのか」  
 フィールが去っていた方向を見ながらアルミラが呟く。  
 その目に未練が漂っているような気がしてレオンにはおもしろくない。拗ねるような口調で返す。  
「俺じゃ不満だってのか?」  
「彼は我々よりも体力がない。休める時に休んでおいたほうがいいと私も思っている。お前のとった方法に異論はない」  
「なんだよ、ややこしい目すんじゃねぇよ」  
「目?」  
 レオンの隣に座ったアルミラは意外そうな顔で聞き返す。  
「ボウズを見る目が違ってたぜ」  
「お前を見る時と違うのは当たり前だろう。お前と少年では明らかに違う」  
 いつものアルミラの口調でこう当たり前のように言われては、レオンも子供のように拗ねるしかない。フィールと自分では明らかに違う。それはわかっている。  
「ああ、そうだな。俺はあいつみたいにかわいくも純情でもない。今もこうしてアルミラに……」  
 レオンはアルミラに顔を近づけ、そのまま口付ける。  
 アルミラも心得ているのか、拒むわけでもなく、レオンの唇を受け入れた。  
 顔を離したアルミラが呆れたように微笑む。  
「また、か?」  
「ああ、よろしく頼むぜ」  
「闘争本能からくる性欲、か。お前も大変だな」  
「察しのいい頭を持ってる奴が女ってのはありがてぇな」  
 二人は口付けるが、今度はレオンから舌を挿しいれる。  
 アルミラから舌を絡ませることはない。ただ、レオンの激しさを受け止めるだけだ。  
 
 レオンは、触れと言わんばかりに実っているアルミラの胸をつかむ。その半分を邪魔している布は、指で少し下げてやるだけで、あとは押さえつけられていた胸が勝手に出てくる。  
「左手では触るな。無用な傷を作りたくはない」  
 レオンは左手にレクスを持ち、指の先はまるで獣のように尖っている。いくら丈夫だとはいえ、それで肌に触れられればもちろん傷がついてしまう。  
「綺麗な肌に傷をつけるような真似は、いくら俺でもしねぇよ。特にお前の肌は、な」  
「どういうことだ?」  
「……こういう時は、黙ってるもんだぜ」  
 レオンは右手でアルミラ右胸を揉み、時に先を刺激しながら、もう片方の胸の先を口に含む。優しく、その固さを確かめながら、吸い、舐める。  
 アルミラの胸を口に含みながら、レオンは彼女の表情を見上げた。  
「感じてんだか、感じてねぇんだか、よくわかんねぇツラしてんな」  
「仕方ないだろう。お前のように感情がそのまま顔に出ないのだ」  
「やりにくい……」  
 そう呟き、レオンは行為を再開する。  
 しばらく続けていると、口に含んでいるものがわずかに固くなってきた。彼女の言うとおり、顔に出ないだけで全く感じていないわけではないらしい。  
「やる気出てきたぜ」  
 にやりと笑ったレオンは指の動きを激しくさせ、歯で胸の先を甘噛みする。さきほどよりも、さらに胸への刺激を強め始める。  
 やがて、レオンの刺激を十分に受け止めた両胸の先は、簡単には屈しないほどに固くなっていた。  
 満足げにレオンはそれを指でつつく。  
 邪魔な布の少ないコスチュームに感謝しつつ、レオンはアルミラの秘所へと、布をよけるようにして指を伸ばしたが、あまりの濡れ具合に思わず指を引き、濡れてるそれを目の前でしげしげと眺める。  
「顔に出ないにも限度があるだろ……。こりゃ、かなり感じてるはずだぜ」  
「出ないものは仕方がないだろう」  
「素直に声出せよ」  
「無理やり出せばいいのか?」  
「……望んだ俺が悪かった。感じてるのはわかったから、な」  
 レオンの予想以上に濡れている秘所へ再び触れる。  
 自分の指の侵入を喜んでいるような気がして、するすると奥へと指を進ませた。  
 そして、かきまぜる。  
 
「うっ……くっ」  
「ようやく、声、出しやがったな」  
 レオンはアルミラの秘所を探りながら、彼女の声を飲み込むように口付ける。それでも耐えられないのか、アルミラの歯が、中を動くレオンの舌をときどき軽く噛む。  
 ふいに、レオンの体がびくりと動いた。  
「ちっ……触られてばかりじゃねぇってことか」  
 アルミラの指がレオンの胸に触れている。感触を楽しむかのように撫でている。  
「お前の体……嫌いじゃない」  
「俺も、だぜ……」  
 レオンは余っている手を、アルミラの胸に添え、優しく包み込んだ。ゆっくりと撫で、ときおり指で先を刺激する。  
 今度はアルミラから口付けてきた。舌を進入させると、彼女もそれに応えてくる。  
 性欲処理から始まった関係かもしれない。だが、恋人同士のように触れ合う関係は、レオンにとって心地よいものだった。アルミラのふっくらとした胸は自分の手にもちょうどいい。  
 胸を触っていたアルミラの手が、下半身へと伸ばされた。少し触れただけなのに、そこから一気に熱が体中へと行き渡る。  
 漏れ出る声を抑えきれず、レオンは唇を離した。  
「う、あっ……触るな。そこは……やべぇだろ」  
 アルミラはレオンの抗議を聞いていないようだ。いとおしそうにそこを撫でている。だが、その行為がレオンから一気に理性を取り払った。  
 レオンは、アルミラの秘所から抜いた指を舐めて、にやりと微笑む。  
「お互い、準備はもういいだろ?」  
「ふっ……我慢できなくなったか?」  
 笑い返しながら、アルミラはなおもレオンの下半身を撫で続けている。  
「ちっ、そういうこと、するからだろうが……」  
 その手を強引につかんで、レオンはアルミラを抱え上げ、座っている自分の上に乗せた。  
 互いの下半身に相手の熱が一気に流れ込んでくる。  
「ふっ……あぁ……」  
「くっ……」  
 
 性欲か、闘争本能か。体中に湧く何かに押されるように、レオンは激しく腰を動かす。アルミラの胸にかぶりつき、さらに手で揉みしだき、それでも腰の動きを止めることはない。  
「レオ……ン……」  
 息もたえだえなアルミラの声が、自分をさらなる高みへと追い込んでいく。  
 もう止められない。  
 無我夢中でレオンは腰を振った。  
「わりぃ……先に……いくぜ……」  
「私も……もう、無理、だ……」  
 自分の性欲に従って腰を振っていたレオンは、思わず降参を口にしてしまったが、アルミラもどうやら限界が近いらしい。  
 ならば……。  
「一緒……だな」  
「ああ……」  
 アルミラの腕がぎゅっとレオンの頭を抱きしめる。  
 それを合図にレオンも全ての動きを止め、アルミラの中にその熱を放出した。  
 
 
 上半身裸のままのレオンは、奥に寝ているであろうフィールを思う。  
「ボウズにこれは見せられねぇな」  
 服を元に戻しながら、アルミラが微笑む。  
「我々の秘密にしておくのが一番だろう」  
「言えるわけねぇ、か」  
「秘密もたまにはいい」  
「アルミラと共有する秘密なら何個でも歓迎だ」  
「お前にしては珍しいことを言う」  
 微笑むアルミラに、レオンは恋人に向けるような笑顔を返した。  
 

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