「うぅ……ここは……」
ジュジュが意識を取り戻す。目を開けると辺りは暗黒に包まれ、何も見えない、深い闇が
支配している世界であった。一体ここがどこなのか、彼女には全く把握出来ない。まず、
自分はなぜここにいるのかを知る為、意識を失う前の記憶を辿る。
「……そうだわ。あたし、フィール達と……でも、どうしてこんなところに……」
ジュジュは意識を失う前、フィール達に協力し、共に神を目の前にした。しかし、神の洗
脳を受けてしまう。再び御使いと化すのは、どうしても回避したかった。ジュジュは、自
らの身をマグマへと放り投げたのである。そこからは記憶が途絶えているようで、思い出
すことはできなかった。
「まさか……あたし、死んだの!?」
嫌な予感がした途端、彼女は焦り、自分の体がどうなっているのか確認しようとした。
が、なぜか体を動かすことができない。目で確認しようとするも、暗闇でそれもままなら
なかった。ジュジュははぁ、と小さく溜め息をつき、途方に暮れる。その時であった。ど
こからか足音のようなものが聞こえることに気付く。息を潜め、耳をすますと、音はやが
て少しずつ大きくなっていった。
何者が確実にこちらへと近付いている。ジュジュは緊張し、ごくりと唾を飲んだ。どうい
うわけか体を動かすことができない上に、暗闇により視界を遮られたこの状態で、もし、
足音の正体がしもべであれば、圧倒的に不利な戦闘になる。頬に流れる汗が、妙に冷たく
感じた。足音が止むと、聞き覚えのある声が発せられた。
「ふん、おとなしくそこで眠っておれば良いものを」
「その声は……犬っコロ!」
暗闇で彼の姿は見えなかったが、聞き慣れた男の声で確信した。そのせいか、それまでの
ジュジュの緊張が解ける。この男は未だ神の洗脳が解けておらず、御使いとなっているが
きっと説得すればわかってくれるはずだ。そう考えていたのもつかの間、ジュジュを目覚
めさせるかのようにガラスの砕けるような音が響いた。それと同時に、先ほどまで彼女達
を飲み込んでいた暗黒が洗い流されるようにして消えていった。それでも未だ、不気味な
薄暗さが残っている。
「な、なんだ……闇のエテリアの結界だったのね……え?」
周囲の景色を眺め、ジュジュは我が目を疑った。なんとそこは、フィール達ととうに脱出
したはずの神々の実験場だったのだ。
そればかりか、ジュジュは更に驚くことになる。
「……! ちょっと、何よこれ!」
ジュジュの体には無数の触手のようなものが絡まっていた。彼女の声に反応するようにし
て、ぐちゃりと気持ち悪い音をたて腕や太股を這う。
「ず……随分と趣味が悪いじゃない……」
「神々に反逆した罪は重い!その罪、しもべの実験体となり償うがいい!」
実験体と聞き、ジュジュの背筋が凍った。この神々の実験場で、実験体とされた者の末路
はよくて廃人、それとも死――彼女はそれをよく知っていた。まさか自らがこんな目に遭
うとは。
「じょ、冗談じゃないわよ! 大体あんた、神々の飼い犬になってから、自分がどれだけ
酷いことしてきたかわかってんの? 目ぇ醒ましなさいよ!」
「酷いだと? ふん、笑わせてくれる! その口、二度と叩けぬようにしてやるわ!」
どうやらジュジュの説得はおろか、彼女の言い分は何一つ聞くつもりはないらしい。ガル
ムが怒鳴りつけたのを合図に、ジュジュの体を絡め取っていた触手が活発に動き出した。
ぐちゅり、ぐちゅりと音を立て、鈍く光る粘液を残して這い回る。やがて手足にいたそれ
は、ジュジュの胸元や背中、首に到着した。
「うぇぇ……気持ちわる……」
「そう言ってられるのも今のうちだ、小娘!」
まるでガルムが操作しているかのように触手がジュジュの服の中へと潜っていった。腋や
背中、胸元、股。隙間のできる部分全てが触手の入り口となり、ジュジュの体を舐め回す
ように這う。
「ひっ! ちょ、ちょ……くすぐった……うあっ……」
胸をさすられ、ジュジュの体に快感が走る。それどころか触手は秘所まで舐め回し始めた
のであった。普段は強気な彼女も、流石にふたつの性感帯を責められると、おとなしくな
ってしまった。
「っあ……やだ……こんな……ふぅっ……」
「やはり小娘とて女……容易いものだな」
「う、うるさい! 見て……じゃ……ないわ、よ……んくっ……はぁ、はぁっ」
腰や背中まで撫でられ、ジュジュは頭がどうにかなりそうな気がした。快感により思考が
うまくまわらない。触手のされるがまま、ただぼうっとしていると、実験体なんて大した
ことではない。むしろ喜んでこの実験を受け入れたいと無意識のうちに考えてしまった。
やだ、あたし、何考えてるのよ!
はっと目を覚ますようにして自分の愚かな考えに気付く。
だが、触手の前にはどうすることもできなかった。くちゅり、と触手の粘液とも、愛液と
もつかぬ音が秘所から響く。既にジュジュのそこからは男を受け入れるには十分すぎる量
の愛液が大量に溢れ、太股にまで流れていた。
「はぁっ、はぁっ……」
ガルムがジュジュの股を大きく開かせると、片手でレオタードをずらし、秘所を覗いた。
「ふん、随分と濡らしたな。貴様がこれほどまでに淫乱だったとは……」
「見ないでよ……ばか……」
ジュジュの力が抜けた体に合わせ、ガルムに対する反抗も弱まっていた。彼は暫く、触手
に犯されたジュジュの体を眺めていると、突然、彼女の服に手をかけ、ビリビリと破りさ
った。
「きゃあああぁっ!?」
突然の出来事に、普段の彼女からは想像できないか弱い女の悲鳴が聞こえた。ガルムはお
構いなしに、ジュジュの秘所を指で開くと、獣の長い舌で舐め始めた。
「ひゃあっ! ちょ……そこ、きたない……んっ……」
舐めても舐めても、愛液が溢れ、ガルムの舌は唾液とそれの混ざったものでべとべとにな
り、秘所からは何本もの糸を引いた。何度も激しく舐めるだけではジュジュの反応も物足
くなってくる。
ガルムは秘所からぴん、と突き出ている彼女の突起に軽く触れると、予想通り一層甘い声
で鳴いた。もっと反応を楽しもうと、更に突起を指の腹で撫でてやると、今度は体をくね
らせた。どうやらもう限界が近いようである。ガルムが更に手や舌の動きを速めると、未
だジュジュの体を責め続けていた触手が数を増やし、大量の粘液で犯した。
「うぁっ、ふあああぁぁっ! ああぁぁっ!」
ジュジュが達した途端、秘所から水のようなものが吹き出す。彼女の尿であった。だが、
ガルムはそれに全く動じぬどころか、口を開き、舌ですくい取りながら、それを綺麗に飲
み干した。ジュジュはあまりの恥ずかしさに、顔を真っ赤に染め怒鳴る。
「……あんた、変態じゃないの!?」
「しもべにこのようなことをされて感じていた貴様も変態ではないか」
「う、うるさい! あんなところ触られたら、誰だって……」
反抗するジュジュをよそに、いつの間にかガルムは、血液が集中し、硬く大きくなった自
身を取り出していた。それは恐ろしいほど巨大に膨れ上がっており、ジュジュの顔は青冷
めていく。
「欲しいか?」
「は? そんなものいらないわよ!」
「別にこれが欲しいかとは聞いていないが……小娘の体は欲しているようだな」
自身をジュジュの秘所へ当てがうと、先端が愛液に包まれる。
「ち、違う! やめなさいよ!」
「こんなに濡らしていては最早、貴様に説得力はない!」
ガルムの剛直がジュジュを貫くと同時に、激しい痛みが彼女を襲う。何かが突き破られた
気がした。
「うあああぁぁっ! い、いたぁっ! ああぁ!」
「ふん……初めてだったか……」
ガルムは自身と繋がったジュジュの膣が慣れるのを待たず、腰の動きを速める。彼女の瞳
から涙が溢れようとも、苦しげな声で鳴こうとも、ただ乱暴に腰を打ちつけるのみであっ
た。ジュジュに何か恨みでもあるのか、それとも神に反逆した者がそれほどまでに憎いの
か。ただ単に欲望を満たしたいだけなのか。ガルムは獣と化していた。突くたび、強く締
め付け応える彼女の膣は、ガルムを確実に絶頂へと促していく。一方、ジュジュには快感
などなく、ガルムが腰を動かすたびに痛みが走っていた。
「くっ……小娘……ふっ、ぐはっ! ……があぁっ!」
ジュジュの強い締め付けに耐えきれなくなりガルムは一方的に絶頂を迎え、彼女の奥へ大
量の精液を流し込んだ。
「いやあああぁぁ!」
ガルムの射精は勢いよく、何度も噴き出し、ジュジュの膣内をまんべんなく犯す。やがて
収まりきらなくなった精液は、二人の結合部から僅かに流れ出てきた。犬のように長すぎ
る射精に痺れを切らしたジュジュは苦しげにあえぎながらもガルムに言った。
「……はぁ、はぁ……もう、いいでしょ……早く、はぁ……抜きなさいよ……」
「くふっ……ま、まだだ……ぐっ、うぅっ……がはっ!」
ガルムが声を上げると、最後といわんばかりに、勢いの弱まっていた精液が突然噴き出し
た。
「ちょ、ちょっと……もう入らないわよ! あっ、あぁぁっ!」
ようやくガルムが引き抜いた途端、ジュジュの中から精液がぼたぼたと流れ落ちた。それ
を見ながら、呼吸と服装を整えた彼は、ジュジュにこう告げた。
「俺達がこんなことをしている間に、どうやら反逆者どもが神を倒してしまったようだな」
それを聞いてジュジュは安心すると共に驚いた。フィール達は無事どころか、あの神を倒
してしまったとは。
「ふっ、ざまあないわね……」
「黙れ! 緊急自体なのだぞ!? 俺はこれから、反逆者を抹殺しに行かねばならん。そ
の間は……奴らが貴様の暇を潰してくれることだろう。」
ガルムの向いた方へ目をやると、暗闇に小さな光りが無数にあった。それはゆっくりとこ
ちらへ進んできて、ようやく正体を現したのだった。
「ひっ……何よこれ!」
ジュジュの瞳に映ったものは、しもべの大群であった。テオロギアの中ではよくみかける
小さな雑魚や、中には背の高いもの、巨大は体を持つものまでいる。だが、どれも武器を
持っておらず、様子がおかしかった。まるで、発情期の動物のような――――
「ふっ……せいぜい楽しむんだな」
そう言葉を残し、ガルムは消えた。
「待って! いや、いやああああぁぁ!」
END