「あぁぁっ!」
暗い部屋に少女と男の影が重なり揺れる。二人は時間さえあればそれの許す限り性を交え
ていた。しかし、少女――ジュジュにとっては、この行為はとても苦痛でならなかったの
だ。何故ならば、背後から自分を貫いているこの男、ヴィティスが、嫌がる彼女を無視し
行為を要求、寧ろ強制するからであった。
「あっ!ふぁっ!……も、もう、こ、んなことやめて……!」
もう何度目だろうか。聞き入れてはもらえないと思いつつも、ヴィティスに行為をやめる
よう訴えた。
「私が男だという事は君も理解しているだろう。任務への障害とならないうちに発散して
おきたい。」
ジュジュの腰を抱えていた彼は、息を全く切らすことなく事務的に答える。その際も彼の
腰は性欲を満たす為、ジュジュを犯していた。早く終わって欲しいと願うジュジュだが、
この時ばかりは、物凄く長い時間を感じる。それほどに苦痛であった。やがてジュジュの
意識がぼんやりとしてくる。このまま意識を失えば、その間は彼が勝手にするし、自分が
苦しむこともないだろう。静かに目を閉じた。が、しかし、そんな彼女を察したかのよう
にヴィティスは突然、腰を激しく動かし始めた。それによりジュジュの意識はすっかり晴
れるとともに、更に大きくなった快感が彼女を襲う。
「あっ!あぁっ!うぁ……っ!」
耐えきれず、大きな声を上げてしまった。恐らく近くで休んでいるであろう、同じOZのメ
ンバーであるガルムにまで聞こえてしまったかも知れない。そう思うと更に快感は大きく
なり、自分の中で暴れているヴィティスの自身を強く締め付けた。部屋中に甘い声といや
らしい水音が響く。ヴィティスは乱れる彼女の姿を、眉一つ動かすことなく静かに見てい
た。ジュジュが叫びともとれる声を発するほど速く腰を振っているというのに、彼の顔に
は汗の一滴も確認できない。ヴィティスは暫く腰の運動を続けると、ジュジュに確認を取
らず、無言で熱く煮えたぎった精を放った。まるで、ジュジュの中で生物が暴れているか
のように、彼女の体はビクビクと小さく跳ねた。
「はああぁっ!熱い!……はぁ、はぁ……子供、できちゃう……」
「何を言っている。君こそまだ子供だ。妊娠など有り得ない。」
息を切らし、喋っているのも辛そうなジュジュに対して、ヴィティスは、激しい運動をし
た後とは思えない余裕であった。
「……その子供にこんなことしてんじゃないわよっ!」
ジュジュの秘所から先ほど放たれた白濁液がとろりと溢れた。ヴィティスを睨みながら怒
鳴るが声がかすれている為に迫力は全くない。どれだけ迫力のある怒鳴り声でも、彼には
通用しないだろう。ヴィティスは表情を変えることなく、そんなジュジュを眺め終えると
彼女を仰向けに押し倒した。
「ちょ、ちょっと……まだするつもりなの?」
「……これは君のせいだ。責任を取ってもらう」
ヴィティスが見せたものは、一度射精を終えて大きさが収まったはずの、再び大きくそそ
り立った自身であった。ジュジュがそれを見てゾッと青くなっているうちに、ヴィティス
は容赦なくそれを彼女の中へと侵入させた。
「うああぁぁぁ!」
どれくらい時間が経過したのだろう。恐らくジュジュが感じているほど長く時は進んでい
ない。あれからジュジュはヴィティスの手によって何度も快感の絶頂を迎えさせられた。
頭がぼうっとする。疲れにより呼吸さえも苦しい状態である。ぐったりと横たわる彼女を
ヴィティスが優しく抱き起こし、自分の胸にその小さな体をかけてやった。
「すまない。私とした事が、少し度が過ぎた。」
ヴィティスが体に負担を掛けてしまったことを謝罪するが、ジュジュはぷいっとそっぽを
向く。返事が返ってこないものだから、彼女の小さく膨らんだ胸に触れてみた。ヴィティ
スの手に柔らかい感触が伝わる。
「ひゃうっ!」
びっくりしたジュジュが、何とも可愛らしい声を漏らした。今まで表情一つ変えることの
なかったヴィティスの細く冷たい目が一瞬、少しだけ柔らかいものに変わったが、ジュジ
ュはそれに気付かなかった。彼、ヴィティスには、この少女への何か、よくわからない感
情が僅かに芽生え始めていたが、それは今の自分にとっては不必要なものだと察し、その
芽を摘み取り、心の奥底へと埋めたのであった。そして彼の瞳は、より一層厳しく冷たい
ものになり、ジュジュの耳元で無感情に囁いた。
「君は私の性欲を処理する道具に過ぎない」