カディエから受け取った薬を飲み干したクーは、
力なく膝から崩れ落ちそのまま意識を失ってしまった。
(あれ……私どうしたんだっけ……?確か薬を飲んで……。)
ふと意識を取り戻したクーは、霞がかった頭を軽く振ってから起き上がろうとした。
しかし、四肢は何か頑丈な物で固定され起き上がる事はできなかった。
自分の身に何が起きているのか確認しようと顔を向けたが、
幾ら瞬きをしても真っ暗なままで何も見る事ができない。
背中に当たる冷たい感触で、クーは衣服を着ていないのだと分かった。
(!? 何で裸で拘束されてるの!?それに目隠しまで!)
カディエは自分を目隠し拘束して光と自由を奪い、これから一体何をするのだろうか。
自分の置かれてる立場を理解し、背筋に冷たいものが流れるクー。
しかし、心とは裏腹に身体は火照り始めていた。
静寂が支配する地下室に心臓の鼓動が鳴り響き、
それに呼応するかの様に呼吸音が次第に乱れ始める。
部屋の空気が触れるだけで乳首はそそり立ち、
身体はじっとりと汗ばみ、発情した牝の芳香が部屋に満ちて行った。
(はぁ……はぁ…ん…。か、身体が…熱い……何だか……変な気持ち……。)
──ガチャ。バタン。
扉の開閉音の後、一人分の足音がクーの元へと近付いて来る。
しかし、薬の効能で高まる快楽に溺れまいと抗うクーは、
その音にも気付かずただ自由に動かせぬ四肢で耐えているだけだった。
(何で…あっ…ン私の身体…どうなってるの……?)
襲い来る快楽の波に身悶えているクーを横目に、
カディエは一人黙々とレポートを書いていた。
レポートには被検体であるクーの身長・体重・血液型は勿論、
生理の周期から便の硬さや色まで、事細かく書かれている。
ページ中段に『薬物投与後は性欲増進、性感の鋭敏化、理性の一時的な低下が見られる。』と記入すると、
カディエは手を伸ばしクーの左胸にそっと手を当てた。
「ひゃぁん!?な……誰!?カディエさん!?」
クーは突然感じた何者かの出現に身を固くした。
クーの問にも答えず、固くなった身をほぐすかの様に、ゆっくりと胸を揉みしごくカディエ。
「やめてっ!離してよ!私の身体に触らないで!」
「馬鹿っ!やめてって言ってるでしょ!この変態!!」
カディエの細い指が小振りな胸に埋まり踊る度に、クーは身体を仰け反らせ白い喉を晒した。
延々と浴びせられる幼稚染みた罵詈雑言を聞き流しながら、カディエはクーの乳首を摘み、転がし、弄んでいた。
しかし、いくら拒絶して罵ってみても、薬で昂った身体はカディエの指に素直な反応をみせるようだ。
「んっ……あっ…いやぁ!や…やめてぇ……ン…。」
(どうして……どうして我慢できないの!?)
どんなに我慢しても零れてしまう甘い響きを含んだ吐息に、クーは苛立ちながらも戸惑っていた。
抑圧に抑圧を重ね抑えていた性感は、無常にも次第に上り詰めてゆく。
今まさに訪れる絶頂に半ば諦め半ば期待した表情で、
爪先はピンと伸び切り身体を硬直させ、絶頂に備えるその反応に満足したのか、
カディエはクーがイク寸前で手を離すとレポートに書き込む作業へと戻った。
「〜〜〜〜〜っ…………………えっ?」
「ふふっ。何ガッカリした顔しているの?貴女がやめてって言ったんでしょ?
私は貴女の希望を叶えてあげただけよ。」
「ガ…ガッカリなんて……。する訳ないじゃない!」
「そう?じゃあ、私はレポートに戻るわね。」
「…………。」
レポートを書く作業に戻ったカディエは、先程の続きを記入し始めた。
心拍数や脈拍・体温などを記入後、とある文を丸で囲った。
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──続く──多分。