「うぅ〜……玲ちゃんこんな所に呼び出していったいなの用なのカナ?」  
 姫子は一人誰もいない教室に立っていた。  
 本来そこは許可を得て、鍵を預かってからでないと入れないはずの特別教。 
それなのに玲に言われて来てみたら、本当に開いていてビックリした。  
 しかも先に行って待ってて、と言われたので今一人しかいない。  
 誰もいない教室でたった一人は寂しいというか怖いというか。  
 キョロキョロと不安げに辺りを見回して、仕方ないので一つの椅子に座った。 
どこにでも座れるので、ど真ん中にしてみた。  
「早く来ないカナ〜玲ちゃん」  
 机に突っ伏してドアの方に顔を向けて、机に指でのの字を書く。  
 そして五分ほどしてから、ようやくドアが開かれた。  
「もぉ〜、遅いぞ玲ちゃんっ!」  
「いや〜悪い悪い」  
 怒る姫子にまったく悪びれた様子もなく謝る玲。ある意味大人な玲だった。  
 そんな玲はニヤニヤと何だか怪しい笑みを浮かべつつ姫子の座る席の前に立  
った。  
 体を起こして玲を見上げる姫子。今日も今日とてアホ毛は揺れている。  
「誰もいないし恥ずかしくないよな?」  
「マホ?」  
 頭に『マホ』の文字を浮かべて姫子は首をひねった。もともと頭の悪い姫子  
に、玲がどんな意味で言ったのか理解出来ないのだ。  
 その姫子の象徴でもあるアホ毛。玲はそれをむんずと掴むと一気に持ち上げ  
た。  
「なーっ!!」  
 とっさに手を頭にやるが、玲の右手にはしっかりとカツラが握られていた。  
 カツラが取れたことで一気にボーイッシュな感じになった姫子は、顔を真っ  
赤にさせて、必死に玲に向かって両手を伸ばす。  
 
「あ〜ん、返してよ〜」  
 立ち上がって取りに行けば済む話なのに、さすがアホ毛の子っ! テンパッ  
ているのも相まって、まったく気づいていない。  
 見た目と行動が幼く感じさせる。  
 その様子を笑顔で玲は見つめていた。  
「クスクスクス……やっぱり姫子はこっちの方が可愛いなあ」  
 体を前倒しにしている姫子を利用して、自分も前に出ると抱きしめた。  
 ぎゅーっと抱きしめるが、姫子の顔が玲の豊満な胸に当たっているので、姫  
子は呼吸が出来ないでいて苦しそうだ。  
「むー! んむー!」  
「まあ待て。もうちょっと堪能させろって。ああ、何か可愛いなあ」  
 頭をぐりぐりと撫でる。  
 余計に胸に押し付けられた。  
 そしてやっと堪能が終わったらしく、玲は体を離した。  
「はぁ、はぁ、はぁ、し、死ぬかと思った……」  
「そんな大げさな」  
 からからと笑う玲。  
 呼吸を整えて姫子はムキーと怒る。当然だろう。  
「ムキー! 死ぬかと思ったカナー! それにカツラ返してっ」  
「ヤ、だね。でもどーしても返して欲しい?」  
 ニヤニヤと見下すようにすると、姫子はうぅ〜と唸った。  
「じゃあそうだねー。あ、そう言えばくるみが言ってたな。  
 なあ姫子。自分のこと『僕』って言ってみ?」  
 教室でカツラが発覚した時、確かにそんなことを言っていた。  
 姫子は顔をう〜っと赤くして手を握っている。  
「言ったら返してくれる?」  
「言ったらな」  
 
 カツラを指先でクルクルと回して微笑む。実に怪しい。  
「ぼ、僕……」  
「うひー、可愛いー!」  
 はにかんだ感じが狙ったかのような男の子っぷりを表現し、その仕草やら可  
愛さやらが、  
 玲の好みにストライクだった。  
 いてもたってもいられなくなった玲は、思いっきりディープなキスをした。  
「んーっ! な、んん、ちゅ、ちょ、れ、はむっ、んくっ、んっんっ」  
 姫子は抵抗を試みるが、玲の絶妙な舌技にすっかり腰砕けだった。  
 素直に口の中を明け渡し、絡みつく舌を受け入れ、送られてくる唾液を飲み  
込む。  
 玲の甘い唾液に物足りなさを覚え、自分でも舌を伸ばして口の中を舐めあう。  
「ちゅう、んふぅ、はぁ、レロ、もっとぉ、んんぅ、玲ぃ〜」  
 応えるように玲は舌を絡め、お互いの唾液を飲み込み合う。  
 濃密で時間をかけて二人を繋げていた口はゆっくりと離れ、どちらのともつ  
かない唾液の糸が引いていた。  
「ふふ、いいぞ姫子。どうだ、もっと気持ち良くなりたいか?」  
 玲は口を拭い、姫子の反応を見る。  
 顔を上げ、ぽーっと玲を見つめ、頬を朱に染めていた。  
「……うん」  
 小さくコクリと頷く。  
「じゃあ机の上に座ると丁度いい感じかしら?」  
 目算で大体の位置を予測し、姫子に座るように促す。  
 手を取られ、ふらふらと足がおぼつかない姫子だったが、なんとか座ること  
はできた。  
 向かい合うようになり、それでも姫子の方が下に位置している。  
 
 すると玲は姫子の座っている机にもう一つ机を足し、長くした。  
「さ、姫子。ここに寝なさい」  
「うん」  
 言われる通りにゆっくりと体を倒した。  
 まな板の上の鯉、という表現が使われるであろう光景。  
 玲は姫子の足元に立つと、スカートを捲り上げた。  
「あっ……、ダメだようぅ、恥ずかしいようぅ」  
 スカートに手を伸ばして押さえようとする。  
 それに対し玲は腕を組み、大きな態度でもって言う。  
「そう、残念ね。じゃあこれまでね」  
 するとどうだろうか。姫子は恥ずかしそうにしながらも自らスカートを捲っ  
た。  
「ごめん、なさい」  
「いいのよ。ほら、何だかんだ言ってもここはしっかりと濡れてるんだし」  
 玲の手は水気を帯びたパンツに触れ、その瞬間ピチャ、といういやらしい音  
がした。  
「あうんっ」  
 軽く触れられただけで体に電気が走る。  
 小さな痙攣を姫子を振るわせた。  
「感度はいいみたいね。脱がすわよ」  
 言うと許可の下りる前に両端に指をかけ、下へとずらした。  
 控えめに生えた陰毛には姫子の愛液がねっとりと含まれ、その液を出してい  
る割れ目からはトロトロと甘い液が溢れ続けている。  
 ずらしたパンツとそことは糸を引いていた。  
「姫子って思ってたよりエッチだったんだな」  
 足首の辺りまでパンツを下げ終わった玲は、鼻をひくつかせながら割れ目に  
顔を近づけた。  
 
「れ、玲ちゃん……そんなに見られると恥ずかしいよぉ〜」  
「恥ずかしい? 変ね。見てるだけなのにさっきよりも汁がたくさん出ている  
みたいだけど? もしかして見られているだけで感じちゃってるのかな?」  
 机の上の水溜りから指ですくい、指で広げて糸を引かせているのを姫子に見  
せる玲。  
 目を逸らさずにそれを見ていた姫子は、何か言いた気に口をパクパクとさせ  
たが、結局何も言えなかった。  
「良きかな良きかな。でもこっちはお預け。今の所用があるのはこっちの方」  
 玲はそう言うと割れ目に沿って下から一度なぞって硬く突起した部分を示し  
た。  
「ああんっ!」  
 軽く触れただけでも感じてしまう。  
「姫子のクリちゃんも可愛いわよ。物足りなくても我慢よ」  
 玲はクリの被っていた皮を剥くと、飛び出た先端を指の腹で優しく触れた。  
「ひゃ、ふっ、あっ! ヤッ、ひうぅ、はうぅっ! んっふぅ!」  
 こねられる度に姫子は艶のある声を出す。  
 言っただけあって玲はそこだけを執拗に攻め、  
「もう、こんなに大きくなっちゃって」  
 限界パンパンに大きく膨らんだクリを口に咥えた。  
「はあああぁぁぁ!」  
 柔らかい唇が作り出す淡い快感に姫子はいつにない声を上げてしまう。  
 その反応を楽しむかのように玲は口の中でクリを舐めたり、甘噛みしたりす  
る。  
「玲ちゃ! ダメッ、気持ちっ、良過ぎちゃうぅっ!」  
 ダメなのか良いのかはさておいて、今度は上下させ始めた。  
 まるでフェラチオのように。  
「んっ、ちゅうううぅ、んん、んっ、あむ、チロ」  
 
 吸われた時に一番大きい甘美な声を上げた姫子。  
「んあっ、あうっ、ダメ、イッちゃう! イッちゃうぅ〜!」  
 その通り姫子は割れ目から潮を噴き、玲の首元にかかるまでの勢いだった。  
 机の上にあった水溜りはいつの間にか湖を通り越して机から零れて、床に滴っている。  
「なんだ、物足りないどころかお前の身体は十分に満足したのか」  
 玲はそう言って姫子の頬にキスをした。  
 肩で息し、快楽の真っ只中でその余韻に浸っている姫子。  
 その姫子の制服を玲は脱がせた。なまじ身体に力が入っていない分、脱がしやすかったようだ。  
 ブラジャーまで外され、あまり凹凸の無い裸体があらわになる。  
「姫子は胸もないから本当に男の子みたいだな。でもここはちゃんと反応するんだろうけど」  
 玲の両手が左右の突起に伸び、すでに硬くなったそこを弄繰り回した。  
「ひゃっ、玲ちゃ、そんな、あっ、引っ張らないで、あふっ!」  
「そーかぁ? そういう割にはどんどん硬くなっていくぞ? ほら、自分でも分かるだろ?」  
「そ、そんなぁ〜……」  
 確かに姫子は自分でも分かっていた。だからこそ恥ずかしくて、その事実を玲には知られたくなかったのだ。もっとも肌で実感しているのだから言おうが言うまいが一緒なのだけど。  
 姫子の言葉を認めたものとして玲は頷き、そのピンク色の硬い乳首を今度は吸い始めた。  
 周りから舌で円を描くようにして攻め、中心に着く少し前で焦らすように何週かさせる。余った方の胸もしっかりと苛めておく。  
 そして舌の上で先端を玉のように転がすと、噛んだり強く吸い付いたりする。  
 
「んんああっ! ダメェ、吸っちゃダメ〜」  
 快感が身体の神経を支配し、半開きの口から唾液を零しながら、一番欲する刺激を感受する。  
 吸われる度に背を大きく反らせ、痺れたように手足を振るわせた。  
「んきゅぅ、ひゃはうぁ、んにゅ、あはぁっ、んんっ、あっ! 玲ちゃん、私またイクッ!」  
 その言葉通り再びの潮噴き。噴くのと同時に身体を痙攣させる。  
「あ、ダメ、出ちゃうぅ〜……」  
 これ以上何が出るのか?  
 それはすぐに分かった。  
 プシャ〜……。  
 姫子の割れ目から排出される黄色い液体。たっぷり時間をかけて全て出し切ったのか、あとからは何も出なかった。  
 机の上も床も水浸しになり、ほんのりと鼻を突く臭いがする。  
「あうぅ、あう、あう」  
 恥ずかしさのあまり言葉にならない。目には涙を浮かべている。  
「あらあら、おもらしまでするなんて。まるで子供みたいね……って言いたい所だけど、可愛かったらいいわ。ほら泣かないで。私が綺麗にしてあげるから」  
 玲は姫子の涙を指で拭うと、そのまま十二分に濡れきった割れ目に舌を這わせた。  
 ペロ……。  
「はあぁぁ! き、汚いから、はうぅ、止めてよ玲ちゃんんっ!」  
 しかし玲は止めようとはしない。  
「ん、ちゅく、じゅるる、んく、ちゅ、ペロ、ずちゅ、ぐちゅ、あむんん」  
 外だけではなく、舌を入れて内側まで丹念に舐めて綺麗にする。  
「気持ち、あっ、良いようぉ〜、んひぃ、ああっ、んあ、あ、ああ、あああ!!」  
 
 三度の潮噴きだった。神経がバカになってしまったのか、それとも快感を覚えてしまったのか、今までで一番早く絶頂を迎えた。  
 姫子の放った愛液は玲の顔にもたっぷりかかり、玲はそれを指で集めると全て舐めきる。  
「今日の姫子は本当に可愛かったぞ。ほら手貸してやるから起きな」  
 手を差し出されるが、姫子にはその手を取る力がなかった。全てのエネルギーを性欲のために使い切ったのだ。  
「まったく……」  
 玲は姫子の体を抱き上げて、最初のように机に座らせる。  
 しかし力の入らない姫子は玲の体に自分の体を預けたままだった。  
 ちょうど玲の耳元に姫子の顔がくる。  
「玲ちゃん……大好き……。ま、またしてくれる?」  
 恥ずかしさのこもった囁きに玲は微笑んだ。  
「そうだなぁ。今みたいにカツラを被んないって時なら考えてやらないこともないな」  
 意地悪くそう言った。  
 そして玲は姫子の濡れに濡れたスカートを脱がし、なぜか持っていた上にピッタリなサイズのスカートを穿かせ、制服を着せた。  
 掃除はさすがに面倒だったので適当に拭くだけで終わらせる。  
 それから二人は一緒に教室をあとにし、珍しく手を繋いで仲良く帰った。  
 
 
 後日談ではあるが、少し。  
「おい姫子。今日はカツラ被んないのか?」  
 次の日ベッキーがそんなことを言った。前に教室でバレた時は恥ずかしそうにしていたのだから当然だろう。  
「ねぇねぇ、やっぱり『僕』って言ってみてよ」  
 便乗してかくるみがまたそんなことを言って周りを引かせている。  
「今日はその、あの、ちょっと、えと、忘れちゃったんだ、うん」  
 しどろもどろ答える姫子。  
 その様子を後ろから見ている玲は何も言わずににやけていた。  
「そんなことよりも、ほらベッキーも最近イメチェン?」  
 無理矢理すぎる話題転換。  
「は? どこがだ?」  
 当然ベッキーは首を傾げる。  
「だって……」  
 姫子は重要なことに気付いていた。もちろんその意味は知らない。  
 その意味を知っているのはたった二人だけなのだから。  
「最近ミニスカ穿くこと多くなったよね?」  
 ……結局そんな感じの姫子とベッキーだった。  
 

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