教室の中、厭らしく響く音を気にする事も無く互いを求め合う男女。
「は・・・はぁっ・・・っんん!・・・いい・・・も・・・もっと・・・してぇ・・・」
ズチュッ・・・ジュッ・・・・・・
二人が繋がっている結合部からは愛液が溢れ、床を濡らしてしまっていた。
「はっ、はぁ・・・いい・・です・・・犬神さん・・・」
「ああ・・・私も・・・くっ・・・イキそうだ・・・」
そういうと男―――犬神つるぎは自身の腰の動きをいっそう激しいものにしていった。
ジュッ・・ジュッ・・・ズチュッ・・・
「くっ・・・はぁ、イクぞ!」
「あっ・・・はぁっ・・・中に・・・中に出して・・・」
「ああ・・・中に出すぞ・・・っく!」
そういうと犬神は女の中に自身の欲望を放出したのだった。
行為の後、二人は息を整えてから、自分達の行為によって汚れてしまった教室の掃除をしていた。
ふと、犬神が声を出した。
「なぁ、一条・・・本当に雅に私達の事言わなくていいのか?ちゃんと話せば雅だって分かって
くれると思うのだが・・・」
そういわれた彼女・・・一条は、
「犬神さん・・・その気持ちは嬉しいですが、今私たちのことを話しても雅ちゃんはきっと暴走する
だけだとおもいます・・・だから・・・」
「だから・・・?」
「もう少し、雅ちゃんが大人になってからでも・・・遅くないと思います。」
「そうか・・・」
犬神は少し残念だった。確かに今雅に一条との関係を話したところでまた暴走してしまうだろう。
だが、そのせいで彼女であるはずの一条を自分の家に連れて行くこともできず、ほとんど雅の目に付かない
学校・・・しかし学校でも二人が付き合っていることはまだ誰も知らない(あの新聞部の玲なら知っているかもしれない)
ので、結局はデートしているときしか二人で話す事も少ないのだ。
しかし、一条の言う事も一理あるので、まだ雅には話せていないのだった。
「あっ、そういえば今日は妹と夕飯の買い物に行く約束をしていたんでした。」
「なに!?なら最初に言ってくれれば・・・」
「すいません、忘れていました。」
ダメだ、もう付き合ってかなり経つがやっぱり一条のこういうところは理解できない。
前に一条の妹が学校に来たときも振り回されてしまったが、どうやら私は彼女の家系には弱いみたいだ。
まあしかし付き合っていればいつかは慣れるだろう・・・
「それじゃあ犬神さん、行きましょうか。
「ああ」
掃除を終えて、二人で教室を出て昇降口へ向かう、
「なあ、もしかしてキミの妹はここまで来てるのか?」
「ええ、校門のところで待ってるから・・・と朝言ってましたから・・・・どうかしたのですか?」
「いや・・・雅の奴も付いて来てたらどうしようかと思ってね。」
「確かに・・・それもそうですね・・・」
「まあ、もしいたら偶然昇降口で会ったことにしておこう。」
「そうですね。それが一番でしょう。」
そんな事を話しながら校門に向かって歩いていくと、彼女の妹の望ちゃんと・・・雅がいた、
「・・・本当に居ましたね(ボソッ)」
「・・・ああ、しょうがない、さっき言った通り昇降口であった事にしよう(ボソッ)」
「・・・はい。」
「お姉ちゃんおそーい」
「おまたせしました」
「って・・・」
「横にいるの雅ちゃんのお兄ちゃんじゃん!!なんで!?」
「ええ・・・」
「偶然そ昇降口で会ってね、どうかしたか?」
よかった。望ちゃんも私達の事を知らなかったが、どうやら信じているようだ・・・いやむしろ・・・
「望ちゃんのお姉さんととっても仲良さそうねとってもよさそうね・・・ケ・・・知ってたの?たの?・・・ケ」
「知らなかったよ。ほら、お姉ちゃんも説明してあげてよ」
・・・すでに暴走しそうな雅をなだめるのに精一杯のようだ。
「・・・・・・・・・」
「すまない・・・やきもちやきなもので・・・・・・」
ふぅ、望ちゃんが居てくれたおかげで何とか雅も暴走せずにすみそうだ、後は早く彼女が買い物に
行ってくれれば・・・
そんな事を考えていると、犬神の腕に何かが巻きついてきた。
その正体はといえば・・・
「フフフ」
彼女だった。さっきはまだ雅には言わなくていいなんていってくれていたのに・・・
いったいどういうつもりなんだ!?
「ケ・・・ケ・・・ケローーーー!!!!」
ああ・・・雅が・・・もうだめだ・・・orz
「お姉ちゃんあんた鬼だよ!!」
まったくだ。本当に彼女はどういうつもりでこんな事を・・・
「お兄ちゃん説明するケロー!どうしてそんなに望ちゃんのお姉さんと仲良さそうにしてるケロー!
ケロッ!ケロー!!」
・・・結局この後暴走した雅が沈静化するまでの3時間、犬神は雅への言い訳と、この先自分は本当に一条のマイペース
ぶりに慣れることができるのか、そればかり考える事になったのだった・・・・
エピローグ
その後の一条さん・お風呂場にて
フフッ、今日は楽しかったなぁ・・・
あの時・・・口ではまだ雅ちゃんに言わなくてもいいなんて言っちゃったけど・・・私と犬神さんの姿を見たときの雅ちゃん
見てたらなんだか意地悪したくなっちゃて・・・とっさに腕を組んだら雅ちゃんあんなに怒っちゃって・・・
犬神さんが大慌てしてたけど・・・犬神さんの慌ててる姿も可愛かったしw
・・・もしまた雅ちゃんに見られたら同じ事してみようかしら・・・
フフフフフフフフッ・・・・・・
「お・・・お姉ちゃんが笑ってる・・・何かありそう・・・ゴクッ」
お風呂場のドアの向こうで、一条望は早くも姉による次の波乱の予感を感じているのだった。