朝。
桃月学園2年A組学級委員長の朝比奈英理子はスクールバスでの通学途中だった。
今日も登校するバス通学生に四方を囲まれて身動きが出来ないくらい混んでいる。
(もう一台くらい出してくれてもいいのに…)
隣の人に足を踏まれてそう思った。それくらい一台のバスに通学生が詰め込まれている。
朝比奈は無理矢理に生徒の中を掻き分けてバスの出口に1番近い場所を陣取った。ここなら学校に着いた時に降りるのに楽だし…
(―――そうだ、今度の委員長委員会で通学バスをもう一台出してもらえるように提案してみよう。こんなに混雑してたら万が一事故が起きた時とか大変だし…)
そんな事を考えていた。
―――不意に違和感を覚えた。
「……?」
お尻に何かが当たっている。
(まぁこれだけ満員だし鞄か何かが……――)
それは鞄なんかではなかった――感触でわかる。人間の手だ。
(え?ちょ、何?)
最初は後ろの生徒の手が当たってしまっただけだと思ったが――その手は彼女のお尻をスカートの上からゆっくりと滑る様に撫でている。
確実に意思を持って…
間違い無い、痴漢だ。
そういえば以前スポーツ大会の時にロッカー荒しが出たと学園内で話題になった事がある。
(ロッカー荒らしの次は痴漢とはね、しかもスクールバスで…)
これは由々しき事態だ。スクールバスで痴漢が起きたとゆうことは犯人はウチの学生だ。これは一度委員会で話し合った方がいいだろう。
朝比奈がそんな事を考えていても痴漢の手はまだ朝比奈のお尻を撫でていた。
「…………ん」
ちょっとだけ気持ちが良かった…
(って、いけない、いけない……どうにかしないと…)
冷静にしてるようで実は動揺していた。
大声で『痴漢です』と言えばそれで終わりなのだがそこまで頭が回らなかった。
――そんな事を考えていた時、朝比奈の尻を撫でていた手が止まった。
(……?)
手は朝比奈の尻から手を離すと彼女の脇腹を指で軽くなぞった。
「ッ…!」
突然の刺激にビクンと身体が奮えた。
何度も脇腹をなぞる。その度に朝比奈の身体は反応してしまう。実は弱点だった。
「っあ………んっ…」
朝比奈が小さく甘い声を上げた。
その声が合図とばかりに脇腹を責める手とは違う手をスカートの中に忍ばせた
「ん?………ぁ…ぁっ…」直接大股を触られて思わず声が出てしまった。
その柔らかくも弾力のあるふとももをゆっくりと撫で回す。
「ぁっ……ちょ…んんっ……」
腰を引いて逃げようとした。
しかし先程まで脇腹をくすぐっていた手に腰をガッと掴まれ後方にくいっと引かれた。
「あっ!?」
結果痴漢に尻を突き出すような姿勢を取ってしまった。
そして朝比奈の腰に手を置きスカートの中へと忍ばせていた方の手を股間の部分へと伸ばした。
そして―――
「っ……!?」
ショーツ越に彼女の秘部を摩った
「ゃ、…ぁぁん…っ、んんっ…」
初めて感じる刺激に戸惑いながらも喘いでしまう…声が漏れないように必死に唇を噛む。
(そ…そんなっ………)
痴漢されている。しかも感じてしまっている。
朝比奈は自分で自分が信じれなかった。
(――違う、別に感じてなんか無い―――)
彼女は吊り革をギュッと握りしめて快楽に耐えていた。
「くっ………んっ…ぁぁっ」
「くっ………んっ…ぁぁっ」
気付けば朝比奈の腰に添えていた方の手までスカートの中に入り込み彼女の内股を摩っていた。
彼女のショーツにうっすらとしかし確実に染みが広がってゆく……それを確認すると大股を責めていた手を一旦離すと今度は彼女の服を少し捲くり上げ胸まで手を進め、ブラの上から揉みだした。
「んんっ…あっ…ゃ、だ………めぇ…」
朝比奈は抵抗できなかった。口では嫌だと言いながらも身体が反応してもっとして欲しい。もっと感じたいと腰が勝手に動いてしまう。
(こんな…こんな……痴漢されて……感じ、る…な…んて………だめ……も、声…でちゃ…)
これまではバスのエンジン音と通学生達の声で彼女の微かな喘ぎ声は掻き消されていたがこれ以上声がでてしまってはいくらなんでも周りに気付かれてしまう……彼女は吊り革を掴んでいない方の手で自らの口を塞いだ。
手に持っていた鞄は地面に落としていた…。
次第に朝比奈の胸を揉む指に力が入っていく…
「んん!……ん、んん…」朝比奈は必死に口を塞ぎ声を押さえている
ブラを掴み一気に上へとずらす。
「んぁぁッ……!?」
ブラに押さえてられていたその豊満な乳房が揺れる。正直、何を食って生きて来たらここまで育つのか…
「っ…ふ……ぅん」
ブラを上げた時に二つの突起がブラに擦れたらしい。刺激を受けて軽くイッてしまったのだろうか…目うっすらと涙が滲んでいる。
気付けばショーツも膝まで降ろされ、直接秘部を責められていた。人差し指と中指で中を掻き混ぜる。そのたびにクチュクチュと淫靡な音がする。時々親指でクリトリスを刺激してやると朝比奈は『ビクン』っと身体を揺らす。
大股には愛液が筋を作って流れていた。
「ん、ん、ん、ん、ん」
朝比奈の口を押さえる手のすき間から甘い声が漏れる…
張りのある。それでいて軟らかいその大きな乳房を指が少し食い込み痕が残る程に強く、乱暴に揉みしだく。
「ん、んーっ、んん!?」(こんな…乱暴にされてるのに……い、痛いのに…私……感じちゃって、る…?)困惑する。
朝比奈は以前同じ委員長委員会のメンバーの一人にドMだと指摘された事があった。
…あながち間違っていないかもしれない。
(私、私…痴漢されて……乱暴にされて…感じちゃう変態だったんだ………)
もはや認めるしかなかった。
(も………だめぇ…)
朝比奈の身体がブルブルと小刻みに奮えだす。
絶頂が近いらしい。
痴漢はそれを感じ取ったのかより一層強く、激しく胸を揉みしだき、秘部を責める手の速度を上げる。
「んんッ!ん〜っんん!」(そんな…、は…はげし……ぃっ、いっちゃう………ち、痴漢されてイッ…ちゃう………私、もっ…)
吊り革を持つ手が痛くなる程に強く握り締め、足のつま先には力が入り、足の裏を収縮させる。
(………ゃ、も、……っ、ィク、イッちゃ…)
不意に彼女の中に入れていた指を引き抜き、クリトリスを強く摘む。
「んんんんんんん!!」
―――そこで絶頂を迎えた。強く瞼を閉じ、全身がビクンビクンと波うち、髪を振り乱ながら背中を大きく反らして…それでも声だけは出すまいとしっかり左手で口を押さえていた……―――――
朝比奈は肩で息をしていた。痴漢は器用に片手だけで膝まで降ろしたショーツをまた器用に片手だけで再び朝比奈に穿かせる。
奇跡的にも周りの生徒に彼女らの行為は気付かれてなかったようだ。
少し息を整えた朝比奈はまだ相手の顔を見てない事に気付いた
(…そうだ委員会に報告するために確認しないと…)後ろを振り返ろうとした時、バスが桃月学園へと到着した。
そしてバスの出口が開き、一気に通学生がバスから降りて行く。朝比奈は完全にその流れに巻き込まれてしまった。
気付けば人の波に押されバスから降りてしまっていた。
(…確認…できなかったな……)
まだ身体に力が入らないらしくフラフラと将校口まで歩いていると一人の少女が声をかけてきた。
「お早う♪絵里ちゃん」
胸の位置まで伸びた髪に眼鏡をかけた少女。ちょっぴり小さなアホ毛がぴょんと生えている。
2年B組の瀬奈雪絵だ。
彼女も委員長委員会のメンバーの一人である。
彼女は「忘れ物」と言って朝比奈の鞄を持ってきた。そういえば鞄の事忘れていた…
朝比奈は「ありがとうございます」と、鞄を受け取った。
それにしても…今日の瀬奈はやけにフレンドリーだ。「……私のこと絵里ちゃんなんて呼んでましたっけ?」
瀬奈はこちらの質問には答えず
「なんか疲れてるね?どうかしたの?」
「…人の話しを聞いてください」
まさか痴漢されたなんて言えない。
「でもやっぱり私の言った通りだったよね?」
「…何がですか?」
「口では強がっていても本当はとんでもないほどのドMなんだって話し♪」
(………ん?)
「結構強く握っちゃったけど痛くなかった?」
(……………これは、もしや?)
「あんなに乱暴に揉んでも感じるなんて本当にマゾなのね?逆にこっちが疲れちやった♪」
手をプラプラとさせながらそう言った。
(………………)
もはや言葉も無かった…
「でもとっても可愛かったよ♪またしようね?」
朝比奈は一息つくと怒りをあらわにして瀬奈に食ってかかった。
「朝っぱらから何やってるんですか!犯罪ですよ!?問題になったらどうするんですか!?」
――確かにやり過ぎだ…が、当の本人は…
「大丈夫だって。周りにバレてなかったし心配いらないわ♪それに…」
「なんですか!?」
「口ではそう強がっていても本当はまたしてほしいんでしょ?」
朝比奈は大きく息を吸い込むと全身全霊の力を込めて叫んだ。
「あんた人の話し聞いてる!?」
―――――完。