「付き合わないか?」  
 
その一言から。全てはその一言から。  
橘玲に呼び出され、言われた一言。虚しい夕暮れの屋上でさり気なく。  
本当にさり気なく。さも普通かのように。  
私はどう返せばいいのか分からなかった。  
橘に興味があると言えばあったが、それは橘が好きだという事になるのであろうか。  
「…え…?……え?」  
「駄目なのか?」  
いや、駄目ではない。でもOKでもない気がする。  
南条と一条が頭に浮かんだ。私は誰が好きなのか。  
自分で自分が分からなくなる。  
「聞いてるのか?嫌いだったら嫌いでいいんだぞ?」  
嫌いではない。むしろ何かを期待しているかもしれない。  
橘は前からスタイルが良くて美人だと思っていた。  
眼鏡をかけていると目立たないが、私もかけているからか橘が眼鏡をとらなくても美人だという事は分かっていた。  
私は前から橘を気に掛けていたような気がする。  
「嫌い…ではない。」  
「あらそう。じゃあいきなりだけど」  
私は一瞬 時が止まったかと思った。  
橘が抱きついて口付け、いわゆるキスをしてきたのだ。しかも、軽いモノではない。舌を私の口の中に入れてきた。  
私は何もできないまま橘に任せる。私はこういう事についてはよく分からない。  
橘の舌が私の歯茎から私の舌に絡み付いた。初めての感覚。舌と舌が触れ合うという妙な感覚に私は少し快感を覚えた。  
「…ぷはぁ……犬神ってこういう事何も知らないのか。」  
「……すまない。キスすら初めてだ。」  
「本当か!?なら良かった。私も初めてだったから。」  
「そ、そうなのか。その割りには巧い、というか知りすぎてるぞ…。」  
「好奇心かな。好奇心。じゃ、続きやるからアレ出せ。」  
「ア、アレ?」  
「女に言わせるのか?分かってるだろ。」  
「…いや、でも。」  
「早く出せよ。ここはこんなになってるだろ。」  
橘が私のズボンの膨らんだ辺りを触る。  
確かにアレは性的な快感を求めているが、こんな屋上で橘に求めていいのだろうか。  
何となく恥ずかしくなった。  
 
「何赤くなってんだ?」  
「やっぱり何か恥ずかしい。」  
「はぁ?私の方がもっと恥ずかしいぞ。」  
「す、すまない。」  
「もういい!私がやる。」  
橘はそう言うとしゃがんで、私のズボンのファスナーを開けてきた。  
「…う、うわ。」  
「出すぞ。」  
橘は遂にパンツから私のアレを取り出した。橘の手が触れて快感が走る。  
「普通だな。」  
「……。」  
「舐めるぞ…。」  
橘が私のアレを口に含む。  
――快感。電撃のような快感。  
全身を流れるその信号に私はすぐにでも射精してしまいそうだった。  
「…う…ぁ……」  
橘は無言で口に含んだまま舌を動かし続ける。舌が動く度、声を出してしまいそうな快感が私を襲った。  
そんな事も知らずに玲は私を責め続ける。  
先を吸ったり。敏感な粘膜部分を甘噛みしたり。奥まで吸い込んだり。  
私はもう限界を迎えそうになった。  
「うぁぁ……」  
「いふのは?(イクのか?)」  
橘が口から離した瞬間、私は射精してしまった。  
――激的な快感。全身から力が抜けてしまいそうな性的快感。  
尿道を通る精液が私の快感を更に増幅させる。ビクビク、と。  
「うぁ。眼鏡にかかったじゃないか。」  
「…す、…すまない。気持ち良すぎて…。すまない。」  
「あー。まあいいよ。伊達眼鏡だし。外して続きやるか。」  
そうだった。橘の眼鏡は伊達眼鏡だった。  
しかし、私が汚してしまった事には変わりない。何か悪い事をしてしまったような気がした。  
 
「何をすれば…?」  
「次は私を気持ち良くしてくれない?」  
「…どうすればいいのか分からない……」  
「本当に何も知らないんだな…。とりあえず此処を舐めて」  
スカートをたくし上げ、下着を見せる橘。下着は私が脱がさなくてはならないという事か  
仕方なく下着を膝辺りまで脱がせる  
やはりこういう事は慣れない。手を下に引くだけなのに凄く恥ずかしい  
上を見上げると橘の…、が見える。陰毛が何となくいやらしかった  
さっき言われた通りに、橘の性器に顔を近付け舐めてみる  
…これが女の味か。女の匂いか  
また興奮してきた。ズボンの下で硬くなってきてるのが分かる  
私は手を乗せている橘の太股を強く握って貪るように舐め始めた  
割れ目の中に舌を入れて中を掻き回す。中は熱くて少し濡れていた  
「ぅあ………ぁ……」  
舌を動かせば橘の喘ぎ声が聞こえてくる。その姿に凄く可愛さを感じた  
私は橘玲が好きなのかもしれない  
「そろそろ挿れてもいいぞ…」  
「え、挿れるって…。まずいんじゃないのか…」  
「まずいって…。私は痛いけど犬神は関係無いよ」  
「そ、そうか……」  
「ほら早く」  
「う、うん」  
急いでスボンのファスナーを開けてアレを出す  
既にアレはイキり勃っていた  
「私のを舐めながら興奮してたのか…。見かけによらずMだな」  
「ち、違う」  
「そんな事より早く挿れて」  
橘が自分の割れ目を開いて私を導く。舐めている時は必死で気付かなかったが中はとろとろに濡れていた  
私は導かれるままアレを挿入した  
私達は屋上で、立ったまま、繋がった  
「ぅあ………。凄い…」  
思わず声が漏れる。それくらい快感が激しかった  
ギュウギュウと私を締め付ける橘の性器。腰を動かすとすぐに出してしまいそうだった  
そんな初めての快感に酔っていると、苦痛に耐える橘の顔が見えた  
「だ、大丈夫か……」  
「…い、痛い……これは…ヤバい……」  
「ごめん…。抜く」  
「抜かなくて…いい…。これに耐えなければ…処女のままだ……」  
「いや…でも……」  
橘の目には少し涙が浮かんでいた。こんなに痛そうにしてるのに私を受け入れようとしている  
橘は私の事が本当に好きなのか……  
「早く…腰…動かせ……」  
「う、うん……」  
橘が目を閉じる  
私は腰を動かし始めた  
1回、1回動かす度に痺れそうな快感が走る。橘は目を閉じたまま痛みに耐えていた  
 
「…もっと強く動け……」  
私を気遣ったのか、痛いはずなのに橘が囁いた  
この囁きで私は理性を失った  
激しく、激しく腰を動かす  
何度も、何度も乾いた音が屋上に響く  
 
そして――  
何かを貫いた感覚。遂に私は橘の処女を奪ってしまった  
 
橘はさっきより涙を浮かべ、頬を朱に染め、痛みに耐えていた  
そんな橘を見ると可愛らしくて美しくてまた理性が吹き飛んでしまった  
私は更に激しく腰を動かした。その快感が私を更に狂わせる  
橘の顔が段々と快感を感じ、緩くなっていく  
「…ぁぁ……っぁ…」  
喘ぎ声が脳に響き渡る。その声が更に私を興奮させた  
「で、出そうだ…」  
「私も…イキそう…」  
私は最後に残った理性を振り絞り橘から抜けようとする  
しかし、橘は私をもっと強く抱き締めた  
「た、橘……!」  
私が腰の動きをやめると、橘が腰を動かしてきた  
「中に出して…」  
 
もうそれが限界だった  
 
「イク……!」  
 
橘の声  
 
私は  
 
橘の中で射精してしまった  
 
どうしようも出来ない事をしてしまった  
「う、うわ…」  
「責任取ってもらうぞ…」  
「た、橘が!」  
「さぁて、一息ついたら帰るか」  
「う……」  
 
また私と橘はキスをした  
 
今度は軽い、唇と唇を重ねるだけの  
 
私は橘が好きだ―――  
 
 
――翌日  
「犬神ってMらしいぞ……」  
「何か橘と野外SEXしてたとか」  
「橘と犬神って付き合ってるんだよな…」  
 
そんな噂話が飛びかっているらしい  
みんな私が来ると顔を見合わせ、くすくすと笑う  
 
「私達噂されてるぞ」  
「気にするな。証拠が無いだろ」  
しかし、初体験が学校の屋上だとは…  
 
「マホー!玲ちゃんと犬神君って付き合ってるの?」  
いきなり片桐が話し掛けてきた  
「噂だろ。んな訳無い」  
「マホ?屋上で見たんだけどなぁ。服がはだけてキスしてるとこ  
まぼろしだったカナ?」  
「そうだ。まぼろしだ。第一屋上でヤらないだろ」  
「そうだよねー。玲ちゃんは私とラブラブだもんねー」  
橘は嘘に躊躇しない。流石は魔女だ  
 
私は魔女と付き合っている  
 
 
私と橘の関係は淡々と―――  
 
 

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