『レベッカリポート』  
 
0日目  
 
ここは教授の部屋、建物の中でも奥の方で古臭く人も滅多に来ない。  
中は本や書類でごちゃごちゃとしている。わけのわからない発掘品まである始末だ。  
入学してようやく数ヶ月、生活にも慣れ落ち着いた頃のレベッカ(当事9歳)はドアをノックして入った。  
「…教授、何の用ですか?」  
「おおレベッカ、よく来た」  
「本題に入って下さい」  
「相変わらずキビシイのう、うむ、本題はな指導教授として、  
 これからレベッカを試していくからそれが何なのかをレポートにまとめる事じゃ」  
「…バカバカしい」  
「単位が足らなくなるし他の論文も通さんぞ」  
「……チッ…わかりました」  
この教授がややこしい一癖も二癖もあるのは既に判っていた。  
 
「さっそくコレを明日までに百枚書き写してきてくれ」  
渡されたのは下らない早口言葉が書かれた紙だった。  
 
1日目  
 
「はい、教授」  
レベッカはコピーした100枚の紙を渡した。  
「書き写せと言ったはずじゃぞ」  
「無駄です」  
「そうか、では書いてあった早口言葉を言ってもらおう、いい間違えたら試練じゃぞ」  
それくらい一度見れば文字は大体覚えれる、日本語と言えど100枚もコピーする間にわかった、楽勝だとレベッカは思った。  
「…とうきょう…とっきょ…きょか…きょく」  
早口言葉とは思えないゆっくりさでレベッカは言った。  
「レベッカ、早口言葉じゃぞ、東京特許許可局、これくらいの速さで言えんと駄目じゃ、笑われるぞ」  
「早く言う事に何の意味が」  
「口が回らんと論舌でも負けるぞ、人生には重要じゃ」  
「東京ときょんがっ……」  
(ヒーー…舌を噛んだ)  
(噛みおったな)  
「それでは試練じゃな」  
教授はレベッカのスカートの中に手をいれパンツの上から柔らかく撫でる。  
「…何ですか?」  
顔色も変えずに、しかし口調には疑問を乗せてレベッカは聞いた。  
「どんな時も冷静で驚かない声を上げない試練じゃ、どんな感じじゃ」  
「ボケたのかと思いました、少しくすぐったい…それだけです」  
「何回もされると我慢できずに声を出すようになるんじゃよ」  
「そんな事ありません」  
これくらい平気だとレベッカは思い断言した。  
「体験して初めてわかる事もある、ほれ早口言葉を言ってみろ」  
「東京とっきょかぁきょおぉく」  
「失敗じゃな、さわさわさわさわ」  
「…ふん」  
「とうきょうときょきゃきゃきょきゅ……くっ」  
「ホッホッホッホッホ。さわさわさわさわ、レベッカ何時できるのかのう」  
失敗してはスカートの中に手を入れられて触られる、そんな事が一時間程続き、  
ようやく次及点を貰いその日は終わった。  
(なんか股が熱くてムズムズする…)  
「明日は別の早口言葉じゃ」  
 
その日帰ってからレベッカは、別の真面目な論文を考えながら早口言葉の練習をした。  
 

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