「・・・・良い天気だな」  
秋も終わりに近づいてる季節にしては、ぽかぽかと暖かい快晴。  
ここ最近のお昼休みはこのような天気が続いていた。  
校庭では多くの生徒や先生が様々な事をしている。  
無邪気に鬼ごっこをしている者、部室を掃除している部員達、忙しそうに次の体育の  
授業の準備をする体育教師、銀髪のメガネの男子生徒の首にぎっちりと巻き付いている蛇を必死に離そうとしているお嬢様、銀髪の  
男子生徒はとても苦しそうだ。そしてウサギ小屋の中でひっそりと座っている地味な女子生徒(というかうちの妹)等など。  
いつもと変わらない、平凡(?)で平和な(?)光景である。  
 
 
桃瀬修はそんな光景を木に寄り掛かりながらぼのぼのと見てる。  
お昼ご飯を食べた後、他にする事が無かったのでたまには外に出て横になろうと思ったのである。  
「・・・・平和だなぁ」  
ぽかぽかとした太陽の日差しが気持ち良い。   
――学校終わったら、夕飯の材料買いに寄り道でもするか。さて何処のスーパーに行こうか・・・・  
それとも西口の商店街の八百屋さんにでも行こうか。あそこのおやじさん、可愛い子だとおまけするから  
うちのクラスの女子か妹を連れて行って買い物した方がいいな。  
放課後の予定を考える、修。  
すると何処からかよく耳にする声が聞こえた。  
視線をそこに移すと自分のクラスメイトの双子の姉妹、柏木優麻と優奈、大きなリボンを頭につけてる来栖柚子が  
何やら野球をしている。  
ピッチャーが優奈、バッターが優麻、外野が来栖。  
――普通は女子はバレーだろ・・・・。  
その通りなのだがA組みのクラスは本当、変わった事をする奴が多い。  
そこからまた別の所へ視線を逸らす。  
――さてやっぱ商店街の八百屋にするか。他に必要なもんは・・・醤油まだ残ってたかな?  
そうだ、冷蔵庫に昨日のチャーハンは残ってるしそれも食べないと。  
「桃瀬君、危ない!」  
「へ?」  
その声がしたのと同時に修の頭にボールが当たった。  
クラクラと意識が朦朧とする中、先ほど野球をしていた3人がこちらに向かって走ってくる。  
「桃瀬君!大丈夫!」  
「大変!すぐに保健室に運ばないと!」  
「桃瀬君、しっかりしてください!」  
修の意識はそこで途絶えてしまった。  
 

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