犬「しかし、ずいぶん仲良くなったなものだな、お前ら」
ふと、犬神さんがそんな事を言った
ベ「ぇ、誰と誰がっスか?」
犬「お前とメディアの事だ」
ベ「へ!?」
あまりにも突飛な答えに、思わずベホイミは間抜けな声をあげた
メ「あらあら、そう見えますか〜♪」
どうやら、メディアの方はまんざらでもないらしい。
確かに、ここ最近は前より、こいつと馴れ合っている気がする
実際、一番気兼ねする必要が無い分、一種の心地よさを感じているところもある。
でも
ベホ「それは、遠慮するっス」
極力落ち着いた
しかし、確実に否定の意思を宿した声
そうだ、いくら時間が経っても忘れない
忘れるわけが無い
メ「もぉ、つれないですねぇ、ベ・ホ・ちゃんv」
その笑顔は
とても穏やかで
とても無邪気で
きっと、それだけなのかもしれないけれど
悪寒がはしった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
不覚だった
こっちが奇襲をかけたつもりだったが、逆に返り討ち……
仲間は全滅した上、私も捕虜として捕らえられた
もう、ここまでくると笑うしかない
が、そんな気力も残っていなく
せいぜい、鎖で吊るされた身体をサンドバックの様に揺らすことしか出来なかった
ギィイッ
と、扉が開く音がした
音の方に反射的に視線が向いた
そこには、自分に暴行をくわえていた兵士…
ではなく、あきらかにこんな戦場に不釣合いな
一人の少女がいた
しかし、その顔には確かに見覚えがあった
メ「あらあら、随分とがんばりましたねぇ」
ベ「おかげさまでね…死神…さん」
意識が無くなる前
脳裏に焼き付いていた
動きから、どう考えてもソイツは楽しんでいた
斬る事も刺す事も
生を奪うコト
その姿は、『死神』そのものだった
メ「うふふ…ニックネームなんて、初めてつけてもらいました…」
そう言いながら、ソイツは、ゆっくりと私に、近付き
そして、私の頭を掴んで…
メ「ありがとうございます…『ベホイミ』ちゃん…」そう、耳元で囁き
ベ「なッ…ンッ!?」
いきなり、私の唇を塞いだ
虚をつかれた私は、何の抵抗もなく、挿入された舌で口の中を、犯された
「ンッ…チュ…ヂュッかはっ…んンッ」
薄暗い部屋に、卑猥な音が響く
「はぁっ…クチュ…クチャ…チュプッ…」
さっきまで、別の奴等に散々弄ばれたのに、身体がビクッと反応した
メ「はぁっ…ふふ…感じちゃいました?あれだけみなさんのお相手したのに…そんなに私のキス良かったですか?それとも…」
「こうゆう風にされるのが好きなんですか?」
ベ「はぁっ…はぁっ…」
私は半ば放心状態になっていた、だから口から言葉はでなかった
メ「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。メディアと呼んで下さいね。ベホイミちゃん♪」
間抜けな話だが、私はこの時に初めて、コイツ…メディアの名前を知った
ベ「な…って…ぃる?私の…名前…」
メ「あぁ、それならさっき調べさせてもらいました、かわいい名前ですね♪」
私の問いにメディアはまるで、友達と話す様に答えた
ベ「…なんで、ずっと笑っている?」
呼吸が整い、でてきたのは、また質問だった
メ「さぁ、何故でしょう…ふふ」
ベ「大体、さっきのアレは、な…ッンッ!」
少し、気をそらしたすきに、また、メディアが唇を塞いだ
と、今度は口の中になにか固形物が入り
つい、飲み込んでしまった
ベ「かはぁっ……おい、一体なにをした!」
すぐに吐き出そうとしたが、それは出てこなかった
メ「大丈夫、別に毒じゃないですよ」
「もっとイイモノですよ…」
そう言った瞬間
表情こそ変えなかった
だけど、私はアイツの中に明らかな、悪意を感じ取った
ベ「ァ…ゥ……ッ?」
変化はすぐにわかった
メ「私、人の痛がる『姿』は好きなんですケド。
『声』は苦手なんですよ」
つまり、そういう事だ
蝶の羽をむしって遊ぶ子供と、なんら変わらない感覚
無邪気な悪意━━━
メ「だから、いっぱい…声が出ないかわりに…たくさん痛がって下さい…」