時間は少し戻って―――  
「あうう・・・綿貫さんに合わせる顔がないです・・・」  
宮田は悩んでいた。  
いつもドジばかりでだいぶ迷惑を掛けているため、それが負い目になっているのだ。  
「せめて・・・転ばないようにしないと」  
こけっ、どさっ!  
「は、はううううう・・・」  
言ってる傍からこけてしまい、涙目になる宮田。  
「う・・・うう・・・私やっぱり・・・」  
「あなたのそのドジ、私が治してあげようか?」  
背後から誰かが声を掛けた。  
「・・・え?」  
宮田が声の方向に振り向いた瞬間。  
「むぐっ!」  
宮田の口に布が押し当てられる。  
何かの薬品の匂い。  
そして、宮田は眠りに落ちてしまった。  
「ふふ・・・この子を私の下僕2号として教育してあげる・・・」  
声の主は地面に伏せた宮田を見てにやりとした。  
 
そして、しばらくしてから  
「というわけで、ウサギ小屋にたどり着いたわけだが」  
「うう・・・すごく辛い道のりだったわ・・・」  
ウサギ小屋の前の茂みに身を隠し、様子を伺う芹沢と綿貫。  
なぜか綿貫はボロボロになっている。  
「お前、よく生きてたよな・・・」  
芹沢が綿貫を心配そうに見ている。  
「これも諜報部の執念・・・よ」  
息も絶え絶えに虚勢を張る綿貫。  
ところで、綿貫に何があったかと言うと・・・  
 
時をさかのぼり、こっくりさん送還失敗のちょっと後に戻る。  
あれから、こっくりさんを追い払えたのはいいのだが、その際に間違っていくつかの呪いが掛かってしまったらしい。  
「呪いと書いてまじないと読みます」  
「やかましい!!」  
相変わらず意味不明なことを喋る一条に綿貫は半端キレ気味。  
とりあえず、宮田がいると思われるウサギ小屋へと向かった芹沢と綿貫であったが・・・  
「ほんとにいるのかな・・・」  
「いなかったらあいつらまとめて締め上げてやる・・・」  
玲と一条相手では返り討ちに会うのがオチだとは思うが、今の綿貫はかなり頭に血が上ってる状態で冷静な判断ができていない。  
「ところでさ」  
「ん?何よ」  
芹沢が綿貫に一つの質問を投げかけた。  
「なんでお前晶ちゃんを追いかけてるんだ?」  
「あー・・・あんたには話してなかったわね」  
綿貫がそこで黙る。  
「あ、ムリに喋らなくてもいいぞ。込み入った事情あるんだろ?」  
「違う違う。どこから話そうかなって思って。まずは私と晶ちゃんの出会いから・・・」  
「や、それは喋りすぎだから。余計な部分ははしょってくれ」  
芹沢の言葉に綿貫が少し考える。  
「つまり、晶ちゃんを見てると胸の奥から熱くてどす黒い感情があふれ出るのよ・・・これは一体何?」  
「はしょりすぎな上にそんなこと聞いてるんじゃねえよ」  
「あーもーだから、私は晶ちゃんがドジを踏むのを見てるとなんていうか・・・めちゃくちゃにしたくなるっていうか何かそういう衝動が」  
「その感情の名は憎しみ、あるいはオディオという」  
「そんな誰しもが魔王になりえる感情じゃなくてね、ほら・・・そう、萌え?萌えって奴?」  
芹沢は段々綿貫を哀れみの目で見るようになっていた。  
「綿貫・・・どこか頭打ったんじゃないか?病院行った方がいいぞ?」  
「失礼ね!私は正常」  
綿貫が芹沢に反論しようとしたその時―――  
 
「下の人!あぶなーいっ!!」  
上から叫び声が聞こえる。  
「え?」  
声に反応して綿貫が上を見た瞬間  
かぽっ!  
「わ、綿貫っ!」  
「な、何々!?真っ暗で何も見えないー!」  
綿貫の頭にバケツが被さったのである。  
「だーっ!これ早く取ってー!」  
綿貫が慌てている。  
「何やってんだよ・・・お前ら」  
ちょうどそこに通りかかったのは秋山乙女。  
「いや、綿貫がワリオに目隠しされた」  
「ワリオって誰だよ・・・というか目隠しされたら取ればいいだろ?」  
芹沢の回答に乙女がじと目で言う。  
悪夢はこの直後に起きた。  
「あー!乙女はっけーん!」  
「げっ!鈴音っ!」  
鈴音が乙女の反対方向に現れた。  
「探したぞーこのー!」  
「わーっ!こっち来るなーっ!!」  
駆け寄ってくる鈴音に乙女が思わず逃げ出す。  
それを見て鈴音が全力で追跡を開始する。  
鈴音の進行方向には綿貫と芹沢がいる。  
ちなみに鈴音は綿貫と芹沢に気づいていない。  
「え?え?ちょっと、何?何が起きてるの?」  
視界を閉ざされた綿貫は事態が把握できず、オロオロしている。  
「綿貫っ!避けろーっ!」  
芹沢が叫ぶ。  
しかし、とき既に遅し。  
どっかーんっ!!  
ひゅーーーーーーーーん!  
「わーたーぬーきーっ!」  
鈴音が綿貫と正面衝突、綿貫は遠くへ飛んでいった。  
「ありゃりゃ〜飛んで行っちゃった〜」  
「ありゃりゃじゃねーよ・・・」  
 
場所は変わり、学校のプール。  
「さーウナ子ちゃーん、ご飯の時間ですよー」  
南条がプールにペット用のエサを撒いていた。  
「お前、プールで生き物飼うなよ・・・」  
傍にいた犬神がそう呟く。  
「あら、この子達だって広い所で伸び伸び泳がせてあげないと可愛そうじゃないの」  
「そういうこと言ってるんじゃなくてな・・・ん?」  
犬神が何かに気づき空を見上げた。  
「どうしましたの・・・?何あれ!?」  
ひゅーーーーーーん  
どっぱーん!!  
突然空から何かが降ってきた。  
「何だ!?」  
「い、一体何事!?」  
犬神と南条がプールの水面を覗く。  
ざっぱーんっ!  
「・・・あー死ぬかと思ったわ」  
バケツを被った人間が水面から顔を出した。  
「何アレ・・・宇宙人?」  
「いや、どう見ても人間だろ?」  
二人は怪訝な表情でその人物を見ている。  
「そ、そうでしたわ!そこの人!早くプールから出なさい!!」  
「え?」  
バケツを被った人物が聞き返した瞬間・・・  
ビリビリビリ  
「ビビビビビビビビビ」  
プールに電流が流れ、バケツを被った人物が感電する。  
「だから言いましたのに・・・」  
「電気ウナギなんかプールに放つな」  
南条に冷静な突込みを入れる犬神。  
「ぷかーっ・・・」  
バケツを被った人物が浮いている。  
ただ、力なく浮いている。  
「綿貫ーっ!大丈夫かーっ!」  
芹沢がプールに駆け込んできた。  
どう見ても大丈夫ではありません。  
「これもしかして・・・一条さんの呪い・・・?がくっ」  
綿貫、ダウン。  
 
時を戻し、ウサギ小屋の前  
「本当に苦労したわ・・・」  
「ほんとに大丈夫か・・・?」  
「ここまで来たんだからやるしかないでしょ!」  
綿貫が拳を握り熱弁する。  
「まあ、とにかく中を覗いてみるな」  
双眼鏡を手に取り、小屋の中を覗く。  
「・・・な、何だこれ」  
「ど、どうしたのよ?」  
双眼鏡を覗いて驚愕の表情で芹沢が固まった。  
「見てみろ」  
芹沢が双眼鏡を綿貫に渡す。  
「・・・なっ!!」  
双眼鏡は宮田が縛られて転がされている姿を映し出した。  
「何よこれ・・・一体どうなってるの?」  
ウサギ小屋の影から誰かが姿を現す。  
「く、くるみ!?」  
「何っ!」  
宮田の前に現れたのは桃瀬くるみ。  
「あいつ・・・今度は晶ちゃんを狙ってるのかっ!」  
芹沢が歯軋りする。  
「どうしたのよ?」  
以前芹沢は来栖と共にくるみに監禁され、恥辱の限りを尽くされたことがある。  
その光景を思い出し、目つきが厳しくなる芹沢。  
「い、いや、なんでもない。なんでもないけど・・・あいつは・・・」  
「あっ!小屋に入っていったわ!」  
周りを見回したくるみはウサギ小屋へと入っていった。  
 
「んーっ!んんーっ!」  
くるみを見た宮田は首を横に振って体をゆすらせた。  
しかし、手足はがっちり縛られており、身動きがとれない。  
「何を怯えてるの?これからあなたのドジを治してあげるのに」  
くるみがにやにやしながら宮田に迫る。  
「大きい胸ね。あなたがよくこけるのはきっとこの胸のせいよ・・・くすくす」  
宮田に語りかけながらその豊満な胸をこねくり回す。  
「んんんーっ!んぐーっ!!」  
「この胸をこうやって・・・もみもみ」  
夢中で胸を揉みほぐす。  
「ほら、こうすれば体のバランスが取れるのよ・・・」  
ぎゅっぎゅっ  
びく  
「んぎゅぅぅぅ」  
乳首を摘まれ、思わず反応してしまう。  
「ほら、我慢して。綿貫に迷惑かけたくないんでしょ?」  
ぎゅむぎゅむっ!  
「ふぅぅぅんっ!ふぅうっ!んんんーっ!」  
目に涙があふれ、首を横にひたすら振り続ける宮田。  
「まあ、あなたの次は綿貫を落としてあげるから。安心して気持ちよくなっていいんだからね」  
いつの間にかくるみの指は宮田の秘所にぐりぐりと食い込ませていた。  
「んぐぅぅぅぅぅっ!」  
その刺激に宮田はただひたすらくぐもった声をあげるしかなかった。  
 
「くそっ!好き勝手やりやがって・・・」  
芹沢の歯軋りが更に大きくなる。  
「こうしちゃいられないわね。はやく晶ちゃんを救出しないと!」  
綿貫が飛び出そうとしたが芹沢に止められる。  
「待て、誰かくる」  
小屋の前に現れたのは姫子。  
くるみに調教され、従順になってしまった下僕1号である。  
「ちっ・・・見張りね」  
「でも、一人だったら二人がかりでやれば・・・」  
「だめよ。外の異変に気づいたくるみが何するか分からないわ」  
「じゃ、どうする?」  
芹沢が綿貫に問う。  
「これを投げれば・・・っ!」  
ぶんっ!  
綿貫が姫子の前に何かを投げた。  
「マホ?」  
姫子がそれを拾う。  
そして、中身を見た姫子は突然どこかへと走り去った。  
「よーし、成功ー!」  
「あれはなんなんだ?」  
「姫子の大好きなベッキー写真集の隠し場所を記した地図よ」  
「・・・まあ、あいつらしいといえばらしいよな」  
芹沢は頭を抑えてあきれたように呟いた。  
「さて、戻ってくる前に突入するわよ」  
「じゃあ、私がくるみ抑えとくから綿貫は晶ちゃんを連れて逃げてくれ」  
芹沢が綿貫に指示する。  
「それはいいんだけどさ、あんたそのマッサージ器で何するつもりよ?しかも目がすごく輝いてるんだけど」  
「ふふふ・・・ついに時は来たんだよ。くるみへ復讐する時がな!」  
そう言って芹沢はいろいろな道具を取り出した。  
ローション、蝋燭、目隠し、猿轡、手錠、よく分からないへんてこな置物  
「これにマッサージ器を加えて復讐7つ道具が完成するんだよ」  
「あんた何するつもりよ・・・というかその置物全然関連性が分からないし」  
「いいんだよ、とにかく早くしないと晶ちゃんが危ないぞ」  
と言いつつ芹沢がウサギ小屋の方を向いた。  
「まあ、くるみはあんたに任せるけど、あんまり犯罪っぽいことしたらだめだからね」  
「お前が言うなっての」  
「それじゃ、ミッションスタートっ!」  
二人は全力でウサギ小屋に突撃した。  
 
バンっ!!  
「な!?」  
勢いよく開いた戸に驚くくるみ。  
「綿貫!いまだっ!!」  
芹沢がくるみに飛び掛る。  
「せ、芹沢っ!?な、何するつもりよっ!」  
「この前のお礼をさせてもらうぜ・・・たっぷりとな・・・くくく」  
「くっ!離せっ!離せーっ!」  
くるみが暴れるががっちり押さえ込まれていて身動きが取れない。  
「よし、作戦通り、晶ちゃんを連れて逃げろ!」  
「分かったわ!」  
綿貫が晶の拘束を解くと手を引っ張って小屋から駆け出した。  
「ま、待ちなさっ・・・むぐっ!」  
くるみが芹沢の手錠と猿轡で次々自由を制限される。  
「お前の相手は私だ。二度とこんなこと出来ないようにしてやるよ」  
芹沢の手がくるみの胸と大事な部分へと伸びる。  
「んんぅぅっ!!」  
「私をこういう風に目覚めさせたのはお前だからな。責任はとってもらうよ」  
薄ら笑いを浮かべる芹沢にくるみの表情が恐怖で染まっていく。  
これから自分が何をされるのか、身をもって知ることになるだろう。  
 
「まてーっ!逃がさないカナ〜」  
姫子が綿貫と宮田を追跡していた。  
あの地図が偽者と分かり戻ってくる途中で遭遇したのだ。  
「はあ・・・はあ・・・」  
「ま、待ってくださーい!」  
綿貫が宮田を引っ張りながら走ってるため、なかなか姫子を撒けずにいたのだ。  
(これじゃ全力で走れないっ!なら・・・こうするしか!)  
「くっ・・・!晶ちゃん!ごめん!」  
「え?え?」  
ひょいっ  
綿貫が一瞬立ち止まり、宮田を抱えて走り出した。  
いわゆるお姫様だっこだ。  
「ちょ、ちょっとこれは恥ずかしいですよぅ〜」  
「恥ずかしいのは私も同じだっての!とにかく我慢して!」  
(あ〜晶ちゃんてやわらか〜い・・・そうじゃなくてっ!今は姫子を撒かないとっ!)  
しかし、いくら運動に自信のある綿貫といえど、人一人抱えて走るのは並大抵のことではない。  
宮田がコケる可能性を考えれば仕方のない選択肢ではあるのだが。  
「ま〜て〜」  
「だあああっ!しつこいっ!」  
体力が限界に近いのか、綿貫の呼吸がかなり荒くなっている。  
さっきの災難の連続だった後遺症もだいぶ尾を引いている。  
「わ、綿貫さん!私は大丈夫ですから、降ろしてください!」  
「何言ってるのよ!あなたは大事な諜報部002なんだからね!同じ部員を見捨てて逃げる訳ないでしょ!」  
「で、でも・・・っ!」  
「それに、昨日はちょっときつく怒り過ぎたし、もしかしたら私バチが当たったのかなって・・・」  
「そんなことありませんっ!私がドジだから迷惑ばかりかけて・・・今だって・・・」  
宮田が泣きそうな表情になる。  
「とにかくっ!話は後よっ!もし、無事だったらそしたら改めて・・・ね?」  
そう言って綿貫は宮田に微笑みかけた。  
「は・・・はいっ!」  
宮田もそれに答える。  
 
ざざっ!  
「しまった・・・行き止まりっ!」  
袋小路に迷い込んだ綿貫は焦りの表情を浮かべていた。  
「追いついたよ〜綿貫さん〜」  
姫子が後ろから現れる。  
「くぅぅっ!」  
「おとなしく晶ちゃんを返して貰おうカナ〜?そしたら綿貫さんは見逃してあげるカモ〜?  
あーでもでも綿貫さんも一緒に連れてけばご褒美もらえるかも〜?」  
姫子がじりじりと近寄ってくる。  
綿貫もじりじりと後ずさりする。  
しかし、ついに壁に突き当たり、それ以上は下がれなくなった。  
「もう逃げられないよ〜マホマホ〜♪」  
姫子が笑顔で近寄ってくる。  
姫子を強引に突破できるだけの体力は既に残されてはいない。  
(ここまで・・・か・・・ごめん、晶ちゃん)  
綿貫は既に諦めの表情を浮かべていた。  
「姫子さん!」  
宮田が姫子の前に立ちふさがる。  
「晶ちゃん、戻ってくる気になったのカナ〜?」  
「私はどうなっても構わないけど、綿貫さんには手を出さないでっ!」  
いつもの宮田とは違う、毅然とした表情で姫子を睨み付ける。  
「な!何言ってるのよ!」  
綿貫が愕然としつつ宮田を見る。  
「私、このままじゃダメだって。綿貫さんに迷惑ばかりかけちゃダメだって。  
私、今までドジだってことに甘えてて、周りの迷惑を全然考えてなかった・・・  
だから、せめて今だけでも私が綿貫さんを守るって。そう思ったんです」  
「・・・晶ちゃん」  
「だから、綿貫さんは心配しなくても大丈夫です」  
そう言った宮田の目には涙があふれていた。  
「美しい友情って奴だよね〜芹沢さんと来栖ちゃんも同じような感じだったよね〜」  
「一体あんた達は何考えてるのよ!」  
綿貫が姫子に叫ぶ。  
「私はくるみちゃんの言うことを聞いてるだけだよ〜そしたらいろいろ気持ちいいこととかしてくれるし〜」  
「狂ってる・・・あんたおかしいよ姫子!」  
「そうかもね・・・でも、くるみちゃんは友達だもん。友達だからくるみちゃんを助けてあげないといけないんだ。ごめんね」  
一瞬申し訳なさげな表情になるが、すぐにいつもの笑顔に戻る姫子。  
「さて、お話も終わり。一緒に来てもらうからね、晶ちゃん♪」  
姫子が宮田の手を掴む。  
「待ちなさいよっ!!」  
綿貫がそこに割ってはいる。  
「綿貫さんも一緒に来る?それならくるみちゃんも大喜びだよ〜」  
「冗談じゃないわ!あんたが連れて行くのはこれよっ!!」  
綿貫がポケットから取り出したのは折りたたんだ紙。  
「マホっ!?」  
それを姫子のポケットに無理矢理押し込んだ。  
ゾゾゾゾゾ  
何かどす黒いものがポケットから出てくる。  
こっくりさん?が戻ってきたのだ。  
「な、な、これは何カナ〜?」  
姫子が戸惑っている。  
そして、どす黒い何かが姫子に襲い掛かった。  
「ひーーーーーっ!たぁすけてぇぇぇっ!」  
その場から姫子が逃げ出した。  
何か恐ろしいものを見たようである。  
 
「はあ・・・一か八かだったけど、うまくいったみたいね・・・」  
「あの〜あれってなんだったんですか?」  
「あれはね、さっきC組で使ってたこっくりさんの紙よ」  
どうやらさっきのこっくりさん?は追い払われたのではなく、綿貫に掛けられていた呪いによって封じられていただけだったようだ。  
それが綿貫から離れ、姫子に移ったためにああやって出てきたらしい。  
「・・・こっくりさんって・・・何やってたんですか」  
「あんたを探すために決まってるでしょーがっ!この大ドジ娘がーっ!!」  
綿貫が怒鳴りつけた。  
「ご、ごめんなさい〜」  
「・・・でも、ほんとによかったわ。てっきり昨日のことで私から逃げてるとばかり思っててね・・・」  
「そ、そんなことないです・・・ただ、カメラ壊しちゃったし、申し訳なくてあわせる顔がなくて」  
「そんなの気にしてたの?あんたのドジを考えればいつかはやると思ってたわよ。それに私ね・・・」  
そう言うや否や、綿貫が宮田と唇を重ねてきた。  
「むっ!むぅぅっ!」  
突然のことに目を見開いて驚く宮田。  
「んっ・・・ん」  
ちゅっちゅちゅっちゅ  
ひたすらキスを重ねてくる綿貫。  
「ぷはっ」  
「な、な、な、なんですかーっ!」  
宮田が顔を真っ赤にさせて喚く。  
「あなたのそういうところが気に入ってるんだから」  
今度は胸とスカートの中に手を入れる。  
「や、だ、だめっ!」  
宮田が手を引き離そうとする。  
「晶ちゃんは私のこと・・・どう思ってるの?」  
綿貫が宮田に聞く。  
「・・・そ、その・・・あの」  
宮田は顔をこれでもかというくらい赤く染めている。  
「じゃあ、体に直接聞いてあげよっか」  
綿貫の指が宮田の敏感な部分を捉える。  
びくっ!  
「ひぐっ!」  
さっきくるみにいじられていたせいか、敏感さが増しているようである。  
 
「こっちは素直みたいね。ほらほら」  
ぐっぐりぐりぐり  
パンツの上からクリトリスを責められて、宮田の体に刺激がまわってくる。  
「あうぅぅっ!やめて下さい・・・恥ずかしいです・・・」  
「何言ってるの・・・?とても可愛いわよ」  
懇願する宮田をにやついた顔で見る綿貫。  
そして、パンツをずらし、直接クリトリスをつまみあげる。  
「・・・!!きゃふぅぅぅっ!ひゃうぅぅぅんっ!!」  
体をのけぞらす宮田。  
「いい反応ね。これならすぐにでもいけそう」  
指をスカートから出してみせる。  
愛液で指がテカテカ光っている。  
「あ、あの・・・私こういうの初めてで・・・その」  
「大丈夫。何も怖いことなんてないから」  
綿貫はそういうと、指を再び股間へと運んだ。  
「もう一度聞くわね。晶ちゃんは私のこと・・・どう思ってる?もしこういうのが嫌いならすぐにやめるから」  
その問いに宮田は少しの間顔を赤くして黙っていた。  
「・・・やっぱり無理矢理だったもんね。ごめん」  
綿貫が悲しそうな顔でそう呟く。  
「あ・・・そ、そんなことないです!私綿貫さんだったら・・・その・・・あの・・・」  
宮田があわてて綿貫を引き止めた。  
「めちゃくちゃにされたって・・・いいです」  
そう言った宮田はうつむいて黙り込んでしまった。  
「晶ちゃん・・・」  
ぐりっ  
「ひゃぅぅぅぅっ!」  
指が宮田の中に入り込んだ。  
ぐっぐりっぐりっ  
それほど奥までは入り込んではいないが、かなりきつく、肉壁が指にねっとりとまとわりついてくる。  
じゅっじゅぶっじゅっじゅっ  
「ひっ・・・ひっあぁぁっ」  
「ちょっと痛いけど・・・我慢してね」  
ちゅぶぶっ!!ごりっ!  
「きゃぁぁぁぁぁぁっ!!」  
激しい痛みに思わず叫びを上げる宮田。  
「し、静かにしてよ・・・ここ外なんだから、誰かに聞かれでもしたら・・・」  
「あ、あう・・・ごめんなさい」  
そういって周りを確認する綿貫。  
誰もいないことを確認して綿貫は行為を再開する。  
「じゃ・・・ゆっくり動くからね・・・」  
なるべく痛みを与えないようにゆっくりと指を動かし始める。  
「んっ!い・・・ぁぁう」  
顔がこわばって、体が固くなっている宮田。  
「力を抜いて。受け入れるの」  
綿貫がそう宮田に言う。  
「そ、そんなこといわれても・・・ああうぅ」  
股間からは液体があふれはじめ、指と肉壁のすべりをよくする潤滑油の働きをしている。  
だんだんスムーズな出し入れができるようになる。  
「あっあああっ・・・な、なんか激しくなって」  
「ご、ごめんね・・・だんだん私も興奮してきちゃって・・・」  
 
そういいながら宮田の手を掴み、自分の秘部にあてがう綿貫。  
つぷっずぶずぶちゅぶ  
「晶ちゃんも・・・私をいじめてよ・・・」  
潤んだ瞳でそう宮田に言う綿貫。  
宮田の指が綿貫の秘部に差し入れられ、出し入れされ始めた。  
「あんっ!あああぅぅ」  
その刺激に思わず嬌声をあげてしまう。  
「綿貫さんの中・・・あったかい・・・」  
「晶ちゃんだって・・・あうぅ」  
お互い感じ始める。  
「はんっ!あうっあうぅぐっ!」  
「ふあぁぁ・・・私だんだんきもちよく・・・」  
痛みが和らぎ、快楽に置き換わってくる。  
「きゃうんっ!きゃふっ!くふぅぅぅ」  
体をびくびくさせ、宮田の指の動きにあわせて腰を動かす綿貫。  
「ひっひいいっはううっふぁぁ」  
ただ、快感に耐え、綿貫の指の動きに身を任せている宮田。  
「あっあっあっ・・・綿貫さぁん・・・これすごいです・・・」  
「はあはあ・・・私も・・・気持ちいい」  
二人はぐっと抱き合う。  
限界が近いのか。  
「ひぐっ!ひはぁぁっイク・・・っ!」  
「ああああ・・・もうだめです・・・あああ」  
お互いがぶるぶる振るえ、絶頂に達しようとしている。  
「あぐっ!うあああぁぁぁぁぁ」  
「ひゃぅひゃぁぁぁぁぁぁ」  
びくびくっびくんっ!びくびくびくっ!!  
二人は同時に絶頂に達した。  
「ふあ・・・あああ」  
「あうん・・・」  
余韻が残る体を抱き合わせ、再び二人はキスをする。  
「ん・・・」  
今度はさっきとは違い軽めのキス。  
「これからも・・・よろしくね、002・・・いや、晶・・・」  
「はい・・・一緒です・・・響さん」  
二人はしばらくみつめあっていた。  
 
 
 
次の日―――  
がやがやがや  
なにやら掲示板が騒がしい。  
「一体なんの騒ぎかしら?」  
綿貫が人ごみを掻き分けて、掲示板を覗いてみた。  
そこに張ってある新聞の見出しには  
『空飛ぶ人間現る!?』  
と、書いてあった。  
「何これ・・・げっ!」  
綿貫が新聞に載ってる写真を見て固まってしまった。  
それはなんと、昨日鈴音に吹っ飛ばされ、空を飛んでしまっていた自分の写真だったからだ。  
「い、一体だれがこんなものを・・・」  
「あ、綿貫さん!」  
来栖が綿貫の所へと来た。  
「これ、すごいでしょう」  
「来栖さん一体、これって何?」  
綿貫が来栖に問う。  
「昨日映研の撮影でカメラ回してたら偶然こんなのが映ってて面白そうだったから、新聞部に提出したんですよ」  
その言葉に綿貫は愕然とした。  
「あんたね!諜報部でしょーがっ!なんでそういうことを報告しないのよっ!!」  
「え?・・・あっ!!」  
綿貫に言われて来栖がしまったという顔になる。  
「お、なんだなんだ?」  
「あ、芹沢さん」  
さらに芹沢が現れる。  
「見てくださいこれ、空飛ぶ人間ですよ〜」  
「ほほー・・・・・・ほー・・・」  
写真を見た芹沢は一瞬驚いたが、すぐに哀れみの目で綿貫を見ていた。  
「お前・・・いくらスクープがないからって自分がスクープになってどうするんだよ」  
「好きでなったんじゃないっ!!」  
「まあ、私としちゃ面白いからOkなんだけどね〜」  
芹沢がにやにやとしながら言う。  
「あんたね〜・・・」  
綿貫が芹沢をにらむ。  
「あ、綿貫さ〜ん(どてっ!)あうう〜痛い〜」  
宮田が駆け寄ってきたがいつもどおりこけてしまう。  
「ああ・・・もう・・・どいつもこいつも・・・」  
綿貫が頭を抱え、そして・・・  
「もうこんな奴らいやーーーーーっ!!」  
綿貫、ついに発狂。  
 

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