パラサイト・イヴ
「じゃあ 私はNO9を追うわ。カイルはイヴをお願い。」
謎の巨大施設にある不似合いな子供部屋。
そこでカイルとアヤは ガスマスクをつけた少女ーイヴを保護し、カイルにイヴを預け、
彼女は部屋を後にした。
「子守りは苦手なんだよなあ・・・。」
息を吐きつつ、カイルはベッドの上に腰を落とした。
傍らでは、イヴが、さきほど泣いて疲れたのだろう、体を丸めて横たわっている。
マスクはすでに外しており、部屋の隅に転がっていた。
この少女についての説明は、アヤから聞いていた。
自分の細胞を元に造られたクローンで、彼女同様ミトコンドリア能力があるという事実は、
少なからずカイルを驚かせた。
「しっかし・・・。」
短く切った茶色の髪を指ですき、思った。
「アヤのクローンて割には 似てないように見えるんだがねぇ・・・・。」
基本的に、顔の造作はまったく同じなのだろうが、アヤの方は、他に屈しない気丈の強さ、
完成された美しさがある。初めて逢った時から、そう感じていた。
イヴは儚げな印象だ。
静かに目を瞑るその白い顔からは、アヤのような強さは感じられない。
「・・・やれやれ、お前も あんな我の強い女になるのか?」
片手で毛布をつかみ、イヴにかけようとする、と。
「キャッ。」と小さな声を上げ、イヴが、わずかに体を起こした。
右手に柔らかな手応えを感じた。
イヴが体を起こしたはずみで、カイルの手はイヴの胸を押していた。
「おっと、すまない・・・・ん?」
すぐ手を離そうとしたが、妙なことに気付く。
イヴは、特に嫌悪する様子も無く 不思議そうにカイルの手を見つめている。
そう、イヴは生まれた時から 外の世界から断絶されて育てられてきた。
外の世界の常識や、男女の性差も、何も知らないのだ。
「ハハ、お前・・・面白いな。・・・そうか・・・。」
左の口の端を上げて少し笑った後、呟く。
「ひとつくらい 新しい知識ってヤツを教えてやっても、いいよな。」
再びイヴは体をベッドに沈めていた。
さっき驚いたのは、恐らく、ぶたれるとでも思ったのだろう。
先程掛けた毛布をゆっくりめくる。
正確な年齢ははっきり分からないが、恐らく11,12歳といったところだろう。
カイルは、背中と細い足を軽く曲げて横たわっているイヴを見やった。
黒いゴムのような服の上から、もう一度、胸に触れてみる。今度は、感触を確かめるように、
ゆっくり手のひらで撫で、上に押し上げてみた。
意外にも、年齢の割にはイヴの胸は大きいほうだった。
カイルの、大きく広い手のひらに丁度収まるくらいだ。
ブラジャーを着けていないことが柔らかな感触でわかる。
思っていたよりも手応えのあるバストに驚き、左の手にも同じ感触を味あわせる為に、
ベッドの上に乗り、ひざで立つ。イヴの上にまたがる格好になった。
左手が、ゆっくり伸び、近づいてきた。
さっきは驚いたイヴも、今度はおとなしい。
カイルが、自分に危害を加える存在ではない事を直感的に判断したのだろう。
もちろん、何故自分の体に触れているのか、ということは分からないのだが。
両方の手でふくらみをなぞり、時折強めにつかんで上下させてみる。
初めは、くすぐったそうに小さい手で、カイルの手を払おうとしていたイヴだが、
今は戸惑いながらも、その大きな手が自分の体に伝える不思議な感覚に身を任せている。
時折小さく息を吐くその表情は、まるで天使か妖精のように愛らしく、
カイルは、更に甘い快感を注ぎたい。という衝動に駆られた。
「もっと、気持ち良くなりたいよな、イヴ?」
ゆっくりした口調で語りかけてみる。
言語の教育すら受けていないイヴは、もちろん
その言葉を理解することは無いが、やや上がった息が質問の答えだと解釈できる。
「この服を脱がして・・・・っと。」
肌に直に触れるために、スカートの裾を両手の親指と人差し指の間でたくし上げようとする。
「濡れた水着みてえだな。」
胸まで上げるつもりが、その服はきつく少女の腰に張り付いている。
多分、特別な着脱の仕方があるのだろう。
腰まで捲くったところで諦め、
「・・・・全く、余計なもん作んじゃねーよ。」
舌打ちし、下半身のみあらわになったイヴの肢体を眺める。
いや、まだ充分ではない。
腰にはピンクのショーツが残っている。
指で引っ掛け下ろそうとする、と
「あっ・・・・。」
イヴが足をきつく閉じる。下半身が無防備になることに不安を感じたのだ。
だが、そんな抵抗も空しく、カイルはいともたやすくショーツを下ろし、床に放った。
その、下半身だけ晒された格好は全裸よりも却ってもどかしくカイルを興奮させる。
「さあ、可愛いお嬢ちゃん。良くしてやるよ。」
軽く太腿を開かせ、今まで誰も触れたことのないその部分に指を伸ばす。
イヴの丘は、まだ幼く、陰毛も、産毛がささやかに生えている程度だ。
触れると、ふよっと柔らかい。
性器は、閉じた割れ目から出てはいない。
「・・・・・・どれどれ。」
カイルは、多少の罪悪感を感じながらも、二本の指で割って、中を覗き込んだ。
ピンクの花弁が見え、その上には行儀良く小さな肉芽があるのを確認した。
まだ快感を知らないその花弁に中指を当てて、くいくいとこね始める。
「あっ・・・・んん。」
イヴの眉がぴくりと動く。
初めはしっとりと潤んでいたそこは、カイルの巧みな指の動かしによって
徐々に透明な蜜を流しだしている。
---静かで簡素な部屋。---
空調機のウィィィン、という低い音に入り混じって、時折小さな高い声が
重なる。
「・・・・・ふっ・・あ、ん・・・。」
イヴの声だ。
カイルによって花弁を刺激され始めてから、もう随分な時間が経っていた。
「あ・・あ・・・。」
もう、花弁からは、トロトロと蜜が溢れ、快感に耐えるイヴのその表情は、
絶頂を迎える直前であることが見てとれる。
しかしながら、小さな花びらをなぞる、その手の動きはひどく緩慢だ。
---すぐ終わらせちゃ暇つぶしにならねえからな。---
カイルは心の中で呟く。
アヤが戻ってくるまで、少なく見積もってもまだ2、3時間はかかるだろう。
なるだけ、この楽しみを長引かせるつもりだった。
・・・・くちゅ、くちゅ、と充分に濡れた音。
流れる蜜と、赤く色づいた花弁は、イヴの気持ちを代弁するかのように、
早く終わりを迎えたい、解放されたい、と訴えている。
が、そんな訴えを無視し、カイルの指は微妙に位置を変え、徐々に速さを遅らせている。
快感がさざなみのようにイヴに近づき、また引いていく。
「・・・・うう・・んう・・・。」
もどかしい、と言わんばかりにイヴが腰を揺らす。
それに伴って、ベッドの布が擦れる音がする。しかし、それは逆効果だ。
却って、指が望みの場所から離れてしまう。
結局、微弱な快感に身を預けるしかない。
そう判断し、せめて快感に集中しようとする。
「楽しんでるかい?」
喘いでいるイヴの顔を見ながら、カイルが楽しそうに訊ねる。
「やあ・・・っ・・・あ・・・・。」
終わりの見えない快感の遊戯は、楽しいというより拷問だ。
イヴは、せがむように高い声で鳴き、切ない表情でカイルの顔を見つめた。
愛くるしい顔に彼女の面影が重なる。
「・・・・・アヤ?」
・・・・いや、そんなはずは、無い。
それはわかっているが、確かに一瞬そう見えた。
強く、しなやかな女性。出会ったときからその輝きに惹かれていた。
カイルも、またイヴを見つめる。
瑠璃色の瞳に吸い込まれそうだ、と思った。
・・・・そんなはずは無い・・・・・?
果たしてそう言い切れるのだろうか。
アヤと同じ髪、同じ瞳の色、同じ遺伝子を持ってるというのに。
「イヴ、お前は・・・アヤなのか・・・?」
もちろん、返事は無い。
おのずと湧き上がったその疑問の後に、また、もう一つの考えが心をよぎる。
-----こうしてると、アヤを間接的に弄んでいるような・・・・-----
今まで余裕だった態度が薄れてきたのを感じた。
喉がゴクリと動く。
中指に触れている、柔らかく潤んだその場所も、間接的には
アヤの花弁なのだろうか。
「・・・ふっ・・・あん。」
くちゅっ、ちゅく、くちゅ
速い手の動き。
にわかにイヴの体が熱を帯びる。
桜色の唇が割れ、息が荒くなっていく。
「アアッ。」
両手でイヴの脚を大きく開かせる。欲情を煽るその格好に、カイルの本能の部分に
火が付く。
濡れたその場所に顔を近づける。
今まで焦らしていたせいで、太ももにまで愛液が滴っている。
「アヤ・・・・。」
もう、充分に赤く、熟れている。
間近で見ると、いじる前よりわずかにふくらんだのがわかる。
花弁を舌先でなぞった後、上の芯の部分に唇をあてがい、強く吸う。
「アアア・・・ッ・・・!」
強烈な刺激がイヴの体を駆ける。
ぬるい快感に慣らされた体には、その刺激は強すぎた。
快感と同時に痛みも感じ、体をよじって上のほうに逃れようとする。
が、かなわない。
カイルの手が僅かに逃れたイヴをまた引き摺り下ろす。
「・・・・んんっ、や・・・っ!」
痛いのは嫌だ。とでも言いたいのだろう。
カイルの髪を掴んで、いやいやをするように顔を左右に振る。
目をきつく閉じ、眉根をよせたその表情は艶かしく、可愛らしい。
容赦なく愛撫は続く。
芯を吸い上げ、舌で花弁の中を探るように動かしている。
この少女はアヤなのか、それとも違うのか。
もやがかかったような頭の中で、
出した考え。
きっと、アヤと同じであり、また違う存在なのだろう。
そんな矛盾した答が一番正しいように思う。
イヴの腰がふるふると震えた。
「っ・・・!?」
解放される寸前のうずき。それを知らないイヴは、一瞬不安そうな顔をしたが、
またすぐ、抗いがたい快楽に飲み込まれてしまう。
やめないで欲しい。
このまま続けて。
開いた脚を、さらに大きく開く。
「ああ・・・・はっ・・あぁ・・・。」
貪欲に、純粋に、自分に注がれる快感を受け入れる。
「・・・・あ・・・あ・・・。」
太ももに電気が走ったように感じた。瞬間。
「んあぁっ・・・!」
目の眩むような快感が体の中から湧き上がってくる。
初めて体験する絶頂に、イヴの体が打ち震えた。
「っ・・・!ふぁ・・あああっ!!」
甘い快感に、下半身が溶けてしまうようだ。
カイルの髪を掴んでいた手をさらに硬く握る。
細い肢体が痙攣するのに伴って、髪がサラサラと涼しげな音を奏でる。
こうして、暇つぶしの遊びは誰に邪魔されることもなく終わったのだった。
「まいったな、こりゃ・・・。」
ふうっと溜息をつきつつ、カイルが呟く。
子供に欲情するつもりは無かったのだが、イヴにアヤの面影を見出したせいで、
己の下半身に熱が溜まって、抑えようにも理性で抑えきれるものではない。
イヴの方はといえば、息がまだ少し荒いことから、余韻が抜けてないことがわかった。
何やら、手でぺたぺたと自分の腰や足を確かめるように触っている。
それは、先程の快感で体が溶けたのではないかと触って確かめているのだが、
カイルはあまり気にも止めない。
今は自分の熱をどう処理するか、だ。
イヴが、その様子に気付いたのか、何やら辛そうな表情をしているカイルを見上げる。
「何だ、心配してんのか?気にすんなよ、俺は・・・。」
子供を貫く趣味は無い。それに・・・・・。
「この続きはアヤとやってみせるからな。」
終わり。