パラサイト・イヴ  
現場に向かう車の中でアヤは小さく溜め息をついた。今日5件目の事件が起きていると思われるビル 
がゆっくりと大きくなっていく。NMCの存在が知られるようになるに連れて、Mistのもとに届く警察 
からの依頼も増えていった。  
「もう……私たちを何だと思ってるのよ。少しくらいは自分達で解決してよ」  
いまいましそうに呟いたあと、『NMCが存在する可能性あり』としか書かれていない報告書を放り投 
げる。その報告書のほとんどは見間違いなどの誤情報であり、現地に行ってみて無駄骨を折ることが 
少なくなかった。  
 
現場から少し離れたところで車を止め、現場に向かって早足で歩いていく。すでに現場には大勢の野 
次馬やマスコミが到着しており、警官は彼らを抑えるので必死だった。  
「あー、お嬢ちゃん。危ないから近づかないでくれ。何でも化け物が暴れているらしい」  
やれやれといった感じで、アヤは懐からMISTのバッチを話しかけてきた警官に見せる。それにしても、 
確かに年令に比べて身体は若いままだけど嬢ちゃん呼ばわりされるなんて……。  
「その化け物を退治しに来たの。通してもらえるかしら?それとわたしの名前はアヤ。嬢ちゃんなん 
て呼ばないでもらえるかしら?」  
警官は疑った顔でそれを手にとると、アヤの顔をまじまじと観察する。まだ信じられないという警官 
の様子に多少苛ついたアヤだったが、面倒ないざこざを起こすのも嫌なのでじっと待つことにした。  
「まだ信じてもらえ……!?」  
再び警官の顔を見たとき、アヤの表情が凍り付いた。真っ青に青ざめた苦しそうな警官の表情。彼は 
両手を首にかけて何かを外そうと藻掻いている。よく見ると、手形がわかるくらい強い力で彼の首が 
締め上げられていた。締められている手どころか、影かたちすら見えない。  
「NMC!?透明なタイプがいるなんて聞いてないわ!」  
 
銃を構えたあとで人が大勢いることに気がつきアヤは舌打ちをする。その隙を狙ったかのように、警 
官の身体がアヤめがけて飛んでくる。寸前のところでそれをかわし、飛んできた方角に近づいてみる 
が相手はどこかに移動しているようだった。  
「酷いことを……」  
地面に転がって既に死体となった警官を一瞥したあと、アヤはクリーチャーの気配を探る。  
(わかる……わたしのミトコンドリアが相手の場所を知らしてくれる)  
頭を狙って振るわれた見えない腕をかわすと同時にしっかりと掴む。そのまま相手の勢いを利用して 
地面に投げ飛ばす。  
「この距離なら外れない……!」  
地面に倒れているであろう相手の身体を踏みつけたまま、アヤはためらうことなく引き金を引く。何 
もないところへ打ち出された弾は地面にたどり着く前に姿を消し、かわりにクリーチャーの体液が流 
れ出してくる。  
「終わったの……」  
込められた弾を撃ち尽くしたあと、アヤは大きく息を吐き出した。そのとき、びっしょりかいた汗を 
拭おうとした手が何者かに掴まれる。  
「誰ッ!?」  
慌てて振り返るがそこには何もなかった。  
(もう一匹居たの!?)  
そう思ったときは既に手遅れだった。アヤの身体が宙を舞い、すさまじい力で地面に叩きつけられる。 
全身に激痛が走り、呼吸が止まる。倒れたまま激しくせき込みながら、アヤは油断した自分を呪った。  
 
 
「おい……一体どうなってるんだ?」  
カメラを構えていた記者が思わず呟く。端から見ている分にはアヤが一人で飛んだようにしか見えて 
いない。  
「くぅ……」  
背後から髪を掴まれ、まだ痛みの残る身体を無理矢理引きずり起こされる。抵抗しようにも身体に力 
が入らず、微かに暴れることしかできない。クリーチャーの腕がゆっくりとアヤの胸の上に当てられ 
る。死を覚悟したアヤだったが、  
クリーチャーのとった行動は予想外のものであった。  
布が破れる音とともにアヤの服が力任せに引き裂かれる。  
「え……?」  
一瞬と呆然としたあと、頭の中がパニックになる。今まで遭遇したクリーチャーには考えられない行 
動。考えがまとまらないうちにクリーチャーの両手がアヤのジーンズにかかる。  
「いやぁぁ!!」  
ショーツごとアヤのジーンズが吊り下ろされる。クリーチャーの手が放れた瞬間、最後の力を振り絞 
って、アヤは助けを求めて走り出す。今のアヤはMISTのハンターではなく、怯えきった一人の女であ 
った。  
 
「な、なんだぁ?」  
ギャラリーの一人が素っ頓狂な声をあげる。身体を隠すものはわずかなシャツの切れ端だけという恰 
好の女が、こちらに向かって走ってくるのだ。彼らにしてみれば奇妙なことこの上なかった。  
ミトコンドリアの影響でか瑞々しさを保ち続ける白い肌。大きい方ではないが形の整った美しい胸。 
女性器を隠す髪と同じブロンドの淡い茂み。その全てを衆目やカメラの前に晒していることにすら気 
がつかないほど、アヤは追いつめられていた。  
「助けて!たすけ……きゃぁ!?」  
後ろから飛びかかられてアヤは地面に倒れる。透明な手が全身を撫で回す感覚に怯えながらも、必死 
で逃げようと這い続ける。  
「アバレルトコロス……」  
喉に当たる冷たい感触。刃物だと理解したとき、アヤの抵抗はぴたりと止まった。クリーチャーはそ 
れに満足したのか、アヤを四つん這いにさせ足を大きく開く。  
「イイコダ。オトナシクシテイレバ、イノチダケハタスケテヤル」  
透明な手がアヤの胸に触れ、ゆっくりとその形を変えていく。手が触れるたびに身体が熱を帯びてゆ 
っくりと火照りはじめていた。  
(優秀な子孫を残そうと身体がこいつを求めているの……?)  
一瞬頭をよぎった考えをアヤは必死で振り払う。だが身体は雑な愛撫にもしっかりと反応を示し出す。 
綺麗なピンク色をした小さな突起は一目でわかるほど突き出し、ぴっちりと閉じていたはずの割れ目 
からは透明な液体が滲み出てくる。  
「だめぇ……身体がぁ……」  
クリーチャーはアヤの身体を後ろから抱え上げると、まるで群衆に見せつけるかのように足を大きく 
広げ、まるで子供が用を足しているような姿をとらせる。  
「ど、どうなってるんだ……?」  
宙に浮いたまままるで自分たちを誘っているかのような恰好の女。たくさんの瞳とカメラが集中する 
先では新たなる陵辱が始まろうとしていた。  
 
「ひぁ!?い、いや……」  
アヤの秘唇に触れる熱いもの。身体はそれを受け入れるための準備は済んでいたが、心の方が済んで 
いるはずはない。出きることと言えばわずかに身体を動かして陵辱される時間を少しでも延ばすこと 
だけ。見えない剛直から逃れようと腰を動かすたびに、アヤ自身の秘唇がそれによって擦られる。  
「くふぅ……ぅあ……」  
(や……腰が……からだが止まらないよぅ……)  
陵辱から逃れるための行為がただの自慰行為だと気付いたアヤだったが、一度火がついてしまった身 
体はそう簡単には鎮まらない。  
「すげえな姉ちゃん。一体どんなポルノの撮影だい?」  
「ただの露出狂だろう。いや、もしかして俺達を誘っているんじゃないか?」  
周りから浴びせられる冷たい視線とそれを上回る期待の籠もった欲望の視線。  
「み、みないで……お願い……」  
そんなアヤの言葉を裏切るように陵辱と視姦は続いていく。透明なペニスがついにアヤの中に侵入を 
開始した。その大きさはかなりのもので、侵入するたびにアヤを身体が裂けそうな激痛が襲った。  
「きゃふぁぁ……!!」  
一気に奥まで貫かれ、限界まで開かれた女性器。普段は見えないはずの奥の奥までもが透明なペニス 
によってさらけ出されている。  
「みないでぇ……みな…うあぁ……こ、壊れ……ひぃっ!」  
食い入るように見つめる視線。次々にたかれるフラッシュ。それを気にする余裕を奪うクリーチャー 
の激しい動き。奥まで突かれるごとに子宮口までが衆目に晒され、引き戻されるたびにそこからあふ 
れ出た蜜が音を立てて地面にこぼれ落ちる。  
 
グチュ……グチュ……という嫌らしい水音だけが、いつまでもいつまでもこの場に響いていた。いつ 
終わるかわからない陵辱に、あるものは興奮し自らのものを取り出してなぐさめ、あるものはその姿 
を永遠に残そうとし、そして最後の一人は絶望の中で快楽に酔っていた。  
「で、出ちゃうぅ……!アヤ、もうだめなのぉ!」  
彼女に残された選択肢はこれしかなかったのかもしれない。長い長い陵辱は、クリーチャーの彷徨と 
ともに放たれた熱い欲望がアヤの子宮を満たしたときにようやく終わりを告げた……。  
 
解放されたアヤは地面に横たわっていたまま動くことができなかった。  
「随分と楽しんでたみたいじゃないか。次は俺達と楽しもうぜ?」  
男の一人が無理矢理アヤの身体を起こす。  
「んん……わたしは……ふあぁっ!?」  
思考を取り戻し掛けた瞬間、アヤの身体を再び男のモノが貫く。だが、さっきまでと違うのは、それ 
が快楽をもたらす量が格段に減っていたことである。  
「やだやだぁ!!抜いてぇ!!んぐぅ!?」  
子供のように叫ぶアヤの口に別の男のモノが栓をする。アヤにとっての本当の陵辱は今始まったばか 
りなのかもしれない……。  
 
 
 
「それで、結果はどうだったのだね?」  
豪華な作りをしたデスクに座った男が口を開く。尋ねられた若い女性の秘書は報告書をゆっくりとめ 
くる。  
「実験は成功しました。クライアントの懐妊を確認した模様です。ただ、例のクリーチャーのだけで 
はなく、何人かの男の精も受けていたため、誰の子であるかは確認の必要があると思われます」  
「ふむ……。で、昔NYを救った英雄殿は今どうしている?」  
「はい。実験施設につないでおります。日に日に成長している胎児を異常なまでに恐れていることか 
ら、本人はもう気付いているのかもしれません。なお、精神の異常も確認されているので社会復帰は 
94%不可能でしょう」  
それを聞いた男は満足そうに頷く。一人の化け物のおかげで巨大なプロジェクトが成功するのならば 
代償はやすいものだ。そしてその考えが、あの事件を引き起こす……。  
 

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