今宵月の下、朧げな光をガラス越しに受けながら、二人の美女が絡み合う。
その小さな寝室には舌先が絡み合う、淫らな音が響いていた。
「アヤ・・・」
口づけている相手を想いながら、メリッサ・ピアスは喘いだ。
首筋に舌先が触れる。
その快感に、メリッサは身をまかせた。
耳元、頬、また首、と彼女の唇が這う。
それと同時に、力無く仰向けになるメリッサに覆い被さる彼女の繊細な指が、脇下から胸部に向けてなぞられる。
それだけでメリッサの意識は遠退きそうになった。
舌を絡めた口づけの中、彼女はメリッサの豊満な胸元を開け(はだけ)させていく。
「ぁ・・・」
首筋から下っていった舌先が、露わになった左胸をなぞる。
それがピンク色の突起に触れた時、メリッサの身体がびくりと反応した。
彼女はその様子を見て艶やかな笑みを浮かべると、そのまま舌を転がした。
そして、悩ましく声をあげるメリッサに追い討ちをかけるかのように左手で右胸を弄ぶ。
「ふあぁ・・・」
その快楽に白く細い喉骨部分が、張る。
彼女はそのまま胸に顔をうずめながら、左手を右胸から下に流していった。
親指と人差し指の隙間に、纏っていた衣服が絡まる。
アヤの前には一糸纏わぬ姿になったメリッサがいた。
白く美しいその裸体は、同性である彼女をも魅了するほど繊細なものだ。
その愛しさ故にか、彼女の唇は、再度重ねられる。
お互いの口の中で互いの舌と唾液が絡まり合い、淫靡な音を立てた。
「綺麗・・・」
唇を離して、アヤは感嘆の声を洩らした。
そして、淡い月の光に浮かび上がる裸体を抱きしめ、片方の手を首筋から下へなぞって行く。
「はぁ・・・っ」
するすると滑らかに滑っていく彼女の指が、下腹部に辿り着いた。
そのまま叢を掻き分けて、燃える体内へ進入する。
「ん・・・あぁっ」
「メリッサのここ・・・こんなんになってるよ?」
わざと悪戯っぽく笑って指を抜き、メリッサの前にちらつかせ、その唇に嘗めさせる。
確かに指の先からは糸を引いた液体が垂れ下がっていた。
「いじわる・・・ああんっ」
大きく喘ぐメリッサ。アヤの指がとろけた体内を掻き回したのだ。
抜き差し、あるいはぐるぐるとされる毎に、エロティックな音が立てられる。
強く、時には優しく。そして、天に上りつめかけた時、彼女の指は引き抜かれた。
当然、刺激を与えないように気を使ってだ。
「アヤ・・・?」
「・・・まぁだ終わってないでしょ?」
間を置き、艶やかな笑みを浮かべ応えた後、唇を再び裸体に這わせていく。
「ふあぁっ」
それが熱く濡れる陰部にさしかかった時、メリッサは再び大きく喘いだ。
襲い来る快楽が身体を仰け反らせる。
彼女の舌先が、内膜に燃えてへばり付く愛液をそれごと愛撫していく。
激しい快感に喘ぎまくるメリッサ。
そしてラストスパートをかけるように、彼女は陰核を刺激した。
口で吸い、あるいは舌で転がされる。
それに伴ってそこは充血し、肥大していき、メリッサの息を荒くしていく。
「ああっ!」
ずぶ濡れのそこは、手で塞いでも溢れ出そうな勢いだ。
そのまま、メリッサは快感の頂点に登りつめた。
大きく身体が反応した後、身体が小刻みに震える。
「ふふ・・・」
ペロリと唇を嘗めるアヤが再びぼんやりとした視界に映った。
「メリッサ・・・」
優しい抱擁。熱くとろけるような吐息が耳元にかかった。メリッサの荒げた息が彼女の髪を揺らす。
透けるように美しいうなじに口づけられながら、黒いキャミソールドレスの肩ひもをメリッサが手で絡み取る。
ゆるんだもう片方は、アヤ自身が肩を下げて流していった。
ひもがするすると白い肌を滑り、ドレスが腰の辺りまで落ちていく。
露わになった形の良い胸に、メリッサは顔をうずめた。
「あ・・・」
肩に手を回したまま、アヤは快感に身を寄せる。
胸から伝わる優しい快感を、感じていた。
メリッサの細い指が、白い太股を撫でる。
それはその太股を伝っていき、ドレスの中に進入した。
トロリとした熱い蜜が、指に絡みつく。
「こんなになってる・・・感じながらやってくれてたんだ」
そのまま、指で太股をなぞった。
「メリッサぁ・・・」
ぎゅっと抱きしめてくるアヤと唇を交わす。
もう片方の手は、彼女の後頭部辺りを撫でていた。
そしてもう片方の手は、ドレスの中から淫らな音を響かせている。
「はぁ・・・あぁっ」
喘ぎながら交わされる唇と舌。必死なそれを、メリッサは受け止めた。
受け止めながら、下半身に潜る指が、その興奮と共に加速する。
彼女が果て無き旅路への余韻に浸っている間に、メリッサは残された布地を脱がしていく。
月光に浮かんだ現れた裸体は、メリッサに引けを取らないほど美しい。
気付いていた時には、舌を這わしていた。
「ふぅ・・・ん」
アヤがくぐもった声を上げた。
メリッサは下から上へ、滑らかに口づけていく。
そして、息を荒げている口を塞ぐ。濃厚なディープキスだ。
唾液の絡まる音を立てながら、悶えるアヤの手が伸びる。
「ああんっ!」
メリッサの下腹部にアヤの指が進入した。弱々しいがそれがまた快感を生む。
が、メリッサはその力無い指を抜き取ると仰向きになるアヤのサイドに移った。
背中の下から片手を入れて胸を抱え、もう片方の手は愛液を纏わせながらピンクの突起を転がす。
そして、自分の太股を彼女の秘所にあてがい、ぐにぐにと刺激した。
「はあぁ・・・」
弄ばれている内に興奮が戻ってくる。アヤは自分からメリッサの太股に擦り付け始めた。
勃った小突起が潰されて、全身に快感が駆け巡る。
腰を動かしながら、指や舌とは違う快感に、アヤは狂いそうになっていた。
愛液が吐き出される。ベッドはもう水溜り状態だ。愛撫を続けながら笑みを浮かべるメリッサ。
楽しむかのように攻めていく。
頭の中にはもう快楽を求める事以外何も無い。
自分の愛液で濡らされた太股に一心不乱で擦り付けていた。
「あぁぁぁ!!」
アヤは度に押し寄せる凄まじいまでの快感に、身体を痙攣させながら大量の小水のような液を噴出しながら、
絶頂へと登りつめた。
口づけもそこそこに、横になっているメリッサの太股を広げさせると、開いた大陰唇の中の小陰唇が露わになる。
ある程度回復したアヤは、それに自分の小陰唇を合わせた。
艶かしい動きと共に、2人の喘ぎ声、そして液の絡まる卑猥な音。
「くああ!はぁぁんっ」
重なる身体と重なる声。
その声も興奮の引き金の一部となって、どんどんと腰が激しく振られていく。
強まる快感。お互いの脇に抱きしめた太股への力が強まっていく。
「ふあぁぁぁっっ!!!!」
我を忘れた、エクスタシーの頂点に達した時、2人は同時にオルガズムに達した――――
すやすやと気持ち良さそうに眠るメリッサの横顔を見つめながらアヤは祈った。
愛しい人との時が永遠に続きますように・・・と。
時は経ち、クリスマス・イヴ。それは悲劇的な幕開けとなった。
残酷な運命の果てに、愛した彼女は、もう、いない。
目の前にいるのは、その身体を持った、破壊の権化。
夥しい、何度も変化したその姿に、涙を流しながら、アヤはミトコンドリアの制御を解き放った―――