これは、モグラーズが6年ぶりに日本一になった1週間後の話であった・・・。主人公は、水木に「ちょっと話がある」と言われ、水木の部屋を訪問した・・・。
水「凡田から聞いたぞ。ここ最近、倉刈さんとこの娘と仲がいいそうじゃないか」
主「ええ、そうなんですよ。もうひでこちゃんとはラブラブですよ」
水「ちっ、羨ましいな・・・」
主「水木さんには付き合っている彼女とかはいないんですか?」
水「ああ…好きな子はいたけどな」
主「水木さんの好きな子って、どんな子なんですか?」
水「昔、球場の近くにあった食堂の手伝いをしていた子でね、実は前の監督の娘さんなんだ」
主「ええっ、そうなんですかっ!」
水「そこそこ仲がよかったんだけどな、最後はフラれちまったよ」
主「そうなんですか・・・。あっ、そうそう!俺、今度ひでこちゃんと結婚するんですよ!お金がないから、式は挙げられないんですけどね」
水「なにっ!?そうなのか…おめでとう。自分の惚れた女と結婚出来る主人公は本当幸せものだよな」
主「いやあ、どうも」
水「・・・(そういや、倉刈さんの娘さんも、カワイイよなぁ・・・こいつにはもったいないぜ。でも今シーズン、こいつは頑張ったよな。去年まではダメなやつだと思っていたのに、今のこいつと比べたら俺なんて・・・ちくちょう)」
水「ところで主人公、お前、倉刈さんの娘さんとはもう経験済みか?」
主「へ?経験って…何の?」
水「バカヤロ、経験っていったらアレだ。…ちょっと言い難いんだが、倉刈さんの娘さんともうえっちはしたのか?」
主「いや、実はまだなんですよ。ひでこちゃんは純粋な子ですからね。それにまだ処女みたいだし。まあ、あせらずいきますよ。えっちなんかしなくても、お互い愛し合っているのにはかわりありませんからね」
水「(ひでこちゃんは処女なのか…意外だな)…今時、珍しいな。今の時代、男も女もヤリまくりだぜ」
主「水木さん、なんだかいやらしいですよ」
凡「水木さんはいやらしいでやんす〜!」
水「ゲ、凡田…お前、いつのまにそこにいたんだ・・」
凡「オイラは忍者の子孫でやんす!気配を消すくらい、わけないでやんす」
主「はいはい・・」
凡「それにしても、ひでこちゃんもついに結婚でやんすか。主人公君は羨ましいでやんす・・ど〜せ、オイラなんか…ぶつぶつ」
主「凡田君には、さおりちゃんがいるじゃないか」
凡「エヘへ、そうでやんしたね・・・。でも、オイラはそれだけじゃないでやんす。最近、えっちなゲームをマニアショップで見つけては買っているでやんす。
パソコン用のソフトなんでやんすけどね、実は水木さんにもいくつか貸しているでやんす。水木さんがえっちなゲームをやってるときの顔ときたら…」
水「バカヤロ!凡田!それを言うな…!」
凡「怒られたでやんす…。水木さんは照れ屋でやんす〜。野球一筋に見えても水木さんには変態になる素質があるでやんす〜」
水「うるさい!ま、でも、俺がマニアなのは認めるけどな」
主「ははは・・」
こうして、三人でたわいもない話をしていた中、水木の心には様々な感情が芽生えていた・・・
水「(くそっ、段々欲情してきたぜ・・・。主人公のヤロー、これからいい思いをするんだろうな…。正直気に入らねぇ・・・そうだっ)」
水「…ところで、主人公も凡田もせっかく来たんだ。ビールくらいおごってやるよ」
主「えっ?いいんですか、水木さん?」
水「まあ、主人公と凡田が俺の部屋に来るのは久しぶりだしな」
凡「ありがとうでやんす〜水木さんはいい人でやんす〜」
水「はは、相変わらず調子いいなお前」
主「それじゃ水木さん、お言葉に甘えておごらせてもらいますね」
凡「やんす〜」
水「あいよ・・・。ちょっと向こうからグラスとビールを持ってくる」
そして・・・
水「そらよ、主人公と凡田の分のグラスだ」
主「水木さん、このグラスちょっと大きいですね」
水「まあな・・・一気飲みにはいいと思ってな」
凡「あれ?そういえば水木さんの分のグラスが無いでやんすね?」
水「ああ、俺はちょっと胃の調子が悪くてね、ここ最近酒は控えているんだ。それじゃ、注ぐぜ・・・」
主「そうなんですか水木さん。それじゃ凡田君、改めてモグラーズ日本一を祝って、かんぱーい!」
凡「かんぱーい、でやんす!」
水「・・・(にやりっ)」
水木が注いだビールを飲んだ主人公と凡田が一気飲みをして1分も経たないうちに、2人はばたりと横たわった・・・。
水「くくく・・・あらかじめビールの中に入れておいた即効性睡眠薬が効いたようだな・・・。さて、こいつらには悪いがしばらく押し入れの中で眠ってもらおう。念のため、紐でしばっておくか・・・声も出せないようにガムテープで口を塞いで・・・と、これでよし」
水木は、主人公と凡田を眠らせた睡眠薬を持って、モグラーズの寮を後にした・・・。
水「(主人公みたいなヤローがひでこちゃんと結婚だあ?ひでこちゃんの処女もあいつが奪うんだろうが、こうなったら俺が・・・取り敢えず、ケーキでも買っておくか)」
そして・・・かつてのチームメイトであった倉刈の家の前まで来た水木は、インターホンのボタンを押した。
ピンポーン
日出子「はい、倉刈です。どなたでしょうか?」
水「モグラーズの水木ですが」
日出子「あっ!モグラーズの水木さんですか。大したもてなしは出来ませんけど、どうぞあがって下さい」
水「おじゃましまーす!あれ、今日はひでこちゃん一人かい?」
日出子「父は、仕事の都合で出張中なんですよ。弟のあきらは友達の家まで遊びにいってるんです」
水「へえ・・・そうなんだ」
ちょっと緊張気味の水木は、日出子に案内されるように居間へと向かった。そして・・・
日出子「モグラーズ日本一おめでとうございます。わたし水木さんが活躍しているところ、テレビで見ていましたよ。水木さん、すごいファインプレイをしていましたよね」
水「まあ、日本一がかかっていた試合だったからね。でも、やっぱり主人公には負けるけどな・・・」
日出子「そんなことないですよ。主人公さんと一緒に、水木さんもよく頑張ったと思います」
水「そうかい・・・そう言われると照れるな。
(・・・ひでこちゃん、間近で見るとホントカワイイよな・・・。純粋だし、主人公と違ってしっかりものだし、おまけに処女だし、こんなひでこちゃんを主人公に一人占めされるのはいけすかねぇ)」
日出子「あれ、水木さんどうしたんですか?ちょっと様子が変ですよ」
水「あっいや、なんでもないよ、ひでこちゃん。ところで、主人公と結婚するって聞いて、ひでこちゃんに食べてもらおうと思ってケーキ買ってきたんだけど、いる?」
日出子「えっ、結婚のこと知っていたんですか・・。それとケーキ、高級そうですけど本当にいいんですか?・・・なんだか悪いです」
水「いいからいいから。気にしないでよ」
日出子「それじゃ、いただきます。水木さん、本当に悪いですね」
水「いえいえ、そんなことないって。
(けけけ・・・。まさか睡眠薬入りのケーキだとは思うまい・・・)」
・・・水木の思惑通り、日出子は一切のケーキを半分ほど食べたあたりで眠気が襲いかかったようで、何も言わないうちに熟睡してしまった。
水「くくく・・・思惑通りだぜ。今のひでこちゃんは完全に無防備だな。さて、どうしようか・・・」
続く