「ふふっ、驚いた?」  
「そんな、小波く・・・っ!君、みずきにまでこんなこと・・・!!」  
 
 ガタッとソファが床を蹴る音がする。そこに縛られていても尚、オレに攻撃的な態度をとった。それに対してオレはふん、と鼻をならし、あおいちゃんを嘲笑する。浣腸を抜いてやった途端これか、と。  
 まあそっちの方があおいちゃんらしくて良いじゃないか。  
 
 みずきちゃんに向き直り、「おいで」と指をクイクイと曲げる。みずきちゃんに付けている鎖がジャラジャラと音を上げ、嬉しそうにトタタッとオレに抱きついた。両腕が長い鎖で繋がっているため、その鎖がオレの腹に食い込んで痛い。  
 オレはその両肩に手を添え、みずきちゃんの顔を自分の方へ向かせる。  
 
「みずきちゃん、オレは『おいで』って言っただけだよ」  
「ぅー・・・」  
 
 主人に叱られた猫のようにオレの背中に回した腕を一旦放すと、人差し指を咥えて甘えるような上目遣いをオレに向ける。  
 オレはその両手首に付いた手枷の鍵をポケットから取り出し、カチャッとロックが外れる音がした。  
 
 ついでに足枷も外してやる。何のオプションも付いていないみずきちゃんの裸体を舐めるように視線を向ける。  
 小さいとはいえ、少なくともあおいちゃんよりはある胸の膨らみに、もうすでに出来上がっているみずきちゃんのアソコ。蛍光灯の光を反射する膣液が一筋、みずきちゃんの太ももを伝っている。  
 
「あ、センパイ・・・」  
「みずきちゃん、今からみずきちゃんにお願い事があるんだ」  
 
 言われて「何ですかぁ・・・?」とさり気無く不安そうにオレに寄り添ってくる。その表情はどこか嬉しそうで、オレはそのトロンとした瞳の奥を見据える。  
 
「みずきちゃんはあおいちゃんのこと好きだよね?」  
「センパイのことを、ですか?」  
「うん、先輩後輩として、みずきちゃんはあおいちゃんが大好きだよね?」  
 
 コクッと1つ頷くと、それを確認した俺はみずきちゃんをソファに縛り付けているあおいちゃんに向かせる。  
 
 あおいちゃんは恥ずかしそうに「いや、見ないで・・・みずきぃ・・・」と訴えかけているが、ニィと怪しく微笑するみずきちゃんを見て視線を落としてしまった。無理も無いだろう。  
 今まで可愛がっていた妹のような女の子が、今は自分の裸体を見て嘲笑する、言ってみればオレの奴隷なのだから。  
 
「あおいちゃんがトイレに行きたいんだって」  
「そうなんですかぁ〜・・・ふふっ、縛られてるセンパイ可愛い・・・」  
 
 心底そう思っているようなトーンの低い声があおいちゃんを不安にさせる。「いやぁ・・・」とスンスンと泣き始めるが、オレはそんなことはお構いなしだった。みずきちゃんの方を持ってもう一度こっちを向かせる。  
 
「今からこの身動き取れないあおいちゃんが、みずきちゃんの奴隷になるんだ」  
「あたしの・・・ですか?」  
「そう、大好きなんだろ。だからその大好きなセンパイを、自分のやりたいように嬲って良いんだ」  
 
 オレがそう言うとみずきちゃんはオレの瞳とあおいちゃんを交互に目配せする。  
 あおいちゃんは僅かな希望、みずきちゃんが自分を庇ってくれるに違いないということへの期待からか、何か訴えかけるような目でみずきちゃんを見ていた。  
 
 が、そんなあおいちゃんの期待も虚しく崩れ去る。  
 
 みずきちゃんはまたニィと、今度は心底嬉しそうに微笑んだ。悪戯心を持った子悪魔のような笑みを浮かべ、トテッとあおいちゃんに一歩踏み寄った。  
 
「あたしの思い通りにセンパイを・・・」  
「や、やめて!みずき!」  
 
 みずきちゃんが手を添えたのは、先ほどのオレと同じところ。膀胱のあたりだ。  
 あおいちゃんがトイレに行きたいことを知っているみずきちゃんからしてみれば、これ以上に嬲り甲斐のあるシチュエーションはないのだ。  
 
「ちょ、ちょっと待って小波くん!!トイレに行かせてくれるって約束でしょう!!?」  
 
 自分の後輩にこれから何をされるのか察したあおいちゃんが、焦るようにオレへ向かって叫んだ。  
 
 そう、このままいけばあおいちゃんは間違いなく、その後輩の前で恥辱を味わうことになるのだ。約束、とまではいかないが、確かにオレは『おしっこをするのにトイレに行かせる』と言ったことに間違いは無い。  
 
 オレは必死なあおいちゃんを、ふんっとあざ笑った。  
 
「うん、言ったね」  
「じゃあなっっ・・・あぐぅ!」  
 
 言い終わるより早く、みずきちゃんがついに愛撫を始めてしまった。下腹部を刺激するよう手のひらで圧迫感を与えながら、空いたもう一方の手であおいちゃんの尿道をちろちろと指先で刺激する。  
 
「や、やめ・・・っっ!小波く・・・!!」  
「ふふ、あおいちゃん、確かにオレはあおいちゃんをトイレに行かせてあげるって言った。でもね、オレは『オレのすることに大人しくしていれば』って言わなかった?それで、あおいちゃんの返答はこうだ」  
 
 オレはあおいちゃんの言ったそのままの答えを、ややトーンを低め、そこだけを追求するような口調に変えて言い放ってやった。  
 
「確かあおいちゃんはこう言ったよね?言うこと聞きます、お願い許して、って」  
 
 つまり、あおいちゃんは『オレのすることに大人しくしている』ということに同意したのだ。言い換えてみれば『大人しくしていないとトイレには行かせてもらえない』ということ。  
 それを察したあおいちゃんが言葉を詰まらせた。  
 
「ま、そういうことだね。オレはあおいちゃんにトイレに行かせてあげるタイミングまでは了承していない。つまり、大人しくしオレの好意が一通り終わるまでにおしっこ漏らそうが、約束を破ったことにはならないね」  
「そ、そんな・・・」  
 
 ふふふ、そうだよ。精神的に追い詰めるための策。言葉を巧みに使えばそれだけであおいちゃんは堕ちていく。  
 可愛い後輩の前で放尿することがどれだけあおいちゃんに恥辱を与えるか。  
 
 本当に追い詰められたあおいちゃん唯一の逃げ道は、みずきちゃんのように壊れてしまえば良い。壊れてしまえばそれ以上の恥辱を味わうことはなくなるのだから。  
 ふふ、安心しなよ。あおいちゃんもいずれそうしてあげるから。  
 
 
 
「あ、は・・・っ!や、やめてぇ・・・!!」  
 
 
 
 みずきちゃんの愛撫は快楽に加え放尿を我慢することへの苦痛までも高めていった。敢えてもう一度言うが、床がフローリングな為例えここで漏らされても掃除するのはさほど面倒なことではない。  
 全てみずきちゃんに任せることにした。あおいちゃんにここで放尿させようが、途中で慈悲をくれてやろうが、それはもうみずきちゃん次第、ということにしよう。  
 
 オレの目的は飽く迄汚れを知らないキャットハンズの紅二点をオレに付き従うペットにすること。子猫がオレに寄り添い、オレにだけに欲情し、発情し、興奮する、オレ自身が2人のマタタビになること。  
 
 可愛いもんじゃないか。  
 
「ふふ、センパイ、おしっこ行きたいですかぁ〜?」  
 
 行かせてくれないだろうと解かっていても、あおいちゃんは尿意を堪えるようにコクコクと頷く。するとみずきちゃんが愛撫から一旦手を離し、あおいちゃんに抱きついた。  
 オレはその様子を、テーブルクロスのかかっている、いつもなら食卓を並べる机の上に腰を下ろして眺めていた。行儀が悪いのは解かっているが、ソファより低い位置に座るのも何か癪に障る気がした。  
 
「おしっこ、させてあげますよ」  
 
 みずきちゃんのその言葉に、あおいちゃんが「え・・・」と声を上げ涙を含んだ視線を何故かオレに向けた。  
 もちろんオレはそうやって眺めているだけで、みずきちゃんに何の支持もしていない。  
 
 つまり、みずきちゃんの独断で小便させてやると言っていることになる。それならそれで構わないのだけれど、折角女の子の放尿シーンが見れると思ったのにそれはそれ、これはこれで結構惜しいもんだ。  
 
「みずき、ほんとぉ・・・?」  
「はい、センパイが我慢してるととってもやり辛いですし、床汚しちゃったらセンパイに怒られちゃいます」  
「あ、ありがとう・・・」  
 
 お礼を言いつつ心の底から喜んでいないのは、トイレを済ませた後も自分は後輩に嬲られるのか、ということなんだろう。  
 オレが縛っていたあおいちゃんの縄を解いてやろうと立ち上がろうとしたときだった。  
 
 みずきちゃんがあおいちゃんの股間に顔を近づけていった。  
 
「えあ??み、みずき!!?や!だめぇ!!」  
 
 どうやら舌で尿道の小さな穴をちろちろと、オレのモノをフェラチオする時のように刺激し始めているようだ。まあ言ってみればあれだ。クンニリングス。通称『クンニ』と呼ばれる、女性器を舌で愛撫する、尿道バージョンだ。  
 
 オレはみずきちゃんの考えていることを凡そ理解した。  
 
 まあ奴隷の奴隷としては不釣合いなんだろうが、みずきちゃんがあおいちゃんのトイレになるってことだ。  
 みずきちゃんとしては、縄を解くことはあおいちゃんを開放、自分の奴隷ではなくしてしまうことにつながるらしい。というのも、オレがみずきちゃんにあおいちゃんを奴隷にした時こう言ってしまった。  
 
 ――今からこの身動き取れないあおいちゃんが、みずきちゃんの奴隷になるんだ。  
 
 身動き取れないあおいちゃん、つまりオレの言葉に純粋につき従うみずきちゃんは『縄で縛られているあおいちゃん』が自分の奴隷だと、脳内で勝手に処理してしまっているのだ。  
 
 大好きなセンパイを自分の好きなようにできる、か。  
 オレにゃその真意がよくわかんねぇや。ホモじゃないし。  
 
 
「や!!だめ!!みずきぃ!でちゃう・・・っっ!おしっこでちゃうよぉ!!」  
「あむ・・・っ、んむ・・・、はぁ・・・っ、ん、ちゅ・・・」  
「ひゃう!!」  
 
 かなり激しい舌使いに、あおいちゃんの我慢もそろそろ切れ切れのようだ。もしあれだけフェラされれば流石のオレも射精感でいっぱいいっぱいだろう。オーガズムよりはまだ我慢しやすい尿意だけに、みずきちゃんも少し苦戦している。  
 
 が、それはもう時間の問題だろう。  
 
「ああぁ!だめぇ!!みずきやめてぇ!ホントに出しちゃうー!!」  
 
 
 
 
 
 
 ――もう、遅いよ、あおいちゃん――。  
 
 
 
 
 
 
「いやぁあああああ!!!」  
「むー!!」  
 
 
 みずきちゃんの口に黄金色の液体が溜まり、それを勢い良くゴクゴクと飲み干していく。が流石に追いつかず、ゴホゴホとセキ込み、そのほんの少し残っていた液体がみずきちゃんの顔面にぱしゃっとかかった。  
 
「床汚しちゃいましたぁ、センパイごめんなさぁい・・・」  
 
 オレの方に液体で汚れた顔を向け、涙目で謝っていた。その傍らでスンスンと大粒の涙を流すあおいちゃんがいる。ソファに少し溜まった尿にお尻が浸り、自分が漏らしたことを実感させていた。  
 
 オレは心の中で大笑いした。それでこそオレの奴隷だよ。  
 
「良いよ、気にしなくて。みずきちゃん、あおいちゃんの縄を解いてあげて」  
 
 クスクスと笑いを交えてみずきちゃんに指示を出す。  
 そう言うと「もっと遊びたいのにぃ・・・」と駄々を捏ねるが、オレが「後でまた遊んで良いから」と言うと「うん!」と子供のように喜び返事をし、縄に手をかけていった。  
 
「そこ掃除したら2人でお風呂入ってね。みずきちゃんはちゃんと口も濯いできなさい」  
「はぁい」  
 
 ふふ、ホント、猫って可愛いもんだよ。  
 ま、猫猫キャットハンズなんて球団に属してるだけに余計可愛く映るんだろうな。  
 
 野球選手兼女性をやってる2人を狙ってるヤロウどもは、今のこの2人を見てどう思うだろうな。  
 はははっ、愉快なもんだよ。いっそこのままこのオフシーズン中に2人共妊娠させてやろうか。  
 
 ・・・まあ良いや。まだまだオフシーズンは長い。オレはオレで勝手にやらせてもらうよ。  
 
 
 
 続く(と思う)  

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