ここは頑張市のとある街。
最近この街で少年が数日間行方不明になるという事件が起こっている。
帰ってきた少年達は、なぜか全員女性恐怖症になっているらしい。
行方不明になった少年の家族は毎日街を探し回っているそうだ。
そしてここにも一人、少年を探し回っている女性が…
「ムッハー!探し始めてからもう8時間になるというのに、一向に美少年が見つかりませんわ!」
そう、彼女こそ現代のハーメルンの笛吹き女であり日本のマイケル。
その正体は、大金持ちのお嬢様にしてフランス語もペラペラなメガネが似合うお姉様。
そんな知的なイメージとは逆に、スポーツ観戦という健康的な趣味も持っている。
さらにはすれ違った人全てが振り返るダイナマイトボディの持ち主でもあり、
惚れた男には徹底的に尽くすタイプと性格の良さも併せ持つ。
まさに結婚したい女性ナンバーワンのパーフェクト・レディー、その名も姫野カレン!
しかし今、そんな彼女の背後に黒い影が迫る!
「オウ、ソコノびっぐナオ嬢サン。チョットイイデスカー」
「何ですか?モデルのスカウトならお断りですわよ!」
「私ハどいつカラ来たダイジョーブ博士デース、
突然デスガ、ぱわーあっぷ二興味ハアリマセンカ?」
「ありませんわ。
カレンはスプーンより重いものを持てませんし、持つ必要もありませんので。
それでは失礼します。」
「オウ、チョット待ッテクダサーイ
(コンナ未知ノ生物ヲ調ベラレルちゃんすナンテ、ココヲ逃シタラ二度トアリマセーン。
何トシテモ、研究所ニ連レテ帰ラナクテハ…)」
「アー…だいえっとニ興味ハアリマセンカ?
研究所ニ来レバ、うえすと30せんちモ夢ジャアリマセーン!」
「!!!!!!!!!!!!!
目の前にある完璧なスタイルが見えないのですか?!!
それとも、これ以上の完璧な肉体が存在するとでも?!!!!
返答によっては命の保障は出来ませんわよ…(ブルブルブル)」
「オウ、シット!申シ訳アリマセン。ドウヤラ眼鏡ガ汚レテイタヨウデース。
デワ…整形手術ハドウデスカ?研究所ニ来レバ、ドンナ顔デモ思イノママ…」
「!!!!!!!!!!!!!!
目の前にある顔が見えないのですか?!!!
『カレンの鼻がもう少し低かったら歴史が変わっていた』
という言葉を知らないんですの?!!!!!!!!!!!!!!!」
「オウ、シット!申シ訳アリマセン。ドウヤラ目ヲ開ケルノヲ忘レテイタヨウデース」
「まったく!こんなに失礼な方にあったのは初めてですわ!!!!
もう帰らせてもらいます!!失礼しますわ!!!!!!!!!」
「チョット待ッテクダサーイ、ソレデハ………」
「(本当にしつこいお爺様ですとこ!
…!
よく見てみればスキンヘッドに長く伸びたヒゲ…ずいぶんワイルドな方ですわね。
…!!
それでいてメガネや白衣から出る知的なオーラ…。
…!!!
そう言えばドイツから来たとか言っていましたわね。青く澄み切った美しい瞳…。
ハッ!まずは落ち着いて今の状況を整理しなくては。
…そうそう、ダンディな年上の殿方に ナ ン パ されているんでしたわ…)」
「ビゴオオオォォォォォンンンン…」
「ナニヤラ恐ロシイ音ガ聞コエタヨウナ…」
「お気持ちはよく分かりましたわ、ダイジョーブ様。
ドイツからはるばるやってきた来た殿方までも魅了してしまうなんて、
これも全て魅力的過ぎるカレンがいけないんです。
…しかし、カレンには既に心に決めた殿方がいます。
今夜のことは全て 一 夜 限 り の 過 ち ということですので…(キラーン)」
「何ヲ言ッテイルノカ、イマイチ分カラナイノデスガ…
要スルニ、一緒に研究所ニ来テクレルトイウコトデスネ?」
「フフフ…その通りですわ(ニヤリ)。それでは行きましょう(ドスドスドス)」
「オウ、研究所ハソッチデハアリマ…」
「おっと、逃がしませんわよ!!(ガシ、ドドドドドドド…)」
「―――――ノオオオオオオォォォォォ!!!!!!!!!」
「 科 学ノ…発展 ニハ… …犠牲ガ 付キ 物 デー… ス 」
おわり