『ただそれだけ』  
 
 
 摩夕ちゃんがオレのところに就職するなんて言い出した日の夜。  
 
「あぁ・・・やめ、て・・・ぇ・・・」  
 
 1人暮らししているアパート。オレの部屋だ。  
 
「ダメだよ摩夕ちゃん、足開いて」  
 
 摩夕ちゃんが足を閉じようとしたのを制し、グイとまた開かせる。  
 
 オレは手に持ったボールペンの頭を、摩夕ちゃんのヴァギナへと挿入していく。引っ掛け部分が膣の肉壁をかき回しているのか、愛液が出てくる量が少し多い気もする。  
 
「だ・・・めぇ・・・」  
 
「摩夕ちゃんが誘ったんじゃない、オレのプロ入り祝いって」  
 
「そ、それは・・・こんな、こ、と・・・するって意味じゃ・・・ひゃぁん!」  
 
 ボールペンの頭を使ってクリトリスをツプッと押してみる。感じたのか、摩夕ちゃんの身体が仰け反って綺麗な形の良い胸が張りを見せた。  
 
 
 ドラフトに指名された途端、勝手にオレの婚約者になってしまった摩夕ちゃん。  
 
 別に断る理由は無いのだけど、ただ『はい良いですよ』と言ってしまうのは面白くない。オレの婚約者になるのなら、それ相応の女でないといけない。  
 
 オレは摩夕ちゃんを"オレ無しじゃ居られない淫乱な女"にしたい。ただ、それだけ。  
 
「ホント摩夕ちゃんってスケベ・・・弄られて感じちゃって」  
 
「ち、違いますわ・・・!・・・これはあなたが・・・ッ」  
 
 やったんじゃない、と言いかけて口を紡いだ。きっと、今の自分の状況がどうなっているのか、しっかり理解しているからだろう。  
 
 オレはさっき股を開かせようとして膝に手を置いたが、それだけだ。今は摩夕ちゃんの身体には触れていない。なら何故股が開きっぱなしなのか・・・。  
 
「あぁ・・・」  
 
 ボールペンの頭でクリクリと股間の突起を突いたり転がしたりすると、摩夕ちゃんの口から暖かい息が漏れる。  
 
 開きっぱなしな理由は、摩夕ちゃんが自分の手で太股を支えているから。決してオレが強要したわけでもなく。つまり摩夕ちゃんは性欲に無意識のうちに正直になっているということ。  
 
 オレがやったことには違いない。肝心なのは摩夕ちゃんがオレの行為を受け入れたこと。  
 
「そんなにして欲しいの?」  
 
「これはあなたが・・・」  
 
「オレが、何?」  
 
 ズブッとボールペンが挿入される。摩夕ちゃんが「ひぁ・・・っ」と声を上げ、ビクンと姿勢が伸びると、軽い汗がヒタッと少しだけ飛んだ。  
 
「ず、ずるい・・・ですわ・・・」  
 
「して欲しいくせに・・・」  
 
 言って、膣でグリグリとペンを回す。さっきと同じように、引っ掛け部分が膣内の肉壁をかき回して摩夕ちゃんに快感を与えている。  
 
 摩夕ちゃんも満更じゃないだろう。  
 
 エッチなことをするという前提でこうしているわけじゃなく、突発的に、それも、自分が婚約者になりたいと思ったこのオレに押し倒され、弄られ嬲られて快感を味わっているのだから。  
 
 
「気持ち良い?」  
 
「・・・そ、んな・・・こと・・・」  
 
 ゆっくりボールペンを抜く。「あぁ・・・」と名残惜しそうな声が聞こえるのは、別にオレの気のせいではないだろう。摩夕ちゃんの性格を考えれば、感じていることくらい見て取れる。  
 
 オレはパワリンのビンを手に取った。  
 
「な・・・何ですの・・・、それ・・・」  
 
「エッチなパワリン」  
 
 キュポンとフタを開けると、中に入った無色透明の液体が揺れる。  
 
 ダイジョーブ博士という人に、精力を強化したい、なんてふざけて言ってみたらこんな物をもらったは良いが、正直使いどころが無かった。丁度良いので今使ってしまう。  
 
「生殖器にかけると気持ち良くなるんだってさ」  
 
「そんなの・・・、そんなの無くてもわたくし・・・ッ」  
 
「まあまあ、折角だから使ってみなよ、今までで一番気持ち良いセックスができるかもよ」  
 
 摩夕ちゃんに是非を言わせないまま、オレはパワリンの飲み口をヴァギナに突っ込んで傾け、中の液体を膣へと挿入させていく。  
 
 すると摩夕ちゃんのヴァギナは一気にその媚薬パワリンを飲み干した。  
 
「ぁ・・・だめ・・・」  
 
 液体が少しヴァギナから漏れてしまったが、それで充分すぎるくらいの量なんだろう。摩夕ちゃんが感じ始めたような仕草を見せた。  
 
「へぇ凄い、もう効果が出てくるんだね」  
 
 どうやら直接皮膚にかけるものなので、かなりの即効性らしい。しばらくもしないうちに  
トロトロのヴァギナから愛液がツゥ―・・・と流れ伝ってくる。  
 
 しかも相当効力が強いみたいで、摩夕ちゃんがクネクネと腰を動かし始めた。  
 
「うぁー・・・、腰の動きがスケベだね・・・」  
 
「・・・ぃ、やぁ・・・見ないでぇ。。」  
 
 我慢できないらしく、太股を支えていた手がそこから離れ、ヴァギナへと手を伸ばそうとしていた。それをさせないのが楽しいのだが。  
 
「は、放してぇ・・・!」  
 
「何?じゃあ摩夕ちゃんはオレの部屋で勝手にオナニーショー始めようってことなの?」  
 
 言われて「うぅ。。」と少し泣きそうな顔をするが、そんなことお構いなし。  
 
 
 ここで重要なのは、飽く迄摩夕ちゃんが"オレ無しじゃ居られなくなる"ことであり、自慰をすることで自己満足してもらっては困るわけだ。  
 
 半分楽しんでいるのも事実だが・・・。  
 
「オレは何もせず快感に耐えてる姿が見たいだけ、オナニーして良いなんて言ってないよ」  
 
 掴んだ摩夕ちゃんの腕から力が抜けていく。自慰を諦めたんだろう。その代わりか、今度は開いた足を閉じてモジモジと太股を擦り始めた。  
 
「どう、すれば・・・、良い、の・・・?」  
 
 不安げで今にも涙が零れそうな顔だが、どこか、次にオレが言う台詞を期待しているような、そんなMっ気のある声にも聞こえる。  
 
 これは元々摩夕ちゃんが持っている素質なのか?  
 
「摩夕ちゃんはどうしたいのさ」  
 
「え・・・そんなの・・・、そんなの気持ち良くなりたい・・・に、決まってますゎ・・・」  
 
 オナニーさせてもらえる、とでも思ったんだろうか。やけに"気持ち良くなりたい"の部分が強調されている。それだけ疼くんだろう。  
 
「言っとくけど、オナニーは禁止だよ」  
 
 オレは縄跳びを取り出した。本当は縄がほしいが、生憎そんなアイテムは一般の家庭でも中々ない。トレーニング用に買った物でも代用にはなるだろう。  
 
 その縄跳びを摩夕ちゃんの手首に5・6回巻きつけ、罪人を縛る時なんかに腕にする本縄の縛り方で、摩夕ちゃんの手を固定し物掛けに吊るす。  
 
 抵抗しないところを見ると、やはり少し期待もしているのか。  
 
「これで自分では弄れないよね」  
 
「・・・あぁぁ・・・、だめなの、疼くの・・・、触らないとわたくし・・・」  
 
「疼きを取りたいなら自分で触る以外の方法でするんだよ、オナニーは禁止だからね」  
 
 言うと摩夕ちゃんは少し困った顔をすると、今度はその身に一方的に与え続けられている疼きに顔が歪み泣き顔になる。  
 
 自分で触る以外の方法を考えているんだろうが、上手く頭が回らないらしい。そうしている間にも、疼きは摩夕ちゃんの全身をジワジワと犯していく。  
 
「・・・どうする?」  
 
「ぅ・・・ぁぁ・・・、だめですの・・・ッ、もう・・・もうわたくし・・・ッッ」  
 
 オレがヴァギナに手を近づけると「ぁ・・・」と期待するような声を上げるが、結局オレはソコを触ってやらない。  
 
「ぉ・・・、お願い、が・・・ありますの・・・」  
 
「ふふ、縄を解けってお願いは却下だよ」  
 
 ブンブンと髪を揺らす摩夕ちゃん。オレも次にくる摩夕ちゃんの台詞くらい分かってる。  
 
 疼きが取れない上に、両手を縄跳びで縛られて吊るされ、自分でソコを触れない。ただし、それ以外の方法なら疼きを取ることを許している。  
 
 思いつく方法なんて1つしかない・・・。  
 
 
「わたくしの・・・ぁ、ぅ・・・、わ、わたくし、のッ・・・淫乱なココ、を・・・、虐めて・・・くだ、さ・・・い・・・」  
 
 
 消えかかるように掠れた声に、オレの口元は笑っていた。オレはオレの大好きな摩夕ちゃんを、オレがオレの作りたいように作っていく。  
 
 摩夕ちゃんを"オレ無しじゃ居られない淫乱な女"にしたい。  
 
 
 
 
 
 ―――ただ、それだけ――・・・。  
 
 
 
 
 
終わり  
 
 

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