「本当の幸せ」
俺の名は増元雄太。(ますもとゆうた)
花丸高校のエースピッチャーと言いたい所だが、
もっぱら野球部はレッド率いるヒーローの物になっている。
今日も俺たちは野球部の使用範囲内の隅っこでひっそりと練習している。
チームメイトが愚痴を言ってきた。
「あ〜あ。どうせ俺たちは邪魔者扱いかよ。」
「全く。勝手にやってきたくせに、野球部を占拠するとはゆるせんでやんす!」
だがこんなことは日常茶飯事だ。おれは適当に相槌を打ち、練習を続けた。
素振りを終えると、湯田君が話し掛けてきた。
「増元君!君は悔しいとは思わないのでやんすか!」
「え、そりゃあ、悔しいよ」
「だったらこんな部活やめる出やんす!オイラ3年なのにまだ一度も試合に
出てないでやンス!ヒーローたちがいたらどうせ出れないでやンス!」
確かに俺とヒーロー以外の連中は試合経験がゼロだ。
俺だって、スタメンで出場したことはない。
だが、野球をやめることは出来ない。
「俺は野球を捨てることは出来ないよ。湯田君。だから俺は辞めない!」
このの発言で野球に対する熱意を奮い立たせるつもりだったが、逆効果と
なってしまった。
「あ。そうでやンすか。勝手にするでやンス。オイラ達は
今日限りで辞めるでやンス!」
「待てよ!野球をあきらめるのか?!」
「増元君。プロになりたかったら、君が活躍できるような
高校にいくでやんす。」
「湯田君!」
野球部は俺とヒーロー以外だれも居なくなってしまった。
その日の帰り道。
俺はマネージャーであり、彼女でもある玲奈と帰っていた。
前はチームメイトに冷やかされたりもしたが、今は冷やかす チームメイトもいない。
「みんな、辞めちゃったね。」 「うん。でも俺は辞めない。きっとプロになってみせる!」
「その意気よ!」 玲奈と話していると気分が晴れてきて、気が楽になった。 「バイバイ!」
玲奈を家まで送り、俺は家に帰り、さっさと寝た。 明日起こる恐ろしい出来事を考えもせずに−−−−−。
次の日。湯田達の姿はなかった。
「1人になったけどがんばるか!」
俺は1人、長距離ランニングを始めた。
さて、その頃、ヒーローたちは部室でミーティングをしていた。
「これでいいだろう。増元は9番ライトでいいな。」
「まあ、8人しか居ないから仕方ないな。」
コンコン。ドアをたたく音がした。玲奈が入ってきた。
「レッド君達、お疲れ。お茶でも入れようか?」
「すまないな。ありがとう。」「べつに。仕事だから。」
イエローが発言した。
「ポットを貸してくれ。ポットごと飲むから。」
「わかったわ。はい。ってキャァー!!」
イエローが手を滑らせ、お茶をこぼしてしまった。
「すまん。マネージャー。」
「いいのよ。イエロー君こそ大丈夫?ズブ濡れよ。」
「そうだな。タオルを貸してくれ。」
イエローがバイザーを上げようとした時、レッドが叫んだ。
「イエロー!バイザーを上げるな!」 「え・・・・・・?」
玲奈は目を疑った。バイザー下には何もないのである。
「チッ。ばれたか。レッド、どうする?」
「仕方ない。我々の秘密を公表せぬよう調教しよう。」
「え・・・、ウソでしょ。やめて・・・。キャァー!!!」
レッドが部室の鍵をかけた瞬間、他のヒーローが玲奈をタオルで縛り、
服を脱がせた。