矢部と俺とみずきちゃんと。  
 
 
「うぅ!!むぅ!!!んーーー!」  
みずきちゃんのもがき苦しんでる声が部屋中に響く。  
 
でも、残念ながら、イレブン大野球部の勉強会、今日は俺と、矢部君とみずきちゃんしか、来てないんだよな…  
 
しかも、俺は矢部君のせいで、身動きがとれない。  
 
だから、みずきちゃんは助けを呼ぼうに呼べず、矢部君が欲望を抑えきれず、  
みずきちゃんを押し倒した。  
 
――――――――――――――――――――――――――――――――  
 
そろそろ一区切り終わるから、休憩かな、という時に突然矢部君がみずきちゃんを…  
 
――襲ったんだ。  
 
俺は一瞬、目を疑った。  
つい、  
「矢部!何やってんだ!!」  
いつもなら矢部君と呼ぶのに、今日は呼び捨てで言ってしまった。  
 
「みずきちゃん、悪いけど、オイラの童貞を卒業するためにも、体をいただくでやんす」  
そして、矢部君はささやくように、  
「そして、みずきちゃんの初体験も奪うでやんす…!」  
 
目が変だった、いつもの矢部君ではなかった。  
 
とか、思ってるうちに  
「邪魔者は排除するでやんす!」  
といって突然俺をガムテープでぐるぐる巻きにし、  
押入れに入れた。  
 
耳に聞こえてきた、矢部君とみずきちゃんの会話、  
助けように助けられない悔しさがこみ上げてきた。  
 
「ちょっ、矢部君!何すんの!?」  
「黙れでやんす。」  
「うあぁあっ!いやあだっ!!」  
「ふふふ、見るでやんす、オイラの自慢の物を!」  
 
あぁ、あれか、茂ってる、あれだな。と思った。  
それに怯えたのだろうか?  
 
「ーっ!こないで!近寄らないで!」  
「嫌でやんす。拒否されて、そのまま『うん、わかった』というやつはいないでやんす。」  
 
「お願い!許してなんでもきっ…」  
 
突然言葉が止まった。  
 
「ガムテープを口に貼るでやんす、うるさいから静かにしててほしいでやんす」  
ビィィィイーッ、ビリッ!  
「それに、なんでも聞くというなら、オイラの言うとおりにすればいいでやんす」  
ペタッ。  
「んーっ!むーー!」  
 

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