るちあは海斗を見送りに空港に来ていた。
海斗はサーフィンの世界大会への出場のため、1ヶ月ほど日本を離れなくてはならないのだった。
るちあも一緒について行きたかったが、学校に行かなくてはならないし、パールピアリの手伝いもある。
海が平和になった今、るちあたちが人間界にいられるのは、
それらがプリンセス修行の一環として重要なことと認められたからに他ならない。
それらを個人的な理由ですっぽかすことは許されないのだった。
「1ヶ月も離れ離れなんて。」
「すまん。るちあ。」
「ううん。気にしないで、みんなも一緒だし、あたしのことは心配しないで。」
「それより、海斗の方こそ体に気をつけてね。」「きっと・・、きっと優勝してきてね。」
「ああ。まかせろ。」「必ず優勝トロフィーを持って帰ってきてやるよ。」
「それから、これ。」「さっき、ここへ来る途中で受け取ってきたとこなんだ。」
海斗は包みを取り出した。それは、丁寧に包装された長方体の箱で、
いかにもプレゼントという感じにリボンがついていた。
「もし寂しくてどうしようもなくなったら、これを開けるといい。」
「うん、ありがとう。」
るちあは包みを受け取ると、2人は熱く抱擁しキスを交わした。
「いてらっしゃい。」
涙が出そうになるのを気丈に我慢しながら、るちあはにっこりと微笑んだ。
その夜、るちあは風呂に入ったあと、パジャマに着替えて寝る準備をしていた。
窓から海を眺めると、想うのはやはり海斗のことだった。
(今はまだ飛行機の中かな。)
以前、同じように別れたあと、海斗に自分のことを忘れられてしまうということがあ
った。
海斗に悟られないようにしているが、るちあの中ではあのときの出来事はトラウマとなってしまっていた。
(今度はきっと無事に帰ってきてくるよね。)
「海斗・・。やっぱり不安だよ、寂しいよ。一ヶ月もなんてとても耐えられない。」
涙が頬を伝い落ちた。
ふっと、海斗にもらった包みのことを思い出した。
寂しくなったら開けろと言われたものの、別れた当日に開けるなんて。
自分はなんて心が弱いんだろう。
しかし、ここはもう開けるべき時が来たのだと意を決した。
「えーい。開けちゃえ。」「さーて。何が入ってるのかな?」
さっきまで泣いていたくせに、プレゼントを開けるときはドキドキワクワクの好奇心が打ち勝つものらしい。
包みの中はボール紙の箱だった。そして箱の中身をゆっくりと取り出した。
するとピンク色の棒が出てきた。太いところで直径5cmくらいはあるだろうか。
くびれのある丸みを帯びた先端を有しており、根元の方はダイヤル式のスイッチと思しきものがあり、さらに電源コードが生えていた。
「これは???この形って、まさか???? 」
るちあはこの形に見覚えがあった。そう、海斗と一晩を共にする時に見るものだ。
男なら誰もが持つものだ。
「きゃああっ!!海斗のバカバカ!!エッチ!!」
思わず、ピンク色の棒をベッドに投げ付けた。
「海斗ったらデリカシーがないんだから。一体どういうつもりなの?」
ボール紙の箱の方を見ると、封筒らしきものが見えた。
思わず手にとると、「るちあへ」と書いてある。やはり手紙だ。
慌てて、封を切って手紙を取り出した。
>るちあへ
>箱を開けてびっくりしたと思う。これバイブレーターっていうんだぜ。知ってたか?
「知らないよ!!」
>ズバリ、これは女の子がオナニーする時に使うものなんだぜ。知ってたか?
「もう〜〜。海斗ったら〜〜。」
るちあの顔は、恥ずかしさと怒りで真っ赤になっていた。
>この手紙を見ているということは、きっと俺がいなくて寂しくてどうしようもないんだと思う。
>1ヶ月も会えないということはおまえにとっても、とてもつらいことだと思う。
>それをわかってて、おまえにそんな思いをさせる俺をどうか許して欲しい。
>せめてものお詫びに、寂しさを紛らわすのに何かいいものがないかと、真木さんに相談したんだ。
>そしたら、真木さんの知り合いで、こういうものを作ってる会社の社長さんがいたんだ。
>その人に頼めば、自分の大事なところから型を採った特別品を作ってくれるという話だったんだ。
>そう、これは俺の実物から型を採ったものさ。よく見てみな。きっと見覚えがあるはずだからさ。
「え?これ海斗の?」
るちあは、バイブレーターを手にすると、まじまじと見回した。
色が違うものの、形自体はどことなく見覚えがある、懐かしい感じがする。
だが、少々サイズが違うようだ。こちらの方が少し大きい。
>ここだけの話、真木さんも、にこらさんにプレゼントして好評だったそうだ。
「ええっ!おねえちゃんもこれと同じの持ってるの!?」
るちあにとって、自分の身近な人物がこういうものを愛用していることは、とても意外だった。
>型を採るとき、とても恥ずかしかった。でもおまえにさせる辛い思いに比べればなんてことはないよな。
>そしてなにより、型を採ってもらうとき、考えていたのはおまえのことだけだ。
>どうか1ヶ月の間、これを俺だと思って我慢して欲しい。
>俺の想いはきっと伝わるはずだ。心から愛してる。
>海斗 より
「海斗…。」
るちあはとても感動していた。
傍から見れば非常識なことだろうが、海斗のまっすぐな愛情がとてもよく伝わってきたのだった
さっきまでの、驚きの混じった怒りの感情はどこへともなく消えてしまっていた。
「わかったよ海斗。さっそく使わせてもらうね。」
るちあは、パジャマのズボンを脱いだ。
まずは、バイブのコードをコンセントに差しスイッチを入れてみた。
すると、ピンク色の棒は円錐を描くようにぐるぐると回転運動をはじめるとともに、
手に適度な振動をもたらした。
「へーっ。おもしろーい。」
「で、このスイッチを回すと強弱の調整ができるわけか。」
「じゃ、使い方がわかったところで、いよいよ…。」
今、海斗に初めて純潔を捧げた時と同じように胸が高鳴っている。
「なんだかドキドキする。」
るちあは、オナニーはほとんどしたことがなかった。
海斗から身体を求められるままに、性交には応じていたものの、
自らその快感を得ようとすることはなかった。
今、別に身体が寂しいわけではなかったが、心の寂しさを紛らわすには、
それもいいかもしれない。るちあはパンティを脱ぎ去った。
そしてベッドの上で座って両脚を開くと、バイブの先端を自らの秘部にあてがった。
「はあっ。とてもイケナイことしようとする感じ。」
まずは、スイッチを切った状態で先端を入れてみることにした。
バイブをゆっくりと押し進めた。
先端の丸まった部分は入るものの、奥まではとても入らない。
「ううっ。太すぎるよこれ。」
とりあえず、スイッチを入れてみた。振動が膣口とその内側に伝わる。
「あっ。くすぐったい。」
少し気持ちいいかもしれない。
しかし、バイブはるちあの身体の外側で回転してるだけだった。
「もっと濡れたら奥まで入るかも。」
バイブを抜くと、クリトリスの包皮の上に押し当てた。
「ああん。気持ちいいっ。」
しばらくそのままにしていると、包皮の内側が硬く敏感になってくる。
ほどよく硬くなったところで、もう片方の手の指で包皮を剥き、
クリトリスに直接バイブを押し当てた。
「はあっ。ああん。」
少しずつ、秘部が潤ってきていたが、まだまだ足りない。
さらに、空いた片方の手をパジャマの内側の入れ、乳首を刺激した。
そして、海斗に抱かれた時のことを思い浮かべた。
海斗の厚い胸板。汗のにおい。自分を弄ぶ海斗の指の感触。
そそり立つ海斗の大切なところ。
下を見ると、それと同じ形をしたものがうごめいている。
「海斗っ。海斗っ。」
海斗のことを思い出すと、しだいに潤いが増してきた。
るちあはバイブを、再度膣に挿入してみることにした。
さっきと同じくらいまで入れると、るちあは体勢を変えた。
四つんばいになり、尻をを高く上げた状態でバイブを後ろ手に持った。
押し進めると、潤った秘部はバイブの半分をすんなり受け入れた。
「はあっはあっ。内側の気持ちいいとこに・・当たってる・・。」
スイッチをいじって、動きを強めてみた。バイブが敏感なスポットを擦り続ける。
「ああああっ!!海斗っ!!ダメぇっ!!やめてぇっ!!!」
快感のあまり、つい大きな声を上げてしまった。
ドアをノックする音がして、ドアの向こうから声が聞こえた。
「るちあさん!!大きな声を出して一体どうしたんですか!?るちあさーん!!」
「ヒ、ヒッポ!?」
るちあは驚きのあまり、心臓が止まりそうになった。
「入りますよ!いいですか?」
今、るちあは裸の尻を突き上げ、しかもバイブが刺さった状態なのだ。
こんなあられもない姿、誰にも見られるわけにはいかない。るちあは慌てた。
「ダメッ!!入ってこないで!!今着替え中だから!!」
「なんでもないの!!ちょっと寝ぼけて転んだだけだから!!」
「そうですか。気をつけてくださいね。おやすみなさい、るちあさん。」
「うん、おやすみヒッポ。」
そう言うと、ヒッポは自分の部屋に戻っていった。
「…ふーっ。危ないところだった。こんな姿海斗にさえ見せられないよ。」
るちあは、普段ドアの鍵をしないのだが、念のため、鍵をかけることにした。
バイブを挿したまま立ち上がり、ドアまで歩き鍵をした。
膣壁でバイブを締め付ける感じになり、振動が強く伝わり気持ちいい。
「ああん。変な感じ。」
ベッドの上に戻ると、気を取り直して続きをはじめることにした。
今度は仰向けになり、両脚を大きく広げた。そして、バイブを挿入し直した。
ゆっくりと奥まで潜り込んでゆく。
「はあっはあっ。やっぱり少しキツい。」
少し恐かったものの、今度は一気に押し進めた。
「よーし、いくわよっ。」「えいっ。」
ぬるっとした感触と共に、根元まで入りこんでしまった。
「ああん。全部入っちゃった。海斗のすべてが・・。」
今までに到達したことのない場所まで、到達した感触が伝わってきた。
そして、バイブのスイッチを最強にした。
思わず大きな声を出しそうになるが、唇を噛み声を押し殺した。
(海斗!!これすごいよ!気持ちいいよ!)
(私の中で海斗のすべてが大暴れしてる。)
「ハアっハアっ。ああん。」
しばらくその状態を堪能したあと、海斗が自身のモノでするように、
バイブをゆっくりと抜き差ししてみた。
るちあの膣壁の全部分に刺激が伝わる。
(病みつきになりそう!)
「ハアっハアっハアっ。くうっ。」
(も、もうイッちゃいそうだよ。)
「るちあ。」
不意に海斗の声が聞こえた。
「海斗!?」
「るちあ。俺はいつでもおまえのことを愛してる。」
「たとえ離れていても心はいつも一緒だ。」
「海斗っ。あたしもよっ。」「ああーーっ!」
るちあの意識は、海斗の声を聞きながら、恍惚の海に沈んでいった。
るちあは、しばらくぐったりとしていたが、すぐに正気に戻った。
バイブのスイッチを切ると、秘部から引き抜いた。
バイブは愛液にまみれており、ベッドのシーツにも大きな染みが出来ていた。
「はぁはぁ。海斗。」
「海斗の想い確かに伝わったよ。はぁはぁ。」
荒かった息も次第に落ち着いてきた。
冷静になってくると、膣口から内側にかけて熱く、なんだか痺れたように痒い。
自分の秘部がどうなっているのか、興味本位で覗いてみることにした。
星型のミラーを持ってきて、自分の両脚の間に置いて覗き込んだ。
普段、淡いピンク色をしていた粘膜が、今まで見たことがないほど赤く充血していた。
バイブを抜いたあとにも関わらず、膣はぽっかりと開いたまま、深々と口を開けていた。
そして、その口の内も外も愛液にまみれて、ギラギラと光っていた。
「うわ。こんなになっちゃうんだ。」「あたしったら、なんてイヤラシイんだろ・・。」
ミラーの角度を変えて、自分の顔を見てみた。
髪はとても乱れており、上気した顔に妖しい笑みが浮かんでいる。
いつも見る自分じゃないようだ。
「これが、あたし?」
どこか淫らな雰囲気のある大人の魅力に、一瞬ドキッとさせられてしまったのだった。
「あたし、あたし…、こんなにイヤラシイ女の子だったんだ…。」
自身も知らなかった自分の一面に、るちあは少しショックを受けていた。
「こんなこと、明日からやめよう。」
るちあは、シャワーを浴びてから、外にこっそりとシーツを取り替えに行った。
そして、ベッドに潜り込み眠りについた。
「おやすみ海斗。」
だが、翌日になると快感の誘惑に負けてしまうのだった。
るちあは、毎日のように、海斗のいない寂しさをオナニーで紛らわせた。
1ヶ月後、再び空港。
「るちあ。ただいま。」
「おかえりなさい海斗!優勝おめでとう!」
二人は強く抱きしめ合った。
「るちあ、なんかおまえ感じが変わったな。」
「どこか大人っぽくなったような。」
「そう?前とあまり変わらないと思うけど。」
「きょうは海斗の家でお祝いよ。ごちそうを作ってあげる。」
「で、そのあとは…うふふっ。」
「そのあとは?」
「一晩中寝かせないんだから、覚悟してよね。」
「え?」
以後、積極的になったるちあは、海斗によりさらに性的に開発されていくのだった。
王子さまとお姫さまは、こうして末永くセックスライフを楽しみましたとさ。
【おしまい】