海斗の自宅。  
夜もふけた頃、電気を消した部屋で、海斗はベッドに横たわり考え事をしていた。  
(るちあは元気だろうか?)  
3ヶ月ほど前、るちあは海斗の前から突然姿を消した。  
いや、るちあだけでなく、波音やリナも一緒に居なくなってしまった。  
パールピアリのにこらに聞いたところ、事情があって海の世界に帰ったという。  
居なくなる少し前から3人とも様子がおかしかった。  
何度か問いただそうとしたが何も教えてくれなかったのだった。  
 
「悩み事があれば相談すればよかったのに…。あいつ…。」  
もう過ぎたことをいつまでも考えていても仕方がない。そろそろ寝ることにした。  
コンコン。不意にバルコニーのガラス戸を叩く音がした。  
見ると、月明かりに照らされたシルエットが立っていた。  
その懐かしいシルエットにそれが誰なのか判らないはずがなかった。  
慌ててガラス戸を開けた。  
 
「るちあ!!」「海斗!!」  
「会いたかった!!」  
海斗はるちあを強く抱きしめようとした。しかし、るちあの腹部がやたらと身体に当たる。  
以前と違う感触に戸惑った。  
「るちあ!!おまえいったい?」「あっ!!海斗ダメー!!」  
海斗は、るちあから離れて電気をつけた。電灯の明かりが部屋全体とるちあを照らし出す。  
 
冬なのに服装はいなくなった頃のままだ。大きく膨らんだお腹がめくれあがったシャツからはみ出ていた。  
臨月を迎えたるちあの姿がそこにあった。  
「るちあ…。」  
「海斗。黙っててゴメンなさい。あたし妊娠してたの…。」  
「妊娠ってあのときの…。」  
海斗は花見の光景を思い出した。  
海斗たち男3人とマーメイドプリンセス全員が、入り乱れて交わり続けたあの狂乱の宴。  
 
「普通の状態で妊娠したなら喜んで海斗に報告したんだけど…。」  
「もし、海斗の赤ちゃんじゃなかったらどうしよう。そう思ったら怖くって…」  
「ずっと、『これはきっと海斗の赤ちゃんだ。』って自分に言い聞かせてきたんだけど…」  
「出産が近づくと不安で、海斗に会いたくって…、たまらなくて…」  
涙をぽろぽろと流しながら、るちあは今まで溜め込んでいたすべての気持ちを吐き出した。  
 
「るちあ…。そんな体でここまで泳いできたのか?」  
「そんなに不安なら堕ろすって方法もあったろうに。」  
「それは出来ないの。」  
「あたしたちマーメイドは、授かった命を絶ってしまうことは禁じられてるの。たとえどんな理由があったとしても。」  
「そうか。いかにもマーメイドらしいな。」  
 
「ひとりで悩まずに、もっと早く言ってくれればよかったのに。」  
「心配すんなよ。」  
「おまえがどんな姿になったとしても、そのお腹の子が誰の子だったとしても、」  
「俺のおまえへの想いは変わらない。もうどこへも行こうとするな。」  
「るちあ。愛してる。」「海斗。」  
涙をぽろぽろと流するちあを、海斗はやさしく抱きとめた。  
そして、久しぶりに熱いキスをした。  
目を閉じて交わすキスは、以前と何も変わらないのだった。  
 
「るちあ。おまえが欲しい。」  
「ええっ!!ちょ、ちょっと海斗!!」  
「あたし妊娠してるんだよ。こんなにお腹が大きくて醜くて…」  
「言ったろう、どんな姿になってもおまえへの想いは変わらないって。」  
るちあの後ろにまわり、るちあのお腹に手をやりさすってみる。  
はちきれんばかりの膨らみ様だ。  
「この中に赤ちゃんがいるのか。」  
 
るちあの胸に手をやる。  
「はぁん。」  
シャツをたくし上げ乳房を下から持ち上げてみると、以前に比べると重くなった感じだ。  
愛撫する前から乳首がピンと勃っている。  
「なんだか前より大きくなってないか?」  
「そうかも?それに最近、乳房が張った感じがして痛いくらいに苦しいの。」  
「今も苦しいのか?」  
「うん。まあ。」  
「揉んだら苦しいのが和らぐかな?」  
 
海斗はるちあの胸を揉んだ。  
「ああん。少し痛い。もう少し優しくして。」  
海斗は少しソフトにリズミカルに揉むことにした。  
「ふぅ。なんだか気持ち良くなってきた。」  
るちあは苦しいのが和らいで気持ち良くなってきたようだ。  
海斗は、人差し指と親指で乳首のところを挟むようにして、手のひらで乳房を揉んだ。  
不意に、るちあの乳首の先から、白い液体が点々と放物線を描くのが見えた。  
「ああっ!!」  
2人同時に声を上げてしまった。  
 
「今のは?」  
るちあの乳首の先と海斗の指に白いしずくが付着していた。  
海斗は、手に付着したものを舐めてみた。  
少し生臭い感じもするが、かすかに甘く暖かい。  
「なあ、るちあ、これおっぱいだぜ。」  
「ああああ…」  
るちあはショックと感動を覚えているようで、言葉が出ないらしい。  
もうじき赤ちゃんが生まれるのだから考えてみれば当然のことだが、初めてなのだから仕方がないだろう。  
 
母の温もりをあまり知らない海斗は、るちあのおっぱいにとても惹かれてしまった。  
言葉の出ないるちあをよそに、海斗は前に回り込みるちあの乳首を咥えた。  
「ひゃああっ。」  
そしておもいっきり乳首を吸った。口のなかに甘く暖かい味が広がる。  
「だめぇ!!海斗!!それは赤ちゃんの…!!」  
体を揺するが、海斗は離れてくれない。  
「だめ…。やめ…。ああ…。」  
るちあが感じると、母乳の出が良くなるようで、さらに海斗の口中は甘い香りで満ち溢れた。  
海斗は、両方の乳房の母乳をすべて飲み干すまで離れなかった。  
 
「ひどいよ海斗。グスン。」  
「ゴメン。るちあ。つい夢中になっちゃって。」  
「ところで出産はいつだ。」  
「えーと。予定日は2週間先だけど。」  
「じゃ、それまでにまたいっぱい溜まるだろうから心配いらないって。」  
「そうかな…。うんきっとそうだよね。」  
「それに胸は苦しくなくなっただろ?」  
「あ、そういえば。」  
いつもの笑顔のるちあに戻ったようだ。  
 
「そんじゃま、気を取り直して…。」  
海斗は服を脱ぎ始めた。  
「おまえも脱げよ。」  
そう言われ、るちあも服を脱いだ。  
海斗とるちあは、裸になり向き合った。  
「横綱みたいだぜ。」  
「!!」  
「なによ!!イジワル!!」  
海斗の軽口は以前のままだ、るちあは腹が立つよりも何より嬉しく思うのだった。  
 
るちあをベッドに座らせそっと仰向けにさせた。  
海斗は開かせた両脚の間に頭を潜り込ませ、そっとるちあの秘裂を開いた。  
先の乳房への数々の刺激もあったせいか、既に潤っていた。  
「こんど、ここから赤ちゃんがうまれてくるんだな。」  
海斗は少し感慨深げに言った。  
そして、いつもしていたように舌で愛撫し始めた。  
「ああっ。海斗っ。」  
久しぶりに海斗の舌の感触がるちあを刺激する。  
秘裂は海斗が欲しいと言わんばかりに、潤いが増し続けるのだった。  
 
海斗は立ち上がりるちあの両脚を持ち上げると、ベッドの段差を利用した形でるちあの秘裂に海斗自身を添えた。  
「いくぞ。」「来て、海斗。」  
海斗は挿入すると、激しく抜き差しを繰り返した。  
るちあの膨らんだ乳房やお腹も激しく揺れる。  
「ハァハァ。」  
「んっんっ。」  
お腹さえ出ていなければ、以前のるちあと何も変わらない。  
 
2人は体勢を変えた。  
「よいしょっと。」  
大きなお腹のため、るちあはとても動きにくそうだ。  
ベッドの上に横たわった海斗に、ようやくるちあが跨がり腰を落とした。  
あまり激しくは動けないものの、るちあは思いのまま腰を使うのだった。  
「ああ、るちあ。とてもキモチいいよ。もう出そうだ。」  
 
「さっき飲んじゃった分までたくさん出してもらうんだから。」  
「海斗のミルク、いっぱい注ぎこんで!!」  
「るちあ!!ううっ。」  
「さあ、あたしの膣(なか)を赤ちゃんの弟や妹でいっぱいにして!!」  
絶頂を迎えた海斗は、るちあの膣(なか)に注ぎ込んだ。  
 
「はあっはあっ」  
海斗は満足したが、るちあはまだじっとしたままだ。  
「るちあ?」  
「海斗っ!ダメッ!!」  
「え?」  
「ダメーーー!!!」  
気がつくと、るちあの身体が汗でいっぱいだ。  
「どうした!?るちあ!!」  
「う・・うまれそう…。」  
「うまれそうなの海斗!!どうしよう!!」  
「な!な!な!なんだってー!!!!!!!」  
 
さすがに、若くタフなマーメイドでも身重での長距離遊泳と性交は負担だったのだ。  
このあと、パールピアリからにこらやタキが駆けつけたりと、海斗の家はえらいことになるのだった。  
そして予定よりも少し早かったものの、元気な赤ちゃんが産まれたとのこと。  
ほんとよかったですね。めでたしめでたし。  
【おしまい】  
 
 

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