「見事な精神力ね、神城くん」  
 更衣室に戻ると、苺は椿にそう呟いた。  
「なにがですか?」  
 発言の意味を問いただす椿。  
 苺はぐるりと部屋の中を見回し、  
「ビキニも眩しいグラマラスな女教師」  
 話を聞いているのかいないのか、バスタオルを体に掛けて着替えを取り出すみずほ先生を、  
「マニアックな衣装に身を包んだ巨乳女子高生」  
 続いて椿を、  
「そしてろり」  
 最後に自分を指差した。  
「これだけバリエーションが豊富なら、どれか一つくらいには反応してもよさそうなものよ」  
 指を下ろして椿を見上げ、真顔で言う。  
「反応ってなんですか! それに、マニアックって」  
「なのに、私達と話をした後も前屈みになっていなかったわ。大したものね」  
 微妙に椿への答えとも取れそうな発言をする。  
 椿は一瞬その姿を想像してしまい、ぼっと頬を赤らめた。  
「それとも、見慣れているのかしら?」  
 苺にそう言われて、あの二人の顔を思い出す。  
「で、でもあの二人は家族かもしれないんだし」  
 思わず声を荒げてしまう。  
「でも、他人かもしれないのよね」  
 苺の冷静な指摘に、不安はどんどん膨らんでいく。  
「まあ、別にあの二人のことだとは言ってないのだけれどね」  
 その言葉ではっと我に返った。  
 つまり、苺に遊ばれたのだ。  
「もう、いい加減にしてください」  
 ふう、と一つため息をつく。  
 
 目の端にみずほ先生が映った。  
 もう下着まで着け終わり、ブラウスに袖を通している。  
 それにはそこそこ時間も掛かるはずで、要するに二人の会話に関係なく、ひたすら着替えに 
専念していたということか。  
 その見事なマイペースに、椿はどっと疲れが出たような気がした。  
 さておき、自分もさっさと着替えないと。  
 濡れた髪をタオルで挟み、ぱたぱたと軽く叩いて水気を取る。  
 体についていた水滴は、話をしているうちにかなり乾いてしまっていた。  
 生乾きで体に纏わりつく水着を、肩紐やお尻の横から滑り込ませた指で一旦引き剥がす。  
 どのみちすぐに脱いでしまうとはいえ、気になるものは気になるのだ。  
 その様子を、苺はじっと見つめていた。  
 なにげなく椿に向かって歩き出し、正面で止まる。  
 そして、がばっ、とおもむろに抱きついた。  
「ちょ、ちょっと会長! 何するんですか!」  
 椿はいきなりのことにひたすら驚きながらも、苺の肩を掴んで引き離そうとする。  
「なんていうか、ムラムラきたわ」  
 二人の身長差のせいで、お互いが立ったまま真正面から向かい合うと、苺の頭はちょうど椿の 
胸のところにくる。  
 ぴっちり体を密着させた苺は、椿の豊満な胸に顔を埋めながら話を続けた。  
「こんな素敵な肢体を見せつけられてるんだもの、欲情するのはむしろ当然と言えるわね」  
 少しだけ視線を上げて、椿の顔をじっと見つめる。  
「でも、私たち女同士じゃないですか」  
「私は気にしないわ」  
「会長が気にしなくても、私が気にするんですっ!」  
 そうしている間も、水着越しに背筋や腰を微妙なタッチで撫でて刺激を与え続けることは忘れ 
ない。  
 それは着実に効果を顕わしつつあり、椿は腕の力が少しずつ抜けていっているのが自分でもわ 
かった。  
 体全体が、熱を帯びてきている。  
 苺の指が動くたびに、小さい波が全身に走り、ゾクゾクと体が震える。  
 それはまだほんの小さなものだが、このままではいずれ堪え難い大きさになることは明白だっ 
た。  
 
「せ、先生も、見てないでなんとかしてください!」  
 砕けそうになる膝を懸命に押し留めてなんとか声を上げ、椿は第三者に助けを求めようとした。  
 しかし、  
「あ、あの、先生お邪魔みたいだしそろそろ失礼するわね」  
 日頃からそのボケっぷりで高名なその女教師は、ここでもその能力を最大限に発揮してくれた。  
 その割に、きっちり着替えは済ませているところはしっかりしていると言うべきなのか。  
 とにかくその勘違いをなんとかしないと、自分の貞操が大ピンチだ。  
 急ぎ言葉を繋ごうとしたが、そこに生徒会長が割り込んできた。  
「みずほ先生、別にゆっくりしていっても構いませんよ。私は、見られていても気にしませんし」  
 顔だけを女教師に向けてそう言い放つ。  
「それにきっと、副会長は見られていたほうが」  
 そこまで言ったところで、  
「そ、それじゃ先生、職員室に戻るわね。プールの鍵、ここに置いて行くから」  
 みずほは普段ののんびりした口調が嘘のように早口でまくし立てると、飛ぶように立ち去ってし 
まった。  
「せ、せんせい……」  
 椿は自分の置かれた状況も忘れ、呆然となっていた。  
「残念だったわね」  
 苺はそう言うと、改めて椿の胸に顔を埋め直した。  
「あ、あんなこと言ったら普通逃げますよ! なんてこと言うんですか」  
「あら、先生がいたほうがよかった? もしかして本当に、見られているほうが感じる?」  
「そ、そんなわけないでしょう !?」  
「なら特に問題はないわね」  
 いつものように抑揚のない口調は、妙な迫力がある。  
 その物言いでぴしゃりと断言されてしまうと、なんとなく言い返せなくなってしまうのだ。  
 とは言え、ここで引っ込んでしまうわけにはいかない。  
「問題ありますよ! こんなこと、女同士で」  
 押し問答の間も、苺の手は椿の下半身を這い回っている。  
 
 正直、椿のほうはすでに立っているだけで精一杯だった。  
 膝はガクガクで、苺の肩に置いた手は振り払うためではなく、自分を支えるためのものになって 
いた。  
 指が内腿やお尻の間を辿るたびに声を上げそうになる。  
 だが、ここでそんなことをしてしまったら取り返しがつかなくなる気がして、なんとか押さえつ 
けているのだ。  
「別に、異性間でなければしてはいけないということはないわ。少なくとも、法律にも校則にもそ 
んな項目はないはずよ」  
 そりゃあそうだが。  
「そ、それは譲るとしても、別に好きでもない相手に、こんな」  
 そこで譲ってしまうのもどうかという気もするが、椿はすでにそこまで頭が回らなくなっていた。  
「そう? 私は、貴方が好きよ」  
 突然の告白に、椿はその意味を一瞬図り損ねる。  
「そ、そんな嘘を」  
 我に返ると、慌ててその言葉を否定した。  
「嘘じゃないわ。ずっと好きだった」  
「で、でも私は」  
「貴方が神城くんのことを好きだ、なんてことは知ってるわ。でも、そんなことは関係ない」  
 指が太腿の間を、前に向けて這っていく。  
「私は貴方が好き。それで充分でしょう? 他のことには何の意味もない」  
 いつの間にか、苺は言葉の間に首をそっと左右に傾け、椿の乳房に水着の布越しに口づけを繰り 
返すようになっていた。  
 布の向こうから苺が胸に吸い付き、その度に椿はぴくんと体を震わせる。  
「別に、受け入れられなくても構わないわ。でも、そうね、ならこの指を」  
 それまでは会陰の部分で止められていた指が、ついに秘所に触れた。  
「んうんっ!」  
「神城くんだと思いなさい。それならいいでしょ?」  
「神城くん……」  
 苺の低い声が、体の芯まで響き渡る。  
 この指は、神城くんの指。  
 指は布越しに、的確に敏感なところを撫で、擦る。  
 実際には、その指は正常に発育している高校生男子である神城麻郁のそれとは似ても似つかない 
くらいに細い。  
 しかし。  
 今、私の大事な所を、神城くんの指が弄っている。  
 そう意識してしまうと、もうダメだった。  
 
「ふああっ」  
 膝が砕け、堪えていた声が漏れる。  
 目には涙が溢れ、唇の端から涎が零れ落ちた。  
 苺がゆっくりと後ろに下がると、支えを失った椿はぺたんとその場に尻をついてしゃがみ込んだ。  
 苺はその前に膝立ちになると、  
「椿。キスして」  
 そう言って椿の頬に手を当てた。  
 椿はゆっくりとした動きで苺を見上げると、ぼんやりしたその輪郭に顔を近づけ、唇を押し付けた。  
 
 
 
 
「か、会長……っ」  
 苺の唇が首筋を這い、鎖骨を優しく噛む。  
 椿の水着は肩紐をずらされ、その豊かな胸が完全に露出している。  
 幾度か苺の口付けや愛撫を受けて、そこはすでに硬く尖っていた。  
 ゆっくり降りてきた唇が、また乳房に触れる。  
「ぅんんっ」  
 上気して薄桃色に染まった椿の乳房に、苺の小さな唇が吸い付いた。  
 唇の隙間からちろちろと舌を覗かせ、肌をそっと舐める。  
 カチカチに尖った乳首を口に含み、軽く吸った。  
「くぅっ」  
 敏感なそれに舌を押し付け、先端でころころと転がす。  
 苺の触れたところから全身に痺れるような快感が疾り、椿はその度にきつく目を閉じ、口を引き 
結んで耐えようとする。  
 唇の端から漏れた涎は、顎を伝わり首筋にまで届いていた。  
 胸を離れた苺の唇が、鳩尾から腹部へと下っていった。  
 進むに従って水着も脱がされていく。  
 
 ついに陰部を残すのみになり、そこにもいよいよ苺の手が掛かった。  
「かい、ちょお……っ」  
 さすがに抵抗があるのか、椿が不安そうな目で苺を見る。  
「怖がらないで、椿。大丈夫」  
 いつになく優しい表情で椿を宥める苺。  
「で、でも」  
「心配しないで。こう見えても私、貴方よりずっとお姉さんなんだから」  
 その言葉はいつものような起伏のない声ではない、椿を包み込むような慈愛に満ちた響きを帯び 
ていた。  
 それを聞いた椿の体から、力みが取れていく。  
 もっとも、緊張が解けた原因は「こう見えても」という言葉と、それにしたって限度があるだろ 
うと思わずにいられない苺の容姿とのギャップにもあるのかもしれなかった。  
 ともあれ、椿の目から怯えが消えたのを見てとると、苺は水着をゆっくりと脱がしていった。  
 お尻に手を回し、肌に密着した布を引き剥がしていく。  
 進むうちに、苺の指が布を通して床に触れた。  
 ここから先は、椿の協力なしでは脱がせない。  
 どうしようか、と内心で思いながら苺は椿の柔らかいお尻と床の間に指を忍ばせていく。  
 すると、椿の腰がすっと浮いた。  
 苺が視線を上げると、椿は頬を真っ赤に染めてさっと目を逸らす。  
 苺は少し動作を速めて、床とお尻の間から水着を抜き取った。  
 お礼の気持ちを込めて、布を引き抜くときにお尻の白い双丘の谷間に指を潜らせ撫でていくこと 
も忘れない。  
「ひゃんっ」  
 思わず腰をさらに浮かす椿。  
 その動作は、図らずも苺の眼前にアソコを突き出すことになってしまう。  
 どうぞとばかりに差し出されたそこに、苺は口づけをした。  
「か、会長っ。そこ、きたな……」  
「あら、椿はお風呂でココは洗ったりしないの?」  
「そんなことありませんけど、でもそれとこれとは」  
「なら汚いなんてことはないわね」  
 椿の言葉を強引に遮り、その奥に舌を伸ばす。  
 ぴちゃ、ぴちゃ、とわざと音を立てて舐める。  
 
「ああっ」  
 椿がぺたんと尻餅をついた。  
 苺は両手を椿の膝の内側に添えると股間に顔を埋める。  
 更衣室の中に、ぴちゃぴちゃという音と共に二人の放つ甘い匂いが充満していく。  
 椿のそこはもう充分に湿り、尻を伝った蜜が床に染みを作る。  
 湧き出す泉の中心を指で押し広げると、  
「とても綺麗よ、椿」  
 そう言ってじっと見つめる。  
「あ、いやぁっ」  
 椿は小さく身を捩るだけで、それ以上は体を動かせないようだった。  
「ふふ、可愛いわよ」  
 苺はそこに唇を強く押し当てると、先ほどまでよりさらに深くへと舌を侵入させていった。  
 襞を一枚一枚、丹念に舐めていく。  
「うあっ、あっ」  
 椿の腰がびくんびくんと大きく跳ね上がる。  
 入り口と内側の壁が、苺の舌をきゅうきゅうと締め付けていく。  
「そろそろ、かしらね」  
 苺は舌を引き抜き、体を起こした。  
 椿の両脚に通されたままだったスクール水着に手をかけると、するすると引き抜いていく。  
 左脚から完全に水着が抜けたところで、椿が物欲しそうな眼でじっとこちらを見つめているの 
に気付いた。  
「せっかちね。ふふ」  
 椿にそう応えると、自らも水着を脱いでいく。  
 下半身のみ脱ぎ去ると、水着と秘裂の間に蜜がつぅっと糸を曳いた。  
 椿の左脚を持ち上げて、右脚を跨ぎ、露わになった秘部に自らの秘部を重ねる。  
 ちゅっ、と濡れた肉の触れ合う音がした。  
「じゃあ、いくわよ」  
 椿の返答は待たず、苺は腰を動かし始めた。  
 媚肉が擦れ合い、じゅっ、じゅっと蜜が泡立てられていく。  
 椿はきつく目を閉じて、襲い来る快感に耐えようとする。  
「ふあ、ああっ、うああっ」  
 半開きになった口からは喘ぎが漏れ続け、端から垂れ流された涎が床で池を作っていた。  
 苺が時折動き方を変えると、二人の陰核がぶつかり、その度に椿の嬌声のトーンが上がる。  
 
 次第に、椿も腰を動かし始めた。  
 その動きはぎこちないものの、新たな快感となって二人を刺激する。  
「か、会長っ!」  
「つば、き……っ」  
 椿の脚を抱える苺の手に力が籠もり、体の動きが激しさを増していく。  
 汗と苺の唾液に塗れた椿の胸が、動きに合わせてたぷたぷと揺れる。  
 二人の体に、ぶるぶると大きな震えが走り始めた。  
「か、かいちょ……かい、ちょおっ!」  
 椿は全身を駆け巡る快楽の波の大きさに翻弄されてしまっている。  
「大丈夫よ、椿……もう、少しだから……」  
 苺は努めて落ち着いた言い方で椿に話し掛けると、トドメとばかりに一際深く、ぐりっと押し付 
けた。  
「あ、あああぁぁぁぁ……っ!」  
 がくがくと激しい痙攣が二人を襲った。  
 椿の上体が、大げさなくらいに跳ね上がる。  
 苺は椿の脚にぎゅっとしがみついて駆け抜ける波を凌いだ。  
 くたっと横に倒れ込むのを、なんとか手を床について堪える。  
 椿は、と見ると、大きすぎる絶頂感に耐え切れず失神してしまっていた。  
 
 
 
 
 椿が目を覚ますと、右脚に絡みついていたはずの水着が無くなっていた。  
 代わりに、素っ裸の体にはバスタオルが掛けられている。  
「気がついたようね」  
 その声にびくっと肩を震わせた椿は、胸のところでバスタオルを押さえて下を隠すと声の方に 
振り返った。  
「会長」  
 苺はすっかり着替えも終えて、窓辺に置いた椅子に腰掛けていた。  
 両脚を揃えてちょこんと座っている様子は、まるで人形のようですらある。  
「さて、こうして二人で激情に身を任せてみたわけだけれど」  
 その言葉に、椿は瞬時に現実に引き戻される。  
 女同士で、とか。  
 しかも、年上だとはいえ、子供みたいな外見の女の子に、とか。  
 さらには思いっ切りイかされてしまった、とか。  
 色々な意味でうちのめされて、椿はがっくりと項垂れてしまう。  
「どうしたものかしらね」  
「それはこっちが聞きたいです」  
 言い返す言葉にも力がない。  
「そうね、とりあえず」  
 苺が椅子を降りた。  
 仰ぎ見た窓の外では、太陽が西の空に沈み始めている。  
「定番ということで、お姉さまと呼んでもらおうかしら」  
 夕日を浴びて全身を真っ赤に染めた苺は、そう言い放つと意味有りげに含み笑いを浮かべたの 
だった。  
 

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