深衣奈と樺恋は、昨日の麻郁の言葉が気になって  
学校で麻郁の側に居るよりは  
先生に相談でもしようかと話し合っていた。  
といっても、マトモに2人の話題を話し合える先生など  
普通、居るモノではない。  
居るモノではないのだが、何故かこの学校には居た……。  
そして、その先生も……黄色い謎の物体に  
偵察させてきた、今までの日々の『超問題』に神経を尖らせ  
話をしたいと思っていた所であったのだ。  
この3者の利害(?)は一致し、  
深衣奈と樺恋が先生に相談事をと、  
先生に職員室で話しかけたとき、  
先生も、話す事があると言って、いつぞやの体育倉庫に  
2人を連れ立っていたのだった。  
そして、みずほ先生は、誰も来ない事を見計らって  
倉庫の中で口を開く。  
「あなた達っ、2人でして居る事が分かっているの!?  
 不純異性交遊と不正同居と近親相姦よっ!?」  
人差し指を前に出し、ちょっと怒った顔でみずほ先生はそう言う。  
その叱られた内容に、2人は騒然となった。  
「みずほ先生、何でそんな事知っているんですか?」  
「みずほ先生、何でそんな事知っているんですか?」  
2人の声がハモる。  
「あ……」  
みずほ先生は、いきなり墓穴を掘った。  
 
慌てて体をのけぞらし、蒼白になるみずほ先生。  
「えっと…その……それは宇宙からのパワーっていうか……」  
みずほ先生は、受け身っぽく体をくねらせて意味不明の事を言う。  
ただし、先生の言っている事に間違いは無かった…のだが…  
2人はそんな先生の言葉に、首を左右に振る。  
「全然わかりません」「全然わかりません」  
わかるわけがなかった。  
「コホンッ! とにかく先生は先生独自のルートで  
 あなた方の私生活の問題を知る事になったんですっ!  
 いいですかっ!?」  
咳払いをわざとらしくしながら、みずほ先生はそう言った。  
その言葉を聞いた深衣奈はカチンときて、先生に噛み付く。  
「ひっどぉーいっ! それってば私達と麻郁の生活を  
 先生がデバガメしてたった事ですかっ!?」  
深衣奈は歯に衣着せぬ言葉で、そう言った。  
また墓穴を掘ったみずほ先生は、ひぇぇっと後ずさる。  
そんなとき、  
「デ、デバガメですか……深衣奈さん……  
 そんな……亀さんを使うなんて………動物虐待ですよぉ…」  
そんな深衣奈に樺恋は横から彼女らしいボケを入れる。  
その場の2人が樺恋の言葉に仰け反った。  
 
「ちがーっう!! デバガメってのは亀の事じゃ無くってっ!」  
「そうよっ!小野寺さんっデバガメっていうは、  
 まりえを使って……」  
2人が樺恋に異を唱えようとした瞬間、  
みずほ先生は更なる墓穴を掘る。  
「………………」「…………………」  
深衣奈と樺恋の冷たい視線がみずほ先生を襲った。  
みずほ先生は、  
2人に事情の説明を否応なしに要求されるのだった。  
 
かくかく、しかじか……  
 
その、ちょっと曖昧に暈かされた情報も含みながら、  
みずほ先生は深衣奈と樺恋と麻郁の御乱行を、  
随分前から察知していた事を喋らされるのだった。  
2人は唖然となる。  
「そんなのひどいですぅ」「そーよ、そーよっ!」  
みずほ先生のデバガメ行為に2人は抗議するしかなかった。  
 
しかし、その時になって  
ようやくみずほ先生も自分の職務を思いだす。  
「デバガメをしていた事は、私が悪いわ……  
 それは謝ります。  
 でも、それより問題はあなた達よっ!!  
 幾ら両思いの3人でいるからって、節操がないのは問題よっ!」  
そう言ってみずほ先生は、会話の主導権を取り戻した。  
その、校則違反っていうか社会的違反を犯している事を  
2人は突きつけられて、青い顔になるしかなかった。  
こんな事が学校にバレたら、麻郁もろとも施設帰りだ…。  
それを連想して2人は、みずほ先生の存在に恐怖した。  
みずほ先生は更に続ける。  
「良いですかっ!2人ともっ!  
 Hをするときは、せめてゴムくらい付けなさいっ!!  
 最優先事項よっ!!」  
眉間に皺を寄せたままで、みずほ先生はそう叱った。  
ドンガラドッシャン。  
2人は、みずほ先生があまりに  
ピントのぼけた事を叱ったものだったので、  
何も転けるモノなど無いというのに器用にその場でずっこけた。  
「ちょっと、せ、先生っ!! 叱る所はそこですかっ!!」  
「ゴムさんは、あんまり気持ちよくはないですぅ……」  
2人は倒れた所から立ち上がって、声を張り上げる。  
 
深衣奈は真剣に怒鳴ろうとしたが、  
隣の天然ボケの言葉を同時に耳にして一瞬、目眩を覚えるしかなかった。  
(ああ……このボケはぁぁ……)  
しかし何とか意識を保って、樺恋の頭を押さえ込みながら  
先生に肉薄する深衣奈。キッと先生を睨む。が、しかし……  
「宮藤さん、保健体育でも習ったでしょう!?  
 最近はゴムも付けずに妊娠して堕胎で困る女子生徒が増えて  
 社会問題だってっ!」  
先生は、あくまでボケを押し通すつもりの様だった…。  
(うわぁ……樺恋と同じレベルで天然だぁ……)  
深衣奈はみずほ先生との口論が平行線を辿る事を本能的に察知した。  
樺恋とのやり取りで不思議モードには随分慣れたからだ。  
その為、いつもの様に会話の流れを合わせる事にしてみた。  
「ごめんなさい、先生……  
 次からはちゃんとゴムを付けてHしますから……」  
絶対にこの回答は何か違うと深衣奈は思ったが、  
ともかく、試してみる。駄目で元々だ。  
その言葉にみずほ先生は相互理解が出来たと認識したのか  
顔を太陽のようにぱぁっと明るくさせて、  
「そうっ♪ わかってくれて、先生嬉しいわっ」  
と、そう言った。  
樺恋も仕方ないとばかりにコクコクと首を振るので  
みずほ先生は、樺恋の手を取って小躍りする。  
そんな2人の様子を目にして、やっちゃらんねー、  
と深衣奈は表情を歪めて、今の現状に溜息を零すしかなかった。  
 
2人でキャッキャと手を手を取っている光景を見ながら  
深衣奈はおずおずと口を開いた。  
「あのぉ……先生……不純異性交遊とか…それよりも……  
 近親相姦とか……それは……問題じゃないんでしょうか?」  
深衣奈は、むしろ相手が完全に惚けているその点に対して  
完全に惚けられた事そのものに恐怖を覚え、  
触れなくてもいいのにそれに触れてしまった。  
言って、しまったっ、と自分の迂闊を呪う深衣奈。  
しかし、その発言にみずほ先生はきょとんとした顔になる。  
「え? そんな事、地球では問題なの?」  
みずほ先生は素で返した。  
深衣奈はみずほ先生の回答に、更に渋面になる。  
「え、先生、地球って……  
 そんな宇宙人みたいな言い方はないんじゃないですか?  
 近親相姦なんて、どこの国でも大問題ですよ……」  
深衣奈は、なんだかやっぱり話の噛み合わない先生の言葉に顔を左右に振る  
「そ、そうなんだっ! ごめんなさいっ  
 先生、勉強不足で……、宇宙では別に近親相姦とかなんて  
 特別な問題でもないわけだし………」  
そう言ってみずほ先生は冷や汗をかきながら回答する。  
その回答は今日、最強の墓穴だったのだが、  
流石にその墓穴の意味を深衣奈も樺恋も理解できなかった。  
ただ、この天然な先生の言葉に懐疑心を深めるだけである。  
 
その2人の視線を感じて、  
ようやくみずほ先生も自分の墓穴に気付くワケだが……、  
流石に想像力の翼が幾ら大きな人間でも、  
目の前に宇宙人が高校の先生として闊歩しているなぞ、  
なかなか想像出来る事でもないわけであって、  
平凡な感性の2人は、更に想像力に乏しく、  
『そんな事』を思いつくわけもなかった。  
「えっとぉ……つまりね…………」  
みずほ先生は現在の状況を最大限、  
誤魔化す言葉を一生懸命探し始めた。  
そして湯気が出るまで考えつくした挙げ句、遂に最強の言葉を見つける。  
「愛よっ! 愛っ!!」  
みずほ先生は、桂と自分との強い絆を思いだして、  
その問答無用の言葉を叩き上げた。  
「あ、…愛ですか?」「あいぃ…ですかぁ……」  
2人は、いきなりみずほ先生が  
でんぐりがえった言葉を吐いたので目が点になる。  
「3人は愛し合っているワケでしょうっ!?  
 これに勝るお互いを結びつける理由なんて無いわっ!!  
 不純異性交遊も近親相姦も、お互いを愛し合っている気持ちが  
 本気も本気の本気モードなら、  
 地球でも宇宙でも、そんな事は些細な事でしかないのよっ!!」  
そう言ってみずほ先生は拳をグーにして手を高々と上げた。  
 
「……………」「み、みずほせんせぃ……」  
深衣奈は唖然としながらも、恥ずかしげもないみずほ先生の言葉に  
息を詰まらせ、樺恋は兄と妹という障壁などモノの数では無い事を  
先生に指摘されて感動するしかなかった。  
「そうよっ!! 一番大事なのは、お互いが好きって事で、  
 宇宙ぐらいまでどれだけ隔てられても、絶対に離れたくないって思う  
 気持ちの高ぶりなのっ!! 愛なのよっ!!」  
そう言ってみずほ先生は、  
今の自分の立場に至るまでの事を思いだしてウットリした。  
そう、桂を求めて公職を辞してまで、この地球に無断駐在で飛び込んだのだ。  
これが、愛のパワーでなくて、何だというだろうか!?  
それを思って、先生は不適な笑みを浮かべる。  
しかし次に瞬間には、みずほ先生は先生の顔に急激に戻った。  
「でもね、宮藤さん、小野寺さん、  
 愛が溢れていたとしても、節操は大切なの……  
 間違って赤ちゃんでも出来ちゃったら、堕胎とか学校を退学とか  
 神城君含めて、みんな困る事でしょう?」  
そう言って、みずほ先生の言葉にウットリし始めている2人の前に戻り  
ぴっと、人差し指を向けて先生はそれを指摘した。  
その指摘に、ウットリしていた2人は、急激に現実に戻される。  
 
「せめて20歳になるまでは、ゴムでも付けて用心して欲しいのっ!」  
そう言ってみずほ先生は、問題の中心点からやや逸れた所を再度勧告した。  
しかし、2人は、そのポイントを指摘された事で  
逆に、自分達の相談したかった事の本質を思いだす。  
「そ、それなんですっ! 先生っ!」「そうですぅっ!それですぅっ!」  
2人は声を合わせて自分達の相談事を口にした。  
「え? それ……って?」  
みずほ先生は、逆に自分に食いつかれた事に驚くしかなかった。  
 
かくかく、しかじか  
 
深衣奈と樺恋は昨日の麻郁の意味不明な発言に悩んでいる事を先生に告げた。  
「えええええっっっ!? 神城君は、宮藤さんと小野寺さんと  
 子供が作りたいって思っているわけぇ!?」  
2人は先生の言葉にお互いを見合わせながら、  
多分そうという風に、コクリと首を振る。  
 
「先生が今、危惧してくれた事は私達も十分、意識してますけど……  
 それよりも、麻郁が、子供欲しいなぁって言ってるんで  
 私達、どうしたらいいのか、わかんないんです………」  
そう言って深衣奈は、麻郁の本当の気持ちを完全に見誤って  
先生という人種には、普通は相談して良い類でない事を相談した。  
しかし、この先生には、一般の常識は通じない。  
そこが2人のかなり救われる所だった。  
「マズイわっ!! それはとってもマズイわっ!!  
 確かに愛は宇宙を越えるパワーですけど……  
 節操は、生きるための知恵なのっ!!  
 あなた達が、将来、子供作るのに先生は反対しませんけど  
 今は絶対に駄目ですっ!! 駄目ぇぇっ!!」  
そう言ってみずほ先生はすがりつく。  
その言葉に深衣奈は、泣きそうになった。  
「そんな事、私達だってわかってますっ!!  
 でも、麻郁が子供欲しいって言い出している意味がわかんないんですっ!  
 麻郁が一番、家の家計の事、理解してるのに、  
 それでもそんな事言うなんて異常だと思いますっ!!  
 だから、先生に、男の人が子供欲しいって思う時って  
 どんな時なのか、教えて貰いたくって………」  
そう言って、深衣奈は相談したい内容について打ち明けた。  
 
それは、やっぱり先生に、それも女の、に相談するような内容ではなかったが  
溺れる者は藁をも掴むという心境だろう。  
樺恋ともども、どうすればいいでしょうか? と  
涙目になって、みずほ先生に懇願するしかなかった。  
それにみずほ先生は、状況の深刻さを悟る。  
「ちょ、ちょっとそれは……私にもわからないわ……  
 でも、これは大問題ですっ!   
 あなた達2人の人生を壊してしまうくらい大問題ですっ!   
 その問題は、今度、直接、神城君に問いただします……  
 ですから、良いですか? 宮藤さん、小野寺さん?  
 神城君が、子作りを目指して軽挙妄動しようとした時に、  
 あなた達は、将来の事を考えて、絶対に冷静に対処しなさい!?  
 情に流されて『出来ちゃいました』じゃ、問題は悪化するだけです。  
 自分の体は、自分で守るんですよ?」  
そう言って、みずほ先生は念を押した。  
その言葉を聞いて、深衣奈と樺恋は釈然としなかったが  
圧倒的に混迷な状況から、事態が微妙に変化したので  
先ずはこれで良しとするしかなかった。  
「はぁーい」「はい…わかりました、先生……」  
2人は、そうやって、力無い返事を返すしかなかった。  
 
 
家に慌てて帰り、明日の神城君と談判を考えるみずほ先生。  
家にのんびり帰り、明日の神城君の行く末が  
どー転がっていくのかを想像して楽しんでいる桂。  
そんな2人が、その顔を合わせたのは、  
時に帝国歴3年、宇宙歴789…ええい違う  
だいたい、夕方ぐらいだった。  
「桂君っ! 聞いてっ聞いてっ!!、大変なのっ!!」  
みずほ先生は、深衣奈と樺恋からもたらされた驚異的情報を  
1人心の中に留める事が出来ず、桂に泣きついた。  
「ど、どうしたの!? 先生っ!!」  
慌てふためくみずほに駆け寄る桂  
「どうしたもこうしたもっ 神城君がっ  
 かくかくしかじか、しかじかかくかくっ!!」  
みずほ先生は深衣奈と樺恋よりもたらされた誤情報を  
のべつまくなしにまくし立てた。  
「………………」  
2人の同居人より伝達された、  
みずほ先生の誤情報を聞いて目が点になる桂。  
 
「どうしようっ?!桂君っ!!  
 神城君が軽挙妄動に出て、宮藤さんと小野寺さんに  
 無理矢理妊娠なんかさせたら、大責任問題よぉぉ〜〜」  
そう言ってガクガクブルブル震えるみずほ先生。  
「冷静に見える神城君でも、男の子だもん……  
 あの年齢の男の子の頭の中は、Hな妄想で一杯なのよぉ〜  
 宮藤さんと小野寺さんの体を使って、  
 調教、SM、青姦、被虐、放置プレイと……」  
みずほ先生は、真っ青に成りながら、  
地球の『エロ漫画』という書物で得た知識を桂の前で披露する。  
「そんな極端な……」  
桂は、エスカレートするみずほ先生の妄想に、苦笑するしかなかった。  
いや、陵辱的で無く相思相愛であるという点だけを踏まえると  
みずほ先生の言いようも、当たらずしも遠からずではあったのだが…。  
ともかくみずほ先生は、自分の想像で自分で震えるしかなかった。  
そんな恐慌状態に陥ってるみずほ先生に、  
桂はアハハハと乾いた笑いを漏らす。  
「えっと……先生……先生に、頼まれて……  
 神城君と僕も話し合ったんだけど………  
 どーも、そーいう事じゃ無いらしいよ?」  
そう言って桂は頬をかいた。  
 
「えっ!? 桂君、神城君とお話してくれたの!?」  
桂に頼んでみた事柄を、  
桂がつつがなく執り行ってくれた事を聴き、  
みずほ先生の顔は明るくなる。  
「うん……神城君の悩み……聞いたんだ………  
 それは……かくかくしかじか、しかじかかくかく……」  
桂は麻郁との語り合いで知った、  
麻郁の今の悩みを、微笑みながらみずほ先生に伝える。  
「…………………」  
誤情報がクリアになり、大大問題と青ざめていた事が  
全く180度、反転された事に、みずほ先生は頭が真っ白になる。  
そのまま、暫く、数分間……  
「……先生?」  
桂は固まったままのみずほ先生に、  
冷や汗を流しながら反応をうかがった。  
「桂くぅ〜ん……」  
みずほ先生は、硬直が溶けた瞬間、  
突然目の中に涙をたっぷり浮かべて桂にウルウル瞳を作った。  
「…先生!?」  
 
あまりにウルウルしているみずほ先生に対応に困る桂。  
「桂くぅ〜ん、それは感動的な事よぉ〜、神城君はぁ〜  
 宮藤さんと小野寺さんと今すぐにでも子供作るべきよぉ〜」  
みすほ先生は、リビングでペタンと座りながら、  
そう言ってピーピー泣き出した。  
「ちょっと、ちょっと、先生っ、今さっきは、  
 軽挙妄動で、神城君が変な気を起こすのを、  
 どう阻止すれば良いかって、僕に相談したのに、  
 そんな真反対な事言って、どうするのさっ!?」  
桂は、みずほ先生の可愛らしい泣き顔を胸に抱きしめ  
髪を撫でて、よしよししながら、先生の爆弾発言をなだめた。  
「だってぇ〜、桂くぅ〜んっ、捨てられた自分達を  
 自分達で拾いたいって……素晴らしい話じゃない〜〜  
 先生、感動して涙が止まらないよぉ〜〜」  
麻郁の心の中の絶叫を前にして、  
みずほ先生は、またピーピー泣くしかなかった。  
はにかんで笑いながら、桂はみずほ先生を優しく抱きしめる。  
「そうだね……神城君って……  
 僕と違って、あんな年でも物凄い前向きな子だと思う……」  
言って桂は少しだけ嫉妬心を感じた。  
 
桂は、停滞で停まり続けた過去の自分の情けなさを思いだすと、  
とにかく、どんな状態でも前を向いて歩いている麻郁が  
とても羨ましい人間像だと思う。  
自分もそういう面が有れば、停滞なんかする事も無かったのに…  
と、そう思うと、それは矛盾だな…と桂は苦く笑った。  
「でも、先生、神城君達は、答えを見つけなきゃいけないんだ……  
 僕たちが見つけたのと同じように……  
 彼らなりの答えを……」  
そう言って桂は、停滞が有ったからこそ出会えた大切な人と  
大切な自分達の結論の事を思いだして、先ほどの自分の思いを否定した。  
そう、答えは人によって千差万別。  
彼らはどんな答えに到達するのか…。  
それを想像して桂は、柔らかい表情を作り、みずほ先生を見つめる。  
「ねぇ、先生……、僕たちに出来る事は、  
 それを、ちょっとだけ支えて上げる事……かな?」  
そう言って桂は、泣き続けるみずほ先生に、  
自分達のあるべき姿勢を考えて伝えてみた。  
その桂の言葉にみずほ先生は納得し、  
ウンウンと泣きながら首を振って答える。  
「ええっ 桂君っ 支えてあげましょうっ……  
 私達に出来る限りの事でっ………」  
みずほ先生も、ちょっと大人になった桂の発言に  
感無量に成りながら、  
ワンワン泣きながら首を振り続けるしかないのであった。  
 
「ねぇ桂くぅん……」  
みずほ先生は布団の上、ネグリジェ姿で美脚にそっと手をやって  
太股をなぞりながら、甘い声を桂にかけた。  
「…先生?」  
今日は妙に艶っぽい声で誘う事に、それだけで心拍数を上げる桂。  
桂は、そっとみずほ先生の胸の中に頭を埋め、抱き合った。  
みずほ先生は、両腕を回し、少しだけ強く桂の頭を胸に埋めて、  
桂の息づかいを胸で感じ、それだけで興奮を高める。  
「何だか神城君達の話を聞いてたら、私も急にお腹の辺りが切ないの…」  
そう言ってみずほ先生は桂の手を取り、  
自分の柔らかいお腹に桂の手の平を誘う。  
桂は、無言のまま、何度も愛撫してきたそのお腹をさすった。  
「……先生は……どうしたい?」  
そう言って桂は、みずほ先生のお腹からそっと手を移動させ  
その下部、みずほ先生のアソコにその指を沿わせた。  
「あんっ! もぉ桂君っ……、そんなにせっかちにしないで……」  
みずほ先生は、桂の性急な性感帯への愛撫に頬を染めながら  
それでも桂の手を取って、その手を自らの太股に沿わせて、  
体全体を愛撫するように無言で求める。  
みずほ先生の潤んだ瞳と、その仕草で、彼女の欲求を理解する桂。  
桂はみずほ先生の唇に自らの唇を重ねながら、  
みずほ先生を布団の上にゆっくり押し倒した。  
そして、お互いの唇を開き、舌と舌を絡ませ始める。  
 
2人のディープキスが行われお互いの唾液と唾液を舐め合う。  
桂は同時にみずほ先生の太股をさすり、愛撫した。  
弾力のある太股に、手肌の感触だけで胸のドキドキ感を高める桂。  
いつもチャーミングな先生だと思っていたが、  
今日のいじらし気な先生の姿は、普段以上に愛らしく思えた。  
同じような愛撫なのに、どうした事だろう。  
今は、変な意識でお互いを見つめているから、  
頭の白っぽくなる感覚が強烈だった。  
桂は、ディープキスを解き、みずほ先生の首筋にキスを始める。  
と同時に、さすっていた手を上に戻して、  
みずほ先生の大きな胸に沿わせた。  
柔らかい…。  
何度揉んでも同じ感想だ。  
そして気持ち良い。  
桂は純粋にそう思った。  
「はぁ…」  
みずほ先生は、甘い声を漏らして桂の胸を揉み上げる行為に反応した。  
考えてみれば、毎日が同じ事の繰り返しに思える。  
みずほ先生の強烈な胸を揉んで舐めて、貪っている。  
猿のような本能の赴くままに、それを繰り返しているのだ。  
 
なのに、どうしてだろう、桂は飽きる事を感じなかった。  
ただ、巨乳を揉み続けるというだけの事なら、  
とっくの昔に飽きてしまっていたのかも知れない。  
それでも、毎日、みずほ先生が欲しいと思うのは、  
多分、本能が語りかける性の欲求だけでなく……  
誰よりも愛しい人を自分の手の中にしているから……  
愛しているら……  
そう、この何度弄っても、何度弄っても、自分の為だけに反応してくれる  
みずほ先生の胸と声だからこそ……飽きる事もなく欲しいのだと…。  
桂はそう思った。  
「ああぁん……けぃ……く…ん………」  
少し呼吸を乱しながら、  
みずほ先生も同じように桂への愛しさを胸の中で募らせる。  
そして、そっと手の平を桂の手に添え、  
みずほ先生は桂の胸への愛撫を辞めさせた。  
「先生?」  
自分を止める桂に戸惑いながら、桂はみずほ先生の真意を目で問う。  
そんな桂に微笑みを返して、みずほ先生は桂の顔に自らの顔を交差させる。  
「今日は胸やアソコだけじゃなくって……体全体をめいっぱい愛して……」  
そうみずほ先生は桂の耳元で囁いた。  
 
その囁きに、思わず顔全体を真っ赤に染める桂。  
だが、みずほ先生の動作は速く、上半身を起こして  
桂に自分のネグリジェを脱がすように誘う。  
背中を向け、髪をかき上げ、白いうなじを桂に示して、  
そこを攻めるように無言で求めるみずほ先生。  
そんな、上品な色気を示されて桂は、戸惑いながら  
みずほ先生のネグリジェをおずおずとした手つきで脱がした。  
そして、みずほ先生のうなじに吸うごとくのキスを送る。  
「背中とか……おねがい……桂……」  
また呼吸を乱しながら、みずほ先生は桂のキスに興奮を高める。  
桂はみずほ先生のおねがい通りに、背中にキスを送る。  
先生の長い髪が桂の顔に絡まるが、それが心地よい。  
桂は吸うに近いキスで背中を嘗め回しながら、  
後ろからみずほ先生の胸を鷲掴みにした。  
「きゃんっ、桂くんったらぁ……」  
やはりその大きな胸を手の平に納めるという  
欲求に勝てなかった桂を思って、みずほ先生は呆れた声を上げた。  
それでもすがりついてくるような桂の胸を揉みしごく愛撫に、  
堪らない愛欲を先生は覚える。  
みずほ先生は、すこし荒っぽい程に背中から胸を求める桂の  
手にそっと自らの手を乗せて、一番自分が感じる胸の揉み方をリードした。  
そのリズムに修正された事に、少し微笑みを浮かべながら、  
桂は、みずほ先生のあまりに甘く感じる背中を吸って嘗め回す。  
 
桂は手の平を胸からお尻に移動させ、  
みずほ先生の見事なヒップを鷲掴みにする。  
なんとも完璧なプロポーションの女性だなぁ…と  
桂はみずほ先生の体を愛撫するたびに呆れかえるしかない。  
女性の持つ独特の肉付きに対して、みずほ先生は圧倒的な勝利者だと思った。  
なのに、その体を貪る度に桂には不思議な思いも生まれていた。  
どこか懐かしい感触。  
そう、この柔らかい肉質を食するがごとき行為の中で  
桂は、郷愁に近い何かすら感じていたのである。  
何だろうか?  
桂はみずほ先生のお尻を揉み上げながら、それをぼんやり考えた。  
「片手はこっちの方がいいなぁ……」  
不意にみずほ先生はそんな事を言って、桂の左腕を取り、  
左手を自分のアソコを弄るように誘導した。  
「しぇんしぇい………」  
背中のキスで音を籠もらせながら、  
みずほ先生が淫靡な快楽を加速的に求め始めた事を悟る桂。  
だが、桂の指も求められたら停まる事など出来なかった。  
停滞できない。  
自分達は停滞できない。  
だって、こんなに思いが加速しているから。  
だから桂は、自分の加速している気持ちに乗るように、  
みずほ先生のアソコを指でにじりにじりと弄くるしかなかったのである。  
 
「ああ……桂君……いいわぁ……いいっ………」  
体を緩く震わせながら、みずほ先生は吐息を零した。  
みずほ先生のアソコはもう既に濡れまくっていた。  
指で弄る度に、愛液が桂の指に絡みつく。  
何時の頃からこうなっていたのだろうか?  
いや、最初のキスをした時から、もう濡れてしまっていたのかも知れない。  
だが、何時かという事はともかく、  
先生のアソコからだらしなく溢れる愛液の量を感じて、  
桂はみずほ先生がどれだけ桂との行為で気持ちを高ぶらせているかは理解できた。  
それ桂も同じだった。ムスコがいきり立つ。  
それをなだめるだけで、桂には精一杯の仕事になってきた。  
みずほ先生は、指を誘導させ、自らのクリトリスを刺激する様に求める。  
自分で触るよりも、何かに接触するよりも、  
桂に触れられる事で一番体に電撃の様な刺激を生じさせる。  
それを知っていたから、みずほ先生は桂の指を貪欲に求めたのだった。  
桂は求められるままに、みずほ先生の豆のようなしこりを弄くる。  
「桂君……好きよ……、けぃ……」  
クリトリスから感じる桂の愛、そして桂への愛を思い、先生は乱れる。  
大きな胸をたぷんたぷんと揺らして、桂の指の動きに感応するみずほ。  
桂は後ろからだから、そんなみずほ先生の痴態を見ていたわけではなかった。  
なのに、頭の中で自分達がどうなっているのか、容易に感じる事が出来た。  
だから、己のムスコを更に力強く勃起させてしまう。  
凄い興奮で2人は気持ちを加速させていく。  
愛撫が続く。  
首筋、背中、胸、お尻、そしてアソコ。  
桂の手も、みずほ先生の手も、せわしなく感じる所をまさぐり、  
その行為に及んでいるという事そのものに、激しく興奮していく。  
そして2人は、遂に、愛撫以上の事、お互いに結合し合う事を欲し始めた。  
 
「ねぇ桂君……今日は……付けずにしようか?」  
そう言ってみずほ先生はゴム状の輪っかを桂にみせ  
それを隣に放った。  
「えっ!? でも先生…今日って危険日に近いんじゃ?」  
桂は長い間暮らしている間に自然に知った先生の周期を考え  
先生のトンデモ発言に目を白黒させる。  
しかし、みずほ先生は桂に口づけを1つすると悪戯っぽく笑って言った。  
「…ぼ・う・け・ん……して…みよっ?」  
言った次の瞬間には桂を両腕で抱きしめて  
自分の胸の中に抱きかかえるみずほ。  
「先生……ぼ、冒険って………」  
全く見事な巨乳に顔を挟まれて、赤面しながら慌てる桂。  
恥ずかしさに慌てると言うよりも、  
先生の言葉に慌てるという方が正しかった。  
しかしみずほ先生は桂を離さず、強く抱きしめる。  
「神城君の話を聞いたら、私も赤ちゃんの事、考えちゃった…」  
そう言って頬を赤らめて、子宮から伝達される女の本能を感じて  
酔ったように桂を見つめるみずほ先生。  
「で、でも……僕たち……まだ………」  
桂はみずほ先生の潤んだ瞳の前に圧倒されながらも  
禁断の恋……のワリには、あまりにもおおぴろげだが、  
一応の社会的な禁断の生活を思って、ジタバタする。  
 
「もぉ、結婚生活三年目よ? ちょっとは意識してもいいかなって…」  
そう言ってみずほ先生は桂の唇にちゅっちゅ、ちゅっちゅとキスを送る。  
「そりゃ、時間はそうかもしれないけど、俺ってまだ高校生だし  
 無職のっていうか、学生なんだし…  
 何にも、先生…、支える事できないし……」  
そう言って、先生の言葉に真面目に反応してしまう桂。  
そんな生真面目な桂の反応を耳にして、みずほ先生は苦笑するしかなかった。  
「そうやって、私の事を考えてくれるだけでいいのよ……桂……  
 生活なんて、私がどうとでもするわ………  
 でも、私を心から愛してくれるのは、貴方しか居ないのよ?」  
そう言ってみずほ先生は我慢出来ずに  
思わず桂の立ち上がった肉棒を手にし  
己のアソコにあてがって、座位のままで挿入した。  
「うわぁっ……」「ああっ………」  
濡れそぼるみずほ先生の肉壺にいきなり自分の肉棒を入れられて  
桂は情けない悲鳴を上げるしかない。  
対称的に、みずほ先生はようやく結合できた旦那の肉に歓喜の嗚咽を漏らす。  
ズブブブと子宮口まで、桂に串刺しにされるみずほ先生。  
2人は完全結合を、先ずは果たした。  
 
みずほ先生は、桂を見下ろしながら微笑んで問いかける。  
「気持ちいいだけの本能で、こんなに幸せになれるの?  
 違うと思うわ……桂君……ああっ……もぉ……凄いのぉ……」  
「せ、先生っ……そんな、いきなりされたら……」  
みずほ先生は、堪えられないとばかりに、  
座位のままで自らが膝を立てて腰を上下に動かし、桂の肉棒に貫かれ始める。  
ジュッジュッと軽く、お互いの肉が擦れ合う音がした。  
既に愛液で濡れまくっていたみずほ先生の膣は、  
その上下のピストン運動の摩擦に、リズムの乗った淫猥な音を響かせる。  
桂の肉との結合、そして最も弱い部分に相手の最も弱い部分を入れている感覚に  
何より、三年の間に発達した膣に入れられただけで感じる感覚に  
みずほ先生は自分の頭に性の激しい刺激を感じずにはいられなかった。  
「あーん、このおちんちんがあったら、私、他に何も要らないーー」  
言って、ピストン運動の速度を更に速めるみずほ先生。  
その言葉に桂は気持ちよさと同時に、首を捻るしかなかった。  
「……ぼ、僕の価値って、このおちんちんにしか無いのかな?」  
桂はそう囁いて、無理にアハハハと笑っては、  
社会的完全紐状態の自分に心から涙するしかなかった。  
みずほ先生の肉壺と激しく擦れ合う時に聞こえるグジュグジュという音。  
それだけが、規則正しく2人の間に繰り返された。  
そして、その音を聞くだけで、快感が立ち上っていく。  
しかし、そんな気持ち良さとは裏腹に自分の価値がチンチン一本の  
この現実に、桂は、何かやりきれない思いになるしかなかった。  
 
そんな言葉を聞いて、少し弾けるみずほ先生。  
「桂君のバカァ!!、このおちんちんはね………  
 他の誰かのと換えは効かないモノのよっ!! はぁ…はぁ……  
 ねぇ……、これは……世界の中で、宇宙の中で、  
 たった一つ、私のためだけの貴方のモノなの……  
 貴方と私と、心が通い合った2人だからこそ、価値があるものなのっ!」  
そう言って、みずほ先生は桂の肉棒の熱く堅い感触を喜ぶ。  
自分の膣圧を上げて、ギュッギュと締め上げては、  
そこにある確かな桂を、みずほ先生は確実に自分のお腹で抱きかかえる。  
愛液がだらしなく、どうしょうもなく、だらしなく滴る。  
だが、それが自分の隠しようもない本当の思いの代弁だとみずほ先生は思った。  
だから、そのまま桂の肉棒を伝えて、  
桂を自分の液で濡らしてしまえばいい、とみずほ先生は思った。  
「僕だから……僕だからっていうの? はぁ……ううっ……」  
みずほ先生の激しい責めに耐えながら、それでも問い返す桂。  
みずほ先生は、問いに返事するよりも先ず両腕で桂を押して寝倒し、  
座位から騎上位に体位を変更して、そのまま腰を上下させた。  
立ち上った桂の肉棒に貫かれるたびに、  
先生の見事な巨乳が、たぷん、たぷんと揺れる。  
その乳の動きと、ビンビンに勃っている乳首のピンクを  
ボンヤリ眺めては桂は、自分の興奮を更に高めた。  
 
自分と合体する事だけで、これだけ乱れている先生を見る事が出来る。  
それは桂だけに与えられた特権だ。  
そう、自分だけの……特権……。  
それを思って、桂は奇妙な嬉しさを感じるしかなかった。  
「せ…せんせぃ……」  
桂は小さく呻いた。  
「はぁ……けい……はぁぁ……いいの……いいっ!」  
みずほ先生は、熱心に腰を上下させながら、  
それでも緩急を入れて膣圧で桂の肉棒を縛り上げるのも加えながら、  
桂の興奮と自分の興奮をシンクロさせる。  
「ああんっ……桂君……好き……好きなのぉ………  
 全部……全部、大好きぃぃっっ!!」  
みずほ先生は桂の片手を取り、  
それを自分の胸にあてがって揉ませ、刺激を更に増やす。  
思わずよだれされ口から零して  
桂の肉棒をくわえ込んだ膣の快感に、頭を白くさせて行くしかなかった。  
「先生っ……僕……もう……ヤバイカモ……  
 でも……この……ままじゃ……ううっ……マズイよ先生……  
 出ちゃう………」  
桂は先生の激しい攻めに、段々、自分の限界を垣間見始めた。  
こんなんで直ぐにギブアップするとは情けない限りだが、  
いつもよりも更に積極的な先生の攻めと、刺激的な愛撫に  
我慢の限界が思ったよりも早くに来てしまったのだった。  
 
「膣(なか)に出して……桂………、今日はお腹の中にたっぷり欲しい…」  
みずほ先生は頬を赤らめながら、桂にそう甘く囁いた。  
その言葉に背筋を凍えさせる桂。  
「せ、先生……だ、駄目だよ……間違って…赤ちゃんできたら……  
 僕たち2人……マズイ……マズイよ……先生……」  
桂はみずほの言葉に青ざめ、必死になって膣から自分の肉棒を抜こうとした。  
しかし、みずほはそんな桂を追撃するように自分の下半身を押し込み、  
桂の肉棒を何処へも逃がさないようにする。  
膣の圧力を上げて、その状態のままで桂の肉棒を締め上げた。  
「そのギリギリのスリルを楽しむから冒険でしょう?」  
そう言ってみずほ先生は、快感で顔を歪ませながらも微笑みを作り  
そのまま桂の体の上に寝そべって、筏茶臼の体位になって桂にキスをした。  
「しぇんしぇい………」  
唇を塞がれ、籠もった声で喋る桂。  
みずほ先生はキスを放すと、片目でウインクをして  
違う方向でまた微笑んだ。  
「まぁ、もし出来ちゃったとしても、  
 いざとなったら、宇宙人の力で何とかしちゃう事もできるから、  
 そんなに心配しないでっ♪」  
そう言ってみずほ先生は、ここまで高まった桂の緊張感を一瞬で瓦解させた。  
「ええっ!? そんなのアリなのぉ〜!?」  
 
あまりに不意を突かれた言葉に桂の頭は真っ白になり  
緊張感さえ、ほどけてしまった。  
そのせいで桂の我慢は限度に達する。  
緊張が解けた衝撃は自分の堅い肉棒にも伝わった。  
みずほ先生は、そんな膣の中でビクビクしだした桂の肉棒を感じ、  
自分自身も絶頂に同時に行こうと反射的に思う。  
そして桂の射精感に合わせるようにより激しく腰を振りまくり  
高まりをどっちも同じように最高の所に誘った。  
「あ…ああっ……せ、せんせぇぇっっ!!!」  
「桂っ 桂君っ け、けいぃっぃぃいいっ!!!」  
桂とみずほ先生は一緒に絶頂を迎えた。  
と同時に深く結合した子宮前で、桂はビュルビュルビュルと、  
濃厚な精液ををみずほ先生に叩き付ける。  
桂は射精感で頭を真っ白にさせた。  
「はぁぁ……桂君の……桂君のがぁ……………」  
みずほは、自分のお腹の中に広がるなま暖かい異物の液感を感じて  
そのまま、またイってしまうしかなかった。それは精神の絶頂。  
堪らない快感だった。  
2人は、絶頂を迎えたままその場で倒れ込み、  
結合したままお互いのボンヤリとした顔を見つめてニヘラァ〜と  
微笑み合うしかなかった。  
生で中出しと、物凄いデンジャー行為を行ったのに、  
どうしてなんだろうか……、物凄い満足感が2人を満たしていた。  
ただ、簡単に言ってしまえば、嬉しかった。  
それだけだった。  
 
そして、荒い呼吸が整って、さっきの行為の興奮が冷めやった頃、  
「じゃ、桂君、2回目いこっか?」  
そう言って、あっけらかんとした軽い調子でみずほ先生は2回目を催促した。  
「えーー、先生…、あんなに頑張ったばかりじゃないーー」  
全力で走ったような脱力感が冷めない間に、  
そんな事を言われて突っ伏す桂。  
しかし、みずほ先生は容赦無かった。  
「今夜は、寝かせないわよっ♪」  
そう言って桂の手を取って、また自分の乳房を握らせるのだった。  
 
 
そんな……2人の性活を見守っている何かが居た……。  
地球の衛星軌道上、娘の立派な性長をレコードするべく  
日夜、盗撮盗聴を繰り返す宇宙船とその女性。  
その女性は、2人の痴態を見守りながら、ニヤリと微笑んだ。  
「そう……、そうなの……みずほ……  
 いざとなったら……  
 『宇宙人の力でなんとでもしちゃえる』ワケなのね……」  
そう言って、不適な笑いを暗いモニタールームで響かせる彼女。  
そんな不敵なというか、不吉な微笑みを  
横で嫌そうな目で見ている、少女も居た。  
 
 

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