次の日、朝っぱらから麻郁はみずほ先生に呼び出され、  
個人面談でお小言を言われた。  
しかし、それは形式的な事であり、麻郁の本心を聞いていた  
みずほ先生は深衣奈や樺恋に言った事以上の事は言わなかったし、  
その部分は、麻郁の方がむしろよく認識していた。  
故に、ちょっとしたお小言で、昨日の件は早々と終わる。  
その後、麻郁は机の上で唸っていた。  
しかし、そうは言っても、今日の夜は「お勤め」の日だ。  
それも3人で同時に頑張ろうと言い出したのは自分なのだから  
有言実行バンババン。  
頑張れ自分。頑張ろう自分。  
麻郁は自分に言い聞かせた。  
2人の美少女を相手に、あんな事やこんな事をやりたい放題で  
あげくに、全員了承の上での情事に  
一体何が不満なのかと問いつめたいぐらいであるが、  
つまり要するに、頑張れ自分、頑張ろう自分なのであるから  
やっぱり、しんどい事に変わりはないのである。  
気持ちいい事は、素晴らしい事なのかもしれないが  
それに等価する疲労をいただくというのは、  
本当に気持ちいい事なのだろうか?  
難しい………。  
とにかく、今日が、とっても疲れる事は気持ちよく確定だった。  
そんな時であった。  
 
「煮詰まってるわね……神城君……フフフ」  
そこに突然、生徒会長が現れた。  
チャラララララーー。  
「せ、生徒会長っ!?」  
1年の教室に突如現れた、在る意味「モンスター」に  
麻郁は奇声を上げる。  
「素敵に嫌そうな声で、とても不愉快な気持ちだわ。  
 哀しいってこういう気持ちなのかしら? 神城君?  
 でも今の神城君の哀れな現状を鑑みて、  
 その点については不問にしてあげるわ。  
 ありがたく思いなさいね神城君……フフフ…」  
麻郁の反応に不愉快極まりないという意味合いの言葉を  
3年の(といっても、どー見ても自分より年上に見えないが)  
彼女は言ったのだが、あまりに抑揚の無いその口調は  
本当に不愉快に思っているのかどうかさえ、判断が付かなかった。  
ともかく、麻郁は、この学校の影の支配者のプレッシャーに怯えるしかない。  
だが、当の森野苺は無表情のままに、麻郁の机にカバー付きの  
何某かの本をどさっと置いた。  
「会長!?」  
突然のあまりのアクションに、驚き続ける麻郁。  
 
「交換条件としては、破格の恩情と思うけど、どうかしら?」  
そう言ってニヤニヤする苺。  
麻郁は、苺の言葉で差し出された本が何某かの報酬という事を悟った。  
思わず、そのカバー付きの本のカバーを少しめくって中身を覗いてみる。  
麻郁は、本の中身を確認して、サーっと血を引かせるしかなかった。  
『女の子の全て☆』とか『絶倫王秘技』とか  
なんか、物凄くいかがわしそうなタイトルが書かれてある。  
麻郁はその文字を理解して、電光石火にカバーを元に戻した。  
「こっこれはっ!?!?」  
麻郁は、生徒会長の突然のスーパー贈与物に、滝汗をかくしかなかった。  
「フフフ………、プレゼントよ………  
 この生徒会の書類を処理してくれる報酬としての………」  
そう言って今度は片手にプリントの束を取りだす。  
と当時に、森野苺は、目を十字星型に、  
なんかどっちかというと怖い方の勢いで輝かせた。  
「要するに、つまり、交換条件……と?」  
麻郁はその、背中からオーラを出している様な  
生徒会長の勢いに、おずおずと問いかけをしてみる。  
「いい交換だと思っているけど、駄目かしら?」  
言った次の瞬間、さらに苺の視線がギラッと輝いた。  
「もし、……断ると?」  
滝汗を更にかきながら、麻郁は問いを重ねた。  
「断ったら?……そうね……断ったら…………『凄い事』するわよ?」  
苺は、とても怖く微笑みながら、そう返した。  
「あ……有り難く頂戴致します……生徒会長……」  
麻郁は、『Hな事について色々書いてある教本』を手に入れた。  
チャラララ、チャララララ、チャラララ、ラー。  
 
麻郁は、人気の居ない所に速攻ダッシュして貰ったモノ全部を広げた。  
まずは、会長のくれた宿題。  
ざーっと目を通し、どれほどの労働量かを確認。  
思わず、目を通しながら書類にチェックを入れ始め  
『処理』を行い始める麻郁。  
随伴神経とは恐ろしい習慣であった。  
前々の生徒会助力の経験もあり、  
超高速で赤線、黒線、修正範囲を区分けしていき、  
確認が、いつの間にか『処理』となる。、  
ようやく理性がそれを認識して、そこで手を止める麻郁。  
「何やってるんだ俺はっ!! システム処理病かっ!?」  
日頃の切迫したプログラム事情と、  
納期、日程、スケージュール進行表、  
それらの力配分を無意識処理までしてしまう麻郁には  
そんな無意識行動が「精神病」だと思い、溜息を付くしかない。  
それでも、その確認処理で  
貰った宿題は、既にたいしたものでは無くなっていた。  
それに少し安堵する麻郁。  
前を思いだすと、これだけの宿題なら、本当に『恩情』と言えるモノだった。  
そんな彼の無意識習慣を、影で見つめているピンク色の何かがあり  
その向こう側には瞳があった。  
『へぇ……あの文章類をこの時間内に処理してしまうのね……』  
その、麻郁の一瞬の光景を見つめて、彼女は思わず舌なめずりをした。  
 
「で、もう一つの貰ったものは……」  
麻郁はそれを確認した。が…………  
「うわぁ………」  
麻郁はカバーの後ろ側を全部確認して、呻き声を上げるしかなかった。  
要するに「うわぁ……」という本が6冊も並んだわけであるが、  
それらは買うだけで、こっぱずかしくなるものばかりであって、  
まぁ、考えようによっては破格の報酬と言えなくもないが、  
とにかく、やっぱり気持ちは「うわぁ……」と言うしかなかったのである。  
『キーンコーンカーンコーン』  
「あ、やべっ」  
その中身を見ようとしたわけだが、  
チャイムが鳴ってしまい麻郁は仕方なく高速ダッシュで教室に帰るしかなかった。  
 
オンジアザーハンド  
 
「ルンルンルンルン、ルン、ルルー♪」  
「深衣奈ちゃん、樺恋ちゃん、今日は何時にも増してご機嫌ねぇ〜〜♪」  
親友(?)の四道晴子は、同じように笑顔を満面に浮かべながら  
2人の机の上にどさーっと乗っかかっていた。  
「だって今日は、ねー樺恋ーー」  
「そうですよねーー深衣奈さんーー」  
2人はお互いの人差し指を合わせながら、  
ウインクして「愛と情欲に溺れる日」に歓喜の微笑みを浮かべるしかない。  
そんな『異様な』3人の光景に、  
やっぱりその教室のその他の人々は「引く」しかなかった。  
つまり、彼女らは何時も通りだった。  
 
次の休み時間の合間。  
高速ダッシュでまた人気の無い所に移動。  
麻郁は「学習」に勤しみ始めた。  
・男の子の気持ち良さだけで焦って頑張ってはいけません。  
・女の子の体は時間をかけて愛撫していきましょう。  
・愛撫は胸やアソコだけでなく、体全体を……  
etc,etc,etc,etc  
麻郁は、妙に情報ベクトルが女の子側に偏っている内容に  
少し渋面になりながら、それらを読んでいった。  
と言っても、チョイスしたのは森野先輩である。  
女性優位な情報源になるのは、致し方のない事か…。  
と、情報源の性質を脳内修正しながらも、  
本の内容を踏まえて、じーっと考えてみる。  
確かに、こういう情報は今の麻郁には、重要な事かもしれない。  
麻郁は、そう考え直してみた。  
1人ですら大変なのに、2人を同時に愛撫して  
挙げ句に、できれば同時に3人でシンクロて果てようという、  
壮大で遠大な計画なのである。  
男側が、相当、愛の時間の過ごし方に関して効率改善を行わなければ  
一方的に麻郁が倒れて終了ーーにしかならないのだ。  
そう思えば、会長のくれたこの本は、  
麻郁の必要としている情報の的を得ている所だった。  
「恐るべし……生徒会長……、  
 ホントは、俺達の事、デバガメでもしてるんじゃないだろうなーー」  
麻郁はそう言って、乾いた笑いを浮かべるしかかった。  
…まぁ、してるんだけどさ。  
 
麻郁は馬鹿になっていた。  
いや、精密に言えば本当に馬鹿になっているわけではなく、  
今まで通り優秀な生徒ではあるのだが、なんというかこう、  
馬鹿にでもならなければ、この圧倒的不利状況をひっくり返せないというか  
必要に迫られて、常識的人間性を逸脱するしかない状態になっているというか  
まぁ要するに、一言で言うと、麻郁は馬鹿になっていた。  
麻郁は、少なくとも休み時間の合間に  
荒く学習した事を踏まえ趣向を考える。  
・時間をかけて、相手の気持ちを高ぶらせよう。  
・体全体を愛そう。  
・性的に興奮するシュチエーションで、お互いの気持ちを高ぶらせよう。  
・言葉を巧みに使って相手を酔わせよう。  
この4点の情報をピックアップして、麻郁は作戦を練った。  
麻郁の脳内が激しく回転する。  
スーパースカラ方式とスーパーパイプライン方式という  
情報処理の方法が、麻郁の脳内を激しくブチ叩いた。  
『時間差並列処理っ!!』  
麻郁の脳内にその言葉がスパークする。  
そうだ、お勤めの時間を「夜」という時間に限定するから  
トラフィックはコンフュージョンするのである。  
情報伝達は、空いている時間を有効利用して、  
重量拡散させるのではないのか!?  
つまり、「今日」という1日そのものを「お勤め」全体時間と考えると  
この空いている「真っ昼間」の時間を有効活用せねば、勿体ないっ!  
 
そして、「時間をかけて気持ちを高ぶらせる」という項を  
最大有効利用するならば、昼間には散々焦らして、  
夜への期待感と情欲をかきたてる時間差方式は、  
アイデアとしてどうであろう?  
麻郁は、そう考えて、ナイスアイデアと自分で突っ込む。  
麻郁の馬鹿っぷりのボルテージは上昇する一方であった。  
つまり、真っ昼間には、同時に2人を相手にするのではなく、  
真っ昼間は、樺恋と深衣奈1人1人を時間軸をずらして、弄び、  
散々、期待させた状態の後に、夜に2人同時に相手をする。  
こうすれば、労働量が夜に極大集中する事無く、  
時間平均として、労働っていうか、つまり動く量が減るのだ。  
更に、理想的には、真っ昼間にどちらも、舌技や指技だけで  
イかせてしまえば、その勢いで体が疼く夜に、  
2人はスタートダッシュの段階で既に出来上がった状態になり  
夜の運動量の低減に繋がるのではないか?  
麻郁は、すげーアホな事を真剣な表情で考え続けた。  
「うーん、舌や指の技を鍛える必要があるな……」  
麻郁は、この構想の現在のボトルネックを分析した。  
気持ちよくするための独特の舐め方や、指使い等、まだ全然学習範囲ではない。  
そこを何とかするには更に時間が必要になろう。  
だが、逆転の発想をするなら、相手の急所を知ってしまえば  
多少、技がお粗末でも十分な効果を期待出来る。  
「深衣奈と樺恋の体を、まんべんなく触りまくって、  
 2人の弱い所を調査するという方針を盛り込んだ方が良いな……」  
麻郁は自分の脳内作戦ノートに、その項目を書き入れた。  
後は、「言葉責め」という気になる項……  
「言葉かぁ……確かに喋るだけだから、楽は楽だが……」  
しかし、エロイ言葉を次から次へと浮かべるのも才能といえば才能である。  
「ま、これは駄目モトで、やってみるか……」  
こうして、麻郁の今日の方針は決定された。  
 
 
昼ー、休みー、昼休みー。  
麻郁は午前の決定通り、作戦を開始した。  
「目標(ターゲット)……、樺恋…確認……  
 深衣奈とは現在離れて行動中の模様………  
 これより作戦を開始する、  
 アクション……ショータイムッ!!」  
とは言わなかったが、気持ちはそんな感じ。うん。  
「よう、樺恋……」  
麻郁は、白々しく手を振って、  
学校をウロウロしている樺恋に声をかけた。  
「あ、麻郁さん……、もぉー、探したんですよー  
 お昼一緒にって思って………」  
と言っては樺恋は、お弁当を両手に麻郁の方に向かってくる。  
「そっか……、お弁当を一緒にか……」  
そう返し、樺恋を迎える麻郁。  
麻郁はじーっと樺恋の体全体を上から下へと眺めた。  
「えーっと、深衣奈さんも同じ様に、今、探してますから  
 合流して、そこら辺の木陰で、一緒に食べましょうっ」  
樺恋は、笑顔一杯でお弁当を差し出した。  
そんな樺恋の腕を麻郁は一瞬の間に握る。  
「え? 麻郁さん? どうしたんです?」  
「うーん、説明は……難しいな……、まぁ、こうするしか無いんだ……」  
麻郁は樺恋の呆然とした問いかけに、流石に理性が今の自分の無茶に  
『オチツケヲレ』と自己弁護を入れるしかなかった。  
そんな、ちょっとした理性を振り払って麻郁は、今度は無茶を敢行する。  
 
「えっ!? えっ!? 麻郁さんっ!? ちょっとっ!?」  
いきなり、グイグイと腕を引っ張られ何処かに向かわされて始め  
樺恋は慌てて今の状況に、声を上げるしかない。  
しかし、麻郁は樺恋を連れてスタスタと人影の無い校舎裏、  
旧校舎っぽい(ものがあるかどうかは知らないが、在る事にして下さい)  
に樺恋を連れた。  
「ま、麻郁さん……、こ、ここでお昼を食べるんですか?  
 ちょ、ちょっとここは、あんまり見晴らしが良いとは……」  
樺恋は少し身を庇う格好になって、樺恋を連れた麻郁に声をかける。  
「それに……深衣奈さんも居ないですし……えーっと……」  
そう言って声をかけるが、  
麻郁はじーっと黙ったまま樺恋を見つめて  
何か、奇妙なオーラを背中から漂わせていた。  
その見えないオーラを感じて、腰を引かせ顔を引きつらせる樺恋。  
それは、何とも言えないオーラであった。  
しかし、どっちかというと悩んで戸惑っているオーラにも見える。  
(……俺は何をやっているんだ?)  
麻郁は意を決して樺恋を連れ込んだものの、  
今の状況のあまりのアホらしさに、理性が戻って自分を粛正しようとし始める。  
が、今更ここまで来て後に引いてしまえば本当のアホである。  
麻郁は溜息を付きながら、再度、意を決した。  
 
「今日は、お弁当よりも樺恋の方を食べたいんだ……」  
ずいっと樺恋を壁まで追いつめて、麻郁は開口一番そう呟いた。  
言って自分で真っ赤になる麻郁。  
「ま、麻郁さんっっ」  
まるでエロ漫画の様な台詞とシチュエーションで追いつめられて  
心底焦る樺恋。  
しかし、自分の言葉に自分で違和感を感じて赤くなっている麻郁を見て  
何かこう、やっぱり違和感の様なものしか感じられない樺恋は  
現在の状況に呆然となるしかなかった。  
「へっへっへ、樺恋は何時でも美味しそうだからなぁ……」  
麻郁は一生懸命覚えた台詞を口にして、それを吐く。  
「……………は?」  
樺恋はそのぎこちない台詞に目を点にさせるしかなかった。  
流石に、状況に乗れない樺恋と、  
自分自身想定した状況にちっとも乗れない麻郁は  
今の台詞のやり取りにお互いに今の状況に眉をひそめるしかなかった。  
「あのー、どうしたんですか? 麻郁さん………」  
両手で麻郁の頬に手をやり、麻郁の異常な行動を問いただす樺恋。  
麻郁も、そう真面目に返されて、今の台詞の無理に肩を落とすしかなかった。  
 
「『何時でも美味しそうだからな』は、ちょっと無理のある台詞だったかな…」  
素に戻って自分で考えた台詞に頭をかく麻郁。  
「……麻郁さん……それはどーいう意味ですか?」  
樺恋は麻郁の素の言葉を耳にして、思わず目が横に細くなる。  
今までの麻郁の行動は意味不明だが、その言葉だけはいつもの麻郁のモノであり  
また、かなり樺恋の現実を反映した言葉に聞こえた。  
女の勘は鋭いモノ〜♪  
「えーっとだなぁ……とにかく口で説明するのは難しいんだ樺恋……  
 まぁ、今日1日が終われば、何か1つの答えは出るだろう……  
 今は、頭で考えるよりもやってみる事だな……」  
思いっきり素に戻り、麻郁はいったそのまま直ぐに樺恋を抱きしめ  
徐に樺恋の唇を塞いだ。  
「ひぇっ!? まいきゅしゃんっ!?」  
意味不明の言葉、行動を重ねられて、いきなり唇を重ねられては  
頭が真っ白になる樺恋。  
いや、誰であってもそうであったろうが、樺恋の場合は後少しで  
例の気絶性が発症する寸前の興奮度合いであった。  
しかし、麻郁は強く樺恋を抱きしめ、思わず緑色の綺麗な髪を撫でたので  
その愛撫で樺恋の気持ちは一瞬の間に麻郁の方に整列した。  
 
糸を引きながら、麻郁は樺恋の唇から自分の唇を離す。  
「本当に……どうしたんですかぁ? 麻郁さん……  
 ま、まだ……昼の日中ですよぉ……」  
麻郁の本気のやる気度合いをキスで感じ、耳まで真っ赤になった樺恋は  
その豹変というか、突然というか、まったく思いもしなかった展開に  
瞳をとろかせながら問いを返すしかない。  
何分、今日の夜が「3人の日」なのだから、何故昼の日中にこうなのか  
樺恋は皆目見当も付かなかった。  
「下手な台詞で考えた奴だけど、『樺恋を弄びたい』って事かな?  
 でも、この台詞は……嘘じゃないな……」  
樺恋の返事に、麻郁は最初に考えたエロ漫画な台詞の構成を破棄して  
やっぱり自分の素で話せる言葉で会話をしようと考え直す。  
『言葉で気持ちを高揚させる』という奴を頑張ろうとしたが  
どーも、慣れない事はやっぱり駄目な様である。  
麻郁は、それを悟って肩を落とし、  
そのまま樺恋の後ろのスカートをまくって彼女のお尻をなで始めた。  
「ひゃっ! ま、麻郁さん……ここでっ!? ほ、本気なんですか!?」  
麻郁の言葉通り、『食べられ始めた』事を感じた樺恋は  
あまりの急転直下な展開に、同じ事を同じ様に聞き返すしかなかった。  
「うーん、樺恋を『弄ぶ』事は本気だな……」  
樺恋の言葉に、無愛想な感じで声を出し、  
麻郁はそっと樺恋の頬にキスをする。  
 
「弄ぶって……その…昼から……なんて……えっと……  
 それに……深衣奈さんだって居ないし………  
 これからはずっと、3人でって言い出したのは麻郁さんじゃないですかぁ……」  
麻郁の尻と頬への愛撫に、少しずつ気持ちが高ぶりながらも、  
今日の夜の事と、今のこの異変に声を上げるしかない。  
「うーん、だから……夜は3人でって事な……わけだから……  
 昼はこうなわけなんだけど……、  
 ほら、口で言ってもやっぱ説明し辛いだろう?」  
麻郁は、このいきなりの展開の難しさに頭をかかえながら、  
ストッキング越しから撫でていた樺恋のお尻を鷲掴みにする。  
秋から冬にかけての今の季節。  
深衣奈や樺恋達の様な短いスカートでは寒かろうと  
女子達には黒茶のパンストをはいて寒さをしのげとのお沙汰であり  
それに習って、樺恋は冬服仕様であったのだが……  
夏服の短いスカートで生足を晒しているのも色っぽいものであったが  
冬服の様にストッキングで隠してしまうと、  
逆にそれが脚線を色っぽく見させてしまうのが学園7不思議であった。  
「ストッキング越しの樺恋のお尻のさわり心地って、  
 なんかいいな………」  
麻郁は樺恋のお尻をさすりながら、  
ストッキングの妙な抵抗感とお尻の弾力のさわり心地を楽しんだ。  
「そ、そんな事……言われても……」  
樺恋はまだ状況が飲み込めず、意識の方が納得できていなかった。  
それでも好きな人に抱きしめられている事に  
抵抗したくないという本能、あるいは体が麻郁の愛撫に疼き出し  
言葉とは裏腹に、麻郁の行為に抵抗しようという力が  
次第に薄れていった。  
 
麻郁は樺恋のストッキング越しから彼女のお尻を丹念に撫で、  
頬から耳にかけてキスを交わす。  
「あう……あっ……麻郁さん……その……私1人でなんて……」  
ただ1人で麻郁とこんな事になって、深衣奈に悪いと思いながらも  
1対1の愛撫に体の疼きを止められない樺恋。  
どさっと、持っていた弁当を落として、両手で麻郁の体にさばりつく。  
そっと麻郁は樺恋の頬にもう片方の手をやって、彼女の頬を撫でる。  
「今の時間に樺恋とこういう事終わったら……今度は深衣奈と……  
 って不埒な事を考えている訳だけど……、  
 こういう事、やってる最中に言ったら、やっぱ樺恋、萎えるかな?」  
ちょっとバツの悪そうな微笑みを浮かべて麻郁は樺恋の瞳を見ながら  
こんな今の状況を自己弁護してみた。  
そんな麻郁の言葉を耳にして、少し呆然となる樺恋。  
「……なんだ……そう言う事だったんですかぁ………」  
麻郁の考えを瞬時に理解して、目の前の不器用な優しさの塊が  
自分1人だけに思いを集中してくれるという、  
違和感を晴らし、思わず溜息を付く樺恋。  
がっかり半分、嬉しさ半分。気持ちは複雑だった。  
しかし、その違和感が消えると樺恋も少し気持ちが大胆になってくる。  
樺恋はギュッと麻郁の制服を握りしめた。  
 
「こういう強引なの……やっぱり駄目かな?」  
少し頭をかきながら麻郁は樺恋に、  
行為が相手の了承を得ていない事に、思わず同意の催促までしてしまう。  
連れ込んで強引に押し倒すつもりが、この有様では情けないだろうか?  
でも、こういう言い回しの方が、やっぱり自分らしいかなと、  
麻郁は乾いた笑いを浮かべるしかなかった。  
「……その……相手によります……きっと…………」  
「……相手?」  
樺恋は顔を真っ赤にしながら返事する。  
麻郁はその返事に惚けた。  
「……えっと、私は……麻郁さんだったら、  
 麻郁さんがしたい時に、強引に押し倒されても……平気ですよ……」  
樺恋はますます顔を真っ赤にさせて、自分の気持ちを言葉にする。  
「そ、そっか……、それじゃ……こんな無理矢理でも……いっか……」  
麻郁は樺恋の一生懸命な告白に、自分まで恥ずかしくなって赤くなる。  
相変わらずストッキングを擦りながら、彼女のお尻を愛撫し続ける麻郁。  
「……でも……あの……できるなら……押し倒す時は、この一言だけは  
 囁いて、抱きしめてもらえませんか?」  
樺恋は顔を真っ赤にさせながら、麻郁の方を見上げて真剣なまなざしを送った。  
「一言?」  
麻郁は、あんまりに予想外の樺恋の言葉に、何だろうと彼女の瞳を覗き込む。  
「…もう……麻郁さん、そういう所は鈍感です………  
 私が麻郁さんから聞きたい言葉は一つだけです………好きだって…言葉……」  
そう言った後に、今度は樺恋から麻郁にキスを送った。  
 
2人のキスがほんの少し続いた。  
「そっか………秘密の呪文だ………」  
キスを離し、瞳をとろけさせては、樺恋の瞳を見つめる麻郁。  
「そうです、秘密の呪文です………」  
麻郁の表現に心が妙に躍って、顔を赤らめながらも微笑む樺恋。  
麻郁は樺恋の頬に手を添えて頬をさすりながらそっと耳元で囁いた。  
「……好きだ……樺恋……愛してる………だから樺恋の事……  
 気持ちよくしてやりたい…………」  
麻郁はそう囁いた。  
その言葉に、脳味噌をとろけさせる樺恋。  
自分のアソコが溢れ出して来るのを感じて真っ赤になった。  
「麻郁さん……もう一つ、お願い在ります………」  
樺恋は我が儘ついでにもう一つだけ、麻郁におねだりをする。  
「何だ? 樺恋………」  
麻郁も優しい表情になって、樺恋のして欲しい事に耳を傾ける。  
「今だけは………、私達2人………その…………  
 私だけ………の事………考えて………抱きしめて欲しい……です……」  
樺恋は真っ赤になって、この一瞬だけ深衣奈を忘れて  
麻郁の気持ちを独占させてほしいと懇願する。  
そんな、樺恋の純情な言葉を耳にして、  
麻郁は苦そうに微笑みを浮かべるしかなかった。  
「分かった」の一言と同時に、麻郁は樺恋のストッキングの中に  
手の平を滑り込ませて、直に樺恋のお尻の肉を鷲掴みした。  
 
「あはぁ……あっ………はぁ……」  
樺恋は自分の人差し指を甘く咬みながら、小さく喘いでいた。  
麻郁は正面から樺恋の後ろ側に回り、その場で2人で座り込んで  
指で樺恋の秘部を愛撫していたのであった。  
スカートをまくられて、ストッキングやショーツに手を入れられ  
大事な所をグリグリと弄られたり、穴に指を入れられたりと  
フィストファックに興じられる。  
樺恋はその行為の中、快楽に溺れるしかなかった。  
「まいく……さん………」  
それ以下の言葉がうまく続かず、穴の中に2本指を入れられるたびに  
快感と、更なる快楽の期待が自分の頭に広がっていく樺恋。  
大好きな人……、そして一番安心できる人に、体を弄られている事に  
樺恋はただ喜びを噛みしめるしかなかった。  
学校の真昼、人気のない旧校舎での情事。  
それだけで異常な状態の元、緊張と興奮が高まるというのに  
むしろ安心を覚えている自分が可笑しい。  
樺恋はそう思った。  
 
麻郁は、今度は樺恋のセーラー服の中に  
服の下側からもう片方の手を入れ  
非常に起伏が緩やかな樺恋のブラジャーに手をかけた。  
「あっ……麻郁さん………」  
自分の自信ない胸に手をかけられて、真っ赤な顔を更に赤らめる樺恋。  
麻郁はブラジャーの更に下側から手を入れて樺恋の乳房を揉んだ。  
といっても、なんとか揉めるという程度の樺恋の胸に  
麻郁は四苦八苦したが…。  
その場で胸を鷲掴みに揉むという事が、体積上、非常に苦しいので  
麻郁は柔らかく揉める肉の部分を上下にゆっくりスライドさせて  
胸への刺激を強める。  
と同時に、胸の小ささに精一杯抵抗するかの様に、尖っては堅くなった  
樺恋の乳首を手の平の中に感じ、それを指でコリコリと刺激する。  
「んんっ………はっ…………」  
何時もの様に乳首に刺激をされているだけというのに、  
樺恋は胸の先から感じる感覚に思わず目を閉じた。  
胸とアソコの両方から麻郁の愛撫が伝わってくる。  
でも、それが指を2本、膣穴の中に出し入れされたりとか  
少し強く乳首をつままれたりとか、積極的な愛撫であったのに  
どうしてか、樺恋にはその全てが受容出来た。  
 
相手による……という自分の言葉は言い得て妙だと  
意識が朦朧とする中で樺恋は思った。  
もう、麻郁の愛撫で、したたった自分の愛液に  
ショーツは濡れまくっているというのに、それが気持ちいい。  
これだけ短い時間に、自分がだらしなく液を零しているという姿が  
今の自分の感激を言葉無く物語っている。  
それは、多分、この愛撫のリズムなんだろうな……  
と樺恋は不意に思った。  
野暮ったいながらに、強く激しく自分の秘所を攻める麻郁。  
でも、その攻めようとするリズムが独特で、  
強く指を入れた後には  
柔らかく入れたり弄ったりと緩急が突然生まれ、規則性が無い。  
そんな動作が、麻郁の気持ちの躊躇そのものと感じられるから  
だから樺恋はウットリするのだ。  
(ヤヴェ、今のはきつすぎたかな?   
 ちょっと、もっとソフトにした方が?)  
(このやり方は、樺恋、気持ちよく無いのかな? ここはどうかな?)  
そんな、麻郁の頭の中でめまぐるしく回る思いが  
指の動きに直接現れて、樺恋に感じられるから……。  
 
押し倒して襲う、強姦の様なもの、と麻郁は言うが、  
こんなに躊躇いながらされる強姦はあるのだろうか?   
真っ赤な吐息を零しながら、樺恋はそう思う。  
そしてこれが強姦だというなら、だったら麻郁になら  
何時だって強姦して欲しいとさえ思ってしまう。樺恋はそう思った。  
相手が居て自分が居る。  
そして行為の中で相手の意識の中に確実に自分が居る。  
自分をとても思ってくれる相手の愛撫がある。  
この一体感。  
そして言葉を交わさなくてもそれが抱き合うだけで伝わる事。  
そんな、気持ちの上での快感が、樺恋を痺れさせた。  
「あの……あのさ……樺恋……、ど、どこが一番気持ちいいかな?」  
遂に意識が焦れて麻郁は樺恋に直接、それを尋ねてきた。  
そんな言葉を耳にして、喘ぎ声を漏らしながらも  
樺恋は満面の微笑みを浮かべるしかない。  
(麻郁さんの触ってくれる所なら、どこでも気持ちいいですよ)  
樺恋は心の中でそう答えた。  
それでも今のこの瞬間、樺恋はより貪欲になった。  
「おへそから……アソコにかけて……欲しがるように触ってくれたら…」  
樺恋は自分の弱い所を、そのまま口にした。  
「OK……」  
麻郁は樺恋のおねだりを耳にして、  
そっと後ろから樺恋の耳たぶを甘咬みしながら、また腕を動かし始めた。  
 
麻郁は樺恋に言われたとおりに、おへそからアソコにかけて  
丁寧に撫でた。そしてそのまま樺恋のクリトリスを弄る。  
「ひゃぁぁ………」  
自分の弱い所から尖ったクリトリスにかけて伝わってくる感触に  
思わずうめき声を上げる樺恋。腰をよじらせる。  
麻郁は連続してクリトリスを弄り、  
そして指をまた穴の中にジュプジュプと出し入れし始めた。  
ジュプジュプと音が鳴るほどに樺恋のアソコが濡れそぼっているのが  
彼女の感度を麻郁に教える。  
揉みにくい胸を、それでも一生懸命に揉む。麻郁は必死だった。  
樺恋は無意識に自らの舌を出してしまい、息を荒げた。  
気持ちいい…。  
ただそれだけが樺恋の思いだった。  
好きな男に好き放題体を蹂躙されている、という事が樺恋の頭を麻痺させる。  
「ハァ…ハァ……ぁ……あぁ……」  
瞳を閉じて麻郁の愛撫を体全てで感じる樺恋。  
 
樺恋は座り込んでいる麻郁の股間が  
自分のお尻に堅く当たっているのを感じていた。  
「ま、麻郁さん……私……そろそろ麻郁さんのコレが……」  
そう言って樺恋は空いている手で麻郁の股間に触れた。  
「わっ……そこに触れられると困る……」  
麻郁はいきなり樺恋に棒を捕まれて、小さく悲鳴を上げるしかなかった。  
「え? で、でも……その……もう私……我慢できないし……」  
樺恋は麻郁の意外な反応に少し眉をひそめ、  
その手で上下にさすって麻郁の棒を愛しそうに触った。  
麻郁は、情のこもったその仕草に、驚くほど感じてしまい  
直ぐさま樺恋の手を取ってそれを止める。  
「え? ……どうして?」  
胸を揉まれていた方の手で自分の手を止められ、  
それでももう片方の手でアソコは愛撫を続けられながら、  
樺恋は麻郁の行動に首を捻るしかない。  
そんな樺恋を見て、麻郁は柔らかく囁いた。  
「今は、樺恋だけをイカせたいんだよ……」  
言って麻郁は樺恋の後ろ首にふうっと息を吐いた。  
 
「きゃんっ……」  
麻郁の悪戯な吐息に甘い声を漏らす樺恋。  
アソコに入れられている指は、穴の中を指が届くギリギリまで  
上に下にとせわしな動き、その快感が断続的に樺恋を襲う。  
それでも、麻郁の言葉の不思議に、  
意識を保とうと必死になって樺恋は声を上げた。  
「どうして私だけ……  
 私だって……麻郁さんを気持ちよくしてあげたいし………  
 それに……やっぱり……麻郁さんに  
 私の中に入ってきて……欲しい…し…」  
息を途切れ途切れにさせながら、樺恋は自分の思いを打ち明ける。  
そんな寡黙な樺恋の言葉に麻郁は股間を思わず刺激された。  
いっそ、この流れのままに、ズボンを脱いで樺恋のアソコにバックから…  
(いかん、いかん……それでは、泥沼だ………)  
麻郁は不意に自分の中に生まれた衝動に急激に理性の停止を働かせた。  
(耐えろ自分、耐えよう自分……ここが我慢のしどころだ……)  
麻郁は心の中で血の涙を流しながら、樺恋の誘いを振り払った。  
 
「いいんだ……今は……樺恋の可愛い悲鳴が聞けたらそれで……」  
言って麻郁は樺恋のうなじにキスをする。  
「うっ……で、でもぉ………」  
樺恋は麻郁の言葉にやはり不満を募らせた。  
そんな樺恋に微笑みながら、  
麻郁はこれでもかとばかりに樺恋のアソコを攻める。  
「ここに入れるのは、夜までお預け……だ……」  
言って、フィニッシュとばかりに麻郁は激しく樺恋の穴をジュポジュポした。  
「ふわぁ……あっ、ぁあぁぁぁあぁぁぁああ……」  
その指の動きで樺恋の体に小さく電撃のような刺激が走る。  
あるいはその後から襲ってくる浮遊感というか…。  
ともかく、樺恋は麻郁の愛撫と囁きだけで、小さくイッてしまった。  
「あはぁ…はぁ…はぁ…はぁ……」  
アソコを愛液でびしょ濡れにさせながら、樺恋は瞳を虚ろにさせる。  
今がどうなっているのかさえ、定かではなくなった。  
「可愛い声だぜ…樺恋……、こっちも思わず出そうになっちゃったじゃないか…」  
ぐったりと体を麻郁に倒した樺恋の耳元で、  
麻郁は偽らざる自分の気持ちを口にする。  
「ま、麻郁…さん………」  
 
麻郁は、ぐったりする樺恋の唇にそっとまたキスをした。  
体の浮遊感も醒めやらぬ間に、感じる唇への感触。  
樺恋は思わず麻郁をギュッと抱きしめる。  
麻郁は、樺恋の唇から唇を離して、微笑んだ。  
そして、意地悪そうにいやらしそうに囁く。  
「本番は、夜だぜ? 樺恋……。それまで、ここをたっぷり濡らして  
 俺の事だけ考えて待っててくれよな?」  
そう言って麻郁は樺恋を抱きしめ返した。  
その抱擁に、樺恋はもう何も考えられなくなる。  
麻郁の言葉にコクンと頷いて、またもう一度キスをねだるのであった。  
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル