「ちょっと麻郁……その…、どうして腕を縄跳びで縛るのよ!?」  
深衣奈は、体操用のマットに寝かされ  
万歳の格好で両腕の手首を緩く縄跳びで縛られていた。  
いきなりのセッティングに唇を尖らせる深衣奈。  
そんな深衣奈の言葉に、麻郁は微妙に眉を歪ませた。  
「うーん、なんていうか……今回のテーマは強姦っぽくだから…」  
そう言って麻郁は自分でもワケの分からない返事を返す。  
「『っぽく』って何よ!?『っぽく』って!?」  
深衣奈は麻郁の返事を聞いて、目を棒線の様にして見返すしかない。  
「いやぁ、なんていうかさ…ちょっと気の強い女の子を  
 力ずくで押し倒すってシュチエーション、燃えるというか…  
 やっぱこう興奮するんだよ…俺だって…こういうの…」  
麻郁は続けてアホな欲情を理論立てて説明する。  
「そーいう事を説明している時点で、根本的に何か間違ってない?」  
深衣奈は間抜けな麻郁の返事に、呆れるしかなかった。  
「まぁ間違っている様な気は確かにするな…  
 でも、こう…、いつも勝ち気な深衣奈を好き放題できるって  
 この雰囲気は、本当に燃えるからなー」  
言って麻郁は深衣奈の髪に手を伸ばし、彼女の髪に指を深く絡めた。  
「ちょ、ちょっと…、麻郁…、そんな事言われても……  
 なんていうか…、こういの…まだ慣れてないから…」  
言って深衣奈は自分が自由を奪われながら、いたされる事に、  
僅かな恐怖を覚えて身を強ばらせた。  
 
「まだっていうのは、そのうち慣れる予定があったのかよ?」  
深衣奈のこれまたアホな欲情言葉に、呆れ返す麻郁。  
「そりゃ…、そういうプレイもアリかなって…  
 色々、日々、考える事はあるわけで……」  
言って深衣奈は日頃のエロ妄想の一部を麻郁に披露した。  
そんな深衣奈の言葉に閉口してしまう麻郁。  
「お前、まさか、授業中とかもそんな事考えないだろうな?」  
麻郁は、これからエロエロな事をいたそうというワリには  
情欲を盛り上げるよりは、呆れを膨らませるしかない。  
「いけない? 私にとっては大事な事よ?  
 これから、何年も麻郁のお嫁さんとして、  
 尽くす日々の事を考えると、将来のマンネリにも備えて  
 色々と……」  
そう言って深衣奈はウンウンと唸る。  
「…そんな事ばっかしてると成績落ちるだろ?  
 こんな事これからしようかっていう時になんだが…、  
 勉強もちゃんとしてないと、何処の大学も行けなくなるぞ?」  
麻郁は深衣奈の言葉に呆れかえって  
思わず真面目な事を口走ってしまった。  
 
その言葉に尖り返す、深衣奈。  
「馬鹿っ! 私は高校卒業したら、  
 そっこー麻郁と籍を入れるんだから、大学なんてどうでもいいのよ!」  
麻郁の言葉に、超反応して未来構想を口にする深衣奈。  
その深衣奈の反射的な発言に、麻郁は思わず驚いて目を見張った。  
「ちょっと待てよ深衣奈! お前、大学進学しないつもりなのか!?」  
深衣奈の爆弾発言に、麻郁は慌てる。  
しかし深衣奈はそんな麻郁の発言に更に尖るしかなかった、  
「何言ってるのよ! 当たり前でしょ!?   
 今のウチの家計で、どーやって3人大学に行くなんて、  
 物凄い人生設計立てられるのよ!?  
 家計は今でもあっぷあっぷなんだから、  
 麻郁1人が奨学金か何かで大学行くしか方法ないでしょ!?」  
深衣奈は、神城家の物凄く切実な状態を、誤魔化し無しに口にした。  
その現実というヤツに、目眩を覚える麻郁。  
「まぁ…そりゃ…そうなんだけどさ……」  
麻郁は深衣奈の現実的現実感に思わず溜息をつくしかない。  
「でもその…深衣奈は大学に行ってしたいこととか無いのか?  
 いや、大学じゃなくってもいいさ…、その、夢とか……」  
麻郁はその時、迂闊にも深衣奈にそれを聞いてしまった。  
 
そんな麻郁のささやかな心使いと忘却に、過敏に反応する深衣奈。  
「馬鹿っ!! 私の夢は麻郁のお嫁さんになる事しか無いわよっ!  
 何言ってるのよっ!!」  
そう言って、深衣奈は手を縛られながらも上の麻郁に向かって暴れた。  
端から見ている者がいたら、本当に強姦行為に陥っている  
男女に見えたことだろう。誰も居なくて良かった…ほっ…。  
と、ところがその時、ピンクの何かとその奥にいる人は、  
ちゃっかり2人を隅から観察していたのであった。  
「ふーん…大変なのねぇ〜、地球人ってのも……」  
その女の人は、ポツリとそう呟いた。  
「えっと、そりゃ…いつかは俺と深衣奈と樺恋で籍を入れるっての  
 分かるけど、そんな卒業して直ぐって…  
 人生は長いんだし、結婚する以外にもしたいこととか…」  
間抜けにも麻郁は、その時、気持ちよく  
深衣奈の問題を忘却の彼方に捨て去っていたのだった。  
「馬鹿っ! 麻郁の馬鹿っ!! 馬鹿っ!!  
 もう私は、したい事なんて出来ないのよっ!!  
 推薦を取るための足だって壊れちゃったしっ  
 走ろうにも、走ることも出来ない私に、何がやりたいことあるのよ!」  
その時、思わず深衣奈は自分の苦痛を思い出して、  
麻郁の胸を叩き付けた。  
 
そのドンという衝撃が、麻郁の胸というよりも心を貫く。  
「あ…ゴ、ゴメン…深衣奈……、  
 最近すっかりそういうの見なくなってたから…  
 俺、そんな事…ど忘れしてた……ゴ、ゴメン……」  
麻郁はその時、ようやく自分の迂闊さに気付いて本格的に焦った。  
深衣奈は陸上の選手を目指していたのだ…  
足が壊れてしまうまでは…。  
そんな肝心な事を、麻郁はこの数ヶ月の深衣奈と樺恋の  
2人の気持ちの揺らぎというか、頻発した家出事件云々の  
すったもんだで、すっかりど忘れしていたのだった。  
「ゴ、ゴメン……深衣奈、お、俺……その…」  
どう謝ってもフォローにならない状況に心底焦る麻郁。  
そんな麻郁を見上げて、深衣奈は涙目のまま僅かに笑みを浮かべた。  
「もう、いいんだよ…麻郁…。私の足の事は…  
 私は走る事に拘りがあったんじゃなくって  
 この足だけで、生きていこうって、生きていくしかないって  
 そういう生活の為に走っていただけなんだから……  
 もういいんだよ……」  
言って不意に麻郁の胸に顔を預ける深衣奈。  
 
深衣奈は瞳を閉じて続ける。  
「私は、この足で欲しいモノを探していただけなんだから…  
 家族を……、麻郁を……、だから……  
 足は壊れちゃったけど…、代わりに麻郁に出会えたから…  
 だから…、もう麻郁以外、欲しいモノないんだよ…  
 だからね……」  
そう言って深衣奈は思わずその瞳に涙を浮かべる。  
精一杯突っ張って、精一杯強がって、そうしながら微笑んだ。  
そんな深衣奈の強がりを見て、気持ちを振るわせる麻郁。  
麻郁は思わずギュッと深衣奈を抱きしめて、声を震わせた。  
「その、そのな…深衣奈…、俺に…、俺に出来る事って何かな?  
 俺が居る事で、深衣奈が幸せに成れる事って何かな?」  
麻郁は分かり切っている事を、馬鹿馬鹿しくも彼女に問いかけた。  
そんな不器用というか、生きるのが下手な麻郁を感じて  
やっぱり微笑みを浮かべるしかない深衣奈。  
深衣奈は、頬を少し赤らめて、小さく微笑んだ。  
「慰めて……、  
 せめて足が壊れてしまったのを埋め合わせるくらいに…」  
深衣奈は、腕を縛られたままで、そう言って微笑んだ。  
そんな気丈な深衣奈の姿に、麻郁は言葉を返すまでもなく  
彼女の唇に唇を重ねてマットに押し倒すしかなかった。  
 
麻郁は深衣奈の唇に唇を重ね、自らの舌を口の中に入れた。  
深衣奈の舌がそれに答えて、求めるように吸い付く。  
深衣奈は顔を真っ赤にしていた。  
腕を緩くとはいえ縛られて、セーラー服はたぐられて  
胸を露わにさせられている。  
まだブラは外されていないが、そうやって焦らされる事で  
胸に手の感触を欲しがる事を誘われているのだ。  
今の体勢なら麻郁に蹂躙されて滅茶苦茶にされるだろう。  
でも、深衣奈は体から力を抜き、むしろそれを待ち受けた。  
蹂躙されるなら欲望の赴くままにして欲しい。  
それが深衣奈の純粋な気持ちだった。  
麻郁はキスを辞めた後に、深衣奈の胸をブラ越しから触った。  
樺恋よりは手応えはある。  
それが救いだったろうか?  
しかし、微妙な違和感とはいえ、麻郁は深衣奈の胸の感触に眉をひそめた。  
「あれ? 深衣奈・・胸、大きくなったか?」  
何となく、揉むのにさえ苦労していた昨今に比べ  
胸らしきものを掴んで揉んでいるような気がする感覚に  
麻郁は率直な意見を口にした。  
 
「あっ、やっぱり麻郁もわかる!?」  
深衣奈は麻郁にそう言われて、思わず表情を輝かせた。  
「最近はよく麻郁に揉んで貰っているからかな?  
 水澄先輩も好きな人に揉まれると大きくなるって言ってたし・・  
 そうなのです! AカップからBカップに格上げになりました!」  
言って、ニッと唇を半月に広げる深衣奈。  
胸が大きくなっている事がよほど嬉しいらしい。  
「そんな・・・非科学的な・・・好きな人に揉んで貰えば  
 胸が大きくなるんなら、世の中巨乳まみれになるだろ?  
 迷信だよ、迷信・・・」  
麻郁は深衣奈の言葉に呆れて、苦そうに笑うしかない。  
「あーー、馬鹿にしたー!  
 もうっ! そう言う所、麻郁は駄目っ!  
 デリカシー無いっ! 女の子はね、迷信だって何だって  
 自分に大事な事は一生懸命なんだよっ!」  
そう言って深衣奈は麻郁に食らいつく。  
「ふーん、そっか・・・   
 深衣奈、胸小さいのコンプレックスなんだな・・・」  
深衣奈の言葉を耳にして得心したとばかりに、  
思わず粘土を練り込むかのように丹念にブラを揉み始める麻郁。  
 
迷信とはいえ、駄目モトで大きくなればラッキーなのだ。  
家族である以上、コンプレックスに協力するのは愛かなと麻郁は思う。  
「そうだよ・・・ 胸小さいのって、すっごく凹むんだから・・・  
 雑誌で彼氏にパイズリしてあげたら、凄く喜んでくれて  
 頑張ったかいがありました、とか見ると、  
 女として凹んでしまうしかないじゃないっ!」  
麻郁の胸の愛撫に興奮し始めながら、深衣奈は力説した。  
「そんな、深衣奈が胸でコンプレックス感じてるんなら  
 樺恋はどうなるんだよ?   
 ・・・俺は別にお前等の胸が大きかろうと小さかろうと、  
 そんな事どうだっていいぜ? 2人とも幸せになってくれればさ・・」  
麻郁は、まるで単純作業の様に深衣奈の胸を揉みながら  
しらじらと愛の台詞をのたまった。自覚症状無しに。  
そんな素の言葉を投げつけられて、赤い顔を更に赤くする深衣奈。  
「うう・・・そう言ってくれるの、すっごく嬉しいけど、  
 でもやっぱり胸大きくなりたいんだよっ!   
 それは女の本能みたいなもんっ!  
 樺恋だって、きっと同じだよっ! 麻郁に胸揉んで貰って  
 大きな胸で麻郁を喜ばせてあげたいに決まってるよっ!」  
 
深衣奈は、ブラジャーをたくし上げられて  
いよいよ肉の生掴み揉みに移行した麻郁の仕草に、  
心臓の鼓動を高めながら、それでも会話に意識を寄せる。  
「うーん・・・まぁ・・俺の事思って  
 胸大きくなりたいって気持ちは、嬉しいは嬉しいけどな・・」  
そう言って、麻郁は思わず自らの頬をかいた。  
「何? その引っかかる言い方・・・」  
麻郁の連れない言葉や仕草に、唇をすぼめる深衣奈。  
そんな深衣奈に麻郁は率直な意見を送った。  
「でも、仮に好きな人に揉まれて大きくなるんなら、  
 要するに俺が2人の乳、毎日のごとく揉んでないといけないんだろ?  
 毎日、毎日、作業のように乳揉みするんなら・・・  
 どんな大きな胸揉む事になっても飽きると思うんだが・・  
 それも、ゆっくり大きくなる胸を成長させるんだから  
 大きくなったかどうかを自覚するの、難しいぜ?」  
「あ・・・」  
麻郁が突いた盲点に、深衣奈は思わずポカンと口を開け  
 

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