「あ・・・兄者」
「・・・!?」
イブキとこうして出会えたのは幸運か不運か
『体温』
「別にフスベに来るつもりはなかった」
「ではなぜここに?」
「たまたま通っただけだ」
イブキとの連絡をやめてから1年
俺たち四天王の野望は破れ俺は人知れずこのジョウトに身を置くようになった
シルバーに協力し仮面の男(マスクオブアイス)の事件を解決に導いた
別に善意でやったつもりはなかった
だがあの時のシルバーが1年前の俺と似ていたから
ただそれだけだ
「兄者、こんなところで立ち話もなんですから私の家へ・・」
「・・・。」
イブキは怒りも喜びもせず淡々と喋っている
しかしイブキか無理してそう振舞っていることは俺には痛いほどわかった
イブキの家の中は1年前と何の変わりもなく俺を迎えた
イブキの部屋の中で二人の間には沈黙が流れていた
「イブキ、俺が今まで何をしていたのか・・・聞かないのか?」
「・・・私から聞こうとは思っていません。ただ・・・一つだけ聞いてもいいですか?」
「なんだ」
「またどこかへ行かれるのですか?」
「・・・言ったろう、俺は初めからフスベに来るつもりはなかったんだ」
イブキが昔から俺のことを好きということは知っていた
でも俺はいつも気づかぬふりをしていた
あいつを受け入れる自信が無いんだ
そしてこんな俺に人を愛せるのかどうかも自信が無い
「どうしても行かれるのですか?」
「黙れ。・・・お前には関係無いだろう」
「・・・兄者」
では俺はあいつの事をどう思っているのか
ただの従兄妹か、それとも・・・
「私はただ!!兄者が・・・あなたのことが心配で・・・!!」
彼女の目から涙が溢れた
・・・これ以上傷つけるわけにはいかない
俺がする事は一つだ
「・・・黙れ!!」
「んん・・・!んっ・・・!!」
無理やりイブキを傍にあるベットに押し倒しそして唇を塞ぐ
舌を絡ませそして糸を引く
「ん・・・ふあ!!兄者一体何を・・・きゃあ!!」
彼女の胸部を包む一切の物を荒々しく引き裂く
イブキは激しく抵抗するものの俺の力には及ばない
彼女の顔が差恥感で赤く染まる
俺はますます後悔の念で一杯になる
しかしこうするしかない。
こうして彼女を犯すことによって俺のことを拒絶してくれれば・・・!
彼女の豊満な乳房を揉みしだく度に
彼女は痛みと拒絶の声をあげる
「んっ・・・痛っ・・・離して!!」
「いい加減抵抗するのをやめたらどうだ?」
「くっ・・・いい加減にするのは兄者のほうですっ!!」
「・・・」
「ただ・・・あなたが心配で・・・んく!!・・・あなたが・・・好き・・・だから!!」
・・・また彼女の目から涙が溢れる
紅潮した頬の上をつたう涙は俺の目にひどく美しく見せた
俺はいつのまにか彼女の胸から手を離し
そして泣いている彼女を抱き寄せた
それは彼女に対する哀れみからか
それとも本心からか・・・
答えは出ていた
「兄者・・・」
「・・・お前の気持ちには前々から気付いていた。しかし受け入れる自身がなかった」
「・・・それは私と兄者が従兄妹だからですか」
「それもあるかもしれない。ただ俺みたいな人間がちゃんと人を愛せていけるか自信が無かった」
「・・・」
「・・・こうすればお前は俺から離れてくれると思った
・・・しかし逆だった。俺がお前から離れなくなってしまったのかもな」
「・・・兄者、抱いてくれませんか?」
「・・・何?」
「例え・・・あなたからどんな事をされても私の想いは変わりません」
「・・・イブキ」
俺は彼女にそっと口付けた
さっきよりもずっと優しく・・・
「・・・兄者」
「・・・ワタルでいい」
「・・・ワタル」
イブキの服を脱がし俺も服を脱いだ
二人共一糸まとわぬ姿でお互いを見つめあった
「・・・ワタル、あんまり見られると・・・恥ずかしい」
「何を言ってるんだ・・・綺麗だよ」
そしてイブキをゆっくりベットに押し倒していき
俺はイブキの体にキスを落としていった
口、頬、首筋、鎖骨、腹、そして・・・
「はぁ・・ん・・・ワタルそこは・・・」
「・・・もう濡れてるぞイブキのここ・・・」
「いや・・・言わないでよ・・・いじわる」
うっすらと濡れたそこを下から上へゆっくり舌でなぞる
それをする度に割れ目から彼女の愛液が湧き出る
「ん・・・んぁっ・・・はぁ・・・」
「イブキ・・・感じてるのか?」
「いやぁ・・・そんなこと・・・聞かない・・・で」
割れ目に指を入れるとそこはもうさっきの愛撫でドロドロに濡れていた
その中に指を回しながらゆっくりと挿入していく
入れていくと彼女の艶のかかった声とともに愛液が俺の指を包んだ
「はぁん!!あん!!・・・駄目・・・ワタル・・んくっ!!」
「何が駄目なんだ?・・・こんなに濡らして・・・」
「あん・・・あたし・・はぁん!!こ・・・壊れちゃう・・・ッ!!」
もっと彼女の声が聞きたいが為俺は赤く染まった陰核をそっと舌でなぞる
案の定彼女はさっきよりも艶のかかった声で喘いでいる
「あん!!はぁん!!ワタル・・・私もう・・・んくっ!!だ・・・駄目ぇ・・・」
彼女の息がどんどん荒くなっていく
俺は割れ目を出し入れする指と陰核をなぞるスピードを速めた
「あんっ!!はぁん!!だめぇ・・・もう・・・!!」
「イブキ・・・」
「んはぁ・・・ワタ・・・ル・・・んん!!もう・・・!!・・ああああああ!!!!」
イブキが達したのを示すかのように彼女のそこはリズミカルな鼓動を繰り返していた
「はぁ・・・はぁ・・・ワタル」
「大丈夫か?」
「ん・・・大丈夫、それより・・・きていいよ」
「・・・あったかな」
俺が鞄からコンドームを探しているとイブキが後ろから抱きついてきた
「つけなくて・・・いいの。・・・あなたの温もりを感じたいの・・・」
「しかし・・・」
「今日は安全日だから・・・だからきて。お願い・・・」
そしてまたイブキをゆっくり押し倒し深くキスをした
すでに勃起してしまっているものをイブキのそこにあてがった
さっきの愛撫で彼女のそこは濡れきっていた
「・・・いくぞ」
「ええ・・・きて。ワタル・・・」
ゆっくりとイブキのそこへ挿入させる
ドロドロに濡れていたせいか挿入はスムーズだった
しかしある地点まで挿入するとイブキの顔がゆがんだ
「痛ッ・・・」
「・・・大丈夫かイブキ?」
「だい・・・じょうぶ。続けて・・・!」
なんとか全部入りイブキの顔を見ると痛みに耐えているような顔をしている
・・・もしかしたら
「イブキ・・・お前もしかして初めてか?」
「えっ・・・あ・・・うん。」
彼女は顔を真っ赤にして答えた
「大丈夫か?痛いんならやめるぞ?」
「いやっ!!やめないで・・・やっとあなたとこうして通じ合えるのに・・・」
「・・・それじゃあゆっくり動くからな」
「ええ・・・」
ゆっくりと腰を動かしていく
その度に彼女の顔は苦痛で歪む
「んっ・・・くぅ!!」
「・・・ん・・・はぁ、大丈夫・・か?」
「大・・・丈夫」
少しでも痛みを和らげようと優しく乳房を揉んでいく
彼女は一番そこが感じるのか、初めより随分余裕のある顔になった
「はぁ・・・はぁ・・・ん!!」
「イブキ・・・どうだ?」
「んっ・・・気持ちよくなってき・・・はぁん!!」
陰部を愛撫しているときのように彼女にまた艶のある声が戻った
さきほどからずっとゆっくり動かしていたがそろそろ・・・
「んくっ・・・イブキ、少し速めるぞ」
「んっ・・・はぁっはぁっ・・・わかった・・・んっ!!」
腰の動きを速める
その動きと連動するようにイブキの乳房を揉んでいく
部屋は淫猥な水音と二人の声で満たされた
「はぁ・・・はぁ・・・イブキっ!!」
「あん・・・はぁんあん・・・ワタ・・・ル」
お互いの名を呼び合いお互いの絶頂が近い事を知らせる
「ああ!!んはぁ・・・あくっ・・・もう・・・駄・・・駄目!!」
「はぁ・・・はぁ・・・」
「もうっ・・・もう駄目!!ワタル・・・ワタル・・・!!」
「俺も・・・そろそろ・・・!!」
「んぁぁっ・・・!あん!!もうっ・・・もう・・・駄目!!ああああああああん!!!」
彼女が達する。
その達した彼女のそこの収縮が激しくなり俺もそろそろ限界に達しようとしていた
「イブキ・・・!!俺も・・・もうっ!!」
「はぁ・・・はぁっ・・・ええ、きて!!」
「んくっ!!」
イブキの中で俺は果てた
俺たちはしばらく二人で寄り添っていた
行為が終わった後のけだるい感覚に身を寄せながら
「・・・ワタル、やはりここを出て行ってしまうのですか?」
「・・・すまない。でもなるべく・・・お前に会いに来るよ。ここへ・・・。」
「はい・・・」
イブキは微笑んだ
彼女のこんな幸せそうな笑顔を見るのは何年ぶりだろうか・・・
「イブキ」
「はい?」
「・・・愛してる」
「・・・私もです」
そしてまたゆっくりと彼女を押し倒した
イブキとこうして会えたのは幸運か、それとも不幸か
例え不幸だったとしても今こうしてお互いの体温を感じている間は幸せだといえるだろう