・・・砂利道をひたすら走る一台の引越運送トラック  
貨物が僅かに揺れ動く暗いトラックの中で、一人の少年が眠っていた  
その夢は未だ体験した事が無い、とても甘く淫らな夢だった・・・  
 
 
『・・・あぁ・・はあ・・・ぁあっ・・あん・・あぁ・・・』  
甘く切ない小さな喘ぎ声を上げながら少年の上に覆い被せるように抱きしめる少女  
少女は腰を上下に動かし、女陰が少年の一物をくわえながら滴る愛液で優しく包む  
少女が少年の両肩を両手でしがみ付き、同時に少年が少女の腰を両腕で絡める  
少年は一物を女陰に突き上げるように腰を動かす  
『はぁあ・・・あんっ・・あっ・・・素敵ぃ・・あ・・んう・・・貴方の・・・・』  
少年は悦びに満ちた少女の小さな喘ぎ声を耳にし、刺激が脳髄に伝わってゆく  
次第に少年の視点から眩い光が降り注ぐ・・・  
 
 
「・・・う、うぅ〜ん・・・?」  
少年はゆっくりと目を覚ますと、トラックの扉が開いていた  
そこから眩い光が少年に降り注ぐ・・・  
「ユウキ、着いたわよ。 降りてらっしゃい」  
扉の前に居た少年の母、ユメヨが呼びかける  
「・・・え? もう着いたの・・・?」  
少年はゆっくりと体を起こし、外に出ようとするが、ユメヨは少年の一部に注目する  
(ユウキったら、自分のムスコを大きくしちゃって・・・ 貴方もだんだんお父さんに似てきたわ。)  
ユメヨはそう思いながら微笑んだ  
 
この物語の主人公にあたる少年の名前はユウキ  
ホウエン地方にあるトウカシティのジムリーダーに就任したばかりの名トレーナー、センリの息子である  
父センリのトウカジムリーダー就任とともに、母ユメヨとミシロタウンに移り住む事になる  
 
ホウエン地方で古風な雰囲気が漂う町ミシロタウン・・・  
ジョウト地方のある町(詳細不明)から越してきた一組の親子を迎えるかのように一軒の新しい家が建っていた  
ユウキは眠りから醒めたばかりか少し眠たそうな顔をしながら体を上に伸ばす  
「う〜〜〜ん! ちょっとぎこちなかったか体が少し重いや。」  
「ご苦労様ユウキ、ここが私達の新しいお家よ。 少し古風がある感じだけどね。」  
ユメヨはそう言ってる間にトラックの運転手が数匹のゴーリキとヤルキモノを呼び出してトラックから荷物を運び出す  
 
しばらくしてから荷物の整備を終え、引越運送トラックはその場から走り去っていった  
新しい家の二階にて、ユウキはセンリからもらった時計の針を時刻に合わせる  
「時刻は確か・・・・ これでよしっと!」  
ユウキは時刻を合わせた時計を壁にかける、これで自分の部屋の整理が終わった  
「早速例の服に着替えよう!」  
ユウキは颯爽とタンスを開け、そこから取り出したのは・・・  
「確か父さんがここへ来たら着替えるようにと送ってきた新しい服だったな・・・  
エリートの息子が新米トレーナーに成り立てたコスチュームって感じだ!」  
モンスターボールマークがついた帽子、紅い半袖のジャンパー、黒いズボン・・・  
ユウキはワクワクしながらせっせと着替える その最中、ユメヨが呼ぶ声を耳にする  
「ユウキ! すぐに降りてらっしゃい! お父さんがテレビに出てるわよ!」  
「あ、はーい! すぐに降りてくる!」  
新しい服に着替えたユウキはすぐに部屋を出て階段を下りる  
一階のリビングに着いたものの  
「あらら・・・終わっちゃったみたいね。」  
「折角来たのにもう終わりかよ・・・」  
テレビを見たユウキは残念そうな表情をする、そんな息子を見たユメヨはある事に気付く  
「もう着替えてきたの? 随分と似合ってるわ! まるで子供の頃のお父さんみたいよ。」  
ユメヨはまるでセンリと出会った頃を懐かしむように感心する  
「そうかな? でも母さん、凄く喜んでるみたいだな・・・。  
そうだ! 俺、博士のところへ挨拶に行ってくる。 確かあの人は・・・」  
ミシロタウンにあるポケモン研究所で研究を勤しむポケモン博士の一人、オダマキ博士・・・  
子供の頃、図鑑完成のためにセンリと旅を共にした幼馴染みである  
「でもユウキ、オダマキ博士も奥さんと娘さんも居るでしょ? 早速博士の家に挨拶しに行きましょ。」  
ユウキはユメヨとともに家の少し離れたところにある博士の家に行く事にした  
 
「あらこんにちは! 妻のチサでございます。」  
博士の家に挨拶しに来たユウキとユメヨを笑顔で迎えたのはオダマキの妻チサ  
ミシロタウン出身であるとともに知的で豊満な容姿を持つ奥様といった女性である  
そんなチサにユメヨは笑顔で挨拶をする  
「センリの妻ユメヨでございます、こちらが息子のユウキです。」  
見惚れそうになっって動揺するユウキ、必死に落ち着かせて挨拶をする  
「よ、よろしくお願い・・します・・。」  
「まあ! かわいい息子さんですこと。 今後ともよろしくお願いします。」  
笑顔で挨拶を交わすチサ、ユウキはある事をチサにたずねる  
「そう言えば娘さんはどこに?」  
チサは答える  
「あの子なら出て行ったきりまだ帰ってこないのよ。 なんでも秘密基地の模様替えグッズを買いに行ったらしくてね。  
今日の事を言った筈なんだけど・・・、あの子の趣味だから仕方ないわ。」  
チサは苦笑するが、言い忘れた事に気付く  
「そうそう! 名前を言い忘れたわね。 娘の名前はハルカ、ユウキ君の事を聞いてたら随分と張り切ってたわ。  
『新しい友達が出来る』って!」  
と笑顔で語るチサ、ユウキは感心するかのように返答する  
「へぇ〜、随分と変わった趣味ですね・・・。」  
「別にハルカに限った事じゃないわ、トレーナー達の間ではよく流行ってるのよ。 夫から聞いた話だけど。」  
チサと早々親しく語り合うユウキを見たユメヨはくすくすと笑う  
しばらくしてからユウキはある目的を思い出す  
「あ、そう言えば博士に挨拶しに行くんだった。 博士は今どこに?」  
「夫ならあそこのポケモン研究所に居ると思うわ、ただあの人はよく外に出かける事が多いのよ。」  
チサが方向に指をさした先にはポケモン研究所があった、距離はやや遠めにあるようだ  
「ありがとうございます。 それじゃ母さん、いってきます!」  
「気をつけてねユウキ!」  
ポケモン研究所へと走ってゆくユウキを見送るユメヨとチサ  
「息子さんって本当に頼もしいですね、もしかしたらうちの娘と気が合うかも?」  
「まあ、チサさんったら!」  
親しく語るユメヨとチサは談笑していた・・・・・  
 
研究所に着いたユウキは早速入っていったが、肝心のオダマキ博士は見当たらなかった  
そこに居たのは助手一人だけだった  
とりあえずユウキは助手に挨拶をする  
「こんにちは、今日越してきたユウキと言います。」  
「やあユウキ君こんにちは。」  
ユウキは早速助手にたずねる  
「オダマキ博士に合いに来たんですが、今どこに居るんですか?」  
「博士なら近くの101番道路に行ってるところなんだ。」  
「へぇ〜・・・ いつも出かける事が多いんですね?」  
「博士は根っからのアウトドア派でね、戻ってくるまで長くても一日かかることがあるよ。  
博士の手伝いをしている娘のハルカ君もそうだけど、ホウエン全土を回ってるくらいだからね。」  
まさにチサの言った通りだ、『蛙の子は蛙』といった諺が似合うほどに  
「博士ならすぐ近くに居る筈だけど、最近野生のポケモンが活発してね・・・危険な状況なんだ。  
探すなら出来るだけ草むらを避けて通ったほうがいいと思うよ。」  
「ありがとうございます!」  
 
研究所を後にしたユウキは101番道路に入ろうとするが、一人の少年に止められてしまう  
「駄目だよ君! この先は野生のポケモンが飛び出すから危ないよ。 ポケモンを一匹も持ってなきゃ・・・」  
その時、男らしき悲鳴が聞こえる  
「悲鳴・・・!?」  
その悲鳴はユウキの耳にも届いた  
「助けを呼んでる・・・行かなきゃ!!」  
ユウキは少年を振り切って101番道路に入る  
しばらく全力疾走してから目の前の遠くから4匹の野生のポケモンに囲まれる半袖・半ズボンの男を見た  
「囲んでいるのはポチエナか! 助けに行かないと・・・・、だがどうすれば!?」  
男はユウキが助けに来た事に気付き、大声で呼びかける  
「お〜いそこの君! 早くこの群れをを追い払ってくれ!! モンスターボールはすぐ近くのバッグにある!!」  
気がつけばそのバッグはユウキの傍にあった、ユウキはすぐにバッグを開ける・・・  
中には微かに揺れる3つのモンスターボールがあった、どうやらポケモンが入っているようだ  
「頼むぜポケモン!」  
ユウキは3つのボールを投げる、開いたボールから閃光と共にポケモンが現れた!  
草ポケモンのキモリ、炎ポケモンのアチャモ、水ポケモンのミズゴロウ・・・  
いずれも高い能力を持つポケモンだ  
「みんな、野生のポチエナからその人を助けてやってくれ!!」  
3匹は頷き、男を囲んだポチエナの群れに攻撃を仕掛ける!  
キモリは前方のポチエナをはたき倒す、アチャモは左のポチエナを足の爪で容赦無く引っかく  
ミズゴロウは右のポチエナに体当たりをぶちかます!  
3匹のポチエナはことごとく倒され、後ろに居た最後の1匹はキモリ、アチャモ、ミズゴロウの一斉攻撃を食らう  
叩きのめされたポチエナ達は体をよろめながら一目散に逃げ出した・・・  
「ふう・・・ みんな、ご苦労さん!」  
ユウキがそう言うと3匹のポケモンがユウキに懐いてきた  
助けられた男は、3匹のポケモンに懐かれたユウキの元へ駆け寄る  
「いや〜ありがとう! お陰で助かったよ!! ん? もしかして君は・・・」  
「俺の名前はユウキです! オダマキ博士は今どこに?」  
「そうか! 君はユウキ君だったな! 僕はオダマキ、ポケモン研究をやってるポケモン博士の一人だ。  
恥ずかしいところを見せて申し訳ない・・・」  
二人は衝撃的な出会いを経て、すぐに研究所に戻った・・・  
 
研究所に戻ったユウキとオダマキは、しばらく話し合っていた  
「それにしても君の戦い振りは見事としか言いようが無いな・・・  
ただでさえこの3匹は血気盛んで扱い難かったんだが、どうやら君の事を気に入ったようだ。」  
「そうでしょうか? でもあの一言でポチエナ達を一掃するとは思いませんでしたが・・・。」  
ユウキはまだ驚きを隠せない様子だが、オダマキは答える  
「おそらく君の傍に居れば一緒に大暴れできると思ったんだろうな、僕みたいな研究者と居るより  
新米トレーナーである君と居たほうが彼らの性に合うからね。 それに・・・  
君はお父さんの血が流れている、そしていつかお父さんを越えるトレーナーになるだろう。」  
「はい、父さんを越えたポケモントレーナーになるのが俺の夢です!」  
「よしその意気だ! 助けてくれたお礼にキモリ、アチャモ、ミズゴロウをプレゼントしよう。  
彼等はいずれも能力が高いポケモンだからね、大事に育ててくれよ!」  
「はい!」  
「念の為ボールに戻した方がいいだろう、いつでも呼び出せるようにね。」  
オダマキがそう言うとユウキは3つのボールを取り出す  
「キモリ、アチャモ、ミズゴロウ 今後ともよろしくな!」  
ユウキは笑顔で答え、3匹は快くユウキのボールに戻る  
そのボールを腰についてあるボールベルトにつける、後にオダマキはユウキに言う  
「ついでに言うと、君に紹介したい子がいるんだ。 ハルカと言う僕の娘だ。」  
「はい、娘さんの事は奥さんのチサさんから聞きました。」  
「あ・・・ああ、それなら話が早い。」  
オダマキは意外な言葉に少し戸惑っていたものの、言うべきことを整理して言う  
「え〜と・・・コトキタウンの奥の103番道路にある森の奥に、娘が建てた秘密基地があるんだ。  
今頃そこに戻ってきてると思うんだが・・・、もしそこに居たらここへ連れ戻してくれないか?  
僕の妻から聞いたなら、あいつはきっと君の事を気に入ってるかもしれないな。」  
ユウキは慣れない御遣いにやや戸惑いを見せながら質問をする  
「・・・ここから少し遠いところでしょうか?」  
「まあね。 ただそこまで行くにしろ、そんなに時間はかからないと思うよ。」  
承諾したユウキはとりあえず目的地に行く事にした  
「それじゃ博士、いってきます。」  
「気をつけてなユウキ君。」  
 
ミシロタウンから歩いて数時間後、ユウキは103番道路にある森の奥へと進んでゆく  
「確かこの辺りだと思うんだが・・・」  
森の中を進んでから数分、鎌倉に見立てるかのような葉っぱに覆われた建物を見つけた  
ユウキは未知の物体に遭遇したかのように呆然と眺める・・・  
「これが・・・秘密基地・・・?」  
ユウキは目の前に入り口らしきものを見つける、その入り口は葉っぱの模様をしたカーテンが閉じていた  
カーテンを開けて中に入ると、秘密基地と思わせる広々とした空間を目の当たりにする  
「すげぇ・・・ 色んなものが並べられてる・・・」  
感動に打ちのめされるユウキはゆっくりと前を歩いていると、スイッチを押した音が聞こえた  
「? なんだ・・・?」  
足元を見るとそれは床スイッチだった、ユウキは正面を見ようとしたその時・・・  
「!?!」  
ドータクンに似た鉄の塊が天井から振り子のように現れて、ユウキに直撃する!!  
 
 ガォオゴォォォォォォォォォン・・・  
 
ドータクンの泣き声に似た轟音とともにユウキが勢いよく外に放り出された!  
勢い余ってその場で仰向けに倒れてしまう・・・  
「い・・痛ってえ〜っ・・・ なんなんだアレは・・・!?」  
激痛に耐える必死な表情を見せながらゆっくりと起き上がろうとした時、蒼い服を着た少女が現れた  
「ちょっと貴方、何しに来たの?」  
「へ!?」  
突然の出来事に戸惑うユウキ・・・ 少女は横に居るユウキを睨みつけながら言う  
「自業自得ね、人のものをわざわざ奪いに来るなんて。 念入りにトラップを仕掛けて正解だったわ。」  
「ちょ、ちょっと待て! これはどう言うことだ!?」  
「問答無用!!」  
少女は颯爽とボールを取り出しミロカロスを呼び出す!  
その時、ユウキが持っていた3つのボールからキモリ達が光とともに飛び出してきた!!  
「!?! キモリ! アチャモ! ミズゴロウ!」  
キモリ達がそれを返り討ちにしようと戦う素振りを見せる、それを見た少女は驚く  
「え? え?? ええ!?? それって研究所のポケモンじゃない!!」  
「ああそうだよ? オダマキ博士を助けた時にもらったけどな。 もしかして君はハルカだよな?」  
ユウキの言葉に少女は思わず戸惑う  
「え?? う、うん・・・そうだけど? ・・・貴方は・・・誰なの?」  
「俺の名前はユウキ。 今日、ミシロタウンへ越してきたばかりなんだ。  
博士に頼まれてここに着たんだけど、何がなんだか・・・」  
ユウキはそう言い切ったものの、状況が飲み込めず苦笑する・・・  
「やっぱりユウキ君だぁ!」  
突然少女が眩しい笑顔を見せながらユウキに抱きつく  
その少女の名前はハルカ、オダマキ博士の一人娘である  
 
秘密基地の中で、ユウキはハルカに傷の手当てを受ける  
「にしてもえらい目にあったぜ・・・、もし俺じゃなかったらこの程度の怪我じゃ済まされなかったな。  
なんであんな物騒なトラップを仕掛けたんだ?」  
ハルカは申し訳無さそうな表情でユウキに謝罪する  
「ごめんねユウキ君・・・。 実はホウエン中にある多くの秘密基地からグッズが盗まれる事件が相次いで起きてるわ。  
だから念入りに防犯用トラップを仕掛けたの。 でもユウキ君が引っかかるなんて思わなかったわ・・・」  
ユウキは微笑んだ  
「別に気にすることはないと思うぜ? 俺がここに来たばかりだし、知らない事だっていっぱいあるんだ。  
それに俺は、知らない事全てを見たい。 もちろんポケモンの全てもな!」  
ユウキは輝いていた・・・ それを見たハルカは新米トレーナーになった頃の自分を重ね見てときめく  
「・・・頼もしいね、ユウキ君・・・。」  
ハルカはそう呟くと、ユウキはオダマキに頼まれた事を思い出した  
「そうだ! ハルカに逢ったら連れ戻してくれと博士に頼まれたな。 でも連れて帰れるかどうか・・・」  
「いいわ! 私もそろそろ帰ろうと思ったの。 ユウキ君が付き合ってくれるならOKよ!」  
「そ、そっか・・・ じゃあ一緒に戻ろうか。」  
「うん! じゃあユウキ君は外で待ってて、ここを片付けるから。」  
「? ああ、判ったよ。」  
ユウキは先に外に出てから数分後、ハルカがカーテンを開けて外に出る  
「おまたせ! しばらくここを離れる事になるね。」  
「しばらくって・・・うわぁっ!?」  
ハルカは両手でユウキの右手を絡むように掴んで引っ張る  
「いいからいいから、早く帰ろうよ!」  
二人はその場から走り去った、ミシロタウンに向かって・・・  
 
「パパ! ただいま!」  
研究所に入ってきたのはハルカ、飛び散る汗の粒が光る清々しい表情だ  
「おおハルカか! お帰り。」  
ハルカを迎えたのはウチキド一人だった、助手は休憩の為一時帰宅している模様  
「ところでハルカ、ユウキ君はどうした?」  
「ユウキ君ならもうそろそろ着てもいい頃だけど・・・ あ! ユウキ君! こっちこっち!」  
ユウキはヘトヘトになりながらなんとか研究所に入る、酷く息が切れてる様子  
「やあユウキ君、ご苦労さん。 ・・・こりゃ酷く疲れたようだな。」  
無理もない、ユウキはハルカに負けじと長距離で走り抜いた為極度の疲労感が漂う  
「ハ・・ハルカに・・追いつくのが・・やっとですよ・・・・! 遠い・・・距離から・・・走ってりゃ・・・」  
ユウキは思わず足が崩れて倒れかかる、それをハルカが受け止めて阻止する  
「もう・・・無理なんかしなくてもいいって言ったのに。 貴方って本当に負けず嫌いねユウキ君。」  
と微笑むハルカ  
ユウキの左肩に触れた服越しに伝わる弾力のある胸・・・ ハルカに抱えられたユウキはある匂いに気付く  
(・・・なんだ? この心地良い匂いは・・・)  
荒い呼吸をしたまま抱擁されるユウキにハルカが呼びかける  
「・・・ユウキ君、どうしたの?」  
それを耳にしたユウキは我に帰る!  
「!!! あ、いや・・・な、なんでも・・ないんだ・・。」  
思わずハルカの抱擁を逃れたユウキは赤面しながら苦笑する、それを見たハルカはクスクスと笑う  
それから二人はタオルで汗を拭く、ユウキは体中汗だくで服が湿ってしまう  
「折角の新しい服が台無しだなこりゃ・・・」  
そう言うユウキを見たオダマキは  
「ユウキ君の服、お父さんが子供の頃着た服とよく似てるな。 僕と一緒に旅をしていた時その服を着たよ。  
そうだ! ユウキ君、君はお父さんを超えるポケモントレーナーを目指すんだったね。」  
「はい、明日旅に出るつもりです。 キモリ、アチャモ、それにミズゴロウがついていますから。」  
「そうか! 君には頼もしいポケモンがついているなら、この先どんな強敵が現れても大丈夫だろう。  
ついでとなんだが、ハルカと一緒に手伝ってくれないか?」  
「え? それって・・・もしかして、ハルカと一緒に?」  
「当然よ! あんなに頼もしい後輩を見たら教え甲斐があるもの!」  
ユウキは少し戸惑ったものの、ハルカにたずねる  
「そう言えばハルカって、リーグに挑戦した事あるの?」  
「うん、結局ベスト8止まりだったけどね。 でもユウキ君なら絶対チャンピオンになれるわ!」  
「と言う事は、ハルカが先輩か・・・。」  
「気にしなくていいよ、私が色々教えてあげるからそのつもりで、ね?」  
「え・・あ、ありがとう・・・。」  
ユウキは思わず赤面した・・・ のちにオダマキは言う  
「僕やセンリは子供の頃、多くのポケモンを見てきたんだ。 でもポケモンは僕等の知らない何かがある。  
ユウキ君、ハルカと一緒にポケモンの全てを目撃して、このポケモン図鑑に納めてくれ!」  
オダマキはポケモン図鑑をユウキに渡す それを受け取ったユウキは驚きと感動を表す  
「これがポケモン図鑑か・・・!!」  
 
ポケモン図鑑は出逢ったポケモンのデータを自動的に書き込む高性能携帯端末機である  
各地方にポケモン研究を勤しむポケモン研究者が開発したと言われており、それを所有するトレーナーは極僅かしかいないと言う  
 
「あの頃の私と同じね、なんだか感激しちゃう!」  
ユウキの姿にハルカは無邪気に喜んでいる  
「それからユウキ君、明日の事をお母さんに言うんだよ。 なにしろ長い旅になるからね!」  
「はい!」  
のちにハルカは言う  
「じゃあ明日の待ち合わせは研究所の前でね。」  
ユウキは頷く  
「うん、判った。」  
 
翌朝、ユウキはリュックを担いで家を出る  
長旅に向けて履き替えられたランニングシューズが朝日を浴びて光る  
「じゃ、いってきます!」  
「気をつけてね、トウカシティに着いたらちゃんとお父さんに挨拶するのよ!」  
ユウキは研究所へと走り、それを見送るユメヨ  
「娘さんと一緒なら心配は無用よね・・・」  
 
研究所に着いたユウキはオダマキと逢う  
「おはようございます、博士!」  
「ああ、おはよう! ハルカもそろそろここに来てもいい頃なんだが、何しろ新しい服が届いたらしくてな。」  
「へぇ〜・・・ ハルカ自身が注文したんでしょうか?」  
「ハルカがそう言ったからな、きっと君を驚かせる気だろう。」  
「う〜ん・・・」  
ユウキがある想像をしているうちに、ハルカが走ってくる  
「おまたせぇ!」  
昨日のとはうって変わって身軽な服装だが、蒼色を強調した服だけは彼女の爽やかさをいっそう引き立てる姿だ  
ユウキはハルカの姿に見惚れてしまう  
「お、おはようハルカ・・!」  
ユウキは少し赤面しながらなんとか動揺を抑えようと挨拶をする  
「おはようユウキ君!」  
ハルカは微笑みながら挨拶をする  
「これで二人揃ったな。 ユウキ君、この先長く険しい旅になるだろう。  
ハルカ、ユウキ君の面倒をしっかり見てやるんだぞ!」  
「うん!」  
「それじゃ博士、行ってきます!」  
「二人とも、気をつけてな!!」  
イシロタウンを後にしたユウキとハルカ、最初の目的地トウカシティに向けて歩く  
 
 
砂利道を歩く中、ハルカはユウキの顔に振り向く  
どうやらユウキはやや緊張した様子だ  
「ねえユウキ君、女の子と一緒に居るの初めて?」  
「え? あ・・うん・・・。 なんだかな・・・」  
苦笑するユウキは胸の鼓動が高まるばかりで不安をよぎる  
それを見たハルカは立ち止まりユウキを止める  
「? ハルカ・・・?」  
「ポケモンの知識も、女の子との付き合い方も・・・ 手取り足取り、教えてあげる。」  
ハルカはそっと首に腕を絡め、ゆっくりと顔を近づけてユウキの唇を奪う  
(・・・!!?)  
唇を奪われたユウキは突然の出来事に赤面して硬直する  
ハルカは少し照れくさそうに微笑みながらゆっくりとユウキから少し離れる  
「これで少し落ち着いた?」  
「? ・・・あ、ありがとう・・・・。」  
安心感を得たのか、落ち着きを取り戻したユウキ・・・  
二人の旅は今、始まったばかりである  
 
 
  続  
 

Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!