「……ふぁ…っ、やだ…ぁ…っ……」
頬を真っ赤に染め、少女は途切れ途切れにそう抗議をあげる。
少女の開かれた両足の間に顔を埋めていた少年は、すっと顔を上
げるとニヤリと笑い、少女の顔に自分の顔をぐっと近づけ、
「嫌だって言われてもな、お前感じてるだろう…?」
と、笑いながらいい、少女の秘裂に指をあてがい、ゆっくりと焦ら
すように撫で上げた。
「…はぁ…っ、そんなこと…そんなことな……ぁ…っ」
「そう言われてもなぁ……、そんな顔されちゃたまらねぇんだけど」
少年は呟くと少女の秘裂に再度顔を埋め、舐めあげる。そのたび
に少女は快感に身をよじる。目じりからは生理的な涙がこぼれ出し
ていて。少年をにらむその瞳は、むしろ欲情をかきたててゆくもの
だった。
「よぉ…っしゃあっ!」
「リザぁっ!!!」
どさり、と少女のパートナーであるリザードンは地に落ちた。
少年は喚起の声をあげ、彼のパートナーであるカメックスの方へ
ゆっくりと歩いてゆく。
少女は涙を浮かべ、慌ててパートナーの下へ駆け寄る。ただ気絶
しただけであり、命の危険にさらされるような状態ではないことを
確認――進化してから、むしろヒトカゲからの数年間の付き合いで
その度合いなどについては痛いほど理解していたため――すると、
ほっと肩を下ろし、パートナーをボールの中へ納めた。
少年は自分のパートナーをボールに納めながら、そんな少女の様
子をじっと見つめていた。
しばらくぼんやりとしていた少女は、ぱんぱんと膝についた砂を
払いながら立ち上がる
「……あは、負けちゃった……、ね?」
にっと笑い少女は少年へ向き合う。
「あーあ、悔しいなぁ……、いつのまにかにそんなに強くなってた
んだ。でも、そうよねぇ……、いつまでも私に負けつづけているの
もしゃくだって言ってたし、いい加減一回くらい勝つこともあるも
のね。それに運ってのもありそうだし」
にこにこと笑って言いながら、少女はボールを鞄にしまってゆく。
少年は額に手をあてながら、
「相変わらず一言多いんだよ、マミナ」
と、呟いた。
「で、何をするの?」
少女はベットに腰掛けて、上目遣いにそう少年に尋ねた。
「ああ、ちょっと待っててくれ。確認してくるから」
そう言うと、少年は部屋から出てゆく。少女はつまらなさそうに
唇を尖らせたあと、ベットに寝転んだ。
――あの後、途中トキワに寄ってセンターで傷ついたポケモン達を
回復させた。そして、自分たちの故郷であるマサラの、少年の部屋
に通されたのだった。
ぼんやりと寝転んでいたが、ふと体を起こすと、周りをよく見渡
した。
数年ぶりに入る、彼の部屋。変わっているかな、そう思って見回
してみたが記憶にあるそれとはあまり変わってはいなかった。
「ま、そうよね……私の部屋もあまり変わってはいないんだし」
幼馴染だから昔はよくあがってたんだよね――そう、誰に聞かれ
るでも無しに呟くと、少女はベットに身を沈めた。
程よくかかる日差しはうららかに暖かくて、そしてふわふわと柔
らかいベット。
心地よさに、少女は何時の間にか眠りに誘われていっていた。
――確認ってなんだろう?
そんなことを考えながら、ゆっくりと眠りの世界へと落ちていっ
た。
部屋に戻ると、彼女はすやすやと寝息をたてていた。
少年は、はぁとため息をつきながらも、寝ている少女を気遣い、
ドアをできるだけ音を立てないように閉める。そして、ベットをで
きるだけ揺らさないように腰掛けた。
むほうびに投げ出された、短めのスカートからすらりと伸びた足。
華奢な体つきをしているものの、でるところはきちんとでていて。
少女から大人への移り変わりの時期。
少年はじっと少女を見降ろしていた。
小さいころからずっと見ていた。
泣き虫で意地っ張りで、一言多くてきっついことを平気でニコニ
コと笑いながら言う。それが悪気がないことも彼はよく知っていた。
そして、勝ったら相手のいう事を何でも聞くという、あのときの
約束。
それはあの時にはもう決めていたことだった。
――自分のものにしたい。
彼女が泣き叫んでも、どんなに軽蔑されたって構わない。
そう、声に出さずに呟いた。