〜序章 "輸贏"〜
(やられた・・・・ガブリアスは強かだった・・・・そして・・・俺は浅はかだった・・・・)
ポケモンリーグに挑戦し、シロナに敗れたコウキがそこにいる。
突然、別の場所から声がかかる。
「コウキくん! チャンピオンに挑戦する前にアドバイス・・・・・・」
その声の主は、ヒカリだった。
「!? あれ・・・もしかして、もう、終わっちゃった?」
今になって、ようやく状況を察知したヒカリ。
(もう、終わっちゃった?じゃないよ。遅すぎる。帰れ。うだつの上がらない奴め・・・)
「残念だけど、たった今、勝負が付いてしまったわ」
シロナが恬淡とした口調で言い放つ。
「そんな・・・」
ヒカリが、がっくりと俯く。まるで、既に自分が敗北したかのように。
「コウキくん、またいらっしゃい。で、ところで、きみは・・・」
「ヒカリです」
「ヒカリちゃん・・・次の挑戦者は、きみね?」
「そうです・・・」
「じゃあ、ちょっと待っててね。今回復するから」
そういって、シロナが回復の薬や元気のかけらなどを使って、ポケモンたちを治癒する。
「よし、準備は出来たわ。折角だからコウキくんも見ていく?」
「はい!」
シロナの申し出に、コウキは頷く。
「ヒカリちゃん、かかってらっしゃい」
「はい!」
シロナとヒカリの戦が始まった。案の定、シロナが勝った。
「ミミロップ!」
やはりガブリアスで決着が着いた。
「そんな・・・・」
「惜しかったわね。またいらっしゃい。ちょっと、休憩しようか?」
「はい!」
二人は、シロナの後についていった。このことが、後に、二人・・・いや、三人の乱行を引き起こすきっかけとなる。
〜序章 "輸贏" 完〜