〜本章 ”隧道”〜  
 
ここは、地下通路。  
今ナタネは、丁度化石掘りを終えて、後始末をしているところである。  
「あれっ、ナタネじゃないか」  
一人の男が、ナタネに呼びかける。ナタネは後ろを向いて、その声の主を確かめる。  
「あっ、ヒョウタじゃない、久しぶり!」  
ナタネがヒョウタとの、友としての再会を喜ぶ。  
実は、二人は嘗て、トレーナーズスクールに通っていた。  
ヒョウタとナタネは、スクールの級友だったのだ。  
現在でも、会えばそれなりに世間話に花を咲かせることぐらいある。  
「奇遇だね。でもなんでナタネが地下通路に?」  
「それは・・・えっと・・・あれよ!あれ!」  
「いやぁ・・・あれじゃ分からないよ・・・」  
ナタネが焦って訳の分からない説明をするのに対し、頭をかきながら苦笑するヒョウタ。  
「だからッ・・・あれよあれ!あたしのとこの地下おじさんが、化石掘りを勧めるもんだから・・・・ねッ!」  
「ねッ!ッて言われてもね・・・ふッ・・・」  
「もぉ、笑わないでよぉ・・・こっちは、真剣に説明してるのに・・・」  
彼女の愛くるしい瞋恚の連続に、ヒョウタの脳内は爆発を起こした。  
「ヒョウタ・・・どうし・・あっ! ちょっとぉ!?」  
知らぬうちに、ヒョウタはナタネの体を押し倒していた。  
あまりの衝撃に、一瞬気を失いそうになるナタネ。  
そんな彼女をよそに、軍手を脱ぎ、ズボンのポケットに押し込むヒョウタ。  
ただ、そんなヒョウタの動作も、今のナタネの視界には入らない。  
(ヒョウタ・・・どうしちゃったの?・・・まさか・・・まさか・・・?)  
唐突に、ヒョウタはナタネの胸ではなく、腰を鷲掴みにした。  
そして、指が食い込むぐらいに強く揉み始める。  
 
「きゃううぅ・・・・んくうぅ・・・ぃゃ・・やめてよぉ・・・ヒョウタ・・・・」  
「やっぱり、ナタネは可愛いね・・・」  
ヒョウタの言葉通りナタネの可愛らしい嬌声と、ヒョウタの荒い呼吸。  
今、その二つが二人っきりの空間に錯綜する。  
「だからぁ・・・くすぐったいから・・・・やめ・・・あうっ!」  
ヒョウタによる蹂躙の対象が、ナタネの腰から胸へ移る。  
「いやっ!・・・・ちょ、ちょっと・・・・どこ触ってるの!?」  
「どこって、見れば分かるだろ?」  
ナタネの質問に、あえて質問で返すヒョウタ。どことなく、ヒョウタの狼藉は少し初々しい。  
「おっぱいは小さいけど、やわらかくて気持ちいいよ・・・・」  
「悪かったわね・・・・ちっちゃくて。この体型、維持するのぉ、すっごい苦労するんだからねっ・・・!」  
ありのままのことを明け透けに言われて、かっ、と顔を真っ赤にして怒るナタネ。  
そんなナタネの嬌嗔に、思わず顔を綻ばせながら、ヒョウタはナタネの黒シャツをずり上げてしまう。  
「ひゃっ・・・!」  
ナタネの胸が露になる。それは、まだ発育途中の少女のように慎ましい。  
しかしそれでいて、淡いピンクの乳首は既にしっかりと上を向いてしまっている。  
「ナタネ・・・・・・こんなにコリコリにしちゃって・・・・」  
ありのままを言い放って、ヒョウタは乳首を摘んだり、弄ったりする。  
「ひゃううぅ・・・だって・・・だってぇ・・・いやぁ・・・ひやああぁぁン・・・・」  
服の上からの愛撫とは全く違う快楽と、羞恥に、思わず目を濡らしてしまうナタネ。  
それが、ヒョウタをこの上なく欲情させる。  
「だってじゃないでしょ? ホントのことを言っちゃいなよ」  
そう言って、ヒョウタはナタネの片方の乳首を口に含む。そして、ぺろぺろと舐る。  
「あくぅっ・・・! あっ、ああッ・・・せ、切ないよぉ・・・あふぅ・・・あン・・・ああぁん・・・」  
ナタネが自分の胸中を披瀝する。そんなナタネの目尻からは、澄み切った涙が流れていく。  
「ナタネ・・・・可愛いよ」  
と、いきなりヒョウタはナタネの唇を奪う。  
それと同時に、今まで玩んでいた両方の乳首をぎゅっ、と両手で掴む。  
「んむっ! んんんんんんんんんーーっ! んむうううぅっっ!」  
嘗て味わったことのない三重の快楽に、ナタネはがくがくと体を戦慄かせながら、絶頂に達してしまった。  
 
「・・・タネ・・・ナタネ・・・」  
「んん? ひ、ヒョウタ? きゃっ!」  
気が付くと、ヒョウタがいた。しかし、今目の前にいるヒョウタは自分の肉棒をナタネの目の前に曝け出していた。  
反射的に、ナタネはぎゅっ、と目を瞑ってしまった。  
「目を開けて、ナタネ。 もしかして、これを見るのは初めて?」  
「イヤッ! そんなこと・・・聞かないでよ・・・」  
「答えろよ」  
残忍な詰問をナタネに投げかけて、ヒョウタは自分の陰茎をナタネの頬にぴたっ、とくっつけたりする。  
「ひゃっ! 熱いッ! やめてッ」  
「じゃあ、目を開けなよ」  
そう言われ、ナタネは恐る恐る目を開ける。やはり、視界には怒濤の如く屹立したヒョウタのペニスがあるだけだ。  
「今から、僕のこれは、ナタネのここに入るんだよ・・・・」  
ヒョウタは、ナタネの中心部分を指差す。  
「ここって、あっ!」  
ナタネが吃驚の声を上げる。いつの間にか、彼女のズボンがずり下ろされていたのだ。  
「今更気づいたの? くすっ。やっぱりナタネは可愛いんだね・・・」  
そんなナタネの秘唇に、ヒョウタはまだごつさを帯びていないたおやかな指を宛がう。  
「ああッ! あくううぅぅ・・・・ひやあぁン」  
「入れるよ・・・・ナタネ」  
心の準備が出来たのか、それとも観念したのか、こっくり、頷いてしまった。  
ヒョウタのペニスが、ナタネのワレメに侵入する。  
「ああッ・・・あはあぁっ・・・あああぁぁ・・・・い、いたッ!」  
どうやら肉棒が処女膜に当たったらしい。  
「ナタネ、準備はいい?」  
ヒョウタの問いに、数秒ほど間をおいて、ナタネが肯く。  
ゆっくりと、ゆっくりと、ヒョウタは腰を進める。  
「い、いったあああぁぁぁっっっ・・・!」  
遂に、破った。これで、ヒョウタは童貞を、ナタネは処女を卒業してしまった。  
 
「全部、入ったよ・・・・ナタネ」  
激痛と、その余韻に半ば意識を朦朧とさせながら、ヒョウタの状況報告を耳にする。  
「動くよ・・・いいかい?」  
「・・・・うん・・・来て・・・」  
ヒョウタはまず、腰をゆっくり引き、そして、また挿入する。  
「あッ・・・あッ・・・あン・・・ああッ・・・」  
おぼろげながら要領を掴んだのか、それとも、情欲が増したのか、ヒョウタはだんだん動きを早める。  
「あッ・・あン・・あぁッ・・んふうぅ・・」  
ヒョウタの息が再び荒くなる。そして、ナタネの濡つ嬌声のトーンがだんだん上がってくる。  
「ナタネ・・・・気持ちいい?」  
「ああっ・・・ぅん・・・気持ちいいよぉ・・・もっとぉ・・・もっと来て・・・・ああぁん」  
高速化するヒョウタの前後運動。それが、二人にたまらないほどの愉悦を齎す。  
「あふうぅン・・・・んふぅ・・・あッ・・・あぁっ・・・・だ・・・だめぇ、もう・・・ダメなのぉ・・・・!」  
「イキそうなんだね?」  
呼吸が切羽詰ってきたナタネに、ヒョウタは彼女に逼迫する絶頂を察していた。  
「うん・・も、もぉ・・・イキそうなの・・・ああぁン・・ダメぇ・・・もう、イッちゃうよぉ・・・・」  
「ナタネ・・・・僕ももう・・・イキそうだ・・っ!」  
互いにアクメが近づいていることを告白する。ヒョウタのピストン運動が、更に加速する。  
「あン・・ああぁっ・・・あああぁッ! ヒョウタ・・・ッ! 来てッ・・・!」  
ナタネが下からヒョウタの体に両腕を回す。  
「ぐっ・・・!」  
短い一声をあげて、ヒョウタは、ナタネの膣内に精をぶちまける。  
「あーッ! ああーッ! イク! イッちゃううううぅぅぅーーーっ!」  
ナタネの体ががくがくと痙攣する。一方、ヒョウタの目は焦点が合っていない。  
虚ろな眼差しでで、地下通路の天井を見上げるだけだ。  
「はあああン・・・・はあああ・・・あァッ・・・・はああああぁ・・・」  
呆然と息をしながら、ナタネは自分の秘唇から溢れる血の混じったピンクの精液を見つめる。  
 
「良かったのかい? 初めての相手が僕で」  
「うん・・・もしホントにイヤだったら、蹴っ飛ばして逃げてたもん」  
「ふーん・・・」  
ヒョウタが、ナタネの物言いに恬淡とした台詞を言い放つ。  
「なによ!『ふーん』って! もう!・・・ヒョウタったら、いきなりやるんだから・・・」  
顔を真っ赤にしてほっぺたを膨らませながら怒るナタネ。  
しかし、どこか幸せそうな二人である。  
「まあ、これで僕たちも、大人になったってことだね・・・」  
「そうね・・・今度、また・・・いい?」  
「もちろんさ」  
漸く、二人の顔に莞爾とした表情が浮かぶ。  
知らず知らずのうちに、二人は互いの体をぎゅっ、と抱きしめあっていた。  
 
〜本章 ”隧道”〜  
 
 

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