〜前章 ”披瀝”〜  
 
「・・・・くん・・・・コウキくん!」  
「んんん・・・・・あ、あれ・・・・・ここは・・・??」  
コウキが目を開く。今いる場所が先ほどまでいた森の洋館ではないことに気づく。  
「よかったぁ・・・目が覚めたみたいだね」  
コウキが声の主を確かめようと横を向いてみる。その声の主は、ナタネだった。  
コウキがベッドに臥しているのに対し、ナタネは木材の椅子に座っている。  
「あれっ、ナタネさん?・・・・どうしてここに・・・・?」  
「どうしてって・・・ここはあたしの家だもん。コウキくん、あの洋館で倒れてたんだよ」  
ナタネに言われてやっと分かった。  
自分が、森の洋館で、何かしらの理由で、倒れてしまったことを。  
「そうだったのか・・・その・・・ありがとう」  
「ううん・・あたしの方こそ、無理なお願いしちゃってごめんね・・・」  
ナタネが少し頬を赤らめながら陳謝する。  
「それで、事件の主は見つかった?」  
「うん。森の洋館の黒幕は、こいつさ」  
そういって、コウキはモンターボールからロトムを放つ。  
「えっ? これが?」  
ナタネが頗る胡乱気にロトムを見つめる。  
「そう。こいつはロトムって言うんだ。」  
コウキはやや得意げに自分の捕まえたロトムについて話す。  
そして、ロトムをモンスターボールに戻す。  
「コウキくん・・・・ありがとう」  
「えっ?」  
唐突にナタネは。コウキに深くお礼の言葉を向ける。  
「実は、忙しいってのはウソで、ホントはお化け、苦手だったの・・・・」  
コウキの視線をよそに、自分の胸中を吐露する。  
「だけど、あたしの代わりに行ってくれて、すごく嬉しかった・・・」  
ほんのり赤面しながら、ナタネはさらに続ける。  
「だから・・・・あたし・・・・コウキくんのことが、好き・・・」  
 
突如、ナタネがコウキに向けて告白する。  
「僕のことを・・・・?」  
「うん。だから・・・・・キス・・・して・・・」  
コウキは躊躇った。別に嫌な訳では全くない。むしろ、実はコウキもナタネのことが好きである。  
しかし驚いているのだ。何故自分に好意を抱くのか。  
「ダメ・・・なの・・・?」  
「そんなこと、ないよ」  
接吻を求めるナタネに落ち着かないコウキは、恐る恐る、ナタネの唇に自分の唇を近づける。  
別に、ディープキスではない、ただのファーストキス。  
だが、コウキはナタネに対する明らかな好意を覚えてしまっていた。  
互いの唇が離れる。ナタネは目をぱちぱちさせながら、左足の膝の方に目を向けている。  
「ナタネさん、僕も、ナタネさんのことが好きだ・・・」  
「嬉しい・・・・」  
コウキは、反射的に、ナタネに対する好意を告げる。  
ナタネは莞爾とした表情をその美顔に浮かべ、コウキを見つめる。  
ふと、コウキの中心部分に力が漲り始める。単なる情欲によるものではない。  
今、目の前にいる女性を意識してのこと、現実化された女性との急接近によるものだ。  
ナタネは、そんなコウキの慌しい様子を見逃さなかった。  
椅子からゆっくり立ち上がり、コウキの元へ、寄りそう。  
そして、コウキのズボンの強張りに手を添える。  
「あっ・・・・・」  
コウキが喫驚の声を発する。そんな彼の様子に構わず、ナタネは言い始める。  
「ダメ・・・? コウキくん?」  
甘く、とろける様な声でコウキを誘うナタネの艶かしい声。  
「そんなこと無いよ・・・・だから、しよう?」  
コウキは顔を赤くして首を横に振り、少し躊躇いがちに言う。  
 
「えへへっ♪・・・じゃあさ、ちょっとの間、あたしに任せてくれるかな?」  
ナタネがちょっと悪戯っぽく申し出る。  
コウキはよく理解しきれていなかったが、取り敢えず頷くことにした。  
「やったァ・・・」  
歓喜の一言を呟き、ナタネはコウキのズボンのチャックを下ろし始める。  
そして、コウキのトランクスをゆっくり下ろし、コウキのご子息を外界に解放する。  
「おっきい・・・」  
ナタネはコウキの肉棒にちゅっ、とキスをする。そして、その白い頬でナタネは頬ずりをする。  
「うっ・・・!」  
不覚にも声を漏らすコウキ。そんなコウキに一瞥し、ナタネはにっこりとした表情を浮かべる。  
「口で・・・してあげるね・・・」  
コウキの返事を待つことなく、ナタネの可憐な唇はコウキの剛直に接近する。  
「実は、あたし、初めてだから、よく、わからないけど・・・」  
そして、ナタネはおずおずとコウキの肉棒に舌を伸ばす。  
「んっ・・・・」  
未だ嘗て無い感覚に、コウキのペニスは慄く。  
次第に、コウキの肉棒はナタネの唾液により濡ち光り始める。  
グロテスクとも言える雄の器官に、健気に奉仕を続けるナタネ。  
そのふたつのコントラストが、妙に艶かしくエロティシズムを放つ。  
「う・・・くっ・・・!」  
時折、陰嚢や会陰にも舌を這わせる。  
徐々に荒くなるナタネの鼻息が、コウキの敏感な触覚を刺激する。  
舌による愛撫を一通り終えて、ナタネは再びコウキの陰茎に頬を寄せる。  
「もう、コウキくん・・・こんなにかたくなってるよ・・・・」  
艶の掛かった声、恍惚とした表情。  
少なくとも今のコウキには、ナタネのすべてが甘美で淫らに感じられる。  
「口に・・・・くわえるね・・・」  
 
ゆっくりと、口を半開きにしたまま、ナタネの顔が再び、コウキの剛直に接近する。  
「あむ・・・んんんっ・・・」  
亀頭部分が浅く、ナタネの口腔に迎えられる。  
そして、ナタネは歯を立てまいと、どんどん竿を喉奥まで招聘する。  
「んんんんっ・・・んむぅ・・・」  
半ば苦しげに声を漏らす。肉棒が侵入を果たしたのだろうか。  
そんな中、ナタネの小さな口が出入りを始める。  
「んっ・・・くっ・・・・!」  
初めての口腔奉仕にもかかわらず、コウキは時々不覚にも声を漏らしてしまう。  
ナタネは、唯直向きに奉仕するのではなく、時々動きを止めてコウキに一瞥して様子を窺う。  
小休止があれば、快楽に麻痺せずに済むことを、何故かナタネは無意識のうちに察していた。  
「どう・・・? きもひいい・・・・?」  
「うん、きもちいいよ・・・・・」  
口ごもったままコウキに問いかけるナタネ。  
やっとの思いで、自分の胸中を述べるコウキ。  
ナタネはコウキの剛直を甘噛みしたまま、口腔愛撫の運動速度を最大化した。  
「うっ・・・・・ぐ・・・・」  
ナタネの可憐な唇が雁首を幾重にも擦る。その感覚に、コウキは思わず声を漏らしてしまう。  
コウキは、自分の中心部に訪れる違和感を察していた。  
「あっ・・・そろそろ・・・い・・・くっ・・・!」  
言葉を終えると同時に、コウキのペニスか激しく律動を繰り返し始めた。  
その激しい振動にびっくりしたのか。或いは、精液に喉を叩かれる感覚に驚いたのか。  
どちらによるものなのか分からないが、ナタネは咄嗟に顔を引いてしまう。  
ブピュル・・・ピュルル・・・  
恰もそんな音が聞こえるぐらいに、コウキの精液がナタネの顔を汚す。  
「・・あああ・・・・・あああああぁ・・・・」  
ナタネの部屋に、どちらとも分からぬ二人の声が錯綜する。  
「これが・・・おとこのこの、セイエキ・・・・なんだね・・・」  
顔に付いた精液を指にとって舐めながら、ナタネは呟く。  
そして、互いに向き合った状態でコウキはナタネの胸に手を伸ばした。  
 
「んっ・・・! コウキくん・・・・」  
僅かに触れるか触れないかの衣類の上からの接触で、それでも、ナタネは声を上げてしまう。  
「ナタネさん・・・・」  
互いに名前を呼び合う。コウキは両手を使って胸への愛撫をしようとする。  
ところが、ナタネはコウキの両腕を握って、制止しようとした。  
「ん?ナタネさん・・・・?」  
ふとナタネの顔を見上げるコウキ。ナタネは少し目を潤ませながらコウキを凝視している。  
「おねがい・・・コウキくん・・『ナタネさん』じゃなくて・・・『ナタネ』って、呼んで・・・」  
「えっ・・・?」  
コウキが少し怪訝そうにナタネを見つめる。  
「あたし・・・ダメなの・・・なんか、さん付けじゃ・・・よそよそしくって・・・ゴメンね・・・」  
「うん。わかったよ・・・ナタネ・・・・こんな感じで・・?」  
コウキの問いかけに、些か頬を赤めながら、莞爾とした表情でナタネが頷く。  
そして再び、コウキはナタネの胸に手を伸ばし、ゆっくりと揉み始めていく。  
「んっ・・・・はぁっ・・・・・んんっ・・・」  
時折甘い吐息を漏らしてしまうナタネ。その悩ましげな表情は、剣呑な艶かしさで彩られていた。  
コウキの両手が、ナタネの黒シャツを捲り上げる。  
黒い、レース状をあしらったブラがコウキの視界に晒される。  
コウキは、唯じっと、現在目の前にある女性の下着を凝視している。  
「白だと思ってたけど、真っ黒とは、ナタネもおませだね・・・」  
「ひどっ・・・あたしだって・・・・ちょっとは、おしゃれ、したいんだからッ・・・・」  
やや涙声で切なく自分の胸中を語るナタネ。コウキは少しニヤつきながら、ブラを上げようとする。  
が、要領がつかめない所為か、無理やりブラをずり上げてしまうコウキ。  
「いたッ・・! コウキくん・・・いたいよぉ・・・・」  
どうやらずりあげた際に、ブラが乳首に擦れてしまったらしい。  
「ごめんよ」  
痛がっている様子を見て取り敢えず謝る。そして、再びナタネの胸に見入ってしまうコウキ。  
やや膨らみかけた胸、小さいながらも硬く勃起した乳首。  
コウキはナタネの控えめな双乳に手を伸ばす。  
 
両手の感覚で、乳首を弄り、乳房を揉みしだく。  
「ナタネの胸・・・ぺったんこだと思ったら、意外にあるね・・・・」  
明け透けに痛い所を衝くコウキ。と同時に、ナタネの顔が真っ赤になる。  
「・・・しっ、失礼ねッ! あたしだって・・・ちょっとは、胸あるもんッ! それに・・・んぁぁン!」  
言葉を続けようとするナタネの乳首を思いっきり摘み潰すコウキ。更には、ナタネの唇を強引に奪ってしまう。  
「んんんんっ! んむううぅっ・・・!」  
互いの唇が離れる。唾液のアーチが二人を結ぶ。  
「綺麗だよ、ナタネ」  
「はぁ・・・んはぁ・・・コウキくんの、ひきょおものぉ! いじわるぅ・・・・ぅああぁん」  
あどけないナタネの連続的な嬌嗔。しまいには童女のように泣き出してしまうナタネ。  
「ごめんごめん・・・調子に乗りすぎちゃった・・・」  
あわてて謝るコウキ。ナタネはほっぺたを膨らませていた。  
そして依然として、しゃっくりを上げながら、さめほろと泣き続けている。  
「もうッ・・・コウキくんなんか・・・知らないッ! ・・・コウキくんなんか・・・きゃううッ!」  
突如、コウキの指がナタネの可憐な臍を不意打ちする。  
自分の意思とは逆のことを言っていると悟ったコウキは顔を綻ばせ、コウキはヘソに顔を寄せる。  
「んっ・・・んあぁ・・・あふぅ・・だ、だめぇ・・・そ、そんなトコ・・・・ああぁン・・・・」  
臍をぺろぺろと卑猥に舐りながら、乳房をぐにぐにと揉む。  
「・・・んんっ・・・んはぁっ・・・あン・・・んああぁッ・・・」  
「気持ちいい?ナタネ」  
いつの間にか、コウキの両手が乳房から離れ、痩せた腰に宛がわれている。  
「いやぁ・・・おヘソは・・ダメ、なのォ・・・せ、切ないよぉ・・・ぃやああぁん・・・」  
コウキは押し黙ってナタネの臍への蹂躙を只管続行する。  
「んんっ・・・あぁん・・・くす、ぐったいよぉ・・・コウキくん・・・おねがい・・・こっちを・・・」  
ナタネが指差す、その先は・・・・  
「こっちを?」  
「うん・・・おねがい・・・コウキくん・・・なめて・・・・」  
そう言って、ズボンをするすると膝の所まで脱いでしまうナタネ。  
大人っぽさと婀娜さを感じさせる黒いショーツがコウキも瞳に眩しく映る。  
しかし、そんなコウキに構わず、ナタネはショーツも膝の辺りまで脱いでしまう。  
 
「ナタネ・・・」  
コウキはナタネの秘部をまじまじと見てしまう。  
黒い下着から受ける印象と、まるで対照的なナタネの幼いワレメ。  
だがそこは、ささやかな恥毛によって淫らに飾られ、たっぷりと蜜を湛えてしまっている。  
「あんまり、じっと・・見ないで・・・」  
コウキは自分の外聞や恥じらいをかなぐり捨て、ナタネのワレメに舌を伸ばす。  
「んぁっ・・・・!」  
触れるか触れないか。そんな微妙なタッチに、ナタネはうっかり声を漏らしてしまう。  
「すごく・・・濡れてる」  
「いやぁっ・・・そんなコト・・・言わないで・・・はずかしいよぉ・・・」  
ありのままを告げるコウキに対して、顔を紅潮させながら胸中を語るナタネ。  
「可愛いよ・・・ナタネ」  
出し抜けに、コウキはナタネの割れ目に沿って舌を這わせる。  
「んああぁっ! ひゃぁっ・・・・んんっ・・・んあ・・・んふぅ・・・・」  
コウキは今まで自分が抱いていたプライド、羞恥を悉く捨てる。  
そして、犬のようにナタネの秘部やクリトリスを舐り回す。  
「ああぁっ・・んはあぁっ・・・んんっ・・・ああぁん・・ぃやあぁン・・・」  
ぴちゃっ、ぬちゃっ・・・といった淫靡な音がナタネの部屋に響く。  
ナタネは切なげに眉を撓め、目尻からはとめどなく涙が流れていく。  
更にコウキは、じゅぞぞっ、ずぞぞぞっ、という音を立ててナタネの愛液を啜る。  
恰もナタネに言い聞かせるかのように。  
「ひゃううっ・・・あン・・・だ、ダメぇっ・・・も、もう・・・い、イッちゃうのぉ・・・」  
「思いっきり、イキ狂えよ・・・ナタネ・・・・! ず・・・じゅぞぞぞっ!」  
コウキが殊更いやらしい音を立ててナタネの口腔愛撫に熱を入れる。  
「あああぁっ! い、いっちゃうううううぅぅぅ! きゃあああああぁぁぁっっっっ!」  
がくがくと痙攣しているナタネの秘所からは鯨の如く潮が吹かれ、コウキの顔をびしょびしょにする。  
「ああああぁぁぁっっ! あーっ! ・・・・はぁっ・・・んはぁっ・・・・」  
呼吸を荒くし、目の焦点を外し、涎を垂らし続け、下半身に震えを走らせるナタネ。  
コウキは、数分、暫く、乱れたままのナタネを見続けている。  
 
〜前章 ”披瀝” 完〜  
 

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