〜後章 ”強奪”〜  
 
「・・・ん・・・・コウキくん・・・?」  
絶頂に果てて数分。おぼろげながら意識を取り戻す。  
中途半端に衣類が脱げかけていた二人とも、今は全裸である。  
互いに意識がはっきりしないため、どちらが脱いで、どちらが脱がしたのか判然としない。  
そんな中、ナタネはゆっくりと体を起こし、コウキの腰を跨ぐ。  
「ナタネ・・・・」  
「ごめんね、コウキくん・・・あたし、もう、ガマンできないの・・・・んっ・・・」  
そう言って、ナタネはコウキの腰に手を添え、自分の秘所とコウキの亀頭の先端部分を少し触れさせる。  
「聞いておきたいんだけどさ・・・・コウキくん・・・初めて?」  
ナタネの質問に、コウキは押し黙ったまま首を縦に振る。  
「そうなんだ、よかったァ・・・・実はさ・・・あたしも、初めてなんだ・・・・  
 だからさッ・・・その・・・お互いに、ガンバろッ?ねッ・・・?」  
初体験に対する不安が募ったためか、声を震わせ、言葉を続けるナタネ。  
「うん・・・けど、そんなに・・・緊張しすぎないで・・・・」  
何故か無性に優しく、コウキはナタネを宥め賺す。  
「ありがとう・・・コウキくん・・・  
 今・・・・あたしの、ここが・・・コウキくんの初めてを・・・もらっちゃうんだ・・・」  
ありのまま、今から起こることを告げるナタネ。  
まだ挿入も果たしていないのに、顔が上気し、熱に魘されているかのように息を荒くしている。  
「そうだね・・・ナタネのここは、僕のオチンチンを食べたくて、  
 もうすっかりヨダレをたらしちゃってる・・・・すごく欲張りさんだね・・・」  
とても婉曲とは程遠い皮肉をコウキはナタネに仕掛ける。  
「もうッ・・・!欲張りさんでも、いいもんッ・・・! コウキくんの童貞、奪っちゃうんだからッ!」  
そして、ナタネはゆっくりと、しかし確実に、腰を下ろしていった。  
「あつッ・・・くぅっ・・・んはあああぁぁっ・・・!」  
涙を流し、破瓜の痛みにどうにか耐えながら、徐々に遅くなりつつも、コウキのペニスを迎える。  
完全に挿入を果たしたコウキのご子息。接合部からは、処女を失った証が流れている。  
どの位の時間が、経ったのだろうか------  
「・・・うごいて、いい・・・?」  
「・・・うん、いいよ・・・」  
些か靄のかかった意識の中、禁断の交わりが今、ここで幕を開けることになる。  
 
ナタネの腰が、淫らに上下し始める。やはり、初めてだからだろうか、その動けはぎこちない。  
誤って抜けるかもしれない。ただ、そんなことに気を使う余裕など、今の二人には無い。  
一方コウキは、なされるがまま、声を漏らさないようにするのが精一杯である。  
「んっ・・・・んはあぁっ・・・ひやあぁん・・・んんッ・・」  
ナタネのお尻が、可愛く、しかしそれでいて、卑猥に、動いている。  
ふと、コウキはナタネの胸に手を伸ばし、乳首を揉みつぶす。  
「ひあッ!・・・ぃやあぁん・・・んはああぁっ・・・感じちゃうッ・・・!」  
ナタネの背中が、コウキの狼藉を避けようと、思いっきり彎曲する。  
かと思うと、ナタネはコウキの胸に上半身を預ける。  
コウキは透かさず、ナタネの唇を強奪する。  
「んむっ・・・じゅぞっ・・・れろっ・・・んむむぅっ・・・」  
舌が舌を蹂躙し、唾液と唾液が行き来する。  
傍から見れば、一つの生き物のように見えるかもしれない。  
「んふうぅ・・・・ダメぇっ・・・アソコが・・・きゅんきゅん、しちゃうッ・・・」  
文字通り、コウキのペニスは、ナタネの膣に締め付けられ、射精を促されつつある。  
「うっ・・・んくっ・・・」  
波の如く押し寄せてくる快楽に耐え切れずコウキは声を漏らしてしまう。  
それと同時に、ナタネに、二度目の絶頂が逼迫している。  
「あっ・・・あっ・・あン・・・ダメ・・あ、あたし・・・もう、限界っ、なのぉ・・・」  
知らず知らずのうちに、コウキの身体にも、おぞましいほどの快感が紡がれている。  
「ぼっ、僕も・・・・も、う・・・いっく・・・ッ!」  
そう言いながら、いつの間にやら、コウキは自ら腰を遮二無二上下させていた。  
「あン! あっ! ああぁっ! あーっ! あーッ! イク! イク! イッちゃうのおおぉ!」  
「ぅ・・ぐ・・・っ!」  
声を漏らすのを終えると同時に、コウキは自分の欲望をナタネの中に開放した。  
「ひゃああああぁぁっっ! ああああああアアアアぁぁぁぁァァァっっっ!」  
目を見開き、口からとめどなく涎を垂らし、体を痙攣させながら、ナタネは絶頂を迎えた。  
「あひっ・・んぁああぁっ・・・はああぁ・・・」  
息を荒くしているナタネの中心部からは、ややピンクのかかった精液がコウキの下腹部を流れる。  
 
「はぁ・・・んはァっ・・コウキくん・・・きもち、よかった・・・?」  
絶頂の余韻のせいか、呼吸が些か乱れたまま、ナタネはコウキに聞く。  
「うん。きもち、よかったよ・・・けど、僕が最初の相手で、よかったの・・?」  
「もうッ・・・それは、こっちのセリフだよ、コウキくん・・・  
 あたしが、コウキくんのことが、好きで、やったんだから・・・」  
ありのまま、隠すことなく、ナタネは自分の胸中の告白する。  
「初めての相手が好きな人だったから、あんなに叫びまくってたんだね・・・」  
途端に、ナタネの顔がこれ以上ないぐらい真っ赤になる。  
「なっ・・・! なによぉ! 女のコはみんな、エッチなコトするときにもっと叫ぶもん!」  
婉曲を孕まないコウキの冗談めかした皮肉を、ナタネは真に受けてしまう。  
そして、あられもない事を自室で吐露してしまった。  
「ナタネはあんま叫ばないけど、イヤらしく喘ぐからな・・・はぶっ!」  
言葉を終えたその刹那、ナタネがすぐ近くにあった枕をコウキの顔面に投げつける。  
「もおおぉっ! くやしい〜! コウキくんのおちんちんなんか、再起不能にしちゃうんだから!」  
ナタネは先ほどのやり取りで萎んでしまったコウキのペニスを再び口に咥える。  
「あ〜待った待った!今の無し、今の無し!うわあああああああ!」  
「んちゅ・・・ちゅぱっ・・もうコウキくんっやら、ほんなにおおひくしひゃって・・・イヤらひい」  
文字通り、二度も絶頂を堪能したくせに、貪婪にもコウキのご子息はまた屹立し始めた。  
あんなに交わったのに、すっかり、ナタネはその気である。  
「そっ、・・・それは・・・!・」  
「もっとかはくなるように・・・しこしこ、ひひゃうんもんッ・・・ちゅぱ・・んちゅっ・・・」  
更に悪いことに、ナタネはその白いたおやかな指でコウキの陰茎の根元を扱き始めたのだ。  
「ちょ、ちょっ・・ちょおおおお・・’%(’&$”(+}(’=〜〜〜ッ!」  
最早暴走したナタネを止められる奴はいない。  
こうして、コウキは、主導権を我が物顔に振り翳すナタネに幾度となく玩ばれるのだった。  
あくる日も、あくる日も・・・・・  
 
〜後章 ”強奪 完”〜  
 

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