「おっ邪魔しまーす★」
「ふははははー!!デンジん家久し振りに来たぜー!!」
家主は、大層憤慨していた。
「お前らなぁ…大人のくせに程度ってものを知らないのか!
…もう明け方だぞ!」
デンジの叱り声も、へべれけに酔っ払ったシロナとオーバにはなんの効果も示せない。
「そりゃーあんなに遊んだんだぜー!朝にもなるさ!」
「なるさなるさー!!」
酒瓶を抱えたシロナがオーバの発言に音頭を取る。
二人はしどけない足取りでお互いにもたれかかり合いながら
ニヤニヤと笑っている。
デンジは溜め息を付いた。
「あのなー…シロナ。仮にもチャンピオンのお前が
そんなもの持ってあちこちうろついて大丈夫なのか?
夕方からライブハウスにクラブにバーに…」
「へーきへーき!酔ってないし!」
「酔ってない!!!」
反対に音頭を取ったオーバの赤いアフロヘアーから
バーの伝票がのぞいているのを見て、頭を抱える。
「だいたい何で一介のジムリーダー程度の俺を引き回す必要があるんだよ。
お前らにはあと3人仲間がいるだろ?」
ニタニタ笑いがぴたりと止まった。
「ババァにガキにキモナル男…とーっても素敵な仲間達よね…」
「ただでさえ職場関係でストレス溜まってんのに
なんでオフでまで付き合わなきゃなんねーんだよ!!
俺らと同年代で趣味が合いそうなのはお前だけなんだってばぁーデンジぃぃー!!」
飛び付いて来たオーバをひらりとかわすと、
そのまま頭から床に突っ込んでいく。
「オーバ!!アフロクッションを使うのよ!!」
「ぼよーん…って普通に痛てー!!」
あまりに酔っ払いを絵に描いたような言動に疲れ果てたデンジは、
リビングに二人を招き入れた。
「もう取りあえずはいいから…ここで一眠りして帰れよ…雑魚寝で悪いけど…」
そう言って二人を振り返ったデンジは目を見張った。
「って、何で脱ぐーー!?」
シロナは衣服を脱ぎ捨て、今まさにブラジャーのホックを外そうと、
オーバはオレンジ色のトランクスを腰まで下ろしている、
というそれぞれの様相に、デンジは飛び上がった。
「だってぇー寝ろって言ったじゃなーい」
「寝るには脱がないとなー!!」
ねー、と笑顔を合わせる二人に気付かれないように、
デンジはそっと立ち上がった。
(もうオレは十分戦った…後は逃げるが…勝ち…)
そろそろとドアへと向かって歩き出すデンジの足に、シロナが飛び付いた。
「どぅわ!?」
床に倒れこむデンジを見て、げらげらと笑った二人は、
そのままズボンを引っ張って脱がせにかかる。
「うわぁ!!マジやめろって!!」
「あ、灰色のボクサーブリーフ!」
「すかしてんじゃねーよ!!トランクスでハミチンしてこそ男だろ!!!」
(もうやだ…)
床に突っ伏すデンジを表に返して、シロナが立ち上がった。
豊満な白い乳がぷるんと揺れている。
「ほらー…あたしは白と黒のレースのガーター…しかもねー」
潔くショーツを膝まで下ろすと、
金色の毛が播く、紅色の陰部があらわになった。
「ほらー!!ガーターベルトの上からパンツ履いてるから
脱いでもガーターなの!!ガーター!!!」
「さすがチャンピオン!!ガーター!!」
(見てしまった…)
デンジはがっくりと肩を落とす。
シロナがショーツを投げ捨ててかがみこんだ。
「デンジのチンコはどーなってんのかしらねー?んー?」
血の気がさっと引く。
「ば…馬鹿!!!やめろッ!!!」
しかし抵抗空しく、ボクサーブリーフは腿まで下げられてしまった。
「ふふ…半勃ちじゃなーい…色的に結構使ってるみたいなのが意外だわ」
「デンジの場合オナニーだろ。ほら、あの女の子の妄想で抜きまくってるとか…
えーと何て言ったかな…ミ…」
「わーわーわーわー!!!!」
赤黒い自分のペニスを両手で押さえ、デンジは叫んだ。
シロナはにやりと笑う。
「そっかー。ふふふ、ドーテーじゃ好きな女の子喜ばせるなんて出来ないわよ。
あたし、いーこと考えちゃった★」
自分の脱ぎ捨てた服からモンスターボールを取り出し、ポケモンを繰り出す。
「ミカルゲ!さしおさえよ!」
デンジの両手両足が、伸ばしたスパナのような形で固まり、動かなくなった。
「えーと…さしおさえってこういう技だったか?」
「展開上多少の改変はしかたないのよ。さ、戻って!…よーし…」
デンジの顔はより一層青ざめた。まずいことが起こりそうな気がする。
シロナがデンジの開かれた両足の間へ屈み込み、四つん這いになった。
目線が下がり、ペニスのにおいまで感じられるほどの距離に顔を近付けると、
デンジの両太股に長い金髪がふわりと被さる。
シロナは尻ををくいっと上げた。
「オーバ、あたしの舐めて」
「はいよ」
そう言われてすぐ、オーバは血に飢えた獣の様に
シロナの陰部に顔を埋め、べろべろと舐め始めた。
片手で自身の黒いペニスを握り、強くしごいている。
「あっ…ん…そうよ…さーて、いくわよ…」
シロナはデンジのペニスを口内に咥え込み、
ためらうことなく思い切りしゃぶりつき始めた。
「!!…や…めろ……」
竿の付根から先端へとせわしなく口元が往復するたび、
新たな汁が滑りを促進する。
(まずい…このままじゃマジで出る…)
デンジが必死で射精の衝動に耐えていることに気付いたのか、
シロナは一旦咥えたペニスを排出した。
続いて、竿の付根をを片手で握り、先端部分のみを咥え込む。
黒いネイルで彩られている親指の爪で竿を軽くこすりながら、
カリの円周をを舌先でちろちろと舐め回したり、
時たまちゅっと吸い込んだりする仕業に、デンジは歯を食いしばる。
だが、シロナの八重歯が尿道口をこりこりと刺激するたびに、
脳内に白ばむ心地が興ってしまう事実。
「う…シロナ………」
次の瞬間、シロナの歯がデンジのペニスに食い込んだ。
「痛ったぁぁぁぁーーーー!!!!!」
デンジが身体を思いきり跳ね上げると、シロナが口を離して後ろを振り向いた。
「ちょっとオーバ!!いきなり指入れないでよ!!びっくりするじゃない!」
「だってよー、デンジばっかり奉仕されててずりーじゃん。
とりあえず俺はマンコに挿れようと思って」
「嫌よ、あんた早漏じゃない。大体今日はデンジの筆下ろしが目的なんだから」
(いつのまに定まったんだよその目的…)
「でも俺だけ一人でチンコしごいてるなんてヤダもん」
「…しかたないわねー」
シロナは自分の鞄からポーチを取り出し、中をまさぐった。
「やだー切れちゃってるわ。デンジ、ゴム持ってないの?」
いきなり事が核心に迫り、青ざめたデンジだが、
次の瞬間何かを思い出したかのように目を細め、ぽっと頬を染めた。
「なーに?無いなら生でヤっちゃうわよ?」
「…サ……」
「え?」
「……サイフの中…」
「って、おまえは中学生か!」
「あひゃはははは!!!」
全裸で腹を抱えて笑う二人を床から眺めるデンジは、屈辱に顔を歪めた。
黒いネイルが竿を器用に操り、避妊具を適確に装着させてゆく様は、
少なからずデンジを興奮させた。
(自分の勃起したチンコにどうこうするオレって…)
すると、シロナが立上がり、、デンジの股間の真上へ仁王立ちになった。
陰部から愛液が一筋流れ落ち、ペニスへと綺麗に着地する。
「さーて、いっぺんに二本片付けちゃうわよー」
そう言ってその場でくるりと後ろを向いたシロナは、
デンジのペニスの反りに合わせるように体を反らしながら、
ゆっくりとしゃがみ込み始めた。
床に縛られたままのデンジからは、後ろ姿のシロナの長い金髪の先に続いて、
尻の割れ目、肛門、蟻の戸渡り、局部という順番でじっくりと観察できる。
(って、見てる場合かオレ!!)
どうやらシロナはデンジに後ろ向きで騎乗位をしかけるつもりらしい。
亀頭を何度か自身の陰部にあてがって角度を確認していたが、
納得したようにじゅぼっとペニスの上に腰を沈めた。
「うっ…」
「はぁっ…ふぅ…デンジ…結構いいモノ持ってるじゃない…あ…イきそ…」
デンジが薄目を開けると、見事に結合された二つの性器と、
ひくひくと収縮するシロナの肛門が見えた。
暗闇に喰われたペニスは、ぬめぬめと異様な光を放ち、自分のものではないようだ。
シロナは数回呻き声を上げてから、ゆっくりと腰を動かし始めた。
じゅぼ…じゅぼ…とペニスが音を立てて出入りし、
時折内部に引っ掛かるたびに激しい快感が伝う。
「ふっ…はぁ…デンジ…あなたも動いてね…」
そう言ってシロナは、目の前で施しを待っていた
オーバのペニスをぱくっと咥え込んだ。
二本の男性器を体内に取り込んだシロナは、身をよじって悦ぶ。
「…おいシロナ、もっと強く吸えよ」
「ん…ふっ…ふ…」
オーバのペニスにむしゃぶりつくシロナは、
ゼンマイが巻かれたおもちゃのように腰を振り続けている。
と言ってもデンジから見えるのは、
恍惚の表情を浮かべているオーバと、
頭を股間に押しつけられながら呻き声を漏らすシロナの後頭部だけなのだが。
「すげぇ…おまえ、連結器みたいだぜ、シロナ」
「…ん…ふぅ…」
自らの痴態に感じ始めたのか、シロナの腰の動きが余計に激しくなった。
「うッ……やめろ……」
「ふっ…やべェ…シロナ、オレもイきそう」
頭がぶっ飛んだように腰をぐりぐりと動かし続けるから、
上と下の口から漏れる粘度の高い音は、
卑猥を極めてなおしつこく耳に張り付いてくる。
「ふぅん…ふっ…ん…ふっ…!」
シロナの身体が痙攣した。
腰を落とし、デンジのペニスをずっぽりと飲み込んだままがくがくと震え続ける。
汗を含んだ陰毛がじゃりじゃりと擦れる音がした。
「うあぁぁぁぁぁ!!!」
「ふっ…うぅ…ッ」
「うっ…!」
二本のペニスはあっさり、どくどくと白濁の液を噴出し、果てた。
シロナはオーバの精液を飲み干してから、
腰を浮かせてデンジのペニスを体内から引き出す。
その後、シロナが満足そうにその場で眠り出すのを待たず、
オーバは濡れたペニスそのままで床にひっくり返っていびきをたて始めた。
全くデンジを無視して、だ。
「………」
デンジは一人、手足の拘束からやっとのことで逃れ、
白濁液を陰毛に垂れ流したままで頼りなさそうにペニスを覆っている
避妊具をその手で外し、床におもいきり叩き付けた。
***
デンジは朝の浜辺に立ち、呆然と海を見つめていた。
身体と心に朝の日差しが突き刺さる。
(まさか…あんなないがしろな格好で貞操を奪われるとは…)
普段から行為を繰り返しているであろうあの二人にとって、
童貞(オレ)の存在はスパイスのようだったんだろう、と思うと、
弄ばれた屈辱に鼻の奥がツンとするのを感じた。
「あれ?デンジくんーおはようー!今日は早いんだねー」
遠くからミカンが走って来るのを見て、思わずデンジの瞳に涙があふれ出した。
「あたし、今日は朝のお散歩に…デンジくん?…どうして泣いてるの?」
「ふっ…ひっく…ごめん…ミカン…」
「えー?なになにー?あたし、怒ってないよー?デンジくん?」
「なんかあれ、立場が男女逆じゃない?」
「うーん、確かに。つーかデンジは何で泣いてんだ?」
岩影からこっそり二人を見つめていたシロナとオーバは、首をかしげた。
「しっかしまた俺ら脱いでたなー!酔っ払って朝起きると大概全裸だよな」
「お互い暑がりだからねー」
「でもさぁ、俺のアフロから使用済みコンドームが出て来たのは何でだろ?」
「そういえばあたしもやたらお腹がたぽたぽしてるのはなぜ?」
海風が、あたりをふんわりと覆った。
「ま、いっか!」
「そうね、帰りましょ」
真実はたった一人の心の中に、太陽はナギサの空に燦然と輝き続けるのだった。
「ひっ…オレ…ぐすっ…うっ…」
「もしもーし?デンジくーん?おーい!」
おわり