「どうすれば良いか分かる?」  
「分からない……です。手順でもあるんですか?」  
「うふふ。こういう事にはね、手順や理性なんて野暮ったい物は無いのよ。良かったらお母さんが手解きしてあげましょうか?」  
「お母さんって……」  
 
その先は言えなかった。  
夫人は唇をヴァルの唇とぴたりと吸い付くように合わせる。  
だがそれで彼女の劣情が収まるわけが無い。彼女はもっと激しく求める。  
閉じられていた彼の口を抉じ開ける様にして自分の舌を入れてきたのだ。  
彼女の口の中で出来る唾液は直ぐに舌を通して卑猥な音を立てながら彼の口の中にとろとろと入り込む。  
 
「んんっ、んふ……んっ……くっ……」  
 
考える事は何も無い。  
激しく、唯相手の口の味を最大限感じる為の貪る様な接吻(キス)。  
濃密な年上の異性が持つ独特の臭いにヴァルは頭がくらつく。  
甘いのだけれども……極僅かに含まれる感じがする苦味が彼女の持つ雰囲気を引き立てる。  
 
「んちゅ……くっ……ん゛っ!!んぐっ!……んぷっ……ぷはぁっ!!」  
「はぁ……はぁぁ……んっ……ねぇ、オトナのキスは初めてなの?」  
「え?ええ、そうですよ。」  
 
キスは止んだとはいえ二人の口の間には窓越しの月光を浴びて光り輝く銀の橋がかかっていた。  
と言ってもヴァルはまだ正気を保っている。  
 
「そう。良かった。じゃあ……もっと楽しくて気持ち良い事、教えてあげるわ。」  
「そりゃどうも。」  
「んもぅ!……ちょっとは……愛想良くして欲しいわ……」  
 
子供じみた甘える脹れ方で言った後彼女はヴァルの耳に自分の口を近づける。  
それから暖かい息を絶え間なくかけ、耳朶やその周りを甘く優しく噛んだりしつつ、舌で舐めまわしていく。  
ヴァルが「うっ!!」と呻いた後に目を瞑り、麻痺した様に動けなくなるのを見た彼女は自分の背筋に激しい快感が通るのを感じた。  
それから夫人は体をずらし、手をなんて事は無い様にすうっとヴァルの股座に行かせる。  
 
「あらぁ?」  
 
そこにあるのはガウンの布地で出来たテント。  
体格に合う様に作られていた為、そこは彼の怒張を隠そうとして見事に失敗していた。  
口と耳へのキスに対しての正直な反応が夫人には心地いい  
素直な反応をするそれに赤面して目をやるヴァルを尻目に彼女は愛おしそうにそこを撫で擦り始めた。  
 
「うふふ。嬉しい。これだけでもうこんなに大きくしてくれてるなんて。ウチの旦那みたいに慣れてきたら直ぐにこうはいかないもの……」  
「そういう物なんですか?」  
「そういう物なのっ。ごめんなさい、こんなになるまで放っておいちゃって……安心して。今から直ぐに鎮めてあげるわ。」  
 
軽く蟲惑的な笑みを浮かべ夫人はガウンの裾をさぁっと横に払う。  
ギンギンに張り詰めた雄の象徴が彼女の視界に入ってきた。  
しかし、次の瞬間彼女の笑みは蟲惑的な物から失笑の様な物へと変わる。  
 
「あららぁ?……男の子しちゃうほど大きくなったのに……こんなに上がふさふさになってるのに……皮なんか被っちゃって……うふふっ。ホントに『坊や』って感じなのねぇ。お母さん嬉しいわぁ(ハート)」  
「い、いいじゃないですか!別に!!」  
「誰も悪いなんて言ってないわ。可笑しいわね。」  
 
ヴァルはばつが悪そうに赤面しながらそっぽを向く。  
それを見ていた夫人の頭の中では唯一つの考えが出てくる。  
この生真面目で何処までも堅物な少年をどうやって篭絡させるか……  
 
「それより、被ってるって事はまだ経験無いの?」  
「当たり前じゃないですか!有る訳無いですよ!」  
「そお?あなたぐらいの男の子だったら、もう童貞捨てちゃってるのかと思ってたけど……意外ねぇ。……じゃあ自慰した事も無いの?」  
「手持ちの育成とリーグ制覇でそれどころじゃなかったですよ……」  
「……もしかして精通もしてないとか言うんじゃないでしょうね?」  
「精通?何ですか?それ。……精液は知ってますけど。」  
 
この答えで夫人にとっての答えは出た。  
この子に無上の喜びを教えてあげようと。  
オトナの交わり合いとは一体なんなのかを。  
 
「可哀相に……でももう大丈夫よ。お母さんが色々教えてから童貞卒業の相手をしてあげる……」  
「えっ??!ちょっと!それは絶対に駄目ですって!だいいち!童貞って卒業するモンじゃないでしょ?!」  
「はいはい、もうそれ以上喋っちゃ駄目よ、坊や。たっぷり可愛がってあげるからお母さんに体を任せなさい。」  
 
それだけ言うと夫人は細い白魚のような指でヴァルの息子を包み込む。  
 
「ホント、弄り甲斐が出るわぁ……ぺろっ!!」  
「うぐっ!!……ひぃあぁっ!!ちょっ……不潔ですよ!」  
「お風呂入ったばかりなんでしょ?不潔も何も無いわ。」  
 
先ず夫人は舌先を使って彼の息子の先をちろちろと舐め始める。  
挨拶代わりにはこれは丁度良いものだ。  
それから彼女は一気にそれを口に含む。  
暖かく、それでいて痺れる様な感覚がヴァルの体中を駆け巡た。  
息子を丹念に舐め上げる夫人の舌使いは慣れた物で、まるで感覚のつぼを知り得ているかのような物だった。  
やがて上下運動が始まり、彼女の口からはだらしない涎が引っ切り無しに零れ始める。  
 
「ちゅるるっ……ぢゅっ、ぢゅぅぅっ……ちゅぷっ……ちゅっ……れる、れろれろ……ぴちゃあっ……くちゅくちゅ……れるれろ、ろお?ひもひいいれひょう?」  
「は……はい……はくぅぅぅぅっ!!」  
「うれひいっ!れも、まららひひゃらめよぉ……ぷはぁっ、まだ袋も舐めきってないんだから……ね?んっ……ぢゅっ、ぢゅぢゅぢゅぢゅぅぅぅっっ〜〜〜」  
「だ!駄目ですっ、先の方を吸っちゃぁ……ぅわぁぁっっ!!」  
 
その先を言う事はもう出来ない。  
夫人は息子を異常なほどに舐めまわしだし、片手で玉袋を手際良く扱き始める。  
蛇の様な舌の動きで裏筋をつつうっとなぞられた時はヴァルが頭を振り乱してしまうほどだった。  
それから彼女は舌を下の方へ徐々に動かし、扱き終わった玉袋も舐めだす。  
ヴァルの頭は既に快楽で支配されていたのに、股座からは引っ切り無しに快感が伝えられる。  
やがて何かが体の奥から迫りつつある事に彼は気づく。  
彼は一応手っ取り早くすっきり出来ないものかと夫人に向けて訊く。  
 
「ふぅぅっっ……!!あ……あの、まだ駄目なんですか?」  
「ん?らめにきまってるひゃない……もっろべろべろにひらいの。はぁむっっ!!」  
 
まだ駄目なのか……とヴァルは思う。  
だが何故か分からないが、それに伴って一種の安堵感が彼の心の中に広がっていく。  
こんな、年上の相手で誰かのもの……人妻から何の掛け値も無しに誘惑されて、手玉のように取られる。  
こういう事の中では自分自身が思うに一番不謹慎極まりない、ゾッとするような背徳感。  
その時、はっきり彼は自覚するに至った。  
ああ、そうか。自分はこういう感覚に飢えていたんだ、と。  
やがてヴァルはもう文句も何も言わなくなる。  
しかし相手はそんな彼の心境を全く知らないかのように彼の性器の舐めまわしに手を抜こうとはしなかった。  
何度目になるか分からない息子へのキスが降り注いだ時、彼は体の奥からはっきり何かがこみ上げて来るのに気づく。  
その何かとは絶頂である事に間違いは無かった。  
彼は尚も息子の相手をし続ける夫人に向かって哀願する様に言った。  
 
「も……もぉっ、無理ですよ!!出させて下さい!!」  
「ちゅう゛う゛う゛っっ!!ちゅ、くちゅっくちゅ……いいわよ、私の口の中で出しなさい。私の口をきちんと汚すのよ。」  
「い……良いんですか?」  
「良いのよ。ふふっ。その代わりたあっぷり出さないと承知しないわよ。」  
「分かりました。あ……有り難う……御座います。」  
 
照れる様な表情をヴァルは一瞬浮かべる。  
それを見た夫人は悦んだ様ににこりと笑った。  
恐らく、やっと自分が送り続ける快感に対して素直になってきた彼の変化が、本当の彼の母親の様に嬉しく思っているのだろう。  
彼女の性器への愛撫にも力が入る。  
手の動きが段々と速くなり、吸い上げや舐め上げ、そしてキスや扱きの間隔が段々狭まり、そういった行為自体のスピードも速くなっていく。  
耐え切る事の出来ない、もう一度触れられたら爆発してしまう様な何かがヴァルの体を埋め尽くしていく。  
そして……両者が心底待ち望んだ瞬間がやって来た。  
 
「う……あっ……何か、何か出てき……うあああぁぁっっっ!!!」  
「んふっ……くぷっ!ちゅ…んんんっ!!んんんんんうううーーーっっっ!!!!!」  
 
それは警告等出来ない、しても無意味な一瞬で訪れる至福の瞬間。  
ヴァルは喜悦の表情を浮かべ、声を押し殺しながら息子から出る大量の精液を夫人の口の中に向かって放つ。  
彼女はうっとりした表情と共にそれを必死に嚥下しようとするが、飲み切れない分が口の端からたらたらと零れ出す。  
ヴァルの全身はそれから数回弛緩し欲望の果てを撒き散らしきった。  
 
「んぱっっ!!はあぁっ……はあっ……げほっ、えほっ……ああっ……  
うふふ。流石若いコの精液は美味しいわぁ。苦くて、青臭くて、粘っこくて……んんっ!!……んぶ……んっむっ……はぁぁぁぁ……  
喉の通りが悪いのも良いのも後から来る生臭さも最高よ。」  
「はぁ……はぁっ……っあ、気持ち良くて、ご……」  
「そう言ってくれて有り難う、お母さん……でしょ?」  
 
そう言いながら彼女は口の端から流れ出た精液を指に絡め取り、淫猥な指の動きでそれを口に持っていく。  
 
「やだ、勿体無い!坊やの味をしっかり覚えたいのに……ん……ちゅっ、ぢゅぢゅっ、ぺろっぺろっ……ちゅちゅ〜っ!!」  
 
ヴァルの息はまだ荒く続く。  
全身から汗が放たれるのを感じながらこれは夢だろうか現実だろうかと彼は自身に問いかける。  
頬をつねってないがこれは夢だという事にしておきたい。  
だってそうじゃないか。  
人妻が自分の貞操観念をかなぐり捨てて、自慰も、それどころかその言葉も知らない未経験の少年にこんなに淫猥な言葉を使って迫ってくるのだから。  
やがて零れ出た精液を一滴残らず飲みきった夫人は、ずるずると体を動かしヴァルと体を重ね合わせる。  
お互いの顔が向かい合った時、彼女は引き付ける様な笑みをし、甘美な声で彼に囁いた。  
 
「ねえ、坊や。私と一つになりましょう。この世に生きていながら天国に行ける最高の方法で……」  
 

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