白い雪がちろちろと降ってくる。  
そして時々冷たい風がひゅうと吹く。  
周り一面、白い野原だ。  
しかし全くトレーナーは見えず、中心辺りに1人の少女が居る。  
この少女はヒカリと言い、殿堂入りした実力者だ。  
 
「寒いよ…冷たいよ…」  
 
ヒカリは半袖で、手袋やマフラーさえも付けていない。  
それは凍るほど冷たいだろう。  
 
「何か暖かい物…無いかな?」  
 
ヒカリは一瞬モンスターボールに手を掛けたが、ポケモン達は疲れている。  
それに無理をさせれば病気になりかねないだろう。  
すると、ガサガサと早い足音がした  
 
「うわあああぁぁぁ!?」  
 
少女が何かと振り向いたときには、どんっ!という痛そうな効果音が聞こえた。  
その時、ヒカリは暖かな温もりを感じた。  
ぶつかったのは、黄髪の少年だった。  
 
「なんだってんだよー…あっ、ヒカリか!」  
「ジュン!!」  
 
その少年はヒカリの幼馴染み、ジュンだった。  
二人は同時に驚いた声を出した。  
まさかこんな所で会うとは思っていなかったのだ。  
 
「って、何でお前そんな格好なんだよ!?それじゃ寒いだろ!!」  
「えへへ、マフラー無くしちゃって…」  
 
ジュンの首には黄緑のマフラーが巻いてある。  
ヒカリもマフラーをいつもしていたが、無くしてしまったのだ。  
ジュンは少し困った顔をした。  
しかし、何か決めたような顔をすると、自らのマフラーを解いた。  
 
「えっ?」  
「これ使えよ。少しは楽になるはずだ」  
 
ジュンはそのマフラーをヒカリの首に掛けた。  
ヒカリは少し赤くなった。  
しかしまだ完全に暖かくなった訳では無く…  
 
「ジュン、まだ私ちょっと寒い…」  
「まだ寒いかぁ…」  
 
ジュンもさすがに暖める手段が無くなっているようだ。  
ヒカリはジュンとぶつかった時、何かの温もりを感じた事を思い出した。  
 
「ジュン、手を貸して。そうしたら暖かくなると思うの」  
「別に良いけど、オレの手だけでそんなに暖かくなるもんなのか?」  
 
ジュンは不思議そうな顔をしている。  
ヒカリは思い出したことを話した。  
 
「あのね、さっきぶつかったでしょ?その時に暖かかったの」  
 
ヒカリは明るく笑顔で言う。  
ジュンは納得したのか、自分の手を差し出した。  
ヒカリはその手に自分の手を乗せて、握った。  
暖かい温もりが伝わってくる。  
 
「ありがとう」  
「ん、ああ。お前、手冷てえな…」  
 
ジュンも笑顔だった。  
ヒカリの手は雪によって冷やされ冷たくなっていた。  
ジュンの温もりは、ヒカリに移っていく。  
ヒカリはこの温もりを感じることが出来て嬉しかった。  
 
 
それから三十分くらい経った。  
雪は少々納まったが、キッサキシティへの道は一向に見えてこない。  
その時、ヒカリ何かに突っ掛かり、転んだ。  
 
「きゃあっ!」  
「ヒカリ!」  
 
ヒカリが転んだ瞬間、ジュンはしゃがみ込み、ヒカリの身体を起こす。  
ヒカリは泣きそうな顔になっていた。  
 
「大丈夫か?」  
「これくらいだいじょ…いたっ!」  
「お前…足つってるじゃねーか!」  
 
立とうとしても、足の痛みのせいで力が入らない。  
ジュンはモンスターボールを出した。  
 
「オレのギャロップに乗せてもらうんだ。」  
「…嫌」  
「…は?」  
 
ヒカリは俯いて嫌と言った。  
ジュンはヒカリが何故そんな事を言っているのか分からなかった。  
 
「何でだよ?オレなんかより…」  
「…や。いや。嫌。ジュンの温もりから離れるのは嫌!!」  
 
泣き叫ぶヒカリにジュンは完全に困っていた。  
ジュンはギャロップのボールを戻し別のモンスターボールを出し、投げた。  
出てきたのはムクホークだった。  
 
「ムクホーク、ヒカリをオレの背中に…」  
 
ジュンはしゃがんだままムクホークに背中を向けた。  
 
 
ヒカリはいつの間にか寝ていた。  
ヒカリが目をゆっくりと開けると、暖かなジュンの温もりがまだ残っている。  
それに、自分が身長以上に高く、足も手も動かしていないのに、自分は進んでいる。  
そして、目の前には黄色い髪。それは、間違いなくジュンだった。  
足の痛みも少し引いている。  
 
「ジュ…ン…?」  
「おうヒカリ、起きたか。」  
 
自分は、ジュンに背負われているのだった。  
ヒカリが目覚めたことに気がつくとジュンはニィと笑った。  
雪の中でヒカリの体重を支えてただでさえ大変なのに、ジュンはそのままの状態で歩いているのだ。  
 
「ジュン…大丈夫?私降りようか?」  
「まだ足痛いだろ、もう少しでキッサキ着くからよ」  
 
ジュンは体力がかなりあり、走ったり持ち上げたりする事が得意なことを思い出した。  
先を見ると、そんなに近くは無いが雪の降り積もった町が見えた。  
キッサキシティだ。  
 
「ジュンは寒くないの…?」  
「まあ言われてみれば少し寒いな…けど平気だ、お前の方が寒いだろ」  
 
ジュンの何気ない優しさに、ヒカリは胸がずきりと痛んだ。  
痛みが無くなっても、胸のドキドキは止まらない。  
何、これ…?  
 
「ジュン…」  
「何だよ?」  
「ジュンって…好きな人いるの?」  
 
その言葉を発言した瞬間、ジュンはいきなり立ち止まった。  
そして、顔を赤くして自分を見た。  
どうやら自分の言葉にびっくりしたようだ。  
 
「っは…何だよいきなり!?」  
「ううん、なんとなーく」  
「なんとなくって…そんな言葉なんとなく言える言葉じゃないだろ!」  
 
ジュンはまだ顔が赤い。  
ヒカリはジュンにまるで恋心を抱いているかのような気持ちになっていた。  
自分が好きな人は…いないのに。  
 
「そんなことより、質問に答えて」  
「まあ良いけど…」  
「早く」  
 
 
「じゃあ…言うな?オレが好きな人は…いるぜ」  
 
ぐさりと、ジュンの言葉がヒカリの心に突き刺さる。  
まるでジュンが自分を裏切ったかのようだ。  
 
「いるんだ…」  
「はっ?」  
「いるんだね…」  
 
ヒカリの悲しそうな声を聞いて、ジュンは本当のことを言おうかと思った。  
しかしこんな所で言ってしまえば、ヒカリは気絶するほど驚くだろう。  
 
「ほら、キッサキ着いたぜ」  
「うん」  
 
目の前には、雪を被った白い町があった。  
 
 
「なんだってんだよー!ポケモンセンター閉まってるじゃねーか!」  
「どうしよう…」  
 
ポケモンセンターは明かりが消えており、扉も開かない。  
ジュンもヒカリも焦っていた。  
 
「そう言えば、この先の小道にホテルが出来たって聞いたような…」  
「仕方ないな、そこに行こうぜ」  
 
ジュンとヒカリが小道に沿って歩いて行くと、それ程高くないホテルが現れた。  
二人はその中に入った。  
 
「こんばんは、二名様ですか?」  
「はい」  
「このホテルは無料ですが、1つ条件があります」  
 
ジュンは無料と言う言葉を聞いて少し驚いた。  
ヒカリは後ろを向いていた。  
 
「性的行動…すなわちセックスを1回でもして貰わなければいけないのです」  
 
ジュンとヒカリは顔を真っ赤にして見合わせた。  
ここに泊まれば寒さは回避できる。  
しかし自分たちはとても熱いことをしなければならない…  
 
「ジュン…どうする?」  
「…仕方ねぇな」  
 
ジュンは溜息を吐いた。  
ヒカリは鍵を受け取った。  
 
「性的行動は何時、何度やっても構いません。それでは良い一時を…」  
 
 
「ジュン…」  
「…入っちまったな」  
 
二人は部屋に留まってどうするか考えたが、どうすることも出来ない。  
相談して、お風呂ですることにした。  
 
「ヒカリ、最後に聞く。オレで良いんだな?」  
「勿論、入ってしまったものは仕方ないよ」  
 
ジュンとヒカリはお風呂に向かった。  
時が近づく度に、胸がドキドキする。  
それは二人とも同じだった。  
 
「…」  
「…」  
 
二人は無口で、風呂の前に立った。  
声が何も無く、しんとしている。  
どうやらだれも居ないようだ。  
 
「ジュンは…初めて?」  
「初めて…だな。触られたことはあるけど…」  
 
二人は話してから風呂に入った。  
ここは女子男子一緒に入って良いようだ。  
二人とも胸のドキドキが止まらなかった。  
 
ジュンは服を脱ごうとした。  
ヒカリがそれを見ている。  
 
「…」  
「な…何だよ」  
「何でも無い…」  
 
ヒカリは別の所で服を脱いだ。  
ジュンも服を脱ぐ。  
そして、お風呂の扉の前で二人は向き合った。  
 
「いよいよだね…」  
「オレ…良く分かんねぇ…」  
 
ヒカリはジュンとお風呂に入ったことはあったが、股部は見たことが無かった。  
ヒカリとジュンは向き合いながらお互いの身体を見る。  
 
(ジュンのって…結構大きいかも…)  
(あれが…ヒカリのか…)  
 
ジュンは勃起していたが、ヒカリは殆どどうもなっていない。  
二人はお風呂に足を踏み入れた。内と外に別れているお風呂だ。  
外で誰かが見るといけないので、内でやることにした。  
 
 
「お前が攻めるか?オレが攻めるか?」  
「ジュンが攻めて…必ず私もジュンのこと気持ち良くするから」  
 
計画は立て終わった。場所も整った。  
その時が来たのだ。  
 
ちゃぽ、とヒカリが湯に浸かる。  
ジュンは身体を先に温めた。  
 
「ジュン、ここに来て」  
「分かってる!」  
 
ジュンはヒカリの浸かっている湯に入った。  
風呂は十分な広さだ。  
 
「ジュン」  
「じゃあ…やるぜ?」  
 
まずはヒカリの胸を揉む。  
漏れた声は僅かだが、気持ちいいのは確実だ。  
 
「ジュン、凄く大きいよ?大丈夫?」  
「これか…初めてだからな…」  
 
ジュンの肉棒はかなりの大きさになっている。  
女の身体を見ればそれは勃起するだろう。  
ジュンは何時の間に感情を抑えきれなくなっていた。  
 
「ヒカリ…」  
「えっ?…きゃあ!」  
 
ジュンがヒカリの上に乗った。  
そして激しくとは行かないが先ほど与えた刺激より強い刺激を与え始めた。  
まずは乳首に弱く吸い付いた。  
そのまま口に含んだ乳首の先を舌先で突っ突いたり軽く甘噛みしたりして刺激を与える。  
 
「はぁぁんんん!」  
 
ヒカリが快感の声を上げる。  
ジュンはそんな事気にせずもう片方の乳首を摘んで引っぱる。  
ヒカリはとても大きく高い声を上げた。  
 
「あっ…!」  
 
ジュンは自分のしたことに気がついた。  
ヒカリに乱暴な刺激を与えて…  
目の前でヒカリが荒い息を繰り返している。  
 
「ヒ、カリ…」  
「……!」  
 
ヒカリとジュンの距離はもう一センチも無かった。  
しかしヒカリは抵抗をしなかった。  
 
「な…なんだってんだよ…」  
 
ジュンはヒカリから顔を放した。  
まだ気持ちも伝えていない。  
相手の返事も聞いていない。  
まだするのは、早いだろう。  
 
「ヒカリ、悪かった…」  
「ううん、気持ちよかったし」  
 
顔が熱い。火が出ているようだ。  
ヒカリもジュンも、顔を赤く染めていた。  
するとヒカリは笑顔で言った。  
 
「胸はもう十分だから…ここやって…」  
「え…あ、ああ」  
 
ヒカリが風呂に足を掛けて股を広げる。  
ジュンは軽く頷いて、ゆっくりと股部に顔を近づける。  
目の前の所で、ジュンは動きを止めた。  
 
「じゃあ…今度こそ優しくやるからな…」  
「うん」  
 
ジュンは小さい割れ目に沿ってヒカリの秘所をやや遅く舐めてみた。  
ヒカリの身体がぴくりと反応する。  
 
「ヒカリ…これでいいか?」  
「ああっ…いいよ…その調子で…」  
 
ジュンはヒカリの返事を聞いてから先ほどと同じペースで何度も舌を滑らせた。  
ヒカリの秘所は愛液で濡れ、舐める度にヒカリの身体は反応する。  
 
「ひゃああああぁぁぁ!」  
「!」  
 
突然ヒカリの秘所から愛液が飛びでる。  
ジュンはその愛液を戸惑いながらも飲み込む。  
 
「はぁっ…ごめんジュン…」  
「お前は何もして無いだろ…」  
 
ジュンはにこっと笑う。  
ヒカリは赤くなったまま頷いて、ジュンの股部に目をやった。  
ジュンの肉棒はこれ以上は無い大きさだ。  
 
「次はジュンの番…よ」  
「お…オレの…番?」  
 
ジュンは顔を紅潮させている。  
ヒカリはジュンの肉棒を軽く舐める。  
 
「んぁっ…!」  
 
今までに感じたことのない感触がジュンが襲ってきた。  
肉棒からは先走り汁が出ている。  
 
「ジュン、こんなので感じちゃうなんて…本当に初めてなんだね」  
「ヒカリもそうだろ…!」  
「まあ、初めてなのは確かだけど」  
 
ジュンはヒカリに同じ事をしてきたので大人しくしている。  
ヒカリはクスクス笑うと肉棒を先ほどと同じように舐めた。  
 
「うっ…!うぅ!」  
 
ジュンは耳まで真っ赤にしたまま喘いだ。  
ヒカリは不思議な気持ちを少し胸に残して舐め続けた。  
 
「なっ…なんだって…んだよぉ!」  
 
ジュンの口から甘い声が漏れる。  
ヒカリは一瞬硬直したが、気にせず舐める。が、舐め方が違った。  
肉棒を咥え込み、舌を器用に使いながら吸い付いて来たのだ。  
 
「うぁっ…あっ…あぁっ……!」  
 
ジュンの肉棒がビクンと反応する。  
もうそろそろ限界なのか、亀頭の間に雫が溜まっている。  
ヒカリはラストスパートを掛ける為にジュンの肉棒を思い切り吸い上げた。  
 
「ああぁぁぁぁ!!ヒカリィィ!!」  
 
ジュンはその時の感覚があまり分からなかったが、熱い精液が自分の肉棒から放たれたのは覚えている。  
ヒカリは一度精液にむせたが、何とか味を押しのけて飲み込む。  
ジュンは荒い息をしながらその場にへたりと座り込んだ。  
 
「はぁ…はぁ…」  
「ジュン…大丈夫?」  
「ああ…」  
 
ヒカリの秘所は愛液でまだ濡れている。  
またジュンの肉棒も勃起している。  
そう、二人とも1つになる準備が整ったのだ。  
 
「ヒカリ…本当に良いんだよな?」  
「良いって言ってるでしょ、早く入れてよ」  
 
ヒカリは再び股を広げる。  
ジュンは首を縦に振って、自分の肉棒を軽く握った。  
そのまま、肉棒をヒカリの秘所に近づけた。  
ぴたりと、二人の物が密着する。  
 
「じゃあ、行くぜ…?」  
「うん」  
 
ジュンが股部に力を入れる。  
ヒカリとジュンはその瞬間に声を出した。  
 
「大丈夫か?」  
「平気…」  
 
ヒカリが辛い表情を少し残して笑顔を作る。  
ジュンも初めて体験する締め付けに戸惑っているようで、わたわたと股を動かしている。  
 
「…」  
「…?」  
「…よいしょ…と」  
 
ジュンは暫く沈黙した後、少しスピードを付けて自らの肉棒を引き抜く。  
ヒカリはそれに驚いてジュンを見上げている。  
 
「やっぱり…だめだ!!」  
「えっ」  
 
ヒカリは訳が分からなくなって、硬直した。  
ジュンはその場に座り込む。  
 
「オレとヒカリは…ただの…幼馴染みなのに…なのに…なのによ…」  
「…」  
「何で…こんなことしなくちゃならないんだ…?」  
 
ジュンの途切れ途切れになっている真剣な言葉と眼差しにヒカリは何も言えなくなった。  
確かに、ジュンの言っていることに間違いはない。しばらくの沈黙。  
 
「それ…は…」  
 
何故に、一日泊まるだけでこんなことをしなければいけないのだろうか?  
受付の人が言っていた言葉を思い出す。  
 
 
『性的行動…すなわちセックスを1回でもして貰わなければいけないのです』  
 
 
理由が全く思い付かない。  
ジュンとヒカリは、顔を見合わせる。  
 
「仕込まれたって…考えて良いんじゃねえのか?」  
 
ジュンは1つの案を口にする。  
ヒカリはその案にイマイチ納得いかなかったが、その可能性もあった。  
いや、本当のことなのだが…  
 
「上手く行ったみたいね」  
「良かった…」  
 
お風呂の窓の近くで、2人が話していた。  
その正体は…ヒカリの友達コウキと、キッサキシティのジムリーダー、スズナだった。  
 
「これでジュンとヒカリが、仲良くなれば良いんだけど」  
「きっと成功するよ。さっき2人ともいい感じだったじゃない」  
 
どうやら仕込んでいたのは、この2人だったようだ。  
コウキとスズナはホテルの人に変装して、ごまかしていたのだ。  
コウキが案内人、スズナが受付、だ。  
ちなみにホテルはスズナが作った本物のホテルだ。  
 
「よし、僕達の役目は終わった」  
「後は明日を待つだけね!」  
 
2人は笑顔で、風呂場を出て行った。  
一方のヒカリとジュンは…  
 
 

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