ぐちゅり、ぴちゃり  
ぶうううぅぅん…  
 
秘境の闇からきこえてくるのは、妖しい水音と、嬌声。そして羽音の様な振動音。  
行われているのは、男と女の、卑猥な遊戯。  
ふたりっきりの、狂わしき、宴。  
 
―狂宴―  
 
「あっ、ああん…、もう、だめっ…許してぇ…」  
「…まだだよ、ダイアン。入れてから10分くらいしか経ってないじゃないか」  
「そんな、バトラー…ああぁんっ!!」  
びくん、と、ダイアンと呼ばれた女性の身体が跳ねあがり、がくりと地面にくずおれた。  
彼女は一糸纏わぬ姿で、秘所には少し短目の、手品で使われるようなステッキが挿し込まれている。  
一方男の方は、きちんと服を着ており、女があえぐのを、そばで眺めていた。  
「もうイッてしまったのかい?ココがもうグショグショだ」  
「はぁ…そ、そんなこと…いわないでぇ…」  
バトラーと呼ばれた男は、ステッキについた愛液を指で掬い取ると、ダイアンの目の前で、ぺろりと舐めて見せた。  
もとから赤みがさしていたダイアンの頬が、羞恥で更に紅潮する。  
「イッた顔も凄く素敵だったよ。だが君は我慢ができなかったね。そんないやらしいダイアンには、お仕置きが必要だな」  
バトラーは、彼女を仰向けにし、おもむろにステッキに手を伸ばすと、スイッチに触れた。  
これから起こる事を予想したダイアンの背中に、ぞくり、と冷たい嫌な汗が流れる。  
「お願い、もうやめて…」  
 
カチッ、ブウウウウウウウゥゥゥンン!!  
 
「いぁあああああああん!!」  
涙混じりの懇願も届かず、ステッキの振動が強くなり、ダイアンは悲鳴ともつかない嬌声をあげた。  
強い快楽に身体が震え、蜜壺からは甘くいやらしい蜜が溢れて、ステッキ伝いに地面を濡らす。  
そんな扇情的な姿に、バトラーは薄く、しかし満足げに笑みを浮かべている。  
「それがそんなにいいのか?自分で胸を触るくらいに」  
「え…?ぁ、ふあぁっ」  
彼女は言われて始めて気が付いた。無意識の内に快楽を求め、自らの胸を揉みしだいていたのだった。  
 
恥ずかしさに慌てて手を引っ込めるが、  
「何故途中で止めてしまうんだい?素敵なショーだったのに」  
遠回しに「続けろ」と言われ、再び胸を弄び始めた。  
ダイアンの華奢な手が、やわらかく豊かな胸に食い込み、滑らかに表面を滑っていく。  
「…はぁ…あっ」  
手に少し力を入れて触れるだけで、丸く大きなマシュマロの様に、変幻自在に形を変えた。  
「あん、やぁっ」  
時折、ピンク色の小さな突起に手が触れると甘い声が大きくなる。  
「あぅん!」  
「ふふふ…ダイアンは本当にいやらしいな」「いやっ、みないでぇ…」  
「そうだ、片手はこうした方が気持ちイイだろう?もっと足を開いて…そう、いい子だ」  
半泣きになりながら訴えるダイアンを無視し、バトラーの要求は更にエスカレートする。  
片方の手を胸、もう片方の手で陰核をまさぐらせ、両足もM字に開かせた。  
「素敵だ、素晴らしいよダイアン。恥ずかしいところも丸見えだ。…ここもさっきより濡れているね。どうやら気に入って貰えたようでよかったよ」  
「………」  
「どうしたんだい、もっと声も聞かせてくれ」  
「…んっ、あっ…はん…」  
「本当に君は淫乱だな。わたしがいないときは、いつもこうやって、ひとりで慰めているのか?」  
「そ、そんなこと…」  
「ないことはないだろう。わたしとのセックスを想像しながら、そこをビショビショにしていたんだろう?」  
「………」  
ダイアンを意地悪く言葉攻めにしながらも、この時点でバトラーはかなり欲情しており、彼の足の付け根には、大きな膨らみができていた。  
すぐにでもダイアンを組み敷いてしまいたかったが、辛うじて抑え込み、快楽と羞恥にあえぎ苦しむ彼女の前で、下着ごとズボンを脱ぎ捨てる。  
案の定、彼の分身は雄々しく勃ち上がり、びくびくと波打っていた。  
「君を見ていたら、わたしがこんなになってしまったよ。君の口で、これを鎮めてはくれないか…」  
バトラーは、少し怯えた様子のダイアンの前に膝立ちになると、己の分身を突き出した。  
 
ダイアンは、振動であまり力が入らない身体を重たげに起こし、おずおずとバトラー自身に両手を添え、口付けた。  
 
ぺろ…ちゅうっ、ちゅっ  
 
始めは周りをちろちろと舐めたり、先端をついばむようにキスをしていたが、徐々に口全体で包み込むように、バトラーの分身をくわえ込んだ。  
歯を立てないように注意しながら、全体を丁寧に舐め上げる。  
ステッキから与えられる快感に耐えながら、ゆっくりと、まるでニャルマーの毛並を撫でるように、ぐるぐる、そしてねっとりと舌を動かす。  
時々、先端が喉の奥に当たったりもしたが、咳き込みそうになるのを抑えて、愛撫を続けた。  
「くっ、イイっ。気持ちいいよ…ダイアン。もっと、もっとだ…」  
彼は恍惚とした表情で、自身へと与えられる快感に身を任せている。  
バトラーに促され、ダイアンは更に強く、口の中で締め付ける様な舌使いで彼を吸い続けた。  
その時。  
 
びくん!  
 
一瞬、バトラーの身体がのけぞった。  
「く…出る!」  
その言葉と同時に、口に含まれたままのソレが膨れあがり、爆発した。  
 
びゅる、びゅくびゅくっ!びしゃっ  
 
「うぐっ…げほっ、ごほぉっ」  
欲望を口中にぶちまけられたダイアンは、生臭さと息苦しさに耐えられず、口を離して咳き込んだ。  
それでもかなりの量を飲み込んでしまったようだ。  
喉の奥に苦味を感じる。  
一方のバトラーは、射精が止まらず、咳き込むダイアンの顔や髪、身体にもぶちまけた。  
 
びゅく、びしゃ、べしゃ…  
 
べとべととした白濁液を全身に浴びせられ、それがもともとの色っぽい容姿とあいまって、ダイアンを更にエロティックな姿へと変えていく。  
そしてようやく射精がおさまり、隣でまだ咳き込んでいるダイアンのほうに向き直ったバトラーは、その瞬間目が釘付けになった。  
ほてって桜色に染まった身体に、まんべんなくかかった白い液体。  
まるでコンデンスミルクをたっぷりとかけた苺のように、ダイアンの身体が艶やかに輝いている。  
すでに我慢の限界を越えていたバトラーの中で、何かがぷつりと音を立てて切れた。  
 
こちらもやっと咳がおさまったダイアンがバトラーを見ると、何故か服を乱暴に脱ぎ捨てながら、こちらへと迫って来ている。  
「ば、バトラー。…今度は、何を…?」  
しかし彼はダイアンの問いには何も答えず、いや、この行動こそが答えだったのだろう。  
たった今口の中に出したにも関わらず、ダイアンの腕を掴み、深く口付け、そのまま地面に押し倒した。  
「ん、んむぅ…ぁん」  
乱暴で無理矢理だが、深く濃厚で、とろけるような甘いキス。  
ダイアンも始めこそ少し抵抗したが、だんだんとされるがままになり、やがて自分からも、ねだるように舌を絡め合う。  
掴まれた腕が離れると、引き寄せるように、バトラーの首に手を回した。  
離れた手は胸へと移り、膨らみを揉みしだいている。  
どれだけの間こうしていただろうか、しばらく経ってようやく、ふたりの唇が、惜しむように糸を引いて離れた。  
「…バトラー?」  
「どうやら、本当に我慢ができなかったのは、わたしの方だったようだ。君を食べてしまいたくて、たまらないんだ」  
「ふふ、そんなに欲しかったなら、すぐに食べてくれても良かったのに」  
「一番好きなものは、最後まで取って置きたいじゃないか」  
「何だか子供みたい」  
「そうかな?それに、君のエッチな姿も、ゆっくり見ていたかったし」  
「もう…バカ!!」  
ダイアンが少し膨れて、怒ったような仕草をして見せると、バトラーも愛おしげに微笑んだ。  
「そろそろメインディッシュの時間だな。…これももう、外すよ」  
言いながら、ダイアンに打ち込まれたステッキに手をかける。  
「お願い、そうして。わたしもこんなオモチャよりも…その…あなたが…欲しいの…」  
恥ずかしいのか、ダイアンは赤面し、うつ向き加減で口ごもる。  
そんな彼女の頬をそっと撫で、バトラーが囁いた。  
「優しくは、できないぞ?」  
「ええ…激しく、して?」  
 
バトラーは、ダイアンの片足を持ち上げると、秘部からステッキを引き抜いて投げ捨てた。  
「ひゃあん!」  
そして間髪入れずに、今度ははち切れんばかりに猛った分身をそこにあてがい、そのまま勢いよく貫いた。  
 
ズブブブッ  
 
「ああっ、ひあああああぁぁぁぁああん!!」  
「…くっ、ううっ」  
襲ってきた快楽に女は叫び、男は顔をしかめた。  
やわらかいはずの膣内が、肉棒をきつく、強く締め上げ、二人を更に高めていく。  
我慢していた分のタガが外れたのか、バトラーは一心不乱に腰を振り続けている。  
本当に、優しくはできなそうだ。  
「はっ、バトラぁっ、やっぱり、あなたが…ぁっ、いちば…ああんっ、イイっ…ぁ…」  
「わたしもだ、ダイアン…くっ、…君の中は…すごく熱くて…はぁ、溶けてしまいそうだ…うぅっ」  
「もっと…奥まで来て…。わたしをめちゃくちゃにして、壊して…ひぁんっ」  
バトラーが腰を打ち付ける度に、ジュプジュプと水音が響き、ダイアンもそれに応えるように、律動に合わせてなまめかしく身体をくねらせ、美しい声で鳴いた。  
まるで獣が体を交えるように、お互いに身体を求め、激しく漁り合っている。  
絶頂は、もうすぐそこだ。  
「わたし…あ…もう、ダメ…イくっ、あぁん、イっちゃううぅ!」  
「わたしももう、限界だ…。一緒に、イこう。…ダイアン、愛している…」  
「ば、バトラぁあああああぁぁぁぁあんんっ」  
「くぁああっ」  
 
ドプッ、びゅくびゅくっ…  
 
ダイアンの中に大量の精液が注ぎ込まれ、ふたりは同時に果てると、その場に力無く崩れ落ちた。  
自然と、肉棒がずるりと引き抜かれ、おびただしい量の白濁液が、蜜壺からドロドロと滴っている。  
ふたりとも、すでに起き上がるだけの体力を失い、生まれたままの姿で眠りに落ちていった。  
『…ダイアン、愛している…』  
幸福感に包まれ、ぼんやりと霞んでいく意識の中で、ダイアンは、果てる時のバトラーの言葉を思い出し、心の中で微笑み、呟いた。  
「バトラー、あなたを本当に…愛しているわ…」  
 
 
Fin  
 
 
 
おまけ 
 
 
翌朝  
 
「くしゅん!」  
「へっくし!…うぅっ、何だか寒気が…。風邪ひいたかな?」  
「ひいてると思うわ。こんな外で一晩中、裸で寝てればね。くしゅん!」  
「何だかお腹の調子も悪いみたいだし、今夜もエッチできるかな」  
「やめときなさい」  
「いや、風邪をひいているからこそ、激しく汗をかいて…」  
「呆れた。わたしはイヤよ」  
「でも今度はダイアンが、わたしを攻める番だし…」  
「今日でなくても、別の日にすればいいでしょう!」  
「そうだ、夜がダメなら、今やろう!」  
「え?…ちょ、まっ…やだっ、バトラー…きゃ、あぁんっ」  
 
かくして、朝っぱらから第2ラウンドが始ま……  
 
バチーン!!  
「痛ぁっ!」  
 
…らなかった。  
 
 
おまけ 終わり  
 

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