前回までのあらすじ。  
 
ヒカリはミクリカップで優勝し奇跡の完全復活を遂げる。  
一方、ジョウトから来たハルカはライバルの優勝を心から祝う一方、  
サトシに対し伝えたいことがあったが、言えずにいた。  
そして、サトシと一緒に過ごせる最後の夜に意を決してサトシの部屋に忍び込むが、  
伝える勇気が出ず、サトシに想いをぶつけることを諦めてその代わりに、  
 
…寝ているサトシにキスをしようと、顔を近づけて……  
 
 
「…ん?」  
「…え?」  
「わわっ!ハ、ハルカ!?」  
「あ、あわわわわ…」  
サトシは考え事をしてて目を閉じていただけで、全く寝てはいなかった。  
気配を感じて目を開けてみると、目の前にハルカの顔がいきなり目に映る。  
ハルカはすぐに顔をどけなければ、…と思ったが、体が全く動かない。諸々の事情を考えれば、当然である。  
 
驚いたことで大声を出してしまい、危うくタケシを起こしかけた。  
とりあえず、このままここにサトシと2人でいるのはまずいとハルカは判断し、  
本当はまずいが宿泊客のいない別の部屋に移動することに。  
ハルカが部屋の中にいると落ち着かないからと言う事で、ベランダに出ることにした。  
テーブルとイスはあったが、2人ともベランダの縁に腕を乗せて寄り掛かった。  
 
「…。」  
ハルカがいきなり泣き出した。  
「お、おい、ハルカ…」  
「ごめんね、全部、わたしが悪いの。最初から、なにも考えなければよかったのに…」  
「…え?」  
「わたしが、わたしが!」  
「ハルカッ!」  
ハルカの両肩を両手でぐっと持つサトシ。ハルカを真剣な目つきで睨みつける。  
「サ、サトシ…」  
「…。」  
「サトシ…」  
「ハルカ。お前が悪いかどうかを考えるのは、俺だ。」  
「!」  
サトシが表情を柔らかくして、言った。  
「どうしてそんなに悲しんでいるのか、言ってくれ。  
 大丈夫。ずっと一緒に旅してきたじゃないか!」  
「サトシ…」  
 
忘れていた。サトシとわたしは、ずっと一緒に旅をしてきた。  
本当に頼れて、信頼できて、弱いわたしをいつも支えてくれた。  
そうだ、なに遠慮してるんだろ、わたし。  
久しぶりに再会できた。今日くらい、サトシに甘えたって、いいじゃない!  
 
「ごめん、ありがと。…わたしのために、そこまでしてくれて…」  
「きにすんなよ。明日でいなくなってしまうんだから、やれることはやってあげたいしさ。」  
(…会えなくなる、からか…)  
会えなくなるから、だから、自分のためにしてくれる。  
ハルカという存在が理由じゃないのか、そう考えて、少し落ち込んだけど。  
「どうした?」  
「ううん、なんでもない。…聞いてね。」  
「ああ。」  
でも、それでもいい。サトシが耳を傾けてくれるだけで、わたしは嬉しいんだ!  
 
「…サトシが、ミクリカップの行われるリッシ湖方面に向かっていることを、ウツギ博士から聞いたんだ。」  
「ウツギ博士?あの!?」  
「やっぱり知り合いなんだ。」  
「うん、ワカバタウンで世話になったぜ…って、あの人がロケット団にワニノコとられたドジを  
 俺が解決したんだっけ…ははは…」  
懐かしい話である。ただ、本題はそこではない。  
「で、リッシ湖とサトシとの距離を逆算すれば、  
 ミクリカップが始まる2,3日前にリッシ湖に着くって言われた時、ピンと来てさ。  
 つまり、リッシ湖に行けばサトシに会う事が出来るってことじゃない?  
 ミクリカップのリボンはジョウトでも通用するし、だったらシンオウに行こうかなって。  
 すぐさまアサギの港から出発したんだ。」  
「へえ…ん?ちょっとおかしくないか?」  
「何が?」  
「だって今の言い方だと、わざわざシンオウまで来てミクリカップに出たのは、  
 ミクリカップに出たいからじゃなくって、俺と会いたいため、てな言い様じゃないか。」  
「うん…そう。」  
「え!?」  
 
鈍感なサトシにしては、今回の話の流れに対する推理力は素晴らしかった。  
ハルカのセリフの違和感を感じ、疑問を投げつけ。  
…ハルカも、自分に正直な気持ちで、サトシと会いたいから、と言えた。  
 
「えへへ…言っちゃった。…でも、言えた。」  
「な、なんで、俺を…」  
「…。ちょっとその話は置いておくね。」  
「あ、ああ。」  
そのまま言おうとしたが、やはりまだ勇気がなかった。  
話を別方面に移し替える。  
 
「さっそくアサギからシンオウに向かったけど、まだ時間的に余裕があった。  
 だから、進化の岩があるって前々からきいていたから、そこにイーブイを連れていったの。」  
「ああ、そうだったな。」  
「そして、そろそろ着くころじゃないかなーって思って、  
 リッシ湖のポケモンセンターに連絡を入れてみたの。」  
「ああ、ズバリその通りに、俺たちはそこにいた。」  
「…。」  
「…ハルカ?」  
「…言っても、いいのかな…?」  
「ハルカ?…何か言いにくい事情でもあるのか?」  
「…うん、ごめん。サトシだからこそ、言わなきゃいけないかも。  
 今夜は、サトシに甘えさせてもらうって、決めたんだ。」  
「…ああ、言ってくれ。何を言おうと、冷静に受け止めるさ。」  
 
ハルカが深呼吸する。そして言った言葉は、サトシが思いがけない言葉だった。  
「サトシとテレビ電話で久しぶりに顔を合わせた時…ショックだった。」  
「…え!?  
 お、俺、何かしたか?」  
「う、ううん!サトシはわたしのなかのサトシのままだったよ。タケシもそうだった。  
 でも…」  
サトシがだまってハルカを見つめる。  
ハルカもかなり言うのをためらっていたが、覚悟を決めて言った。  
 
「ヒカリがサトシの隣にいて…ショックだった。」  
「ヒ、ヒカリが?なんで?」  
サトシの旅メンバーの紅一点。そういう意味では自分と同じ立場にあるヒカリを見て、ハルカは、  
「こんな子が、サトシと旅をしているのかって。  
 わたし、ウツギ博士からサトシの事ばかり聞いてて、ヒカリの事は何1つ知らなかった。  
 …こんな可愛くて元気な子が、サトシと一緒に旅をしてるって知って、ショックで…」  
「ヒカリが…」  
「すっごく生き生きしてた。テレビ電話越しでも伝わってきた。  
 …カスミも、ヒカリも、わたしも、だれだって、そうなると思う。」  
「ど、どういうことだ?だれだってそうなるって…生き生きするって…」  
 
「サトシはね、女の子を惹きつける、まっすぐな心を持ってるの。サトシは気づいていないかもしれないけど。  
 最初はそうでなくても、サトシとずっと旅をしてれば、どんな女の子だって、絶対にサトシに想いを寄せる。  
 ヒカリも、サトシがいるから、あんな風に生き生きして見える。  
 …その生き生きしたヒカリを見て、あたしは、ショックだった。」  
「ちょ、ちょっとまってくれ!  
 やっぱり、ヒカリに負けたことを…」  
「違う!そんなんじゃない!  
 生き生きしてるって事はね、自分では気づかなくても、サトシに想いを寄せているって証拠。  
 ずっと旅をしていれば必ずそうなるけど、それでもその証拠を見せつけられたらやっぱり…」  
「ハルカ…  
 ヒカリが…俺に?」  
「今はまだ気づいてなくても、ヒカリはこれからもずっとサトシと旅をする、  
 だから、いつか絶対に自分の隠れたサトシへの気持ちに気付くはず!そうなったら…」  
ハルカが泣きじゃくる。  
「わたしは、2度とサトシと会う事が出来ない!」  
「な…  
 で、でも、…今回の様に、また会える日はあるよ!」  
サトシはまだハルカの想いが分かっていない。相当鈍感である。  
でも、そんな性格であることは知っていたから、ハルカはちゃんと言い直す。  
 
「会える機会があったって、わたしはサトシをこの目で見れる自信がない!」  
「…。」  
自分と面と向かって話せない、という意味がようやく分かったサトシ。  
だがそれでも、まだその理由が分からない。  
「いったい、どうして…」  
「ヒカリと両想いになっているサトシを、わたしは見ることが出来ないからよ!」  
恥ずかしくて言えなかった。  
だが、サトシの鈍感にイライラして、もう埒があかない。恥ずかしいという感情を無視して、言い切った。  
 
「俺が…ヒカリと…?」  
「次に会える機会があった時は、絶対に2人とも両想いになってる…  
 もちろん、明日別れた後は、わたしはサトシに会えないから、その運命を変えることはできない。  
 …だから、サトシと過ごせるこの5日間で、何とかして運命を変えようとした!  
 ヒカリの存在を知ったキッサキでそう決意した、今回しか、チャンスがなかったから!  
 …でも、無理だった…勇気が、ないから。」  
「ハルカ…」  
サトシは何も言えなかった。  
自分がまだハルカの想いをよく分かっていないこと。それに対する自分への情けなさで。  
 
「わたしね、これでもいろいろやってたんだ。  
 …すごく陰険ないやがらせで、すごく情けないかも。」  
「え?」  
「…ヒカリの前で、トネリコタウンで…サトシとの最後のバトルでゲットした、分けっこしたリボン。  
 あれをヒカリの前で見せたのはね。わたしとサトシは、こんなにたくさんの思い出を作った、  
 すごく仲のいい、絆の深い2人、ってことを…見せつけたかったの。  
 ヒカリ、あなたなんかより、わたしとサトシの方がずっと、ずっと…って。」  
「ハルカ…」  
「他にも、いろいろプレッシャーをかける言葉をかけようとしたわたしがいた。  
 でも、ポケモンコーディネーターとして、それはできなかった…」  
「!!」  
「だから、実力で、ヒカリを決勝で破って、サトシに…  
 …だけど、負けた…  
 ヒカリが優勝して、それはコーディネイターとして、本当にうれしかった!  
 ねえ、信じて!お願い!」  
「そんなの当たり前だろ!  
 ハルカがヒカリを見る目は、本当にうれしそうだったぜ!?」  
「…だけど…だけど…」  
 
ハルカがうつむいて、静かに言った。  
「女の子として、ハルカとして、わたしは、心のどこかで…」  
「…?」  
「ヒカリの優勝を、ねたんでいたのよ!」  
「!」  
その言葉は、サトシには、信じられなかった。  
まっすぐな性格で、ただひたすらに仲間を信じる。サトシはそんな性格。  
ずっと一緒に旅してきたハルカの存在を、ポケモントレーナーとして信じていた。  
それを信じないという事などサトシにとってはあり得なかった。  
 
そのハルカが、目の前で、大声で。  
ポケモントレーナーとしての存在を、サトシの前で裏切った。  
「ハ…ハルカ…」  
「ごめんね、サトシ、わたしは、こんなはしたない、酷い、女の子なの…」  
「どうしてだ!?俺の知ってるハルカは、こんなことは言わない!  
 ポケモンコーディネーターのハルカは、例えポケモンコーディネーターとして言わなくたって、  
 そんな事を言うはずがない!」  
サトシは、まだ目の前に起こった現実を受け入れられなかった。  
「どうして…なあ、ハルカ、答えてくれよ!頼むよ!  
 なんで、なんで、そんな事…言うんだ…」  
悪魔でも住み着いているのか。  
ジョウトに言ってから、何か変わったのか。サトシは聞かずにはいられなかった。  
…そんな中でもサトシの瞳は、ハルカを信じる瞳のままだった。  
 
「…わたしの想いが!わたしをそうさせたの!  
 ただ、それをサトシに告げればいいはずなのに、その勇気が出なくて!  
 だから、こんな醜い存在になり下がってしまったのよ!」  
「…ハルカの…想い…?」  
「サトシは、そういうことに疎いから、すごく不安で…  
 もし、わたしの想いが届かなかったら…わたし…」  
「ハルカの…想い…」  
もう頭がごちゃごちゃだった。何も分からなくなった。  
たまらなくなった。そして、抱えていたハルカの想いは、胸に収まり切らなくなって。  
心のタンクがいっぱいになって、これ以上耐えられなくなって、  
 
溢れ出した。  
 
「わたしは…サトシが…サトシの事が大好きなの!」  
 
 
今…何が起こった?  
目の前に、ずっと一緒に旅をしてきた女の子がいる。  
いつも明るく、優しく、時には泣いたり、怒ったり。そんな性格。  
そんな感情豊かなおかげで、いろんな思い出を作ることもできた。  
いい思い出ばかりでもなかったけど、そんなのも含めて懐かしい思い出ばかり。  
時に元気づけ、時に助けられ、時に応援し、時に励まされ。  
 
ハルカは、そんな大切な『仲間』という存在。それはもちろん今でも変わらない。  
だけど、ハルカを、異性としては、見ていなかった。  
仲間だと思っていたハルカが、自分を恋愛の対象として、見ていたのである。  
一緒に笑い、一緒に走り、一緒に頑張ってきた、目の前のハルカという名の女の子が。  
 
「ごめんね、サトシ。  
 こんなひねくれた性格の女の子に告白されたって、どうせ嫌なだけ。  
 わたしは、言いたいことは言えた、それだけで、満足だから…」  
ハルカが言いたかったこと。サトシに、自分がサトシを想っていること。  
サトシを想う心を伝えれば、それで満足だった。そのはずだった。  
 
…なのになんでだろ。なんだろうこの虚しさは。  
いろんなことしゃべり過ぎたからかな。ほんとの事、洗いざらい話したせいかな。  
…いや、サトシを裏切るような事を言ってしまったからだ、それに間違いない。  
でもいいんだ、言いたいことは言えたんだ。虚しいけど、欲張りはダメ、これで満足かも!  
 
「じゃあ、わたし行くね?」  
笑顔とともに、別れを言うハルカ。  
「ハルカ!?」  
「…いまからなら、港から出る深夜便に間に合うから…  
 ほんとは明日の夕方のはずだったけど、わたしはもう、サトシに近寄る権利すらないもの。  
 だから、行くね?  
 わたしはコンテスト頑張る。サトシはジム戦頑張って!ポケモンリーグ頑張って!  
 ヒカリと一緒に、いい旅を楽しんでね!」  
振り向いて、駆け出す。  
ジャージ姿だけど、別にいいや。着替えるのもめんどくさい。  
…ううん、サトシのもとから、一刻も早く離れたいのね。  
ポケモンセンターという、今サトシと一緒にいる建物から、一刻も早く。  
部屋に置いてきた荷物のウエストポーチだけとって、行こう。  
 
さよなら、サト…  
 
「…。」  
「さ、サトシ!?」  
ハルカの右肩を、右手でつかむ。ハルカの動きが、止められる。  
「サトシ、は、離して!」  
「…いくなよ。」  
「え?」  
「どこにも、行くなよ!なんで、こんな自分勝手なんだよ!  
 ハルカは、勇気を持って言ったじゃねえか!俺はちゃんと、それに対して答えを出さないと!」  
「サトシ…」  
「大切な、ハルカの為に、その答えを出す必要があるんだ!」  
え?  
大切な、ハルカ?  
大切な『仲間である』ハルカ、じゃなくって?  
 
「サトシ…」  
ハルカが体をサトシの方に向ける。  
自然と肩を持っていたサトシの手が離れる。  
「俺は…」  
何を言われるか、ドキドキした。  
でも、何を言われても、それを聞き届ける覚悟はできていた。  
…サトシは笑顔でハルカの方を向いた。これはさすがに予想外の表情だった。  
 
「…よくわからないや。」  
「へ?」  
「俺のハルカに対する気持ちは、正直わからないや。」  
「え…。」  
「俺の今の気持ちは、正直言って分からない。  
 だから、ハルカの気持ちに、応えることは、出来ない。」  
「…そ、そう…  
 うん、その方が、サトシらしいや、ありがと!」  
肝心の答えは聞こえた。  
虚しさはまだ心に残っているようだけど、もう思い残したことはない。  
さよならを言おうとして、踵を返そうとして、  
 
「でも、受け止めることは、できる。」  
「!」  
「ハルカのその想いを、俺は受け止めたい!」  
「…ど、どどど、どう言う事…」  
「正直言って、俺のハルカに対する気持ちは、わからない。俺がハルカの事を好きなのかどうかは。  
 大切な仲間として見続けてきたせいで、その、いきなり方向転換はできないって言うか…でも!」  
「で、でも…?」  
「え、えっと、その…」  
サトシは、あたしに、どんなふうに言ってくれるのかな?  
言葉に詰まってるみたい。数秒しかたってないのに、すごく長く感じる。  
それだけ待ち遠しいってことなのかな?  
…なんか、嬉しい。サトシに、本当の想いを告げて、さっきは後悔してたけど、  
今は、とてもうれしく感じるかも…  
「ハ、ハルカが…」  
サトシ…顔が赤くなってるかも…  
 
「ハルカが、俺の事を好きって言ってくれたのが、すごくうれしい!  
 俺の事を好きになってくれたのが、すごくうれしい!」  
「サ、サトシ…」  
「俺自身がハルカをどう思っているかは分からないけど、すごくうれしいんだ!  
 だから…」  
 
…なんか、サトシらしいかも。  
自分の気持ちがわからないとかじゃない。  
サトシは、女の子が好きになる、という事がどういう感覚か分からないのね。  
でも、それでいい。恋愛感情に鈍感で、ポケモンに一直線のサトシがわたしは好きなんだから!  
 
「ハルカが俺の事が好きなのなら、ハルカのその想いを、受け止めたい!」  
「サ、サトシ…」  
恋愛感情とかを抜きにして、サトシはハルカの事を可愛いと思っていた。  
可愛くて優しい、サトシがハルカの事をそう思っていれば、…それで何の問題もない。  
「…じゃ、じゃあ…  
 わたしがサトシの事を好きになって、いいって事?」  
「ああ、大歓迎さ、すごくうれしいよ、ハルカ!」  
 
サトシはまだ頭の中で整理がついてなかった。  
恋愛がどういうものか、人を好きになるという事がどういうことかは分からない。  
そんな風に鈍感な反応でも、ハルカは、涙を流すくらいに嬉しかった。  
 
サトシとの距離を縮め、顔をサトシの目の前まで持ってくる。  
くりくりとした可愛らしい目、涙を流しながらも、嬉しそうな表情。  
「ハルカ?」  
「…さっき、ベッドで寝てたサトシの目の前に、突然現れてたでしょ?」  
「あ、ああ、そういえば…」  
「あれね、サトシの、その、唇を、奪う…  
 サトシのね、ファーストキスをね、奪うつもりだったん…だ。」  
 
サトシが驚いた。  
あのまま目を開けてなかったら、ハルカにキスされていたのか?思わず顔が赤くなる。  
 
「奇襲攻撃で卑怯だけど、わたしには、サトシに堂々とキスをする勇気がなかった。  
 でも、今なら…」  
「…ハルカ。  
 俺は、ハルカの、その想いを、受け取るよ。」  
「…うん。」  
サトシは自分の気持ちは分かっていない。だから、ただ喜んでハルカの想いを受け取るだけ。  
自分からハルカの唇を奪おうとはせず、ただじっと、ハルカの唇を待っている。  
ハルカが照準を合わせ、顔を動かす。サトシがハルカの唇を、受け止める。  
 
唇が触れあう。  
唇が触れあうだけの、軽いキス。  
ただ、動かずに、お互いに唇の感触を、確かめ合う。  
 
「!」  
サトシが両腕をハルカの背中にまわし、体を自分の方に寄せた。反動で一度唇が離れる。  
「サ、サトシ…」  
「ハルカの想いを受け止めたい。だから、ハルカの体を受け止めてあげたら、  
 抱きしめてあげたら、その想いを受け止められるんじゃないかって。」  
「サトシ…」  
ハルカもきゅっと抱きつく。  
2人の身長差はほぼ0だが、ハルカにはサトシが大きく感じられた。  
「ん…」  
ハルカがまた唇を奪う。サトシは静かに受け止め、ハルカの頭を優しくなでてあげる。  
しばらくしてまた唇を離すと、サトシにこんな問いを投げかけた。  
 
「サトシは、唇奪われたのは、…初めてだよね?」  
ファーストキスと言ってはいたが、それはあくまでハルカの想像の話。少し怖くなったのである。  
「頬にキスされたのは…何度か会ったけど、唇はないな。」  
「よかったー!」  
「わわっ!」  
思い切りサトシに抱きつく。勢いで倒れそうになったが持ちこたえるサトシ。  
「ん…」  
またキスをするハルカ。  
サトシの唇の感触に、病みつきになっていた。  
 
 
とりあえずは高ぶっていた感情は落ち着いたらしく、2人はイスに座っている。  
「なあ、ハルカ。  
 …その、俺の事、いつ好きになったんだ?」  
「うーんと…旅をしているうちに、いつの間にか好きになったとは思うんだけど…  
 やっぱりサトシと同じで、『仲間』と思っている部分が強くて、  
 なかなか自分の気持ちに気付かなかったところはあるかも。  
 いつの間にか、その気持ちに気付いてて、サトシがすごく愛しくなってた。ただ…」  
「ただ?」  
「あえていつ好きになったかと言えば、…やっぱりマナフィの神殿を救ったときかな。  
 あんな命がけの無茶、わたしは泣きながらサトシの無事を願ってた。  
 でも、そんなポケモンに一直線のサトシが、わたしは好き。  
 あのサトシのまっすぐで勇敢な姿を見て、わたしは自分の気持ちに気付いたのかも。」  
「…ハルカ…」  
マナフィ、か。今も神殿を守り続けてるんだろうな。そうサトシは感じつつ。  
…マナフィが、ある意味本当に自分たちを父親と母親という風にしてくれたのかな、と感じる。  
恋のキューピットとでもいうべきなのか。  
 
「…うん、これで、明日、私は何の心残りもなく帰れるかも。  
 サトシが、わたしの気持ちを受け止めてくれて、わたしの愛を受け取って、感じてくれたから。  
 …ありがと。」  
「…本当にもう何もないのか?」  
「え?」  
サトシがふとそんな事を言い出した。  
「ど、どうして?」  
「いや、なんとなく、ハルカの顔にまだ違和感がある様な…  
 なんかこう、何か虚しさを抱えているような…」  
ハルカがはっとなる。  
そういえば、サトシへの想いは報われたのに、気付かなかったが心の中にほんの少し虚しさが残っている。  
もちろん、先ほどよりそのむなしさは、小さくは、なっている。  
…だが、まだわずかに、虚しさが残っている。  
サトシはまだ私の事が好きじゃないからかな?やっぱり、両想いを渇望しているのかな?  
ううん、たぶん違う。そんな事は求めてない。  
わたしは、恋愛感情のない、ポケモンの事しかいつも考えてないサトシが好きだから。  
 
だとしたら、なんで…  
ひょ、ひょっとして、まさか、わたし、サトシと…  
…え?  
 
「何か思い当たることがあったか?」  
や、やばいかも、表情に出ちゃったかも!  
こ、これは、流石に、な、何とかしないといけないかも!  
「な、なんでもないかも!」  
「…そうか?それならいいけど。  
 …でも、遠慮はするんじゃないぜ?」  
「え?」  
「ハルカの想いや、愛は、全部受け止めたいんだ。  
 ハルカがどんな事を俺にしたがっているかは分からない。  
 でも、それが俺を愛しく想っての事なら、…俺はハルカのその想い、喜んで受け止めるよ。」  
サトシは、目の前で言った。  
聞き間違いじゃなきゃ、わたしは、サトシに何をしたっていいと。  
サトシに、何を願ったっていいと。  
…サトシに恋するわたしに、そう言ってくれた。のかも。  
 
うん!いわなきゃ!  
本当にこれをすれば虚しさが消えるとは限らないけど、  
でもサトシとのそれを願うという気持ちだけは、間違いないもん!  
 
「…ん?ハルカ?」  
椅子から立ち上がり、座っているサトシに横からそっと寄り添うハルカ。  
…そして、サトシのズボンのチャックに手をかける。  
「ハ、ハルカ?何してるんだ?」  
「じっとしてて。」  
「で、でも、そこ開けたらパンツが見える…」  
もうハルカが何をしたいかは分かるだろう。  
だが、ポケモン一直線のサトシには、そのような知識はなかった。  
「…わわっ!俺の…その…ひ、引っ張り出すな!」  
一応、言葉にすると恥ずかしい事であることくらいは分かっているらしい。  
ハルカは静かに言った。  
 
「好きな人にこれをしゃぶってもらうのは、すごく気持ちいいんだよ。  
 そして、好きな人のこれをしゃぶるのは、すごく嬉しい事なんだよ!」  
「ハルカ…そ、そうなのか?」  
「わたしはサトシが好きだから、これをしゃぶって、サトシを気持ちよくさせてあげたい。  
 …これがわたしの想い。  
 サトシが、わたしの想いを受け止めてくれるって言ったから…だめかな?」  
「えっと、この行為にどういう意味があるのかは分からないけど、  
 ハ、ハルカが俺を想ってくれての事なら、よ、喜んで…」  
「あ、ありがと、サトシ…」  
お互いを見て、顔を赤くして恥ずかしがる。  
サトシの陰茎はすでに、自身を主張するかのように、大きく固くなっていた。  
「でも、恥ずかしいから、部屋の中ででいいか?」  
 
 
ベッドにサトシを座らせ、ハルカは膝立ちをしてサトシのものを舐めてあげる。  
「なんか…気持ちいいな…」  
「よかった…わたしも、詳しくは分からないから…」  
一方、ハルカはそういう知識はある程度知っていた。  
サトシほどポケモン馬鹿ではない、10歳の純情な女の子。  
とはいえ、それ系の本やビデオを買ったりはしないので、詳しいテクニックは分からない。  
どこかでふと聞いた、うろ覚えの知識を総動員して、舌や口を動かす。  
 
それでも、同い年の、好きと言ってくれた可愛い女の子にやってもらってるという感覚だけで、  
サトシには十分すぎるほど効果抜群だった。  
「な、なんか…少し感覚がなくなってきたんだけど…」  
「ふふ、感じてきたのかも。」  
「感じる…って?」  
「…そうね、こういうこと、かな。」  
くわえていた陰茎を離して、素手で持った。そして、  
 
「…う、一気に、しびれが…」  
「えへへ、気持ちいい?これを感じるって言うんだよ。」  
「か…感じる…?」  
手で素早く扱く。サトシが初めて味わう、感覚。  
ハルカがサトシの表情を見て、微笑んでいる。  
 
「ハ、ハルカ、ちょっと!」  
「ど、どうしたの?」  
「ちょっと、いったんストップ!トイレに行ってくる!」  
サトシは限界に近付いていくが、それを尿意を勘違いした。  
ハルカがクスクスと笑い、手を動かし続ける。  
「ハ、ハルカ!?」  
「いいんだよ、それで。そのままわたしに、かけて。」  
「ちょ、ちょっと!」  
逃げようとするサトシの腰を、片腕で捕まえる。  
「つかまえたかも!」  
「は、ハルカ!」  
「出すまでは、逃がさないかも!」  
「だ、だめだって…うあっ!」  
出そうになるが、必死にこらえる。ハルカにおしっこをかけるなんて、絶対にやってはいけない。  
だが、ハルカはさらに攻勢を強める。  
 
「あ、先っぽから、出てきたよ。」  
「え!?わわっ!」  
先っぽから透明な液。当然サトシはおしっこと勘違いする。  
ハルカは、いったん手を止めてそれを舌先で舐める。  
「な、なにやってんだよ、ハルカ!」  
「んふふ、これはね、おしっこじゃないの。ガマン汁、っていうのよ。」  
「が、ガマン、汁…うあっ!」  
再びハルカの手が動き始める。  
「ガマン汁ってのは、もうすぐ出るって時にその前触れとして出るの。  
 …いつでも、出していいからね。」  
出していいといわれても、サトシは戸惑う。  
でも、体は正直。体がしびれ、おかしな感覚に襲われ、サトシの、初めての射精のときがくる。  
 
「う、うあ、うああああ…!」  
(そ、そろそろ出るかも!)  
だが、ハルカは口に咥えなかった。  
全身でサトシを受け止めた、自分のエッチな姿を、見てもらいたくて。  
 
「な、なんだ、この感覚…ああああっ!!」  
サトシが、自らを解放した。  
白濁の液が、ハルカの顔や服にかかる。  
 
「はあ…はあ…は、ハルカ!ごめん、おしっこ、かけ…え?」  
「んふふ、おしっこじゃないよ、これ。」  
「な、なんだ、これ…白いよ、これ。」  
「えへへー。これはね、気持ちいい時に出る、精液っていうものなの。」  
サトシが目をぱちくりさせる。  
自分は、こんなものを持っていたのか、と。  
 
「…ぺろ。」  
「な…え?何舐めてるんだ、ハルカ!?」  
「…苦くて、しょっぱいかも。でも、すっごく濃い味かも。」  
ハルカが何を言っているのか、まったく理解できないサトシ。  
「おいしいよ。」  
顔が赤くなる。  
ハルカの言ってる意味はわからない。  
でも、なぜか嬉しい。自分の体の一部だったものを、嬉しそうに味わってくれているからだろうか。  
 
「…えっと、その…」  
「ん?何をして欲しいのかな?」  
ハルカがサトシの目の前でわざとらしい笑顔を作る。  
自分の体を犯したい、そう言うだろうと、ハルカは期待していた。  
「このあと、どうすればいいんだ?」  
(…あれ。)  
期待は見事に裏切られた。  
ただ、当然と言えば当然である。サトシはセックスという言葉すら知らないのだ。  
 
しょうがないなあといった顔で、ハルカはジャージを脱ぎ始めた。  
「え!?は、ハルカ?」  
「…サトシの大事なところも、出してくれたでしょ。今度は私の番。」  
肌着とショーツだけの姿になる。  
女の子の裸を見ることがエッチな事だとは流石に知っていたから、自然と頬が赤くなる。  
…ただ、何をいればいいのか、わからなかったが。  
 
そして、すべてを脱いで、すっぽんぽんになる。  
「どうかな、わたしの裸、綺麗かな?」  
「…。」  
何も言えなかった。  
裸に興奮しているわけではない。これからの事を想像してもいない。  
ただ、一緒に旅をした目の前の少女が、自分の前で嬉しそうに裸になっている。  
サトシは、ただそれだけの理由で、何も言えなくなったのだ。  
 
「…あはは、サトシは鈍感だから、そんなこと聞いてもわからないか。」  
「…。」  
「サトシ?」  
「この裸、ハルカの裸なんだよな…  
 ずっと一緒に旅をしてきた、あのハルカの、裸、なんだよな…」  
「…私のおっぱい、大きいかな?」  
「…わからない、わからないけど、でも…  
 すごく、不思議な感じがする…」  
ハルカの胸は、10歳の少女にもかかわらず、普通の大人の女性くらいあった。  
だが、サトシはそんな事は考えていなかった。  
ハルカのおっぱいが見られたことに、感動を覚えていた。  
性的な興奮とかではない。旅の途中も決して見せなかった、ベールを取り去った事に感動していた。  
 
不意に涙がこぼれる。  
「さ、サトシ!?」  
「もう、今度こそ、当分会えない。  
 ハルカと過ごせる最後の最後になって、ようやくハルカの事を知ることができた…  
 そんな気がしたら、なんか、俺…」  
 
さ、サトシは、わたしを、そんな風に見てくれたの…?  
わたしは、好きな人と一緒に、性を楽しみたくて、サトシにいろんなことをした…  
でも、サトシは…全然違う!  
 
「…うっ…うっ…」  
「ハ、ハルカ?」  
「なんか、自分が、情けなくなって…  
 サトシは、そんな風に考えていてくれていたなんて…」  
「え?」  
「わたしなんか!ただ好きなサトシと性的な関係になろうとしてただけかも!  
 そんなの、まっすぐでひたむきなサトシに対して、好きになる資格なんてない!」  
「ハルカ…」  
「ごめんねサトシ、辛い目なんかに合わせて、ごめ…!?」  
サトシがハルカをきゅっと抱く。  
 
「俺には、ハルカがいままでやってきた事が、  
 …その、エッチな事、という意味ではどう言う意味があるかは分からない。  
 でもさ、俺が好きだから、やってくれた事なんだろ!?」  
「そ、それは、…そうだけど、  
 でも、純粋でまっすぐなサトシに、そんな不純な事をやってはいけなかっ」  
「だったら、それでいいよ!  
 ハルカなりの、俺への愛なんだろ、それが!  
 だったら、それでいいんだ!」  
「サトシ…」  
「ハルカがどうして裸になったのかは分からない。  
 俺はハルカが自分の事をもっと知ってもらいたいからだ、と思ったが、どうやら違うらしい。  
 でもさ、ハルカが俺を愛して、俺がそれを受け取った、それだけは間違いじゃないだろ!?」  
「う、うん…」  
サトシの顔が、柔らかい表情に戻る。  
微笑んで、ハルカに静かにやさしく言った。  
「…ハルカ、俺はどうすればいいんだ?  
 ハルカは俺に、その裸をどうしてほしいんだ?  
 …どのように愛を受け取ればいいんだ?…俺は、その方法を知りたいな。」  
「サトシ…サトシぃ!」  
純粋なサトシが、好きだった。  
性に対して無頓着で非常識なサトシが、愛おしく見えた。  
こんな純粋なサトシと…ハルカは、身も、心も、繋がりたくなった。  
 
「ん…」  
2人はベッドに座り、サトシはハルカに言われたとおりにやる。ハルカの愛をすべて受け取るために。  
おっぱいを片手で揉みつつ、乳首に吸いつく。  
赤ちゃんがおっぱいを飲むということくらいは知っていたから、  
自分と同い年の女の子のおっぱいを飲むというのは、  
同い年なのに赤ちゃん扱いされる感じもあったが、人間の本能がおっぱいに夢中にさせている。  
「ちゅく…ん…」  
母乳が出るのかな、と思いつつ吸い続ける。赤ちゃんのように吸い続ける。  
「…ハルカってさ、俺と同い年なのに、おっぱいがおっきい…」  
「そう?…嬉しいかも。」  
「なんでだろ、俺は子供なのに、ハルカは、もう大人みたい…  
「おっぱい、おいしい?」  
「うん…ハルカのおっぱい飲めるなんて、…幸せ。」  
サトシもさすがにおっぱいを飲むことがどう言う事かくらいは分かっている。  
だから、ことこれに限っては、おっぱいを飲めること自体が楽しいと言っているのかもしれない。  
何も知らないサトシにとっては、禁断のエッチであり、なにも出なくてもおいしいと感じれる。  
 
…もっとも、これが禁断のエッチなら、(法律的には一応禁断だが)  
これから行われる行為はいったいどう表現するつもりなのか。  
 
「…ねえ、サトシ。  
 そろそろ、…別のところも、しゃぶってみない?」  
「え?えっと、…どこをしゃぶればいいんだ?」  
「さっきわたしがサトシにしゃぶってあげたのと同じところ、…ほら。」  
ハルカがベッドの上に座り、そして股を開く。  
「ハルカの…おちんちん?」  
「ほんとはもっと別の言い方があるんだけどね…  
 ま、サトシは知らなくてもいっか♪」  
「?」  
「ま、いいからいいから、言う方も恥ずかしいかも。  
 …でね、ここに顔を近づけてみて…」  
そう言われるがまま、サトシは姿勢を低くして、ハルカの陰唇を見つめる。  
「…あれ、ハルカ、おしっこ漏らしてるんじゃ?」  
「ち、ちがうかも!  
 サトシとエッチな事すると、こうなっちゃうの!サトシで言う、ガマン汁のようなものかも!」  
「えっと、ああ、あれか。」  
サトシとの行為で感じて愛液でとろとろになったハルカの陰唇。  
その愛液に対し、サトシはとんでもない事を言った。  
ある意味、いやらしく『濡れてるねえ』と言われるより、恥ずかしい。  
 
「…えっとね、そこ、舐めてほしいかも。」  
「え?ハルカの、おちんちんを、な、舐めるのか?」  
「さっきサトシのを舐めたでしょ、それと同じこと。  
 …お願い。」  
一瞬戸惑ったが、この濡れてるのはどうやらおしっこではないらしい。  
そしてハルカがやってほしいというのだ。意を決して、ハルカのために、口から舌を出す。  
 
「ん…」  
サトシがペロペロなめ始める。  
愛液をなめとるようにやさしく。ハルカの小さな喘ぎ声が聞こえてくる。  
「サ、サトシ、わたしのおちんちんを、開けてみて。」  
「え?」  
「扉を開ける様に、指を入れて横に動かして…」  
「こ、こうかな?」  
サトシがハルカの恥丘をあける。  
ハルカの恥丘はかなりむちっとして肉厚だったので、恥丘を開けて初めて陰唇が見える。  
「お、女の子の…おちんちんって…こんな感じだったんだ…」  
サトシはもともとそう言うのに興味がないことも手伝って、  
女の子の性器に関しては筋が一本ある、という事しか知らなかった。  
なので、もう1枚の扉、すなわち陰唇の存在に驚く。  
 
「そこも…舐めて。ピンク色に染まって、濡れてるでしょ…?」  
「あ、ああ。」  
サトシが恐る恐る舐めてみる。  
「んあ!」  
恥丘とは段違いの気持ちよさ。思わず体がビクつく。  
「あ、あのね、サトシ!  
 こんどは、その中に舌を入れてみて!」  
「こ、こうか!?」  
サトシの舌が、ハルカの中に入る。  
舌を動かすと、中が掻きまわされ、ハルカの様子が一気におかしくなる。  
「あん、ああ!サトシ、もっと!お願い!ああん!」  
サトシも夢中になっている。  
サトシは気づいていなかったが、人間の本性が、ハルカをもてあそべと叫んでいた。  
 
…サトシは、ハルカに何も指示を受けていないのに、  
唇を陰唇の中にいて、唇も使って中も掻きまわし、中から出てくる愛液を吸い取り続けた。  
「あん、サトシ、どこで、そんな事…ああん!」  
サトシをエスコートするはずが、完全にサトシが主導権を奪っていた。  
理性を失い、ハルカの陰唇をただただしゃぶり続ける。  
そして、ハルカは、ついに限界寸前まで。  
「サ、サトシ、激しいよ、大好きだよ、も、もう、いっちゃう、かも…!  
 …ああああああっ!」  
 
サトシに大量の潮がかかる。  
行為に夢中になっていた分、突然の事態に驚き、行為をとめる。  
それと同時に、サトシは理性を取り戻し、我に返る。  
 
みると、ハルカが息を荒げて、ぐったりしている。  
何が起こったか分からず、とにかくサトシはハルカの体を揺らす。  
「おい、ハルカ!だいじょうぶか!?し、しっかりしろ!」  
「はあ…サ、サトシ…」  
「ご、ごめん、やりすぎた!  
 俺、なんかハルカのおちんちん舐めてて…気が変になって…気が遠くなって、いつの間にか…」  
「き、気持ちいいかも…」  
「…え?」  
ハルカがよれよれになりながら上半身を起こす。  
ハルカはいたって普通の事を言っているのだが、サトシにとっては予想外の反応だった。  
戸惑っていると、  
「サトシ、もう一度、わたしのおちんちんに顔近付けて…」  
「え、で、でも…わわっ!」  
サトシの頭を両手で持って、精一杯の力で強引に陰部へと持っていく。  
そのハルカのいい香りに、思わず頭がクラッとする。  
 
「ここ、ちょっと小さくて見えにくいけど、よく見て。」  
ハルカが陰核を包む方皮を指差している。  
何が起こるか分からず見ていると、ハルカが、  
「この中にね、あるものが入ってるの。  
 ここに指を掛けて上に向かって剥いたら、あるものが出てくるから。  
 サトシで言う…えっと、その、おちんちんが。」  
「あれ?おちんちんは、この…割れ目じゃないのか?」  
「サトシは、エッチな事考えると、ここがおっきくなるでしょ?」  
「ていうか、そんな事をさっきされて、実際に大きくなってるけど。」  
実際、サトシの陰茎は大きくはれあがっている。  
「ま、いいから、ここの皮、めくってみて?  
 サトシのおちんちんが皮の中から出てくるように、わたしもおんなじだから。」  
サトシは首をかしげるが、  
それでもハルカの体に興味津々で、言う通りにする。  
…だんだん、ハルカの想いを受け止めたい、という気持ちから、  
ただ純粋に、ハルカを求めたい、という気持ちに変わり始めた。  
 
「…これは?  
 ちいさくて、なんか赤い、…豆のような…」  
「えへへ、普段はもっと小さいんだよ。小さい様に見えるけど、普段の5倍はあるんだよ、それ。」  
「5…5倍ぃ!?」  
もちろん適当に言った言葉である。そもそも、自分の陰核はどうあがいても見えない。  
それでも、大げさに言った方が、自分がどれだけ感じているか、サトシに伝わると考えたのである。  
「…よ、よくはわからないけど…  
 でも、すごく真っ赤で、恥ずかしそうにしてるね…」  
「普段は、もっと薄いピンク…んあ!」  
「えへへ…」  
サトシがつん、と触る。ここに触ればハルカは喜ぶだろう、と分かっていて。  
ハルカが好きなのかどうかは分からないが、ハルカの体を求めていることは間違いない。  
 
別に、ハルカの顔や体が魅力的だから、とかではない。サトシはそんな人間ではない。  
ずっと一緒に旅をしてきたから。だからこそ、もっとハルカを知りたいから。  
ただ、それだけの理由である。  
 
「そこ、舐めて、お豆さんを、舌で転がして…」  
「…わかってる。」  
知識はなくとも、何となくわかってきた。  
この小さな豆を舌で転がすように舐めて…  
「んあ!」  
ハルカが嬉しそうにしている。それが俺にも嬉しい。  
もっと早く、強く、…それでいて優しく。そうすれば、さっきと同じように…  
「ひあああああっ!」  
 
2度目の絶頂。潮が吹き、またサトシの顔にかかる。  
「す、すごいかも…」  
「ハ、ハルカ、満足…できた?」  
不安そうに聞く。  
ハルカと一緒に過ごせる夜は今日しかない。  
だから、ハルカが最高だったといえる夜を作らなければならない。  
 
「えっとね、その…  
 最後に、クライマックスが、待ってるの…」  
「クライマックス?」  
「…ベッドにあおむけになって。」  
読者の皆はハルカが何をしようとしているかもうわかるだろう。  
とはいえ、サトシは知識がないので何が起こるか分からない。  
「…あのね、サトシとわたしが、繋がるの。セックスって言うの。」  
「つ、繋がる?えっと、手をつないだりとか?」  
(…なんでそんな方向に思考が行っちゃうんだろ)  
繋がるの意味が分からないのはしょうがないが、もう少しエッチな考え方をして欲しいものである。  
 
「わたしの中に、サトシのが入り込むの。すっごくエッチなところにね。」  
「え、エッチなところ?」  
「…わたしのおちんちんと、サトシのおちんちん。」  
女の子のおちんちんは、おっぱいより触ってはいけないものだと聞いたことがある。  
それだけ世間的にバリアが貼られている場所、ということだ。  
そんな場所を舐めているだけでもすごい事なのに、  
 
男の子の、大事な場所で、そこをあてがうというのである。  
「……。」  
「あれ?どうしたの?恥ずかしいの?」  
「あ、えっと、…。」  
唖然として、言葉が出なかった。  
「んふふ。ね、お願い。  
 わたしのおちんちん、ちょうどサトシのおちんちんが入りそうな感じでしょ?」  
ハルカが自ら陰唇を開く。サトシが生唾を飲み込む。  
女の子の一番大事な場所。それを、男の子の一番大事な場所で…  
 
サトシがハルカに飛び付く。  
自らの陰茎を手で持って、陰唇の方に亀頭を向けロックオンする。  
「…あ、先っぽが入った?」  
「ああ…」  
「…そうそう、おちんちんの中にね、さらに穴があるのよ。…そこに。」  
恥丘の中に陰唇があり、陰唇の中に膣がある。そこにサトシをいざなう。  
膣の中に亀頭を少し入れた事により、膣への陰茎のルートが固定された。  
それを感触で確認し、そして、一気に入れた。  
 
「んあっ!」  
「…き、気持ちいいのか?」  
当然ハルカは処女だったので、サトシにそれをささげることになる。  
処女の初めては痛いものだが、それを少しでも和らげるためにゆっくりとやるのが優しさ。  
 
だが、サトシは一瞬で一気に奥まで突っ込んだ。  
性の意識がないのと、先ほど激しくハルカの性器をしゃぶっていたことにより、  
それでハルカが快感をえていたので今回も激しくやるものだと思い込んでいたのである。  
 
「つうっ!」  
「ハルカ、気持ちいいのか?」  
明らかにサトシの方に問題があるが、サトシを傷つけたくないと、必死にこらえている。  
「う、うん、気持ち…ううっ!」  
「ハルカ?」  
最初は快感のあまり声が出ていないものだと思った。  
だが、ハルカが目をぎゅっと閉じ、涙を流すその姿を見て、違和感を感じだ。  
ハルカと長いこと一緒に過ごしていたので、何となくわかる。  
これは嬉し涙じゃない、悲しい時に出る涙、だと。  
 
そしてそれは確信に変わる。  
「…なっ!?血だらけだ!」  
(し、しまった、ばれたかも!)  
このままでは、いや間違いなくすぐにでもサトシは陰茎を抜いてしまうだろう。  
そうなれば、自分への罪悪感、そして自ら受けた恐怖で、二度とセックスしてもらえない。  
…という結論にたどり着く前に、先に体が動いていた。  
 
「や!だめ!離れないで!」  
サトシは結合部から出るハルカの血を見て、やはりすぐに抜こうとした。  
だが、それより早く、ハルカがサトシに抱きつく。  
「な!?い、痛いんじゃないのか!」  
「そ、それは…」  
「苦痛を味わってまで、こんなことする理由は」  
「ある!」  
サトシが言い終わる前に反論する。  
「今抜いたら、サトシはもう、永遠にわたしとセックスしてくれない…」  
「あ、当たり前だろ!こ、こんな痛いことしてまで、やる理由はないだろ…」  
「ううん、痛いのは、最初だけ。ほんとは、すごく、気持ちいいことなの。  
 でもいくらサトシに説明しても、今抜いたら、きっと永遠にしてもらえないと思う。」  
「…は、ハルカを泣かせたから、当たり前だろ…」  
サトシの口調が弱まる。  
ハルカはそれを見逃さなかった。  
 
「…うあっ!ハ、ハルカ!?」  
ハルカが腰を動かす。サトシに、たとえようのない快感が襲う。  
「や、やめろ、痛いんじゃ」  
「痛いけど、サトシと一緒になれることが、嬉しいの!」  
 
…思い出した。  
俺はいつの間にか、ハルカの体を求めていた。でも、そんなの違う。  
そうだ、俺は、ハルカの愛を受け取る義務がある。  
例え痛みと引き換えてでも、俺とつながって一緒になることがハルカの想い。  
それがハルカの愛の形なのなら、俺は受け止める義務があるんだ。  
 
「ハルカ…一度止まってくれ。」  
「え?」  
会館で言葉が出にくくなっていたが、何とか絞り出す。  
ハルカが動きを止めた。もっとも、サトシを逃がさぬようにしっかり抱きついたままだが。  
 
「どうすれば…ハルカの痛みが和らぐ?」  
「え…さ、サトシは気持ちいいんでしょ?だったら…」  
「…。」  
サトシの真剣な目。  
ハルカはびくっとして、そっぽを向いた。  
「ある程度痛いのはしょうがないかもしれない。  
 こんな馬鹿をやった俺がハルカを心配する資格もないかもしれない。  
 でも、それでも、やっぱりハルカを傷つけたくない、だって、俺は…」  
 
…え?  
…俺、今、何を言おうとしていたんだ?  
さっきから俺、ハルカに対して、想いを受け取るとかばかり言ってるけど…  
…こういう事なのか?もしかして、こういう事なのか?  
 
「腰をゆっくり動かして。」  
「え…?」  
「わたしが腰を動かした時、すっごく気持ちがよかったでしょ?  
 セックスって、おちんちんが全部抜けてしまわない程度に抜き入れするものなの。  
 …激しくする方が本来は気持ちいいけど、最初のうちはまだ激しい方が激痛がするから…」  
「ゆ、ゆっくりだったら、少しは和らぐんだな?」  
「うん。そのかわり、今度はサトシが中途半端な快楽しか得られず疼くことになるけど…」  
「いいんだよ、そんな事。  
 たとえ中途半端でも、ハルカに気持ち良くしてもらえることが、嬉しいんだ。」  
「えっ」  
それってどう言う事…と聞く前に、サトシが腰を動かし始めた。  
まだ痛みはあるが、先ほどよりだいぶ和らいだ痛みである。  
 
「大丈夫…か?」  
「う、うん…まだちょっと痛むけど、大丈夫、かも。」  
サトシが腰を動かし続ける。ハルカの体をいたわるように、ゆっくりと。  
おかげで、痛みはほとんどなくなり、しびれるような快楽がハルカを襲う。  
「サ、サトシ…今度こそ、大丈夫。  
 …そ、その、もっと激しく、して欲しい、かも。」  
「ああ、わかった。だけど、痛かったらちゃんと言ってくれよ?  
 俺は…」  
「…え?どうしたの、サトシ…あんっ!」  
 
サトシがまた何かを言いかけそれをとめた。  
ハルカがその続きを聞こうとするが、それを遮るようにサトシは激しく腰をふり始めた。  
「んああ!サ、サトシ、き、気持ちいいかも!」  
「ハ、ハルカ…」  
もうかなり長いこと情事が続いているので、  
1回射精しているとはいえサトシの限界はすぐそこまで来ていた。  
 
「な、なんか、さっきの…なんだっけ、え、えーと?」  
「言わなくてもいいよ。  
 サトシがどうなるか、知ってるから。」  
「…え?」  
ハルカが預言者のように思えた。  
まあ、確かにその予言は当たるのだが。  
「いつでも、出していいから。」  
「わ、わかっ…っっっっっ!」  
声が出なかった。  
あまりの快楽に、ただただ溺れることだけしか、できなかった。  
精液が、サトシが、ハルカの中にたくさん入っていった…  
 
「なあ、ハルカ?」  
「えっと、なあに?」  
2人はベッドの上でぐったりとしている。ちなみにまだつながったままである。  
「俺の事、…えっと、マナフィの神殿の一件で、好きになったって言ったんだよな…」  
「う、うん…」  
「…あの事件が終わって、ハルカと一緒にいられたのは、ほんのわずかだったよな…」  
「…そうだね。」  
「時間の神様は、残酷だぜ。」  
ハルカは何も言えなかった。  
実際、マナフィと別れてから、サトシと別れるまで、本当にその間の時間は無い物に等しかった。  
いままでずっと長いこと一緒にいたせいかもしれない。  
だから、その想いを伝える覚悟が出来ないまま別れたのは、ある意味当たり前だったのである。  
 
「…この5日間じゃ、…サトシに想いを伝えるのが精いっぱいだったかも。」  
「え?」  
「…サトシは、まだわたしの事を好きになったわけじゃないもの。わたしの、片思いかも。」  
実は、ハルカはひそかにサトシに期待していた。両想いという期待を。  
だが、サトシの考えは、変わってはいなかった。  
「ああ、ごめん。  
 …俺はまだ、ハルカの事を、…好きになっては、いない。」  
恋愛というものが何か分からない。  
それ以前に、仲間として見過ぎていた故、恋愛対象として見るのには時間がなさすぎた。  
「…旅が終わる前に言えたらよかったのに。」  
「俺も…そう思う。  
 ハルカの想いに、もっと早く気づいてあげられれば」  
「こーゆーのはね、女の子から言うものなの!  
 わかる?サトシがそーゆーこと言っちゃだめ!」  
「あ、ああ…」  
そんな事はない、というより、こういう言い方の方がいい、  
ずっと一緒にいたハルカは、ちゃんとそう言う事は分かっていた。  
 
 
「…なあ、ハルカ。  
 確か、俺とヒカリが、両想いって言ってたよな…」  
「う、うん…」  
「…明日はハルカといられる最後の時間か…  
 うん、やっぱりやらなきゃだめだ。」  
「え?」  
「ハルカ、今から俺が言う事に、絶対に反対しないと、誓えるか…?」  
「…。」  
真剣なまなざしのサトシ。  
何を言うのか分からず、いろいろ想像したが、サトシの言葉は予想外のものだった。  
 
「ハルカと、ヒカリと、俺と、…3人で、デートしないか?」  
「…!?」  
 
デート。それだけなら、喜んで賛成していた。  
でも、ヒカリも一緒に?どう言う事?サトシ…  
 
「俺たちのこれからのため。そのために、明日は3人で過ごしたいんだ。  
 …ダメか?」  
 
よくわからないかも。  
…でも、サトシは何か考えがある。絶対、わたしを裏切るような事はしない。  
サトシはわたしを信じてくれた。何を迷う事があるの、私だって、サトシを信じなきゃ!かも!  
 
「ううん!3人で一緒に、いい思い出を作ろうよ!」  
「…ああ!」  
ハルカはサトシの唇を奪う。そして、疲れからか、  
お互いを抱いて繋がったまま、徐々に深い眠りについていった。  
 
「あれ、サトシは?」  
タケシがベッドから起きると、横にサトシがいないことに気付く。  
(先にトレーニングのために出かけたか?  
 いや、今日はハルカと過ごせる最後の日だから今日ぐらいはオフにするはず、  
 というか、サトシが俺より早く起きるなんてそうはあり得んような…)  
とりあえず洗面を済ませいつもの服を着る。  
モンスターベルトを装着し、ドアを開け、廊下に出る。ふと、右の方を見る。  
「…まさか、なあ。まあ一応…」  
ドアをノック。中から聞こえてきた声は、  
「はーい、どちらさんですかー?」  
「ヒカリー、俺だ。そっちに…まさかとは思うが、サトシはいないか?俺の部屋にいないんだ。」  
「実はこっちも、ハルカがいないのよ。」  
妙だ。  
2人の人間が同時に姿を消した、その時…  
 
ドシン!  
 
「なな、なんだ!?」  
「い、今の地響きは何!?タケシ。」  
「俺の逆隣りの部屋だ!ちょっと行ってくる!」  
 
 
一方。  
「いてててて…」  
「サトシ…痛いよ、もう!どう言う寝像してるのよ、コンテスト前日といい今日といい!」  
「わりぃわりぃ、昔からそうじゃないか。  
 …って、俺とハルカが隣同士で寝たのは初めてか。」  
いつも野宿の際サトシとハルカの間には必ずマサトがいた。  
ベッドで寝る時もサトシとハルカが隣り合うベッドで寝たことはない。  
「んもう、抱きついたまま寝るんじゃなかった!」  
抱きついたまま寝ていたので、当然サトシが右に行けばハルカも右に行く。逆も然り。  
そして、寝像の悪いサトシならベッドから転落することも十分考えられる。  
すなわち、ハルカは巻き添えを食らった形になったのである。  
 
ちなみに繋がったまま寝てもいたのだが、幸い両者の股間にはダメージはなかった。  
ただ、もはやそんな事は問題ではなかった。  
「だれかいるのか?」  
「タ、タケシ!?」  
(まずい、声を出すな!本来今日ここにはだれもいないんだ、すぐに去るはずだ!)  
 
「…あれ、確かにここから音がしたような…  
 でも、今日この部屋に客はいないはず、別の部屋かな?たぶんそうだと思う…」  
タケシの独り言が聞こえる。  
とりあえず2人とも安心する。  
お互い繋がった状態で抱き合ってるところを見られたら、非常にまずい。  
なのに、緊張のせいで、金縛りにあいお互い繋がったまま動けない。…が、  
「いや、念のためだ、侵入者かもしれない!」  
(な!?)  
(嘘かも!?)  
「とりあえず行こう、念のためだ!」  
ドアノブが回る。  
2人はドアの正面から見える位置にいた。だが、隠れようにも金縛りにあい動けない。  
(あわわわわ…!)  
(お、おしまいかもー!)  
 
 
「…なあっ!?」  
タケシの仰天の声。  
「こ、これは…これは…」  
タケシのあいた口が、ふさがらなくなっている。顎をがくがくさせ、金縛りにあったように動けない。  
 
…当然であろう、こんな事になったら。  
 

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